ままりんの子連れ旅じたく baby編

“子連れバックパッカー”を夢見る母さんの、子どもといっしょにお出かけ&旅行記。子連れ外出に役立つ情報も満載!

オーストラリアで育児体験 !? (7)

2007-12-17 | 世界で出会った子どもたち
それからお別れまでの約2週間、私たちは平穏な日々を過ごした。

ハンサムボーイ君のお母さんはホテルのレセプションで働いているので、
朝6時から夜10時までのうちの8時間3交代制というシフト。
早番の日などは5時前に起きなければならないし、けっこう大変な仕事だ。

そして彼女の勤務時間が、イコール私の子守り時間。
それ以外の時間は基本的に自由なので、
私は母親が帰ってくるやいなや、たいがいビーチに逃げ込んだものだ。
だって家にいると、ハンサムボーイ君が寄ってきて遊び相手しなきゃならないし…

8時間もワンパク坊主の相手をしていると、けっこう疲れる。
プロレスとか戦闘ごっこみたいな遊びが好きな年ごろ。
「バンバンバン…!」「う~~やられたぁ」なんて、ずーっと付き合ってらんない。

ふいに飛んできたり、思いっきりぶつかってきたり。
3歳の子とはいえ、力加減をよく知らないからほんとコワい。
彼が最初に覚えた日本語は、私の口グセ「イタイ!」「アイタタタタ…」だった。

基本的に遊ぶのは家の中か庭。
ベビーカーもないし、住宅街なので遊ぶところもないから、たまに近くをぶらぶら散歩するくらい。

    
    ↑庭には砂場やブランコ、シーソーもあり、公園みたい。
      オージーの家は庭が広くてホントうらやましい~

        
    ↑家には子犬が1匹。とにかくキャンキャンうるさいし、
      よく人を噛むので私は苦手だった…(犬にもしつけに甘いよう)

オーストラリアは人も空間も生活もゆったりのんびりしていて、
それはそれで退屈なことも多いけど、のびのび子育てするにはいい環境だと思う。

私も昔は「子どもができたらオーストラリアで暮らしたい!」と思ってたんだけどな…
現実はなかなかムズカシイものです。
                                                つづく

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オーストラリアで育児体験 !? (6)

2007-12-16 | 世界で出会った子どもたち
あの風邪の一件以来、私とハンサムボーイ君の関係はきわめて良好に。

あんなに火花バチバチ、“ファク・ユイ!”“クソガキ!”とやり合ってたあのころがウソのように、
彼は “You are my Mama~!”といって私に抱きついてきたり、
I love you~ ”といってキスしてきたり。
まるでアツアツ恋人同士みたい。

あちらの国は愛情表現がストレートなんで、“シャイな日本人”は
3歳の子ども相手とはいえ、ドギマギさせられちゃう。
実際、彼はとてもハンサムだし、たまにミョ~に大人びた表情をするのだ。

     
     ↑ほらね、この魅惑的な目。今ごろ彼はハンサム青年になってモテモテなんだろな~

近頃では彼のこと実のわが子のように愛おしいし、彼も私のことをママのように慕ってくれる。
母親がそばにいるのに、「ままりんと寝る~」といって抱きついてこられたこともあり、
私は彼女に申し訳なく思ったくらいだった。

4週間経って、ようやく分かり合えた。
それはうれしいけれど、ちょっと時間がかかりすぎた。
だって私たちには、もうあと2週間しか残されていない…

ブルームという小さな町で、知り合いも何人かできた。
いつも私の相談にのってくれた、現地在住の日本人女性やその家族。
週末には家族ぐるみで庭でバーベキューランチを楽しんだり、お誕生日パーティに呼ばれたり。

ハンサムボーイ君との関係に悩んでいたときや、英語が話せなくてくやしい思いをしたとき、
彼女たちと話をしているだけで、とても癒されたものだ。

いろんな人に支えられて、ここまでやってこられたのに、この町とももうすぐお別れ…
                                               つづく

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オーストラリアで育児体験 !? (5)

2007-12-14 | 世界で出会った子どもたち
       
       ↑バッドマンに扮するハンサムボーイ君

ハンサムボーイ君のわがままに、相変わらずキレたりイライラしたりする日は続いていたが…
やがて2人の間に、ある転機が訪れようとしていた。

仕事を始めて4週間が経ったころ。
ハンサムボーイ君は数日前から風邪をひいていたが、それも幸い治りかけていた。

でも風邪で甘えグセがついたのか、いつもに増してわがままに磨きがかかる。
朝の6時から「しんどい~」と言って泣きやまなかったり、
かと思えば急にピンピンして、ひどいいたずらぶりを発揮、私をキィィィーーーっとさせた。

