ムルマンスク便り

-夏の完全白夜、冬のオーロラ- ロシア連邦北西部にあり北極圏最大都市ムルマンスク市(ムールマンスク)の現地情報をお届け。

露の公営テレビ局1TV「Время」でのハプニング

2022-03-15 04:37:21 | 様々な話題
3月14日夜放送の露の公営メディア1TV「Время」でのハプニング。
メインキャスターがニュースを読み上げている最中、女性局員が「戦争反対」のプラカードを持って乱入。
現在、ロシアの主要TVメディアのYOUTUBEチャンネルは殆ど、YOUTUBE運営側によってBANされています。

ウクライナ 国歌「ウクライナは滅びず(Ще не вмерла України)」

2022-03-11 19:10:53 | 様々な話題
ムルマンスクとロシア情報を紹介する「ムルマンスク便り」と趣旨が少し離れますが、
お聞きください。


ウクライナ 国歌「ウクライナは滅びず(Ще не вмерла України)」

ウクライナ危機

2022-03-09 19:03:42 | 様々な話題
↑GIF画像は2009年に連載した「ムルマンスク⇔ハリコフ 2776kmの旅」の中で紹介した自由広場、シェフチェンコ名称庭園、動物園

  ここ最近、期末考査対応と年度末書類作成とイベント対応で超多忙なので、ご無沙汰していました。溜まってたオーロラ出現報告を先に公開しましたが、この立て込んでいるときに「ロシアによるウクライナへの侵攻」ニュースが飛び込み、愕然としております。


  筆者は10年位前に2度程、ハリコフ市(ハルキウ市)を訪れたことがあります。日本のガイドブックではウクライナ東部はほとんど紹介されてないため、情報が少ないみたいですね。その時の旅行記を弊ブログの「ムルマンスク⇔ハリコフ 2776kmの旅」コーナーで紹介しましたが、今でもネット上に数少ないウクライナ東部情報みたいです。当時は、街中ではウクライナ語表示だったけど、皆ロシア語で話していて、落ち着いた良い都市でした。今は爆撃でボロボロの壊滅状態に。

  また、ハリコフ市から少し東方のスワトワという鄙びた町にも行ったことがあります。こちらもその時の旅行記を弊ブログの「ハリコフ⇔スワトワ 178kmの旅」コーナーで紹介しました。中心地は官公庁や、市場、学校、工場などがありますが、少し外れると、果てしなく広がる小麦畑、そしてひまわり畑が続き、あちこちにダーチャとよばれる別荘があり、のんびりとしていました。今は両軍対峙し、店が閉店。退避できなく食料に困窮したお年寄りらが立ち往生しているそうです。

  ウクライナは伝統的に欧州系住民、ロシア系住民などが入り混じった国。ウクライナの公用語は勿論ウクライナ語ですが、東部では伝統的にロシア語を使い、西部ではロシア語を話すと厭われたりします。TOPに誰が立つかで情勢が危うく変化しやすいです。

  2014年のウクライナ内戦では、親ロシア派の大統領が立ち、これに反対した西側の反ロシア派がクーデターを起こし、東部に進みました。そしてハリコフの歴史的建造物を破壊し、現状維持を願うハリコフ州民と対峙。特にロシア色の強いドネツク州とルガンスク州は強く抗い、今年2月まで国際社会に承認されない「自称」ドネツク共和国とルガンスク共和国が続いていました。

  2014年のクーデターが起きるまで、よくまあこれで1つの国に治まっているよなあ、と正直思ってはいました。確か当時大前研一氏が「ウクライナは最終的に4つの国に分割されるだろう」という奇想天外な記事を寄稿していたのを、ネットニュースで見た記憶があります。今こうしてみれば、4つでは無いにしても、国家2分割(親ロシア政権と亡命政権)というのは、現実味を帯びてはきています。

  武力による解決は、いいとは思いません。このような多様性があるお国柄を国民各々が静かに認め、もっと中立的平和的解決ができなかったのか。そう思うと悔しくてなりません。

