明源寺ブログ

浄土真宗本願寺派

167000人 これは人間が背負った共業(ぐうごう)なのでしょうか?

2013-10-19 23:28:45 | Weblog
今日(10月19日)中日新聞朝刊の一面記事の見出しに目が釘付けとなりました。「海つなみ・山つなみ」というタイトル。そして、台風26号により甚大な被害を受けた伊豆大島の災害現場に立ち尽くす2人の老夫婦の写真。胸が締め付けられた筈です。
伊豆大島の土石流写真。多くのいのちが失われ、懸命の捜索にもかかわらず行方不明者も今尚多数。

記事を読めば、老夫婦は東日本大震災による「大つなみ(海つなみ)」で、宮城県にて家屋が流されて被災。今度は、伊豆大島で息子さん夫婦が土石流(山つなみ)により死亡という記事でした。「かける言葉」もありません。天災ですが、今回はあきらかに人災の部分も。仮に避難勧告が出されていれば、助かったいのちもあるのではと思いますとやり切れないもどかしさを感じます。だからこそ、できる支援は続けなければいけないと思うのです。
写真・・2次災害に備えて土嚢を築く作業だそうです。

季節は、10月下旬に入ろうとしています。秋なのです。それなのに台風による大災害です。更に、日本のはるか南方海上には超大型の台風27号が不気味に北上しています。現在は、伊勢湾台風と同規模の勢力だという事です。人類の近代文明がもたらした地球温暖化による海水温度の上昇が原因だとか。自然の猛威がより大型化し、頻発する事を覚悟しまければならない時代に入ったのです。それなのに、世界はCO2の削減交渉ですら、エゴ丸出しの状態。地球環境は、そんな事を言っている時間的余裕など全く無いのですが。
人間が犯した行為による地球環境の劇的な程の悪化の現実を見ますと、仏教で説く「共業(ぐうごう)」という言葉を考えてしまいます。これは「万人に共通する業」を顕しています。仏教でいう業(ごう)とは、人間のなす行為の事です。物事には、必ず原因がり、原因をサポートする条件(縁)により結果を招くという「因縁果(いんえんか)の思想が業思想です。
この背景には、「人間をとりまく自然・環境・山河大地と、人間世界」という捉え方があります。私達一人一人の行為は、個々の問題でありながら、尚かつ共同体の一員としてこの娑婆世間に生きている限り、どうしても社会との関わりを無視できない存在であると言えます。これが、「共業(ぐうごう=万人に共通する業」です。
例えば、一企業の営利を目的とした行為によって、環境が汚染されれば、万人に「共業」として返って参ります。地球温暖化の現実はまさにそれです。この為に、海水面の温度が上昇し台風が頻発し、かつ大型化し、人間に甚大な被害を当るという図式です。
現代社会においては、「共業」に関する意識ももっと高められねばならないと痛切に感じております。業は、縁(条件)により結果は変わるものです。人間の英知を集めて、縁を変えていかなければ、上記の新聞報道のような悲劇が今後とも形を変えて繰り返す事に。なんとかならないものでしょうか・・・・・
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