しかし、だんだん彼のわがままにも応える気力を失い、私はソファにもたれかかってうなり出した。
う~~~ なんか頭がボーー…っとする。体もだるい…
彼の風邪をうつされちゃったか…

翌日も症状が治まらず、彼の母親が家にいる間はずっとベッドで横になって動けなかった。
ハンサムボーイ君は母から
ままりんは病気だから、いい子にしていないとダメよ」と言い聞かされていたようで、
その日はびっくりするくらい、おとなしくしてくれた。

自分も苦しんだあとで、私が同じように寝込んでるのを見て、つらさを分かってくれたのか。
私が「しんどいから無理いわないで」と頼むと、彼はとても素直に聞き入れてくれた。

2、3日つらい風邪の症状は続いたが、これぞまさに “ 災い転じて福となす ”――

この病気をキッカケに、彼はたしかに変わった。
私を気遣ってか、言うことを素直にきくようになったし、困らせることもあまりしなくなった。
そんなにいい子だとうれしくて、私も彼の要求を極力きいてあげようという気になってくる。

お互いが、お互いの考えを尊重できるようになった。

3歳だから、子どもだから、と一方的にこちらの考えを押しつけてはけないことに
ようやく私も気づいたのだ。

だって彼は、日本と違って「個」を重んじる国で育っている人間。
この国では、自分の意見を持ち、主張できてこそ一人前なのだ。
日本のように、「和」を乱さないよう「個」を抑えこむ教育なんて存在しない。

…と、書きながら、いま私はひどく自分の子育てを省みている。

私はりんりんに、同じようにオトナの論理を押し付けてないだろうか。
早く」「さっさとして」「ダメ、ダメ」「~しなさい」……最近の口グセ。
忙しい毎日をやりくりするうちに、りんりんの主張を封じ込めてしまってはいないだろうか。

子育てってむずかしい。
どこまで“自我”を尊重してあげて、どこから“しつけ”て導いていかなければならないか、
その線引きだっていまだによく分からない。

きっと正解なんてないんだろうけど。。。
                                               つづく


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オーストラリアで育児体験 !? (4)

2007-12-13 | 世界で出会った子どもたち
       
       ↑ビーチで会ったキュートな女の子。次々とポーズをとってくれた

不安だらけで始まったハンサムボーイ君の子守りも、新しい家での暮らしも、
2週間、3週間と経つにつれ、少しずつ勝手が分かるようになってきた。

ハラハラさせられてばかりの危険因子も、よほどの危ないことはしないと分かると、
だんだん目も離せるようになり、生活にも余裕が。

“郷に入れば郷に従え”で、私も彼の要求に「まあ、いいや」とだんだん寛大になってきた。
別に自分の子じゃないし。日本人のしつけ観にとらわれているとこっちの身が持たない――
冷たいようだけど、そう思うことで私は自分のバランスを保っていた。
食べたいものも食べたいだけあげればいいや、と半ばヤケクソ。

だって、彼の食生活はほんとに私には信じがたいもの!
朝は、ピーナツバターを塗ったトースト。ピーナツバター以外は絶対受け付けない。
そして昼も夜も、チキンナゲットとかフライドポテト(しかもファストフード店で買ったもの)が中心!
そういったジャンクフードか、おやつしか食べない。

育ち盛りの3歳の子どもに、こんな栄養のないものばっかりでいいの~~!?

バーガー好きのオージーはこうやってつくられるんだなぁ…とここへきてナットク。
お箸の国”からやってきた私には、ほとんど理解不能。

でも私が少しずつ寛容になってくると、彼の態度にも少しずつ軟化の兆しが…!
3歳の彼は3歳なりに、自分のアイデンティティーを認めてほしかったのかもしれない。

何かにつけてイヤイヤ、自分の我を通すことしかしなかった彼が、
しだいに私の言い分にも耳を貸すようになってきた。

たとえば、先日書いたおやつのやりとりの件。
あんまり食べ物を残すので、“3歳の子に言ったってわかんないだろうなー”と思いつつも、
「あのねー、この世界には食べたくても食べ物がもらえない子どもたちがたくさんいるのよ。
 アナタはゼータクなのよ。食べ物を粗末にするなんて失礼よ」