2020年のグーベルナートルスカヤ・ヨールカの惨事

2022-01-30 00:00:00 | 様々な話題
皆さん、如何お過ごしでしょうか。
まあNHKやヤフーニュースとかで伺っているので、だいたいわかりますが

こちらは新年早々、メートル級のドカ雪が降ったかと思えば、
暖かい南風が突如吹いて気温がソチよりも高い+5℃を記録した日もありました。
でもその後は氷点下。
その上ここへ来て、新型コロナのオミクロン株が急速に猛威を奮っていて、
州内における1日の新規感染者数が500人とかに達しています。
こんな世界的に有事なのに、ロシアはウクライナ侵攻へ準備中。
「全く何やってるんだ!」とロシア国民は憤っています。
いろいろ振り回されて、疲弊しきっています。

でもオーロラは、地上での有事なんて我関せずと、相変わらず素晴らしく綺麗
後に1月のオーロラ出現報告を出しますね。

はやく平穏が欲しいですね。

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さて、別の話題を。

「グーベルナートルスカヤ・ヨールカ」。
訳すと「知事のクリスマスツリー」


毎年12月末になると、州政府はムルマンスク市内にある学校の各クラスから数名ずつドラマ劇場に招待します。
そして壮大な「グーベルナートルスカヤ・ヨールカ」コンサートが開催され、サンタクロースが参加者全員にプレゼントを贈ります。
成績のよい子が抽選で招待されるため、学校生活11年間の間に一度も招待されない子もいます(T_T)。

そんなプレミアムなクリスマス、子どもたち全員が行きたがります。
ですが、2020年末に行なわれたグーベルナートルスカヤ・ヨールカは、ちょっとしたアクシデントがありました。

2020年末の素晴らしいコンサートの後、選ばれた子ども達はプレゼントが入ったバッグを貰い、大喜びで家に帰り、開封。


中には次のものが入っていました
白くまのラゲージタグ、マグネット、発光するガムクリーム(?)、マフラー、首かけ用エア枕、たくさんのお菓子。
どの商品もムルマンスク州のスローガン「На севере жить!(北の大地で生きるっ!)」というプリントがされてある、プレミア品。


それから、光る地球儀とキャンピング用ランプ


なんで私が生写真を持っているかって?
これ、子どもたちだけじゃなくて、NPO団体にも配られたからです。
州政府は3900セットも用意したそうですので、余ったから、私共にもくれたのでしょう。
ただ貰っても家が超狭で置き場所がないため、全てNPO理事の皆さんにプレゼントしてしまったけど


脇道に逸れました。じゃあ、アクシデントだったという話の続きを・・・。


プレゼントを貰ったある子どもはキャンピング用ランプがとても気に入りました。
いっぱい遊んだ後、充電するため応接間にそれを置き、一家は別室で就寝していました。

ところが未明にドッカーン!大きな爆発音があり、一家は驚いて応接間に駆けつけると、
ランプの破片が四方八方に散乱していて、プラ製の植木鉢の縁に深くえぐられたような傷跡が残されていました
ご一家が怪我しなくて、本当によかったです。
詳しくは以下ニュースサイトのリンクをクリックしてご覧下さい(惨事写真つき)。
https://www.hibiny.com/news/archive/229534/#2


これが問題のキャンピング用ランプです。
中国製で、オンラインショップAliexpressで500ルーブルぐらいで販売されている品物です。

私も貰って少し遊んでたんですが、充電切れまで遊ばず他の人にあげたので、被害は免れました。
あ勿論、この知らせを聞いてから即、処分するようにその人には言いましたよ。

そうそう、このランプが入ってた箱の中をよく見たんですけど、
取扱説明書とか品質保証書がどこにもなかったんですよね。
中国のとある変な会社が、生半可な電気工学知識でエイヤッでCOOLに見えるランプ作って、
品質保証検査もせずに、販売出荷したんでしょうか?おーこわ


2021年末も「グーベルナートルスカヤ・ヨールカ」ありました。
贈られたプレゼントは2020年よりもシンプルで、電気製品はありませんでした。
大盤振る舞いして欠陥商品買っちゃって問題おきちゃったし、
きっとサンタさん、否、州政府は懲りたのでしょうね

