ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始め、いつのまにかトライアスリートになってしまった私。

【修復腎移植の未来】難波先生より

2019-02-28 07:53:22 | 修復腎移植
【修復腎移植の未来】
 2/24(日)の「産経」が一面トップと第一社会面で大スクープ報道を飛ばした。
(一面記事1本)
https://www.iza.ne.jp/kiji/life/news/190223/lif19022319160019-n1.html?utm_source=yahoo%20news%20feed&utm_medium=referral&utm_campaign=related_link

(社会面記事2本)https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190223-00000550-san-hlth

https://www.iza.ne.jp/kiji/life/news/190223/lif19022319250020-n1.html?utm_source=yahoo%20news%20feed&utm_medium=referral&utm_campaign=related_link

 記事の内容は
<1997(平成9)年10月16日に施行された「臓器移植法」により、日本初の脳死体からの臓器移植が行われたのは2年後の99(平成11)年2月で、ドナーは高知県高知市の高知日赤病院で死亡した。以後、2010年に「改正臓器移植法」が施行され「本人の明確な不提供」の意思がなければ、家族の同意だけで臓器のドナーとなることが可能になった。
 にもかかわらず、最初の脳死体からの臓器提供以後の、死体臓器提供者数は約20年間で、たった584人しかいない、という。(日本臓器移植ネットワークのデータ) 改正臓器移植法以後でも年間のドナー数は100人に届かない。米国では年間8,000〜9,000人の脳死ドナーがある。
 単純比較すれば日本のドナー数の80〜90倍になる。
 国際的に比較すると、人口比でトップのスペインに対して、日本のドナー数は1/50以下と世界最低レベルにある。

 記事では高知日赤病院でクモ膜下出血のため脳死となり、ドナーとなった40代女性の心臓を阪大病院で心不全の40代男性に移植した松田暉医師(77)を取材しており、レシピエントは「天寿を全うした」という。ところが私の調査によると「本症例はその後社会復帰し、定年まで元の職場に勤めた。…本症例はその後、消化器系の悪性腫瘍が発見され、移植後10年10月で亡くなった」とある。(「今日の移植」27:No.1, 45~51, 2014)
 移植後10年10ヶ月というと、2009年12月に死亡したことになり、死亡時年齢は60代の初めということになろう。「予期せぬ合併症のため」と言わず「天寿を全うした」という感覚が私には理解できない。

 注目すべきはこの3本の記事は<臓器ネットと産経の調査により、全国に臓器提供認定施設は約900施設あるが、20年間のドナー584人のうち、120人 (20.5%)が上位12施設に集中しているという。900施設のうち、院内マニュアルが整っていないなどの理由で、移植がキャンセルされた事例が過去5年間で13件あるという。上述の松田暉医師は「日本の臓器移植はガラパゴス化している」と、臓器ネットの門田守人(もんでん・もりと)理事長は、「初めに臓器提供施設の資格要件を厳しくしたこと、20年も経つのにルールを変えず放置してきたこと」を問題として指摘している。
 医療におけるガラパゴス化という言葉は、宇和島市立病院名誉院長・近藤俊文先生の名著、
★ 近藤俊文「日本の腎臓病患者に夜明けを:透析ガラパゴス島からの脱出」創風社、2015/8
が初出である。

記事を精読して思うことは、脳死ドナー移植と修復臓器移植は相反するものではなく、日本のドナー数を何とかして増やすために、統一的に考えなければいけない、ということだ。
厚労省も、日本臓器移植ネットもどうやらそれに気づいたようだ。メディアでは朝日、毎日、共同がもっとも遅れていると感じた。「愛媛」に比べると、「中国」は自主判断力ゼロ。
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