すると、意外にも彼はとてもびっくりした表情をしている。
どうして食べられないの?
私は一生懸命つたない英語で自分なりに説明したように覚えている。
彼は黙って聞いていた。

そして、それ以来、彼はあまり残さないようになったのだ。

アイスキャンディーも「今日は3本までね」と最初に言って、食べるたびにカウントすると、
約束を守ってそれ以上は要求しないようになった。

ちょっとずつではあるけど、私たちの間に信頼関係が芽生え始めてきた。
                                              つづく

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  当初、2、3回で終わる予定だったこのオーストラリア編ですが、
  シリーズ始まって以来アクセス数は倍増し、予想を上回る反響に驚いています。
  また、バナーをクリックするというひと手間を惜しみなく捧げてくれた方々のおかげで、
  ブログ村の「子連れ旅行」ランキングで1位もいただき、さらにびっくり。
  応援、ありがとうございます! 感謝感激です
  せっかくだからオーストラリア編もじっくり書いていこうと思いますので
  (別にポイント稼ごうなんてコソクなこと…少しは考えてたりして
  これからもお付き合いよろしくお願いします!

オーストラリアで育児体験 !? (3)

2007-12-12 | 世界で出会った子どもたち
        
        ↑ブルームの青空市で。大道芸に子どもたちもあんぐり

オージー(オーストラリア人のこと)の気質を表すことばに
イージー・ゴーイング (easy going)”というものがある。
のんきにいこ~〉〈気楽にやろうよ〉っていう感じ?
タイで言う“マイペンライ”である。

オージーは何かにつけて “easy, easy !
何が起ころうとも “no worries, mate !
  (ノーウォーリー、マイッ と発音しましょう。〈心配いらないぜっ〉という意味)
とてものんきでお気楽なお国がらなのだ。

当然、子育てもアバウト。(もちろん厳しい家庭もあるが)
  良く言えば「自由奔放」   ⇒自己主張のあるしっかりした子どもに
  悪く言えば「させたい放題」 ⇒甘やかされてわがままな子どもに

とくにハンサムボーイ君の家は、その極みだった。
ブルームで現地の人と結婚した日本人女性にもよく相談していたが、
彼女も「ちょっとその家はオージーの家庭の中でも甘やかしすぎのほう」と言ってたし。

そんな環境で育ったハンサムボーイ君の前に、突如現れた
世界一お行儀のよい国”からやってきた私。

なんか分からないけど、ダメダメうるさいヤツがボクのじゃまばかりする――
彼の中ではそう感じたに違いない。

私は私で、この危なっかしいことばかりで目の離せない動物に絶えずハラハラ
オトナの理屈が通らない3歳のガキんちょにいつもイライラ
ストレスはたまる一方だった。

この子をかわいいと思える日は来るのだろうか――
1日1日がとても長く感じたのを覚えている。
                                              つづく

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オーストラリアで育児体験 !? (2)

2007-12-11 | 世界で出会った子どもたち
    
    ↑こちらもブルームの真珠祭りパレードから。べっぴん揃い~

いまパソコンの横に、古ーい色あせたノートが積み重ねられている。
オーストラリアWH中に毎日つづった、旅の日記。
このブログを書くために引っぱりだしてきたのだけど、中を開くのはいったい何年ぶり!?

7月26日
 「…まだ2日めなのに、言うことを聞かないことが多く、不安になる…」
7月27日
 「…言い争いになって、今日ですっかり嫌われたかも。ホントに泣いてしまった。
  こんな調子でやっていけるんだろうか。…」
7月29日
 「…だんだんわがままを発揮してくるし、まったく手に負えない。
  とにかく1週間もつかどうか
…」
7月30日
 「…オーストラリアと日本の子どもの育て方の違いにおどろくばかり。
  彼の母もどうしろとも言わないし、どういうふうに接していいか分からない。
…」
7月31日
 「…言うことを聞かないので、怒鳴ってしまい、そのまま私は自分のベッドに倒れこんで
  “もうイヤ…”と涙をうかべていた。
…」
8月2日
 「…今日もわがままを通して大声でわめき散らし始めたから、こっちもハラたって、
  “このクソガキ、わがまま!ええかげんにせえよ!■*○▼$#…!!”
  と日本語で怒鳴り返してしまった。ちょっとスッキリしたが
…」

これは、ナニーを始めた最初の1週間の日記。
ほんの1文を抜粋しただけでも、私とハンサムボーイ君の“死闘”ぶりがうかがえないですか?

