ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始め、いつのまにかトライアスリートになってしまった私。

【高松高裁判決】難波先生より

2016-02-01 14:43:32 | 修復腎移植
【高松高裁判決】
 残念ながら修復腎移植訴訟の「高松高裁判決」は、たった10秒で「原告の控訴を破棄する」という判断が出た。敗訴である。裁判長が主文を読み上げてそれで終りだった、2週間以内に、最高裁に上告するかどうかは、高度の司法技術的な判断が必要になる。
 14:00から隣の「弁護士会館」で開かれた記者会見に出席した。記者会見を司会した光成弁護士の許可を得て、最後にこう発言した。

 「今日の判決はまことに残念です。修復腎移植が一般医療として認められていれば、死なないですんだ原告の患者さんたちを思うと、胸が痛みます。
 2006年11月に<病気腎移植>の存在が報じられて以来、移植学会と国内メディアのあまりにもひどいバッシングを見て、国内を相手にするのではなく世界に打って出よう、世界を味方にすることにより日本を逆に包囲しようという戦略を提唱してきました。
 藤田士朗先生をはじめ、海外の移植医からの支援もありました。フロリダ大のハワード教授、UC-SFのアッシャー教授、ハーバードのデルモニコ教授(元世界移植学会会長)、ドイツ・ハイデルベルグ大のオペルツ教授(元世界移植学会会長)など、実状を知る人たちはみな支援してくれています。「臨床研究」主任の小川由英先生も、世界各地の学会で臨床研究の成果を発表して来られました。

 その結果、2008年のフロリダでの万波論文の受賞を初め、修復腎移植論文は国際学会でいくつもの賞を得てきました。オーストラリアを初め、世界各国で修復腎移植が取り入れられるようになりました。ドイツは改正移植法で真っ先に「小径腎がんの移植」を認めました。
 それに続いてEUやWHOも移植ガイドラインで、小径腎がんの移植を認めました。

 さらに昨年12月、アメリカのUNOS(全米臓器移植ネットワーク)は「治療目的での臓器提供ドナーとそのレシピエント」について、これまで個別病院で実施して全体像が把握できていないのに鑑み、「登録制による経過観察」を実施することを理事会で決定しました。あげられている臓器のトップは、「腎細胞がん」になっています。
 UNOS新方針のインパクトは大きいと思います。日本では、修復腎移植が認可されると年間2000例の腎ドナーが出現すると推計されていますが、腎細胞がんの発生率は白人に多く、人口比を考えると、アメリカでは年間に6000〜7000個の腎臓が新たに利用可能となると思われるからです。
 このように「修復腎移植」はもう世界を味方に付けたのです。世界は変わりました。日本だけが取り残されているのです。その日本でも、ネットの世界では「糖質制限食」の唱道者、京都の江部康二先生のように、ブログで「修復腎移植」支持を表明する著名人が増えています。

 人は誰でも死ぬのですから、コンスタントに移植用の臓器を得るには、「脳死体または心臓死体」からの臓器提供による他はありません。しかし日本では「和田心臓移植」事件により、死体からの臓器提供については、今なお根深い移植医療不信があります。

 「修復腎移植」が優れている点は、1件の手術により救われて、その良さを語ってくれる「歩く広告塔」が二人も誕生することです。現にこの会場にも昨年の7月に小径腎がんの腎臓を透析中の妻に提供された島田通明さんが、はるばる東京から駆けつけて前に坐っておられます。
 人の死を受けて臓器をもらった場合は、日本の現状ではなかなか人前でしゃべれないものです。その点、修復腎移植の場合は、まず自分が不要な臓器ですから、あげた方にももらった方にも、やましいところがまったくなく「臓器移植の良さ」について、気軽に口にすることができます。
 究極的には日本もスペインのように、「死体」からの臓器提供率が人口100万人当たり40件を超えるようにしなければいけません。だが家族の同意だけで臓器提供が可能なように臓器移植法を改正したにもかかわらず、日本の死体ドナーはちっとも増えません。
 この状況を変えるには、学会や行政の力だけでは無理で、「第三の移植」としての「修復腎移植」を解禁し、沢山の「歩く広告塔」を生みだし、彼らの口コミにより、草の根レベルから「移植医療の良さ」を語ってもらうしかないでしょう。

 「修復腎移植」を広める活動はもう世界を獲得しました。米UNOSがこれを新方針に盛り込んだことは、必ずや巨大な圧力となって日本に押しかけるでしょう。日本の学会も厚労省も、いつまでも「鎖国」を続けるわけにいかないのは眼に見えています。残念ながら高裁での裁判には敗れましたが、先進医療だけでなく一般医療としての解禁を求めて、希望をもって修復腎移植推進の活動を続けようではありませんか。

 この発言に対して会場の後部に坐っていた傍聴者から力強い拍手が起こった。想定外だったが、「ああ、来て良かった」と思った。
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1 コメント

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この記事、転載のお願い。 (さざ波moo)
2016-02-02 18:41:52
motosukeさま
 難波先生のこの記事、moo日記に転載させて下さるようお願いいたします。マイミクの皆さんに早くお知らせしたく、気が急いて転載後のお願いです。ご了解頂けなければ、直ぐ削除します。お宜しく。<(_ _)> 
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