海人の深深たる海底に向いてー深海の不思議ー

地球上の7割を占める海。海の大半は深海。深海生物、潜水調査船など素晴らしい深海の秘蔵画像を紹介。奇抜・奇妙な姿に驚愕!!

タフなダイバーズウオッチ

2012年10月07日 | 日記
 海の男にはダイバーズウオッチがお似合いだ。ちょっとごつい感じが、日焼けした肌やたくましい体にぴったりなのだ。それだけではない。強い日差しや、ときおりかぶるスプレー、揺れる艇上での行動になんら問題なく付き添ってくれるのは、タフなダイバーズウオッチだけである。

 ところで、どうしてダイバーズウオッチはこんなに頑丈にできているのだろうか?
本体の防水ケースはステンレスやチタン製で、海水を浴びても錆びない。ケースも、
こんなに厚くなくても、と思うほど厚くて強固な構造である。
 時刻修正に使うリューズはねじ込み式で、しっかり保護されている。表面のカバー
ガラスも十分な厚みがあり、傷が付きにくい。文字盤は針が太く、時刻がわかりやす
く表示されて、パッと見ただけでもはっきり目に残像が残る。夜光塗料が塗られてい
るので、暗くても時刻が読める。
 それから、文字盤の外側には、経過時間が一目でわかるレジスターリングが付いて
いる。例えば、潜水した時刻の長針に合わせておけば、浮上したときの経過時間がすぐにわかるのだ。ダイバーはこれで潜水時間を測り、潜水病を防いでる。
この時間管理のために、レジスターリングは反時計回りにしか回転しないようになっ
ている。もし潜水中になにかの力で時計回転へ動いてしまうと、潜水時間が短く記録
され、潜水病になる恐れが生じるからだ。

 また、バンドにもいろいろな工夫がされている。ダイビングスーツの上からでも付
けられるように、バンドの長さが2段階になっている。スーツの生地は潜水すると水
圧で縮むが、ゴムバンドはその20ミリ程度の縮みを吸収してくれる。
 プロのダイバーは、数週間をかけて圧力タンクのなかで加圧・減圧し、深海に潜る
「飽和潜水技術」を駆使し、水深200メートルを超える潜水も行う。日本の海上自
衛隊は水深450メートルの記録を達成したし、フランスでは水深501メートルの
世界記録が作られている。
 そんなダイバーたちの腕には、潜水する深度の2倍の水深表示、つまり500メー
トル、1000メートルなどの信頼に値する能力を備えたダイバーズウオッチが輝い
ている。特に日本製のものはレベルが高い。
 あるときは潜水調査船に取り付けられてその安全性を動水圧で確かめたこともある。これは1960年、世界の最深部である水深1万920メートルに挑戦した潜水調査船〈トリエステ〉に、ロレックスの腕時計が取り付けられてテストされていた

 ダイバーズウオッチは、ダイバーが身に付ける装備品のなかでも、命にかかわるも
の。以前は水深計が付いておらず、あまり性能のよくない機械式水深計を一緒に持っ
て潜らなければならなかった。だが、精度の高い水深計が搭載されたことで、潜水病
の危険が大幅に減少し、ダイバーの装備品も減ってダイバーの負担も軽くなった。
 ダイバーズウオッチ以外でも、登山に役立つ高度計やコンパス機能が加わったトレッ
キング用ウオッチも開発されている。地図上に正確な位置が出せるので、この機能を
使って遭難をのがれた登山愛好家も多い。優れた機能は人の命をも救うのだ。


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