ままりんの子連れ旅じたく baby編

“子連れバックパッカー”を夢見る母さんの、子どもといっしょにお出かけ&旅行記。子連れ外出に役立つ情報も満載!

子連れ紀の国旅行(11)―熊野信仰の聖地へ

2008-01-20 | 子連れ旅行*2歳 〈和歌山〉
湯の峰温泉からまた山道を通って、いよいよ熊野詣でのクライマックス「熊野本宮大社」へ。
ここは、熊野古道を何日もかけて歩いた人々が目指した、信仰の聖地!

しかし本宮大社にまさに到着というころ、りんりんは発熱のためか車内で眠ってしまった。

やっぱりしんどいのね… クライマックスを逃すのは残念だけど、このまま寝かせてあげよう。
いつの日か“祈りの道”熊野古道を歩いて、その足で本宮大社に参拝しよう。

ダンナと私は、後ろ髪ひかれる思いで本宮大社をあとにした。

そのまま新宮まで、車を飛ばす。
本宮~新宮間の国道168号線は熊野川に寄り添うように走っている。

熊野本宮大社を参拝した旅人たちは、この熊野川を小型の舟で下って
新宮にある熊野速玉(はやたま)大社へ向かったそうだ。
その熊野川は、本宮大社と速玉大社を結ぶ“川の熊野古道”として世界遺産に認定された。

登録を受けて、平成18年から川下りが復活しているという。
3~11月の間、道の駅「瀞峡街道熊野川」の川舟センターから新宮まで、
1時間半の船旅が楽しめるそう。

     
     ↑舟で下ると風景もまた違って見えるんだろうな… ぜひ体験してみたい!

そろそろ新宮駅に到着しようかというころ、りんりんが目を覚ました。
ちょっと眠ってスッキリしたみたい。
私たちはレンタカーを返却する前に、熊野速玉大社に寄ってみることにした。
本宮大社、逃しちゃったしね。

     
     ↑朱に塗られ目にも鮮やかな熊野速玉大社

「りんりんのお熱がさがりますように、早く良くなりますようにってお願いしようね」
私たちは手を合わせ、りんりんの回復を願う。
そして熊野の神さま、今度は畏敬の念を忘れずこの地を参詣させていただきます

たった2日間なのに、山登り、川遊び、そして旅先での発熱など、
いろんなことを経験した2008年最初の旅。
そしてこの熊野の地は、いにしえからの人々の祈りに満ちた精神世界が今なお残り、
知れば知るほど興味は尽きない。

りんりんがもっと大きくなったら、その足あとをたどる聖地巡礼の旅にぜひ出かけたい。

                                             おわり




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子連れ紀の国旅行(10)―日本最古の温泉

2008-01-19 | 子連れ旅行*2歳 〈和歌山〉
宿をチェックアウトし、車に乗り込む。
新宮駅に向かう前に、今日はちょっとだけ寄り道。

渡瀬温泉を抜け、1車線のグネグネ山道をこわごわ進んでいくと、
10分くらいで「湯の峰温泉」に到着。
駐車場に停めて、熱のあるりんりんをベビーカーに乗せて、少し歩いてみる。

    
    ↑こぢんまりとしているが、レトロな温泉街の情緒あふれる

湯の峰温泉は西暦23年に発見された、日本最古の温泉
熊野詣でに訪れた人々は、湯垢離場(ゆごりば)としてこの温泉で身を清めたと言われる。

そして、ここは“子宝の湯”でもあるとか。
90℃近くの源泉が涌き出る「湯筒」の案内板には
多くの方がこの温泉に入って子宝をさずかっています」と書かれているが、本当かしら??

その湯筒のそばには、1日に7回も湯の色が変わるという「つぼ湯」がある。
つぼ湯は、世界遺産のなかでも唯一の入浴できる温泉
ああ、本当は、このお湯に浸かるのを楽しみにしていたんだけどなぁ…

    ←大人2人でいっぱいになるくらいの小さい風呂らしい

30分交替の貸切で、混んでいる時は2、3時間も待つそうだが、
「今なら空いてるから1時間くらいで入れるよ」と受付のおじさん。
残念… 今日は入れないんですぅ
でも、またいつか必ず!