新型コロナ・インフルエンザとの闘いー4 in ロシア

2021-07-23 23:25:27 | 様々な話題
東京オリンピックが始まりましたね。酷暑とコロナ禍で厳戒体制の中、美しく行われていました。祖国での開催は、異郷の地に住む者にじんわりと感動を与えてくれました。


その新型コロナですが、世界的に新型コロナは変異を続け、残念ながら終息の兆しがまだ見えません。ワクチン接種が進んでいるロシアでも変異種が確認されました。
ロシアでは、夏休みが終わる8月下旬まで多くの人々が保養地で休暇をとっています。9月から学校が始まりますが、どうなるでしょうか。

日本であまり報道されていない、ロシア(主にムルマンスク州)での最新の新型コロナ関連情報をお知らせします。

1)感染状況
 ロシア国内全体では、一般向け大規模接種開始後は徐々に右肩下がりになりましたが、デルタ株が侵入してからまた右肩上がりです。7月22日現在では一日の新規感染者数が24471人です。3ヶ月前の4月18日の時点では8632人。
 7月23日時点でロシア在住の22639820人が新型コロナワクチンを接種しました。これは全国民の15.49%に相当します。
(情報元:https://coronavirus-control.ru/statistika-vakczinaczii/)

 ムルマンスク州内では、一般向け大規模接種開始後は徐々に右肩下がりになりましたが、デルタ株が侵入してからまた右肩上がりです。7月22日現在では一日の新規感染者数が261人。2ヶ月前の4月18日の時点では31人。

 7月23日時点で158000人以上が新型コロナワクチンを接種しました。これは全州民の21.56%に相当します。
(情報元:https://coronavirus-control.ru/statistika-vakczinaczii/)


▲図1-1ロシア国内での新規感染状況(情報元:Yandex)


▲図1-2ムルマンスク州内での新規感染状況(情報元:Yandex)


2)現在ロシアで承認されているワクチン
 ロシア発の新型コロナワクチンは現行のスプートニクV(正式名ГамКовидВак)エピヴァクコロナ(ЭпиВакКорона)コヴィヴァク(КовиВак)のほかに、移民対象に開発されたスプートニク・ライト(Спутник Лайт)が登場しました。

しかしここへきて、コヴィヴァクの人気がとても高くなっており、スプートニクは少し人気が落ちています。エピヴァクコロナは相変わらずの不人気です。コヴィヴァクに人気が出てきた理由は

a)生ポリオワクチンを開発し、欧州や日本にも広めた「チュマコフ名称ポリオ・ウイルス性脳炎研究所」作製だから。ポリオを題材にした露映画「Шаг」や邦画「われ一粒の麦なれど」は、この研究所と日本とのストーリーを基にしている。
b)死んだ新型コロナウイルスを元に作製した不活性ワクチン。
c)露の他のワクチンと比べ深刻な副作用が報告されてなく、このため医者は喘息やアレルギー疾患など基礎疾患がある患者に薦めている。

スプートニクVが落ちてきている原因は有効性を疑われているのではなくて、ヒトアデノウイルスをベクターにして作製されたものだからです。これは血栓症などで重篤死亡例が目立つアストラゼネカ製のやり方と同じです。


3)日露合作映画「Шаг(シャグ)」
見つけました!生ポリオワクチンを題材にした日露映画「Шаг」です!コヴィヴァクを開発した「チュマコフ名称ポリオ・ウイルス性脳炎研究所」と日本とのストーリーです。
主演は、
 フィラートフ・レオニード(生ポリオワクチン開発者、グーセフ・セルゲイ役)
 栗原小巻(2児の母で、長男をポリオで亡くし、残る次男をどうにかして疫病から守ろうと奔走するケイコ役) 他
▼Шаг (4К, драма, реж. Александр Митта, 1988 г.) ※「Посмотреть на Youtube」のリンクをクリックしてご覧ください。



