久方ぶりに続きを書いてる「ひとこと感想」その3。(結末に触れています。ゴメンナサイ)
物語のテーマをどこに見つけるかが、そもそも観る人によって違うかも・・・と思ったくらい、後から色々なことを考えさせられた映画。(ときどきあることだけれど、考え過ぎて収拾がつかないというか、感想が書くに書けなくなった1本)
自分の中に存在していた「女性」に気づき、その本来の自分(女性)として生きるために、80年以上前には未知に近かった手術に挑戦した人の話であり、女性として生きることを選ぶ夫を最後まで理解し支え続けた妻の話でもあり、性別、性、が人間にとってはどういう意味を持つものなのか、或いは芸術家(夫婦は2人とも画家)にとっての創作の源泉はどこからもたらされるものなのか・・・などなど、センセーショナル?に見えて、実は人にとっての根源的なところまで遡って考えさせる内容を含んでいたと思う。
一つ書いておきたいこと。
大きなテーマからすると枝葉のことかもしれないけれど、個人的には(とても感じが良く良心的な人に見えたとはいえ)手術を担当した医師のことを「言語道断」だと感じ、本気で腹が立った。「女性になる手術を受ければ、自分も子どもを生んで母親になることが出来る」と信じているかのような主人公を見ていると、「少なくとも医者なら、そこははっきり言ってあげないといけないんじゃない?」と。言っても聞きそうになかったとしても、「それでも、養子を得て母親として育てることはきっと出来ますよ」と説得すべきだと。あの時代の医療技術では、主人公は大変な苦痛の後みすみす命を落としたように思えて、それが痛ましく、悔しかった。
100%、明らかに女性(或いは男性)に見えない限り「命の危険に曝される」というのは、当事者の本で何度か読んだことがあるけれど、この映画でもそういうシーンがあって、そこでも本当に腹が立った。私はめったに腹を立てない方だと自分では思っているけれど、そうでもないのを映画で再確認することはままある・・・気がする(^^;。
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