名残惜しいけど、旅はそのくらいがちょうどいい。
見たいものややりたいことを1つ2つ残しておくと、「また次来よう」という気になれるしね。

さて、りんりんも悪化すると大変だし、急ぐとするか。
                                              つづく



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子連れ紀の国旅行(9)―緊急事態発生!

2008-01-18 | 子連れ旅行*2歳 〈和歌山〉
2日目――
今日は、まず湯の峰温泉の「つぼ湯」に入り、熊野三山のうちの2つ「熊野本宮大社」
「熊野速玉大社」に参拝するという、“世界遺産めぐり大計画”をもくろんでいた。

ところが!!

りんりんが熱を出してしまった――!

昨日、宿に着いたくらいから、コンコン、せきが出始めていた。
でも熱はなかったので、とりあえず大丈夫だろうと、仙人風呂に入りに行った。

夜、寝るころにはゴホンゴホン…とかなりせきこむようになってしまったが、
熱は出てないので、とりあえずもっていた気管支拡張テープ(ホクナリン)を貼って寝かせた。
りんりんは気管支が弱く、風邪をひくとぜんそく症状を起こしやすい。
だから、旅には必ずホクナリンテープをもって行く。

そして朝起きたら、恐れていた通り、熱を出してしまった。
38.6度!

山登りでムリさせちゃったのか。それとも仙人風呂で追い討ちをかけてしまったのかも。

あるいは、もしかして…
あの「滝尻王子」での無礼が、熊野の神の怒りに触れてしまったのか――!?
(くわしくは第6話を)

ああ、ちゃんと王子で旅の安全を祈願しとくんだった…
神さま、これもすべて私たち親の不徳のいたすところなんです。
バチを与えるのなら、りんりんでなく私を…! あ、ダンナでもいいんですけど。

赤ちゃんのときから旅行に出かけてたけど、幸い旅先で病気になったことはなかっただけに、
今回の初めての発熱、かなり動揺…。

救いなのは、2歳半になって、すぐに病院にかけこまなくてもよくなったこと。
(赤ちゃんのころは気管支炎や肺炎をよく起こして、すぐ診せに行かなくてはならなかった)
今夜には東京に戻れるし、様子を見つつ帰りの電車に乗ろう。

幸い、りんりんは熱があるにもかかわらず、わりあい元気なようす。
ここから東京までの大移動、りんりん耐えてくれるといいけど…

取り急ぎ新宮駅に電話して、帰りの特急を早い便に変更してもらう。
それでも新宮発13時03分だから、新宮まで1時間かかるにしても午前中時間が余る。

それで、宿のチェックアウトの時間になったら、
本宮温泉郷をぐるりと1周まわって、新宮に向かおうということになった。
それくらいならりんりんも大丈夫かな…
と、最後までエゴを抑えきれない、悪い親でゴメンナサイ…
                                              つづく



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子連れ紀の国旅行(8)―温泉でワイルドに遊ぶ!

2008-01-16 | 子連れ旅行*2歳 〈和歌山〉
        

いよいよやってきました、仙人風呂!
大きさはだいたい15×40メートルくらいらしいが、自然相手なので年によって多少変わるとか。
1000人は入れることから「仙人風呂」の名前がついたそうだ。
単純泉なのだが、けっこうイオウのようなにおいが漂う。

服を脱ぐと、ブルブル…… さすがに真冬に水着はさぶいっ
いそいでお風呂に飛び込む!

ぬるっ!?
…しばらくウロウロ歩いてみると、あっつーい所とぬるい所と場所によって違うのが分かる。

よーく見ると、所どころポコポコポコ……、と
川底から生まれては一直線にのぼってくるかわいい泡たち。
温泉が沸いている~!
その泡がたっているところはあったかい。これぞ正真正銘、天然のお風呂!