4)あらゆる新型コロナワクチンの開発
 世界初の動物用ワクチンカルニヴァク・コヴ(Карнивак-Ков)は既に4月に生産開始され、モスクワ市、リャザン市、ブリャンスク市の動物病院に到着しており、更にサンクトペテルブルク市、チェリャービンスク市、クリミアの動物病院にも順次発送されるとのことです。


5)接種参加方法
接種参加方法は、まず予約します。方法は3つ。予約登録してすぐ接種できるわけではありません。1週間ぐらい待ちます。
ア)ゴスウスルーギから予約する。ゴスウスルーギとは、一元化されたポータルサイトで、各種行政手続きなどがオンライン上で可能。14歳以上のロシア在住者はアカウントを有することになっています。日本で言うマイナンバー制のようなものです。
イ)新型コロナ専用コールセンターに電話して予約する。
ウ)医療機関へ直接行って予約する。
予約日に第1回目のワクチンを接種し、次回の接種日時と緊急時連絡先が書かれたシートをもらいます。
次回接種日に第2回目ワクチンを接種して終了です。

接種が全て終わると、ゴスウスルーギからワクチン接種証明書(ロシア語・英語ともに)が発行されます。ダウンロード&印刷して保管します。

*********

私事ですが、私も先日ワクチン接種してもらいました。1回目2回目共に接種後倦怠感と腕の痛みが少しありましたが、発熱・咳・鼻水・くしゃみなどの症状は無く、深刻な症状は全くありませんでした。
これが私のワクチン証明書です。


皆さんお身体お大事に。

新型コロナ・インフルエンザとの闘いー3 in ロシア

2021-04-20 12:00:00 | 様々な話題
皆さんいかがお過ごしでしょうか。大分更新してませんでしたね。すみません。超多忙でした。

新型コロナのパンデミックの第2、第3、第4波が、地球民の生活を相変わらず脅かしていますね。
マスク・手袋・ソーシャルディスタンス・人数制限・消毒、、、、もうウンザリ。

日本であまり報道されていない、ロシア(主にムルマンスク州)での最新の新型コロナ関連情報をお知らせします。

1)感染状況
 ロシア国内全体では、一般向け大規模接種開始後は徐々に右肩下がりになり、4月18日現在では一日の新規感染者数が8632人です。2ヶ月前の2月2日の時点では1万7千人。
 4月17日時点でロシア在住の1570万人が新型コロナワクチンを接種しました。これは全国民の11%に相当します。

 ムルマンスク州内では、一般向け大規模接種開始後は徐々に右肩下がりになり、4月18日現在では一日の新規感染者数が31人。2ヶ月前の2月2日の時点では158人。
 4月8日時点で35000人以上が新型コロナワクチンを接種しました。これは全州民の5%に相当します。


▲図1-1ロシア国内での新規感染状況 ※一般向け大規模接種開始(1月18日)の表示を追加しました。


▲図1-2ムルマンスク州内での新規感染状況 ※一般向け大規模接種開始(1月18日)の表示を追加しました。


2)現在ロシアで承認されているワクチン
 ロシア発の新型コロナワクチンは現在3つあります。「スプートニクV(正式名ГамКовидВак)」「エピヴァクコロナ(ЭпиВакКорона)」 「コヴィヴァク(КовиВак)」です。

スプートニクV(ГамКовидВак)・・・初回接種21日後にもう1回接種することが必要。50カ国が使用採択。
エピヴァクコロナ(ЭпиВакКорона)・・・初回接種2~3週間後にもう1回接種することが必要。ロシアとトゥルクメニスタンで使用。
コヴィヴァク(КовиВак)・・・初回接種2週間後にもう1回接種することが必要。ロシアでのみ使用。

 あとこれはSNSで言われていることですが、ロシア発のワクチンはスプートニクV以外はあまり期待できないそうです。後発のエピヴァクコロナは接種後70%の人にしか抗体ができないらしい。因みにスプートニクVは97%です。接種時にはワクチン名を要確認です。でもいずれのワクチンも勿論、副作用(発熱・倦怠感など)が出る方もいらっしゃいますので、ご承知おきを。


