ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始め、いつのまにかトライアスリートになってしまった私。

【修復腎移植の保険適用を急げ 訂正版】難波先生より

2018-10-15 14:56:14 | 修復腎移植
【修復腎移植の保険適用を急げ】
本論に戻りたい。
通例の臨床試験は通常は10例程度を実施して、有効性が確認できれば「先進医療」として認定され、その先は対費用効果を勘案して、効果が高ければ保険医療として承認される。
現に徳州会湘南鎌倉病院で行われた心臓のバチスタ手術
(海堂尊「外科医 須磨久善」、講談社2009/7)
の場合は10例で保険適用が承認されている。

厚労省の移植対策室の医系技官が、上記医学週間「医学のあゆみ」の3論文をちゃんと読んでいたら、2007/7の「病腎(修復腎)移植」禁止の厚労省局長通達はとっくに撤回されていただろうと私は考える。少なくとも2011年になされた徳州会の「先進医療」申請を却下することはできなかったはずだ。

私と堤寛さんの試算によれば、移植可能な小径腎がんは年間約1,500例あり、2011年申請時に認可されていれば、これまでに約12,000人の透析患者が腎移植を受けられたはずだ。
透析患者には年間約500万円の国費がかかる。8年間におよそ6兆円が節約できたはずだ。このまま日本移植学会が妨害を続ければ、透析患者や40万人に達し、年間2兆円の国費負担となるだろう。
移植を受けた患者のQOLと労働生産性の向上については、言うまでもない。

メディアも子どもが出来ないから「LGBT(Lesbian-Gay-Bisexual-Transgender)に生産性がない」などという馬鹿げた議論はやめ、腎不全の女性が妊娠・出産出来るように、「修復腎移植」を本気で取り上げてほしいと思う。

8/31に日本移植学会江川裕人現理事長(東京女子医大・消化器外科教授)が公表した関係5学会の見解、
http://www.asas.or.jp/jst/news/doc/info_20180831.pdf
には「腎移植関連 5 学会は、修復腎移植術がサイエンスとして正しく遂行されるよう、アカデミアとしての責務を果たす所存です。」
とあるが、
 9/13の国会「修復腎移植を考える超党派の会」で述べた、彼の「科学的に不備のない手続きと研究の進行を全面的に応援する」(9/14「愛媛」新聞)との発言を読むと、本音は8/31の声明文末尾のパラグラフ(上記)にあり、9/13の口頭発言は、自民党の大物代議士江藤晟一(せいいち:同会代表)を前にしての、単なるリップ・サービスとしか考えられない。

 なぜなら「なぜ42例に腎がん移植が必要なのか」、「サイエンスを謳うのなら、腎がんを術中に診断し、切除可能かどうかを判断する病院病理医が所属する、日本病理学会がなぜ協力していないのか」などが説明されていないからだ。そもそも90年代にイスラエル・ペンが撤回した「ドナーがんの持ち込み説」を2007年になっても(相川厚は今でも)主張して、「修復腎移植・全否定論」を「5学会共同声明」として発表するなど、「サイエンス学会」とはとても言えない。時代遅れの学説に固執して、科学の進歩を妨げている団体だ。
(実際には病理学会は07年3月に、移植学会の申し入れに対して「学会共同声明」への参加を断っている。まともな病理学者にとって小径腎がんが再発・転移することを信じるなど、ありえないことだ。)

2006年秋の病理学会会長を務めた慶応大医卒のKM君は、会場の外での立ち話で「小径腎がんが移るなんて、バカではないか」と私に述べた。彼は「外科病理学(教科書名)」の大家ミネソタ大のファン・ロサイ教授の教室に留学していた。
つまり彼の発言は「世界の常識」なのである。

日本病理学会の理事会が2007年に「学会共同声明」への参加を拒否したのは、理事会におけるKM君の発言が大きく影響したものと思っている。
ともかく「和田心臓移植」の時、日本病理学会は東大系の榊原さん=心臓外科医を支持して、大きな汚点を残した。今回「学会共同声明」への参加を拒否したことは、二度と同じ過ちを繰り返さなかったものとして、ちゃんと病理学会を評価してほしいと思う。)

「関係5学会」とは日本移植学会・日本泌尿器科学会・日本腎臓病学会・日本臨床腎移植学会・日本透析医学会のことだ。予定していた日本病理学会が抜けたので、急きょ任意団体の「日本臨床腎移植学会」と「日本透析医学会」を含め、数を増やして「五学会共同声明」にしただけだ。これらは一連の業界団体で、いわば利益共同体であることは、医療に詳しい人物なら誰でも知っている。

この間、NHK東京のディレクターが「修復腎移植」に関心を持ってくれるようになった。松山で「悪魔の医師か赤ひげか」をEテレで放映した人だ。近いうちにNスペの番組が製作放映されることを期待している。(NHKが受診料の値下げを発表したが、アメリカのPBC=公共放送のように、コマーシャルはなく、寄付金で不足分を充当するようにすべきだと思う。値下げにより、番組の質が低下することを私は懸念している。寄付控除は遺産にも適用するようにすれば、スポンサーは排除できる。)

一挙に脳を使いすぎると差し障りがあるので、ぼちぼちと「修復腎移植」を推進するためのポリシーを話題として取り上げたいと思う。(今回は少し書きすぎた感がある。)
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