仙人風呂は、川底から涌き出る73度の源泉に、川の水を引き入れて40度くらいに調整している。
宿の人に聞いたところ、冬の間は個人が勝手に川原を掘って温泉をつくるのはNG。
穴を掘ると、せっかく調整された仙人風呂のお湯加減に影響を及ぼすのだそうだ。

また、雨などによって増水し、仙人風呂が利用できない日もあるそうなので、
これはもう、天然ゆえに運に任せるしかない。

川遊び未体験のりんりんも、この大自然のお風呂に興味津々。
でも、川底は当たり前ながら石だらけなので、歩くのを痛がってしがみついてくる。
りんりんは「泳ぐ!」とはしゃいでるが、もちろん泳げない彼女を抱えながら
こちらも痛い石の上を移動しなくてはならないので、ひと仕事。

ゆっくり温泉につからせてくれぃ!

そこでダンナと交代でりんりんを遊ばせては、ひとりになって温泉を堪能。
しかし、ほんとにゼータクやなぁ。
深い山々や清流に囲まれ、澄んだ空気の下で、自然の恵みのおすそ分け。
誰もいなければ、真っ裸になってこのあったかい川の水に抱かれていたいくらい。

       

…ついつい、親も子も時を忘れて温泉で遊んでいたくなるが、
温泉に慣れていない小さいお子さんは、湯あたりしないよう、ほどほどに!

最後に、子連れで川湯温泉に入ってみて感じたことを。

まず、川湯温泉には更衣室らしきものはあるが(1枚めの写真の奥にあるよしずの囲い)、
ここで赤ちゃんや歩けない子どもを着替えさせるのはかなーりタイヘン!

なにぶん野性的な温泉なので、設備が整っていない分、準備万端でお出かけを。
子どもを寝かせられる川原に敷くマットとか、サンダルとかあれば助かるかも。

そして、なるべく仙人風呂が目の前の宿(亀屋旅館とか?)に泊まることをおすすめ。
私たちはりんりんの足だと10分くらいかかってしまうところに泊まったので、
帰りの湯冷めが心配でした。

ちなみに駐車場もあるので、立ち寄り可。
ゆっくり内湯に浸かりたいなら、仙人風呂の近くに「川湯温泉公衆浴場」もあります。
                                                つづく




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子連れ紀の国旅行(7)―温泉の涌き出る川

2008-01-15 | 子連れ旅行*2歳 〈和歌山〉
私たちは車に乗り込み、「滝尻王子」をあとにした。
再び国道311号線を、東へ東へ――
りんりんも「川のおふろ、入る!」と、きっとよく分かってないんだろうけど楽しみのようす。

しばらく行くと「牛馬童子像」の案内標識が。
当初はここも立ち寄ろうと思ったところだ。うう…、やはり時間が…。無念。

よく見ると、「滝尻王子」とは違い、観光客であふれかえっている。
え、何? もしかしてここって「滝尻王子」よりもハズせないところ?
私は、ガイドブックを開いて読んでみた。
ゆるやかな杉木立の道が続き、古道歩き初心者にもおすすめ」とある。
え、何? もしかして“ちょっと体験”の観光客はこっちを歩くの? 
もしかして、初心者は避けるべき険しい山道をりんりんに歩かせちゃった??

さらに車は進み、30分ほどでようやく「熊野本宮温泉郷」に入った。
ここには今晩泊まる「川湯温泉」のほか、日本最古の温泉で由緒ある「湯の峰温泉」、
西日本最大の露天風呂が有名な「渡瀬温泉」と、個性豊かな温泉が集まっている。

私たちはひとまず宿へチェックイン。
今回は、お正月で旅館はどこもいっぱいでとれなかったため、民宿「かじか荘」に泊まった。
玄関にはられた、どこかなつかしい?三角形のマーク。
あら、ここ「ユースホステル協会」の宿だったのね。
“バックパッカー的”子連れ旅行には、ふさわしいっちゃー、ふさわしいか…