とにかく彼は、何においても自分の我を通し、私の言うことをまったく聞こうとしなかった。
それがお国柄なのか、そういう年頃なのか、私には分かるわけもなく…

たとえば、例をあげよう。
彼がお菓子を「ちょうだい、ちょうだい」とせがむので、あげると半分くらい残す。
それで片付けるとまたしばらくして「アイスちょうだい」。
そうしてまたしばらくすると「おやつ~」。
でもちょっとしか食べない。「食べないなら言うな」とぶつぶつ思いつつ片付けると
また「アイス~!!」とうるさい。

私は、おなかをこわさないか心配して「今日はもうダメ!!」というと、彼はマジキレ。
さあ、闘いのゴングが鳴り響く。
彼はどこで覚えたのか、“ファク、ユイ!”(Fuck you!がこんな発音に聞こえる)を連呼。

そうして“ダメ出し”を重ねるうちに、ハンサムボーイ君は私を敵視するようになり、
関係はますます悪化していった。

子どもの求めるがままに与え続けるのがよいのか、
おやつは1回と悟らせて、むやみに与えないほうがいいのか。――
これを今読んでくださっているママさんがいたら、全員にアンケートして聞きたいくらいです。

もし自分の子なら、私は後者の態度をとるだろうけど、
ハンサムボーイ君の母に聞くと、“欲しいだけ与えていい”と言う。

えーーっ、1日に4本も5本も棒アイスを与えていいの~~!?
3歳の子にぃ !?


子育ての“コ”の字も知らない大学生は、ますます混乱していくのだった…
                                               つづく

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オーストラリアで育児体験 !? (1)

2007-12-10 | 世界で出会った子どもたち
子連れ旅行記、子連れお出かけ情報に加えて、
新カテゴリー「世界で出会った子どもたち」を設けました!

パッカー時代にあちこち旅したなかから、
旅先で出会った “子ども” をテーマに (子連れ旅のブログだしね)、
旅の記憶を綴っていこうと思います。

中には、10ウン年前のけっこう古い旅の記録もあり、申し訳ないんですが…

でも、かの沢木耕太郎氏もバックパッカーのバイブル『深夜特急』をしたためたのは
帰国後(記憶が定かでないが)5年か10年経ってからだったと言うし、いいっしょ。

     ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

私が「世界で出会った子どもたち」のなかで、
まず最初に取り上げなければならないのは、「」をおいてほかにはいない。

それは、まだ私が大学生だったころ。(若っっ!)

私は一大決心をして大学を1年休学、生まれて初めての海外旅行、オーストラリアに
ワーキングホリデー(WH)ビザで出かけた。

西オーストラリア州のパースで1ヵ月英語学校に通ったあと、旅を開始。
初めての海外旅行、一人旅で、見るもの聞くものすること、すべてが新鮮!
パースからちんたらのんびり1ヵ月もかけて北上し、やっとブルームという町に着いた。

ちなみに、ブルームという町を簡単に紹介すると…
   オーストラリアの北西部に位置する、人口1.5万人ほどの小さな町。
   赤道に近く、1年中暑い熱帯性気候。
   古くから真珠養殖業が盛んで、日本からも多くの真珠採りダイバーが移住した。
   町には「日本人墓地」もあり、毎年「SHINJU MATSURI(真珠祭り)」が開かれる。

  ←真珠祭りで。アボリジニのペイントをした子どもたちのパレード

私は、小さいけれど、美しいインド洋に面したこの町がとても気に入り、
無性にここでしばらく働きながら、滞在したくなった。
せっかくのWHだし。一度くらいは海外で働くという体験もしておきたいし。

それで町のあらゆるホテルやレストランに「仕事はないか」とたずねて回った。

しかし、当時日本以上に超・就職氷河期、失業率もフタケタ、というオーストラリアで、
仕事を見つけるのはそうたやすいことではない。
ましてや仕事も少ない片田舎で、英語もロクに話せない外国人に仕事なんてあろうはずもなく…

と悟ってあきらめかけていたころ、なんと仕事が転がり込んできたのだ!