3)あらゆる新型コロナワクチンの開発
 世界初の動物用ワクチンが開発されたということが、3月29日に明らかになりました。このことは既に日本のメディアでも紹介されました。昨年10月から臨床試験を開始し、既にロスパトレブナゾールに登録済み、4月に生産開始されます。ワクチン名は「カルニヴァク・コヴ(Карнивак-Ков)」。犬、猫、キツネ、その他の動物にワクチンを接種し、すべてに抗体が現れました。現在、免疫がどのくらい形成されているかを更に研究を進めています。ギリシャ、ポーランド、米国、カナダおよび他の多くの国々の企業が、既にこのワクチン開発に関心を示しています。
出展:
https://smotrim.ru/article/2543461
https://smotrim.ru/article/2544260

 更にサンクトペテルブルグの研究機関で、飲むワクチンを開発していることが、4月20日に明らかにされました。新型コロナウィルス遺伝子に関する情報を、抗体の産生に重要なタンパク質にコーディング、合成成功したそうです。生成されたものをヨーグルトなどの乳製品に入れて、注射を必要としない「飲むタイプ」のワクチンを製造するというわけです。特許は取得済み。現在、臨床前試験が進行中です。
出展:
https://smotrim.ru/article/2552767?utm_source=internal&utm_medium=vesti2&utm_campaign=vesti-promo


皆さんお身体お大事に。

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新型コロナ・インフルエンザとの闘いー2 in ロシア

2021-02-02 14:51:51 | 様々な話題
皆さんいかがお過ごしでしょうか。

新型コロナのパンデミックが、まだまだ続いていますね。
日本であまり報道されていない、ロシア(主にムルマンスク州)での新型コロナ関連情報をお知らせします。

1)感染状況
 ロシア国内では、一般接種開始前までは一日の新規感染者数が2万~2万5千人でした。しかし開始後は徐々に右肩下がりになり、2月2日現在では一日の新規感染者数が1万7千人です。
 ムルマンスク州内では、一般接種開始前までは一日の新規感染者数が250~280人でした。しかし開始後は徐々に右肩下がりになり、2月2日現在では一日の新規感染者数が158人です。


▲図1-1ロシア国内での新規感染状況 ※一般向け大規模接種開始(1月18日)の表示を追加しました。


▲図1-2ムルマンスク州内での新規感染状況 ※一般向け大規模接種開始(1月18日)の表示を追加しました。


2)ワクチン接種状況
 世界に先駆けて発表したロシア発の抗新型コロナワクチン「スプートニクV(正式名ГамКовидВак)」は、治験方法などの不十分さから世界から「世界的優位に立つことを目論むプーチンロシアのワクチン外交」と揶揄され、物議を醸し出していました。現在はベラルーシ、ボリビア、アルゼンチン、アルジェリア、セルビア、パレスチナ、パラグアイ、ベネズエラ、トルクメニスタン、ハンガリー、アラブ首長国連邦が、スプートニクVの国内使用承認しています。(参考:Источник: runews24.ru)

 ロシア連邦政府が発表した予定よりもひと月遅れましたが、1月18日から18歳から65歳未満の一般の方を対象に全国規模によるワクチン接種が開始しました。スプートニクVは、超低温下で半年間、+2~+8℃の気温下で2ヶ月保存可能。接種後の抗体レベルが患後にできた抗体レベルより高いとされています。接種方法は2方法。
   ①各州に設置されたコールセンターに電話予約する
   ②国家公共サービスポータルサイト「ゴスウスルーギ(https://www.gosuslugi.ru/)」で予約する
それから、希望のワクチン接種を実施する地点に向かい、接種します。
 接種は2回必要で、1回目接種後3週間置いてから、2回目を接種します。これにより9ヶ月の免疫が保持されるとされています。2回の接種で有効率は95%です。接種後は、出張・旅行時などに提示すれば便利な「接種証明書」がポータルサイトから発行されます。
(参考:https://www.interfax.ru/russia/738465)

 ムルマンスク州では現在州内33箇所に接種を実施する地点を設け、1月29日現在までおよそ5500人もの州民がワクチンを受けました。重症患者専用病床も35%空きが出てきました。重症患者専門チーム員もクリーンルームへ徐々に移動されています。病院以外の各施設では、マスク着用・ソーシャルディスタンス保持・夜間禁止という条件化で50%規模の集客・イベント開催を承認しました。でも65歳以上に外出禁止令が続いています。


