『犬王』

我ながら飽きっぽい観客だな～と思った「ひとこと感想」その10。

序盤から（圧倒されて）ずっと目を瞠って観ていたような気がする。（「室町時代のライヴって？」というタイトルで感想を書こうとした形跡もある（＾＾；）　

なのに、結局のところ、今ひとつ満足できなかったというのも本当。

キャラクターの造形が個性的で気に入ったのに、橋の上でのライヴ場面で歌い手の「顔」がアップになると、自分が松本大洋の絵が苦手なのを思い出してしまったし（＾＾；　最後のステージ場面では、シルク・ドゥ・ソレイユを見ているような既視感があって、ちょっと退屈になっちゃったし…などなど。

でも、素晴らしいミュージカル・アニメーションを観た！という印象と、「困ったなあ（手放しで褒める気になれない）」という気持ちが同時に存在するなんて、考えようによってはスゴーク贅沢な体験をしたのかもしれない。

こういう「平家」もあり得る。この監督ならそれをこういう風に映像化できるのだと知っただけでも、観た甲斐はあった。（犬王は実在するということだったので、原作小説が読んでみたいと割と本気で思っている）