明源寺ブログ

浄土真宗本願寺派

棕櫚(しゅろ)の木・・・・

2013-09-28 02:08:15 | Weblog
自坊の境内各所には棕櫚(しゅろ)の木が生えています。昨日(9月26日)、その内の一本を伐採していただきました。伐採した棕櫚の木は、本堂と書院の間の中庭に生えていたもの。ですから、人知れず生えていました。ただし、年代もので樹高5m余り。
棕櫚は、排水良好な土地を好み、土地条件を選ばず、耐火性も併せ持つ強健な樹種です。生育は遅く、管理が少なく済むため、手間がかからないのが特徴。
写真は、棕櫚の上部

そして、棕櫚の皮が利用度抜群なのです。古来から盛んに利用されてきました。その理由は、シュロ皮の繊維は、腐りにくく伸縮性に富むため、縄や敷物、箒(ほうき)などに加工されたのです。
写真は棕櫚皮

盛んに製作されたのが棕櫚(しゅろ)の箒(ほうき)。なぜなら、棕櫚の樹脂は床を磨く効果があるといわれているのです。つまり、使えば使うほどに毛先が柔軟になって使いやすくなり、床や畳にもツヤが生まれるそうです。普通に使っても20年は楽に持つのだそうです。自坊本堂にも棕櫚箒があります。
写真は、本堂の棕櫚箒。この棕櫚箒は、子供の頃から存在しています。

ところが、写真のように上部が勝ちすぎて、強風の場合は大きく左右に大揺れを起こしていました。いくら強健な樹種と言いましても、根本から折れる危険性もあります。そうなりますと屋根を直撃。「これではいけません」と伐採。といいましても、私には伐採技術が有る訳がありませんので、当然のごとくに作業を委託する必要があります。そこで、いつもご無理をお願いしている○○さんに依頼。強風のなかを伐採していただきました。
写真は、伐採後に中庭から棕櫚の上部を引っ張りだしています。

棕櫚は手間がかからないのが特徴であるために、どこでも見られる植物なのですが、お寺にはどうした事か棕櫚の木は必ず存在している筈なのです。その理由が下の写真。

伐採した棕櫚の上部を、一輪車にて運んでいる最中なのですが、背後の鐘楼堂(しょうろうどう)に注目してください。実は、釣鐘(つりがね)を打つ撞木(しゅもく)には棕櫚の木が最適なのです。先人は、この事を経験から判っていました。ですから、お寺には多くの棕櫚の木が植えられたのです。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