中はいたってシンプルだが、こぎれい。窓からの川の景色もいい。
ただ、部屋にトイレがないので、小さい子連れにはちょっと大変かも。
(でもファミリー旅行者が多く、りんりんくらいの子どももいた)
民宿なのに、夕食が部屋出しというのはうれしい限りだが…

私たちは、さっそく待ちに待った川湯温泉「仙人風呂」に入りにいくことに!
前にも書いたが、もう一度説明すると…

熊野川支流の大塔川にある川湯温泉は、川原を掘れば温泉が涌き出るというユニークな温泉。
夏は川遊びをしながら、“マイ温泉”をつくって楽しめる。
冬は川をせき止めてつくった広大な野天風呂“仙人風呂”が出現する。

仙人風呂のそばには小さな更衣室もあるようだが、
私たちは水着を下に着て脱ぐだけでOK状態で出かけた。
宿から300メートルほど、川沿いを歩くと… あれだ! 見えてきたー!!

     
     ↑入り口の橋を渡って。よしずの囲いの向こうが仙人風呂!

     
     ↑おっ、入ってる、入ってる… それにしても澄みきった川の水!
                                               つづく



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子連れ紀の国旅行(6)―バチあたりな旅人

2008-01-13 | 子連れ旅行*2歳 〈和歌山〉
「胎内くぐり」や「乳岩」(くわしくは前ページ)で思いのほか時間をくったので、早く戻らなきゃ…
でも登山できついのは、登りより“下り”。下りは登り以上に脚力を要する。
私も下りは大の苦手だ。

さすがにりんりんも、足が届かないし、石がゴロゴロしているので、
下りは足もともおぼつかなく、一歩進むたびに転びそう。
この様子じゃ、帰りは行きの倍、たった10分の道も1時間くらいかかるに違いない

…というわけで、りんりん、ご苦労さま。帰りはパパがだっこしてくれるって。

大人だけの足なら、あっという間にスタート地点に到着。
私たちは、「滝尻茶屋」でちょっと休憩していくことにした。
腰をおろすと、どっと疲れが。ああ、名水コーヒー(300円)が体じゅうに沁みわたる~

     
     ↑古道ウォークに役立つ杖や編み笠のほか、おみやげ物も販売している

さて、時はすでに午後3時を過ぎようとしている。
急がないと、日が暮れるまでに川湯温泉にたどり着けない!

熊野古道と国道311号線は、ときどきすれ違ったり交差したりしながら並んで走っている。
国道から熊野古道にアクセスできるポイントとして、ほかに「牛馬童子像」というのもあるが、
またここでも歩くのに時間がかかったら…
残念だが、古道歩きはこのくらいにしておいて、川湯温泉へ直行することにした。

そして、私たちはこの時もまだ、重大な過ちをおかしていたことに気づかなかった…!

それは今、このブログを書くにあたっていろいろ調べているうちに分かったことなのだが…

私たちは古道歩きをスタートさせる時、ほんとに小っちゃなやしろの横を通ったのだけど、
久々の山歩きにコーフンしていた私たちは、「これが“滝尻王子”みたいねー」と、
それ以上気に留めるまでもなく、素通りしてしまった。

熊野古道には「滝尻王子」や「近露王子」といった「ナントカ王子」がたくさんある。
ハンカチ王子やハニカミ王子はいないけど。
 (↑すんません、大阪人の血がくだらないこと言わせてしまいました)
…コホン、さて、この「王子」とは、神社のこと。
その数、90数社あるらしく、それらは「熊野九十九王子」と呼ばれている。

旅人たちはその一つひとつの王子で、この熊野の地に敬意を持って拝し、
旅の安全を祈願しながら熊野三山をめざした
という。
しかもここ滝尻王子は、とりわけ格式が高いとされる「五体王子」の一つとか!

私たちは、そんな王子で手を合わせることもなく、古道に踏み入ってしまったのだ。

勉強不足とはいえ…

なんという、バチあたりなことを…!