それは“nanny(ナニー)”という仕事。
nannyって、なにー?」と親父ギャグでもなく、マジに聞き返しそうになったくらい、
私の英語力はなかったわけだが。
これは“乳母”とか“子守り”という意味で、要するに、ベビーシッターのことだった。

雇い主の母親は、私がジョブ・ハンティングで訪ねたホテルで受付をしていた女性で、
私が書き込んだ求職票を見て、個人的にコンタクトをとってくれた、というわけ。
人間、どんなかたちで苦労が報われるか、分からないものである。

あれよあれよと話は決まり、私は流されるままに、1ヵ月半ほど彼女の家で
住み込みのベビーシッターを始めることとなった。

そうして私が出会ったのが「」、まだ3歳半のハンサムボーイ君だった。

(えらい前置きが長くなっちゃいましたが、今日はこのへんで…)        つづく


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熱海旅行(3)―日本屈指の温泉街・熱海のいま

2007-12-09 | 子連れ旅行*0歳
熱海って温泉地としては超・有名だけど、考えてみたら一度も泊まったことがなかった。
今回、熱海で乗り換えることもあって、途中下車して初めて熱海散策をしてみた。

熱海駅から坂を下って、海の方向へ歩いてみる。
それなりに観光客もいて賑わいを見せてはいるが、
少しひなびた商店街や廃墟となった旅館の跡など、どうしても“廃れつつある”感は否めない。

なんとなく古くさい感じもするし、やはり観光客は箱根や伊豆のほうに流れてしまうんだろうね。
観光客は年々減少し、最盛期の50%ほどに落ち込んだとか。

そういえばしばらく前に、テレビ東京の「ガイアの夜明け」で
熱海温泉・復活への試みが取り上げられていた。

番組によると、財政難にも苦しんでいる熱海市は今年「観光戦略室」を設置し、
リクルートで旅行雑誌「じゃらん」のリサーチセンター長を務めていた女性を
“観光戦略プロデューサー”に任命、観光再生に向けて新たな取り組みを始めているとのこと。

たしかに、街を歩いていると、一観光客の目からも見ても
“これじゃあ、熱海、マズくない?”と感じずにはいられない虚無感すら漂っている。

また、市は団塊世代向けにリゾートマンション建設をすすめていく方針らしいが、
景観を損なうとのことで観光団体との間に摩擦も生じているそうだ。
今ですら、海岸から見上げると高層建物がにょきにょき、まるでエノキみたいなのに…

栄華を誇った日本屈指の温泉地、いったいどこへ行く。
がんばれ、熱海!
 
でも、熱海の海岸沿いの親水公園デッキなどはキレイに整備されてて、歩いていて気持ちいい。

りんりんはこの日初めて、海とご対面。

    
    ↑ほら、これが海よ! 初めての海はどう映るんだろ…

海岸沿いをずーっと歩き、熱海港からロープウェイに乗って熱海城へ。
するとチケット売り場で「熱海秘宝館+ロープウェイ往復券」の文字が。

全国で秘宝館が絶滅しかかっている今、ここはフツーの観光客で賑わっている。
東京ドーム系列の会社が運営してるとあって、ロープウェイとセット売りしているところが、
敷居が低いというか、なんとも門戸が広くていいじゃないか。
普通の秘宝館じゃ行きづらいけど、ロープウェイの“ついで”だもんね。スゴイ作戦。

ダンナは行ったことがないらしく、行こう、行こうと乗り気。
で、私も初めて行っちゃいました
これだけのものよく集めたなー、と感心するくらいすごいコレクションの数々。
けっこう工夫されていて、楽しかった。

なかなかオモシロイぞ、熱海!

そして時は4月、熱海城はサクラが満開。

    
    ↑お花見スポットとしても人気の熱海城

熱海、捨てたもんじゃない。
ぜひ、元リクルート社員のノウハウをもって、観光復活への階段を登りつめてほしい。
私たちに“また来たいね”と思わせる魅力的な温泉地になってくれることを期待します。

 熱海MAP

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熱海旅行(2)―ママだってたまには癒されたい

2007-12-08 | 子連れ旅行*0歳
そんなわけで、このときの温泉旅行で泊まったのは、
熱海から少し南の「時間を旅する宿 海のはな」という宿。

JR伊東線網代駅から坂をえっさえっさのぼった高台にある。
マイカーのない私たちは、りんりんをだっこして歩いていったので、けっこう大変だったが…

でもその苦労のかいあって、宿からの眺望はすばらしかった。
網代湾が一望でき、夜にはネオンに灯された熱海の街明かりを見下ろすことができる。

全部で7室とこぢんまりとした宿だが(ちょっとペンションっぽい)、
すべて露天風呂つきの客室
しかもおふろはヒノキ、陶器など、それぞれの部屋によって異なる趣。
畳が張っているお風呂もあり、赤ちゃん連れにはいいと思う。
専用露天風呂のほかにも、貸切の露天風呂(無料)もある。

