明源寺ブログ

浄土真宗本願寺派

昨日の法話・・・・共命鳥(ぐみょうちょう)の話

2010-08-02 20:22:32 | Weblog

昨日の高田先生のご法話にて、子供に何が一番印象に残ったのかと聞きますと、『共命鳥の話』であるとの事。なる程と思い紹介・・・・・
この「共命鳥」は、『仏説阿弥陀経』に登場する極楽浄土の鳥。この鳥は、不思議な鳥。頭が二つ。同体は一つ。(写真参照)極楽浄土にて、孔雀・オウム等の種々の美しい鳥と一日6回、美しい声で鳴き、仏(阿弥陀様)の教え説き、その声を聞くものは皆自然に仏・法・僧の三宝を敬う心を起こさせると説かれています。
しかし、『仏本行実経』によれば、この鳥は昔はヒマラヤ山脈(雪山と書かれています)にすんでおり、二つの頭はそれぞれに名前もあった。カルダとウパカルダという名前があったという。
ある時、自分の眠っている間にカルダが美味しい果実を食べたのを知ったウパカルダは、大変怒り、「今度は、カルダが眠っている間に、私が果実を食べてやる」と、美味しい果実をカルダに黙って食べました。しかし、その果実は毒の実であったのです。その結果、二頭ともに毒が回って死んでしまいました。
カルダは、何も美味しい果実を一人じめしようとした訳ではなく、眠っているウパカルダを起こすのが気の毒でもあり、自分が食べることでウパカルダの栄養にもなるからとの判断。善かれの判断が、結局は逆の行為となりました。
カルダは、お釈迦様の前世の姿であり、ウパカルダはお釈迦様に反逆しダイバダッタの前世の姿であると『仏本行実経』には説かれています。
このお話は、実に多くの事を物語っています。極めて親しい者どうしが傷つけ合う、殺しあう「共命鳥」の話は、まさしくこの世を生きる私達の姿のようでもあります。親の遺産を巡って兄弟通しが争う姿、親が親権を放棄した子供殺し、子供が親を殺す等、世のなかをみれば「共命鳥(ぐみょうちょう)」の話は、満ちあふれています。
この世においては「共命鳥(ぐみょうちょう)」は、お互いの頭は敵対関係です。しかし、極楽浄土では、争うこともなく、仏の教えを説き、人を仏法に導く鳥として描かれています。極楽浄土での「共命鳥(ぐみょうちょう)」の鳴き声は、「他を滅ぼす道は己を滅ぼす道。他を生かす道は己を生かす道」と説いているとも言われています。非常に心に残る鳴き声です。他を認め合う世界です。
以前にも紹介しましたが、東本願寺の壁に書かれていた横断幕に「バラバラで一緒」というロゴ=標語が書かれていた時がありました。バラバラだけれども、認め合う世界があるいと事の大切さを「共命鳥(ぐみょうちょう)」は教えてくれているようです。


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