今さらではありますが、熊野の神さま、今回の無礼をどうぞお許しくださいませ…
                                                つづく



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子連れ紀の国旅行(5)―山道の向こうに神秘の世界

2008-01-12 | 子連れ旅行*2歳 〈和歌山〉
滝尻茶屋の前を通って、いよいよ熊野古道へ。
なんだか、“聖域への入り口”にしては、ひと気もまばら。うっそうとした山道が続いている。
あまり観光客はこないのかなぁ?

ガイドブックによると、ここから最初のポイント「乳岩」「胎内くぐり」まで歩いて10分。
それくらいなら、2歳のりんりんでも歩けるかな…

そんな軽い気持ちで、そう、森の散策路をおさんぽするくらいのつもりで
歩き始めたのだが…

目の前には、「………!!」 
思わず息を呑む、険しい登り坂。けっこう急勾配!

しまった、こりゃハイキングでなく、“山登り”だ。
別に熊野古道をナメていたわけじゃなかったけど…
りんりん、大丈夫か? 途中で「抱っこ~」なんて言わないよね !?

傾斜のきついところは、石が敷かれて階段状になっているが、その段差すらも
りんりんの足では高くて届きづらい。
小さな石、小さな石を探して、ゆっくり登る。

     ←初めての山道に挑戦!

10分、20分、……歩けど歩けど、目的地は見えてこない。
だんだん親子3人、息がハァハァしてきた。私も久々の山登り、ひざがケラケラ笑いそう…

それでもりんりんは、予想以上にがんばる。
ふだん、20分も歩くと「つかれた~」とベビーカーに座りこむのに。
「りんりん、しんどくない? まだがんばれる?」と聞くと「しんどくない。まだがんばれる
その目は真剣そのもの。ていうか、闘争心に燃えている。

山ってほんと、はかり知れないパワーを与えてくれる。

そういえば、“今年の旅の抱負”で「簡単な山登り」を掲げていたが、
3歳過ぎたころから…のつもりだったけど、さっそくそんな機会にブチ当たってしまった。

歩き始めて30分以上も経ったころ、ようやく大きな岩が…!
やった! 目的地到着 !!
大人の3倍の時間がかかったけど、みごと完歩できた。 
すごい~りんりん! 今日のアナタの後ろ姿はたのもしかったわ…(涙

さて、この巨大な岩が重なった洞窟のような穴は、「胎内くぐり」と呼ばれている。
さっそく中をのぞいてみると… ううっ、とてもせまい!
私たちは荷物をおろし、上着を脱いで順番に入っていった。

 →→→ いざ中へ!洞窟をよじ登り…
                                     ↓
                                     ↓
                         
                               出口はこの狭さ!

トンネルの中は静かな、まるで小宇宙の世界。
せまい空洞を岩づたいに登り、身体をしぼるように抜け出る。これはかなりの苦行!
“生まれ変わりを擬似体験できる”と本にあるが、まさにその感覚。

赤ちゃんはお母さんの骨盤の形に合わせて、自力で旋回しながら産道をおりてくる」と
妊婦時代に知ったが、赤ちゃんってきっとこんなふうに、暗くてせまい道を這い出ようと
一生けんめいがんばって生まれてくるのね…
なんだかとても神秘的な気分。

ちなみに女性がここをくぐると安産するという俗信もあるとか。
出産をお考えの方、ぜひ体験してみては? (おなかが大きくなる前に!)

