なんか、最近、体内時計がおかしいっす。
ということで、22時30分に早々に就寝、3時早朝に起床。
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いきなりですが、
『タイムドメイン理論』ってご存知でしょうか?
私は、なんとな~くは知っていました。
これを知るきっかけとなったのは、
富士通テンが作った卵型スピーカー『ECLIPSE』です。
この奇抜なデザインのスピーカーの存在は、結構前から知っていて、
てっきり「デザイン優先のインテリア志向スピーカー」だと思っていたんです。
ECLIPSE TD512(富士通テン製)
ところが、2年ほど前に仕事でこのスピーカーを取材したところ、
オーディオ&レコーディング業界の大御所である
オノ・セイゲン氏が絶賛してたんです。
それでよく調べると、
この『ECLIPSE』という一風変わったスピーカーは、
何もインテリア性を追求したのではなく、
「いい音」を追求した結果、
この形に行き着いたのだということがわかりました。
そこでポイントとなるのが「タイムドメイン理論」です。
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まあ、厳密な理屈は難しいのでここでは省略しますが、
簡単に紹介すると、
これまでのスピーカーは、
原音を正確に再現するために周波数特性ばかりを追求してきた。
しかし、実際には位相周波数特性が忠実でなければ、
元の音質は再現できない。
この位相周波数特性というものは時間情報を含んだもので、
つまり、時間領域(タイムドメイン)に着目することで、
オリジナルの波形そのものを再現できる。
という考え方だそうです。
う~ん、難しい。\(@o@)/
この「時間による特性」って部分を
わかりやすく説明してみましょう。
例えば、手を「パン!」と叩いたときのような瞬間的な音があります。
まあ、これ「インパルス」なんて言います。
厳密に言うならば、「インパルス」とは、
高さ(振幅)=無限大、
時間幅=無限小で面積が1となる理想的な信号
のことです。
あ、こいつらではありません。(_o_)
こういった信号をスピーカーで鳴らしてみたとします。
当然「パン!」という音が鳴りますが、
この音はスピーカーのユニットが動くことで発生しますから、
ユニットは動いた反動でしばらく動き続けます。
そいでもって、スピーカーの箱の中では共鳴なんかが起こって、
いわゆる「箱鳴り」なんてものも発生します。
つまり、通常の箱型スピーカーでは
原音にない音まで再生されてしまう、
というわけです。
まあ、こういったなんやかんやの問題を解消したのが、
卵型スピーカー『ECLIPSE』だ、っつわけです。
あ~、ようやくたどり着いた^^;)
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このスピーカー、
あのブライアン・イーノ氏が
『このスピーカーは、いーの』
と言ったかどうかは知りませんが、
いずれにせよ彼がレコーディング・スタジオに導入したことで、
オーディオ・ファンだけでなく、
ミュージシャンやエンジニアの間でもよく使われるようになりました。
でもって、最近ではiPodなどの
デジタル・オーディオ・プレイヤーの流行と相まって
手軽にいい音で音楽を楽しめるスピーカーとして
『ECLIPSE』もどきの小型の卵型スピーカーを
ちょこちょこ目にするようになりました。
ところが。
ふとしたきっかけで、
このタイムドメイン理論ってのを考案したのは、
由井啓之(よしいひろゆき)氏という日本人だということを知りました。
そして由井氏は、『タイムドメイン』って会社を奈良に作っていて、
そこで、スピーカーを開発・製造しているんですね。
一体どんなスピーカーを作っているのかと思えば、
な、な、なんと!
"『ECLIPSE』もどき"と思っていた、
まさにアノ小型卵型スピーカーだったんですよ。
さらによく調べてみると、富士通テン製の『ECLIPSE』自体が、
このタイムドメイン社のライセンス商品だったんですね~。
つまり、"もどき"の方が元祖だったわけです。
TIMEDOMAIN mini(タイムドメイン製)
以前から知ってた物や事柄が、
全然違う(と思っていた)物と結びついた驚き。
それが自分の住んでいる国で生み出されたという感慨。
そして、最新のテクノロジーが
歴史ある奈良という地で生まれているという絶妙のアンバランス感。
いやぁ~、驚きました。
あれ?別に驚かない?^^;)
いや、いいんですいいんです。
私は、何かテンと点が線になってつながったような
不思議な心地よさでおなかイッパイです。
あとは、このサウンドをじっくり体験してみたいもんです。
なお、タイムドメイン理論の詳細については、
こちら(タイムドメイン社サイト)もしくは
こちら(富士通テンECLIPSEサイト)をご覧ください。