松本さんの松本だより

松本市民となって、15年目。
すっかり「地域の人」を名乗りつつ、松本の風景をお伝えしています。

綱引きについての考察 (こじつけ)

2010年09月28日 | 日記
松本に来て不思議に思っていたことの一つに、
幼稚園や学校でのイベントで必ず <綱引き> をする
ということがありました。

幼稚園での遠足には、<綱>持参で。クラス対抗で子どもたちはもちろん、父母もやります。
運動会の種目にはもちろん。かけっこと同様に必須の競技。
父母参加の綱引きもあります。
小学校では、2学年ずつの対抗戦でどの学年もします。

なんでそんなに?
うちの幼稚園・小学校だけ?
松本市内はみんなそう?
長野県の伝統?
・・・とか思っていました。

先日、旧山辺学校の「山辺学校歴史民俗資料館」を訪れて、
その理由を発見。
民俗行事としての≪綱引き≫というものがあることを知りました。
ググッてみたら、地域によっていろいろあるんですねえ。

松本市内にあるのは、「里山辺追倉のお八日の綱引き」

この行事は、国の文化財保護審議会で「国無形民俗文化財」に選択されています。
開催日は2月8日で、お八日・こと八日などと呼ばれ、道祖神の祭りをはじめ様々な行事が行われます 。
松本市は入山辺・里山辺・両島・今井で開催されます。
その中の一つの行事が≪綱引き≫です。

わらで綱撚りをして「龍」を作り、南無阿弥陀仏の掛け軸の前に飾り、料理を供え、皆で料理を食べる。
その後、車座になり龍を数珠代わりに念仏を唱える。
それが終わると男女に分かれて綱引きを行う。
女性が勝つとその年の五穀豊穣、無病息災が確約されるという。
勝つのは毎年女性である。
最後に男性がムラ境まで龍を運び道祖神碑に巻きつけ、お参りをする。
龍は守護神となって1年間ムラを見守る。

・・・・・・・

私たちがするのは、ふつうの綱引きだけど、
伝承行事には、ひとつひとつに深い意味が込められていることを知りました。

女性が強いほうが、世の中うまくいく・・・ということも。ね。


財団法人八十二文化財団 信州の文化財
松本のコトヨウカ行事
http://www.82bunka.or.jp/bunkazai/legend/detail/02/post-25.php

山辺学校歴史民俗資料館 歴史館第8室
http://www.city.matsumoto.nagano.jp/tiiki/sisetu/kyoiku/yamabe/NO8/index.html