「胎内くぐり」のそばには「乳岩」という、これまたユニークな名前の岩もある。

     

むかし藤原秀衡が熊野参りに来たとき、妻が産気づきこの岩屋で男の子を出産した。
赤ちゃんはこの岩からしたたる乳を飲んで生き延びたという、そんな言い伝えがある。
子育て祈願にここを訪れる人も多いそうだ。
                                             つづく

      

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子連れ紀の国旅行(4)―聖域をめざして

2008-01-11 | 子連れ旅行*2歳 〈和歌山〉
出発の朝――
おそれていた寒気もゆるまり、最高気温は10℃超。天気も晴れ
現地に問い合わせても「雪の心配なし」とのことで、レンタカーも大丈夫そう。

私たちは安心して特急列車「オーシャンアロー」号に乗り込んだ。
新大阪から白浜まで2時間ちょっと。

列車が和歌山に入ると、頻繁に車内アナウンスがかかる。
この路線の特急がすべてそうなのか、たまたま車掌さんがガイド好きなのか分からないけれど
沿線の名所などを要所要所で説明してくれるのだ。
 「ここは万葉集の歌枕として詠まれた景勝の地で…」
 「和歌山の特産品にもなっている、みかん畑が続きます…」
 「しばらく雄大な海の風景をお楽しみください…」
おかげで私は和歌山県の地図を広げながら、車窓を楽しむことができた。
オーシャンアロー号に拍手!!

りんりんは心地よい揺れに、めずらしく朝からウトウトおねむさん。
横を見ると、おいおい、ダンナまで… ったく。
見てよ、あの延々つづく急斜面のみかん畑を! スケールが違うんだってば。

白浜駅に到着すると私たちは簡単に昼食を済ませ、
迎えに来たレンタカー会社の車に乗ってオフィスへ向かった。
お兄さんの話によると、熊野本宮へ向かう国道311号線は片道1車線で整備されており、
凍結の心配もめったにないとのこと。
よかった、車がギリギリすれ違うのがやっとの狭い、七曲りの山道じゃなくて。
(昔、吉野の山を縦断して串本に出たときは、まさにそんな道だったので…)

チェックインを済ませ、いざドライブ開始!

りんりんをチャイルドシートに乗せ、私が助手席でナビを務めようとすると、
おかーさん~ こっち来てぇ~」と泣きわめく。
夏の沖縄旅行では、そんなこと言わなかったのに…

うるさくてしようがないので、私が後ろに座ると、りんりんは私の手をにぎってきた。
こわいから、おててにぎっててね
小さいなりに、パパの運転に恐怖を感じているのか !?

でも道は予想以上に広くてカーブも少なく、車もほとんど通らないし、快適なドライブだった。

1時間も経たないうちに、滝尻(たきじり)に到着。

ここ滝尻王子(神社)は熊野三山(熊野信仰の聖地である本宮、新宮、那智のこと)の
聖域への入り口とされたところ。
ここから熊野古道ウォークを始める人も多い。
滝尻王子~熊野本宮まで15時間ほどで歩けるようだが、いつか私もこの道を歩いてみるぞ!

滝尻には「熊野古道館」があり、ここで熊野古道ウォークの情報が手に入る。
ちなみに古道館や駐車場には身障者トイレ、オムツ交換台もあり。

   
   ↑熊野歩きの前にここで情報を

私たちは車を停めて、世界遺産・熊野古道をちょっとだけ体験してみることにした。
                                             つづく



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子連れ紀の国旅行(3)―熊野への道ははるか遠く…

2008-01-09 | 子連れ旅行*2歳 〈和歌山〉
行き先は決まったとして、問題は交通手段。
なにしろ、さすが秘湯というだけあって、不便な場所にある。

大阪から熊野本宮温泉郷へ向かう場合、新大阪から特急で紀伊田辺駅か白浜駅で降り、
そこから路線バスでなんと2時間! 
しかもバスはどちらの駅からも1日数本ずつしか出ていない。
新宮からもバスはあるが、こちらも1時間かかる。

最近、電車はなんでもないのだけど、バスやクルマが苦手になってきたりんりん。
私に似て乗り物酔いしやすい性質なのか、一度タクシーで吐いてしまって以来、
クルマ特有のにおいにも敏感で「やだ!乗らない!」とジタバタ抵抗するようになってしまった。

バスで2時間もつか… しかもどんな道か知らないけど、山道。
途中で「降りる~」と泣きわめかれても、次のバスまで山の中、何時間も待てない。

それで、しぶるダンナを説得して、白浜~新宮間はレンタカーを借りることにした。
私だって、“ほぼペーパードライバー”に命あずけるのはコワイのよー!
沖縄の平坦な一本道とは、ワケが違うんだからっ

オマケに大みそかから年明けにかけての全国的な冷え込みで、
熊野のほうは雪が降り、元旦はチェーン規制がかかったとか。

雪の山道! ひぇ~~~っっ
ダンナは免許証はゴールドだけど、若葉マークも同然なのよ~~っ
だいたいチェーンってどうやってはめるのよ !?