3)新型コロナウィルスによる病気の治療方法
 ロシア連邦政府は27億ルーブルを新型コロナウィルスによる病気の治療し拠出し、うちムルマンスク州は1200万ルーブルを連邦政府より受領しました。
  ①所定の保健施設で検査を受けます(有料)。施設によって検査法は違い、好みの方法を選べます。
    a) PCR検査法(翌日判定、1000RUB程度)
    b) エクスプレス検査法(10~30分判定、2500RUB程度)
  ②陽性判定が出た場合、結果を受領し患者は速やかに居住地管轄の病院に連絡し、症状を報告。
   翌日非常事態省からも、陽性判定とコントロール下にあることをSMSで知らされます。
    a)重症 救急車で搬送される(繁忙時は出動に2時間要しました)
    b)中軽度 自宅療養となり、数日後、以降1週間毎に救急隊員が訪問、完治するまで無償で薬品配給と定期検査実施。
  ③定期検査で陰性判定が2回出たら完治と判定。居住地管轄の病院で内科医の問診を受け、回復証を受け取る。

 薬品は無償で提供されます。これまでに5万人超の患者に無償で提供されました。症状により違いがあります。軽症の場合は対症療法で、以下のような薬が処方されます。
アルビドル(арбидол) 総合感冒薬で、治療だけでなく予防効果もあります。
グリプェフェロン(гриппферон) インターフェロン入り点鼻薬。流行性感冒による鼻水・鼻づまり・鼻腔の炎症に効きます。
パラツェタモール(парацетамол) 発熱症状があるときに服用。
アヴィファヴィル(Авифавир) 重中程度患者用。
アレプリヴィル(Арепливир) 重中程度患者用。
コロナヴィル(Коронавир) 重中程度患者用。

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 流行病と日本とロシア(ソ連)の関係を紐解くと、このような歴史があることに驚かされます(出展 Wikipedia「急性灰白髄炎(別名:ポリオ)」)。2国間は政治的には大変複雑な関係ですが、他方面ではとても相受け入れられ、難事を乗り越えるんですね。

日本における歴史
日本では、1910年代、1920年代、1930年代後半から1940年代後半、1951年(昭和26年)1月から6月にかけて、および1960年(昭和35年)に流行している。とくに1960年春の北海道にはじまった大流行では、全国で5,606人と日本史上最大の患者届出があった。このとき、ワクチン接種を求める世論が大きな高まりをみせ、ジョナス・ソークによるアメリカ製の不活化ワクチンか、ソビエト連邦製の弱毒の生ワクチンの投与しか解決のみえない状況となった。効果においては生ワクチンの方が優れているが、当時の日本では生ワクチンの安全性は確認されておらず、国産の生ワクチンもなかった。また、輸入するとしても冷戦のさなかにあって西側に属していた日本は乗り越えるべき課題も多かったのである。
そうしたなか、第2次池田内閣の厚生大臣古井喜実は自由民主党内の反対を抑えて「責任は大臣が持ちます」と宣言して1961年(昭和36年)6月21日にソ連(および一部カナダ)からの緊急輸入が決定された。(中略)生ワクチン輸入については、のちに松山善三監督の映画「われ一粒の麦なれど」の主題ともなっている。」


皆さんお身体お大事に。

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新型コロナ・インフルエンザとの闘い in ロシア

2020-08-03 00:00:00 | 様々な話題
皆さんいかがお過ごしでしょうか。


こちらは7月下旬に最高気温+25度まで上がりました。家の中にいると蒸し蒸ししますが、外へ出ると高原にいるような心地よさでした。雨も時々降りました。8月末にはいつものように気温が+12~+13度まで下がりました。このお蔭で、今キノコ&木の実狩りの真っ最中です。マイカーで出かける家族もいますが、町でも露店で販売しています。毎年と同じ風物詩・・・と思いたかったですが、今年はマスクと手袋、社会的距離保持がこれを不自然にしてしまっています