私たちは「月の間」という、丸い信楽焼き陶器でできた大きめのお風呂のある部屋に泊まった。
和室10畳に洋室5畳と、部屋もかなりゆったりめ。
ベランダに配された湯船からは、網代湾を眼下に一望できる。

宿の周りはほんとにふつうの集落で、とくに見るべきものも遊べるところもない。
何をするというわけでもなく、ただのんびりと、時の流れるままに身をまかせるといった感じ。

夕食、朝食とも部屋でいただくので、ほんとにゆっくり過ごせる。
料理は、海に近いということもあって、熱海・伊豆の海の幸がメインの懐石料理。

りんりんは、こちらがゆっくり時間をかけて食べてもおかまいなしに、
そこらじゅうをハイハイして回ったり、持ってきたおもちゃで遊んでいてくれる。
ああ、こんなにゆっくり夕食をいただけるのも、いつ以来だろう。

お風呂が部屋にあるというのは、ほんとうにラクだった。
部屋でりんりんの服を脱がせて、荷物を用意したりなんだりする手間なく、すぐお風呂に直行。
お風呂上りも広い部屋でしたくできるので、あせったり気兼ねすることもない。
そのうえ家族水いらずで、夜景を眺めながらお風呂を堪能できる。
まさにゼイタクの極み~~

ただし流し場がやや狭いのと、身体を洗うとき露天だと4月でも寒すぎるということもあって、
りんりんはさっと湯船で遊ばせる程度にとどめておいた。
露天つき部屋の意外な盲点。夏だと気持ちいいだろうけど、冬は覚悟。

そんなこんなで、初めての露天つき客室の体験の感想は、“ 癒されますぅ (涙)”
小さな子どものいるママには、ぜひおススメしたいですね。

でも同じ料金で、1回ゼイタクな思いをするのと、フツウの宿でも2回温泉旅行が楽しめるのと、
どちらが総合的に癒されるのだろう??

そんな疑問に頭を悩ませたりもするのであった…
                                                つづく


「時間を旅する宿 海のはな」
静岡県熱海市下多賀37-9
TEL:0557-67-2978

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熱海旅行(1)―ゼッタイ、露天風呂付きの部屋

2007-12-07 | 子連れ旅行*0歳
2006年4月、娘・りんりん11ヶ月のとき。
ふたたび温泉に行こうということになった。

それにあたり、私は露天風呂付きの部屋に泊まることをモーレツに主張。
前回の温泉旅行でいろいろ不便な思いをしたので、
やはり赤ちゃんを連れているなら、風呂付き客室に泊まるというぜいたくは、
誰がなんと言おうと許されると痛感したのだ。(こちらも参考に)

たまの温泉なんだから、とことんリラックスさせてくれえぇぇ!

と、思わず悲痛な魂の叫びが喉の奥からあふれてくるほど、
赤ちゃんのいる生活は「のんびり」ということばと無縁。

しかし、事実、露天風呂なんてゼータク品のついた部屋は、高い!
休前日料金で、たまに1万円台(1泊2食1名分)で泊まれる宿もあるけど、
安くてもたいてい数万円、人気のところだと4、5万はする。

いくらビンボー旅行愛好家の私でも、赤ん坊という面倒な生き物を連れているときは話は別。
財布のヒモはいくらゆるんでもOK。
そういうときに都合のいいことばが世の中にはある。
「がんばっている自分へのご・ほ・う・び」

いま、露天風呂付き客室をそなえた宿は増えてきている。
それらを集めた温泉ガイド本もたくさん出ているし、女性誌の特集記事でもたまに見かける。

よく、閑古鳥の鳴く旅館が起死回生をかけてつくるといえば、
この“露天風呂付きの部屋”だったりするし。

でも注意したいのは、露天風呂つきといっても、ほんと千差万別。
行ってみると、小っちゃな湯船が申し訳程度についているだけだったりして、
大浴場のほうがリラックスできた、なんてこともある。

ガイド本やホームページの写真ってうまく撮れていて、よくだまされちゃうもんね。
それでも初めての宿だと、それに頼らざるを得ない。
アタリかハズレか、行ってみてのお楽しみ~、なのだ。

私たちはガイド本や旅行雑誌などで調べ、
アクセスや料金などいろいろ検討した結果、熱海方面のとある宿を予約した。
                                              つづく

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