とりあえず当日の朝、観光協会やレンタカー会社に確認して、
雪がひどく降りそうならレンタカーをキャンセルしてバスで行こうということに。
あとはもうお天道サマのご機嫌しだい。

    
    ↑どこまでも連なる山々と澄みきった川の風景が国道沿いに続く

最後に、和歌山の旅のレンタカー情報を。
白浜や那智勝浦といった観光地を有する南紀には、子連れで楽しめるスポットや
ユニークな温泉など、見どころ豊富。
海岸沿いならそれほど不便は感じないが、もし現地でレンタカーを借りるなら、
おトクな割引きっぷをチェックしよう。

京阪神から往復JRの特急列車を利用して行くなら、レンタカーとセットになった
Fきっぷ」(利用日数、利用区間などによって料金が設定)がある。
私たちは和歌山から名古屋に抜けて東京に帰るため、残念ながらこの割引は使えなかったが…

おなじみ「レール&レンタカーきっぷ(トレン太くん)」も使える。
これはJRの運賃が2割引、特急料金も1割引になるもの。
しかし、年末年始など特別期間は適用外なので注意。
さらに営業所間50km以上からは、乗り捨て料金もかかる!

そこで私たちは今回、県内乗り捨て料金のかからない「トヨタレンタカー」を利用した。

その他、JR西日本のおトクな割引きっぷ情報は、
JRおでかけネット( http://www.jr-odekake.net/ )の「トクトクきっぷ」をご参照あれ。
                                                つづく



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子連れ紀の国旅行(2)―川で温泉+世界遺産!

2008-01-08 | 子連れ旅行*2歳 〈和歌山〉
冬に川遊び !? 温泉掘っている間に、カゼひいちまうぞ!
…と思われている方、ご安心を。

川湯温泉には11~2月の冬の間、川をせき止めてつくった広大な野天風呂「仙人風呂」が
出現する。
冬の風物詩となっており、巷では「関西一の名湯!」とのウワサもあるとか、ないとか…?
夏の川遊びといっしょに“マイ温泉”を掘るというのも楽しそうだけど、
“冬限定”の仙人風呂とやらも気になる。
限定というコトバに弱い、悲しき主婦のサガ…

ちなみに川湯温泉は、田辺市と新宮市を結ぶ内陸の山間道の真ん中あたりの温泉地帯、
熊野本宮温泉郷の一角にある。


 ↑参考までに、かなり分かりづらいですがgooの広域地図を貼り付けておきます。
  センターポイントのあたりが熊野本宮温泉郷。縮尺を変えてみることもできます。


そして、この田辺~熊野本宮~新宮こそが、世界遺産にも登録された「熊野古道」の
ひとつなのだ。

いにしえから、神々が鎮まる聖なる山とあがめられた紀伊山地。
熊野三山(本宮・新宮・那智)は高野山や吉野と並ぶ霊場のひとつで、
「熊野古道」はそこに至る参詣道。
熊野古道にはいくつかルートがあるが、この「中辺路(なかへち)」と呼ばれる田辺~熊野本宮
間は、険しい山道にもかかわらず、多くの人々がここを通って参詣したといわれている。

川の温泉につかって、世界遺産めぐり!

その夢のようなコラボレーションに、私の心はラララララ…
信仰心ゼロのクセに、浮き足たった。

のちに熊野の神々の怒りに触れようとは、よもや思いもせずに…
                                              つづく



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