ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始め、いつのまにかトライアスリートになってしまった私。

【大臣辞任劇】難波先生より

2016-02-01 14:36:17 | 難波紘二先生
【大臣辞任劇】
 突然の甘利大臣の辞任には驚いた。収賄スキャンダルをスクープした「週刊文春」1/28号(広島県1/22発売)はタッチの差で買い逃した。1/28の大臣辞任記者会見は、同誌2/4号の記事を見てのことだろう。東京では1/20(水)午後、文科省の売店で同誌が販売されることになっている。
 それで1/29(金)発売の文春と新潮の2/4号を、夜になって豊栄のコンビニに買いに行った。前者は残り1冊、後者も残りが4冊だった。ついでに「図解・眠れなくなるほど面白い科学の大理論」(日本文芸社)というMOOK(680円)が並んでいたので、開いて見ると物理・化学・生物学の基本知識を分かりやすく説明し、さらに前近代の五大文明が確立した大理論と近未来の科学を説明した全5章構成になっており、なかなか面白いのでこれも買った。「ベルヌーイの定理」など、名前は覚えているが中身はすっかり忘れていた。

 文春を読んで1/27(水)東京発売のこの記事を見て、甘利大臣は1/28, 17:00からの記者会見に臨んだのだと納得できた。
 「文春」によれば問題の告発者一色武から文春側にたれ込みがあったのは、2015/8/27で甘利の秘書清島への一色からの現金授与の場面の撮影に成功したのは同年10/19のことだという。
 ところが「新潮」では「甘利氏の秘書へ現金を手渡す現場を、文春のカメラマンに撮影させている」と記述されており、あたかも文春側が一色の手車に踊らされているような表現になっている。一体どっちが正確なのか?まあ、文春と新潮は「陽と陰」のような関係にあり、新潮は「拗ね者の見方」を代表しているので、それはそれでよいだろう。後は読者が判断することだ。
 驚いたのは、たまたま浜矩子『さらばアホノミクス』(毎日新聞出版)の書評をエフロブ「買いたい新書」のために書いていたからだ。まさかアベノミクスの実行担当者である甘利明TPP担当大臣が、突然の辞任劇に見舞われるとは思わなかった。
 1/29の各紙は大臣の辞任記者会見を一面トップで報じた。「中国」を除き、日経、産経、毎日ともに白抜きの横一目見だしだった。試みに見出しの幅を計測したら、日経30mm、産経45mm、毎日54mmだった。同じ記事に日経は3本、産経は3本、毎日は2本の縦見出しが付いている。「これはスポーツ紙か?」と驚いた。新聞ももはやこの程度に劣化している。
 「中国」は幅40mmの横普通見出し、縦2本の見出しで、うち1本は公認が石原伸晃元環境大臣だというものだった。これが常識的な線だろう。

 毎日と産経が大臣の顔写真のアップを載せていたが、産経のそれが抜群に優れていた。
 産経の写真では、ネクタイの端を口にくわえているのかと思ったが、毎日がこの直後、布で口を覆っている場面を撮影していて、折りたたんだハンカチの端を唇に当てたものとわかった。上側が白地に黒の縞模様で、下側(裏側)が黒地に白の縞模様になっている。眼鏡は度の緩い老眼鏡で単焦点である。右下目蓋にはうっすら悔し涙がたまっている。
 目線は特定の対象を見つめているものではない。内心の葛藤とはげしく闘っている心理状態が上手く表れていて、報道写真の傑作といえるだろう。この写真を「産経」HPで探したが見つからないので、少々気がひけるが、ここに添付する。

 毎日の写真は17:38撮影とあるから、産経の写真は17:35頃の撮影だろう。66歳で頭髪はすっかり白くなっている。眉毛すらもう白い方が多い。額の横シワは顔面筋の収縮で生じる。垂直に伸びた額が、シワがない部分つまり前頭部に移行していて、ここはすっかり禿げている。
 大脳の前頭葉(独創的な思考と意思力を司る)がよく発達していて、意思力の強い人物のように私には思われる。これは相当に苦労したために、年の割に老け込んだ人物の顔である。
 毎日の写真ではハンカチを開いて裏側を鼻から口にあてているから、まるで黒覆面をしたような瞬間になっている。それに頭髪が写っていない。

 浜矩子のアベノミクス批判には疑念もあったが、今回の疑惑報道でTPP交渉の中心にあった甘利明大臣がアベノミクスに中心的な役割を演じていたことがはっきりしたので、彼の辞任が安倍内閣にレッドカードを出したことも納得でき、書評を仕上げることができた。

 「小泉改革」が竹中平蔵抜きにはありえなかったように、甘利明抜きの「アベノミクス」はないだろう。甘利明(66)は衆議院議員甘利正の息子で、ソニーから政界入りをしたと文春にあるから、優秀だったとはいえ、もともと政治家志望ではなかったのであろう。
 「買いたい新書」ではできるだけ、時局・政治がらみの本は取り上げないように努めているが、今回のように書評の途中で向こうから時事ネタが飛び込んできたものは、いたしかたがない。
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