* * * * * * * * * *



ロシア全土では少しずつ新型コロナ肺炎の新規患者が減少しています。新規患者数が5月初旬で1万人を超えてたのが、現在はその半分。ムルマンスクでもそうです。でも油断はできません。

日本では治療薬アビガンが正式承認になかなかこぎつけず、国民が業を煮やし、あまりの蝸牛工程にネットニュースでは「アメリカ陰謀論」「中国陰謀論」、リチャード・コシミズの「新型コロナはロスチャイルド陰謀論」まで出るばかりのようです。リチャード・コシミズさんは、「ロスチャイルド陰謀論」に何でも結論付けるのが好き

一方、ロシア政府によって現在正式承認されている新型コロナウィルス治療薬は、以下の通りです。はどうやって製造に成功したのかわかりませんが、中国経由とかあるのかな?治験から承認までのプロセスが速いところが、ロシアの良いところ(良くないところかも?!)です。いずれも市販されてなく、病院で処方されます。

ファヴィピラヴィル。日本名「アビガン」。日本では承認されていないが、露保健省では暫定承認されている。
アヴィファヴィル(Авифавир) 。製薬会社ヒムラルが製造。2020年5 月30日に露保健省正式承認。
アレプリヴィル(Арепливир)日本で開発されたファヴィピラヴィルの類似品。製薬会社プロモメド社開発、製薬会社ビオヒミクが製造。治験では投与された患者のうち70%が、投薬開始4日後にコロナウイルスが体内からほぼ無くなった。2020年6月25日に露保健省正式承認。
コロナヴィル(Коронавир)露製薬会社R-PHARMが、ロシアでの医療機器や医薬品販売の契約を富士フィルム2018年に締結。これより受けた後発薬。2020年7月8日に露保健省正式承認。

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民間レベルでも新型コロナ・インフルエンザ予防として、以下のような方法が出回っています。まあ新型コロナはこんなのでは効かないと思いますが、インフルエンザには効きそうですね。勿論これだけでなく衛生マスク、衛生手袋、社会的距離保持、不要不急の外出を控えることも大事です。

総合感冒薬インガヴィリン(ингавирин)を1日1カプセル10日間服用後、20日インターバルを置き繰り返す(合計3ヶ月)。それか総合感冒薬アルビドル(арбидол)服用。いずれの感冒薬も、治療だけでなく予防効果もあります。
ビタミンD剤アクワデトリム(Аквадетрим)を朝食前2滴を15mlの水で薄めて服用。
インファゲリ(инфагель)を外出前に鼻腔入口両側に塗布。インターフェロンα成分。
ビタミンCを摂取(食物からでも錠剤からでも飲料からでも可)。

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こちらでは新型コロナワクチンが10月11月にも全国無料接種可能となるようです。研究学園都市があるノヴォシビルスクのベクター研究所で作成されたものです。どうなりますか。

皆さんお身体お大事に。

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人唇魚

2020-03-11 16:57:33 | 様々な話題
ムルマンスク市の漁師フェドルツォフ・ロマン氏が、3月9日にUPした彼のTWITTER記事。
「これ、何ていう魚だろう。名前RTプリーズ。ありがとう」


口唇が・・・人間のソレに似てません?・・・ということでこのところネット界を俄かに賑わせております。
新聞記事はこちら

専門家によると、これはトリガーフィッシュと呼ばれるそうで。
なんでこんなお口になっちゃったんだろ?もともとのお顔の作りとともに、なんか笑える。



ムルマンスク情報サイト「アリョーシャ」閉鎖のお知らせ

2019-03-18 00:28:06 | 様々な話題
皆様にお知らせです。


2003年3月から16年間続けてまいりましたが、超多忙でサイトリニューアルが困難なため、今年3月を持ちまして

ムルマンスク情報サイト「アリョーシャ」 http://www.murman-navi.info/

を閉鎖することに致しました。ありがとうございました。



尚、当ブログ「ムルマンスク便り」は執筆致します。

現地からの情報を発信してまいりますので、引き続きご愛顧くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。