日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

本日の晩酌 - あて

2020-06-04 21:16:41 | 居酒屋
飲食店に対する無理無体な「要請」の緩和を受け、週二回ほど外で呑むという「新しい生活様式」の構想を先週示しました。しかし、賢明な読者の方は、いきなり挫折したことに気付かれたかもしれません。週明けから今日までの間、一度も店では呑まなかったからです。

否応なしに混み合う週末を避けると、候補になるのは月曜から木曜です。二回行くなら火曜と木曜に分散させるのが有力な選択肢でした。しかし、初回となるべき火曜の時点で躓きました。
直接の原因は腹具合にあります。寄る年波には勝てずに食が細っていき、空腹感も戻りにくくなってきたことについては、最近度々嘆いている通りです。その日も空腹感が一向に戻らず、お昼を先延ばしにするうちに四時を回ってしまいました。今更何かを飲み食いしても、夜の部に響くだろうとは思ったのです。しかし、終業まで飲まず食わずで通すのも厳しい、さりとて今すぐ呑むわけにも行かないという難しい局面で、遅いお昼をいただいた結果、案の定夜の部に響いてしまい、店で呑むのを見送らざるを得なかったという顛末です。
この結果から学んだのは、依然として店で呑むのはたやすくないという事実です。実質的に九時で終わりという条件を考えると、遅くとも八時過ぎには暖簾をくぐる必要が出てきます。一風呂浴びてさっぱりしてからということになると、終業の目安は七時半頃です。つまり、ほぼ定時に切り上げてもほとんど余裕はありません。その頃までに空腹感が戻るよう、お昼の時間を調整するという工夫も要ります。場合によっては、始業を繰り上げ余裕を持たせることも検討せざるを得ないでしょう。呑み屋の看板の時刻から逆算して、一日の行動がことごとく縛られるのも面倒です。あまつさえ、予定していた時間に終われず機会を逃せば、一日の努力も水泡に帰します。その結果、肴を買い出ししておいて、好きな時間に始めた方が、自分には合っているという事実に改めて気付いたのでした。今夜も持ち帰りを活用しての晩酌となります。「あて」が中二日での再登場です。

せめて今夜は店で呑もうという考えも、一応あるにはあったのです。しかしあくまで「一応」に過ぎませんでした。決め手となったのは月です。月明かりの下で晩酌したのは先月の上旬でした。あの月が再び満月となるのは明後日です。しかしあいにくその日の予報が芳しくありません。さりとて翌日以降では月の出が遅くなってしまいます。ほどよい時間に月が昇るという条件まで加わると、今日か明日に限られるということです。ならば今夜は月見にしようと思い立ったのでした。
煌々たる月夜だったあの晩と違い、今日は空全体に薄雲が漂っており、月明かりの鮮明さが刻々と変わります。雨合羽はもう必要なく、Tシャツ一枚で十分です。生暖かい南風を含め、月が満ち欠けする間に、季節が移り変わったことをしみじみ実感させられます。
もう一つ違うのが明るさです。薄雲に遮られ、月明かりが弱まったのもさることながら、それ以上に街の明かりの数が違います。死んだように静まり返っていた頃から、多少なりとも息を吹き返したということでしょう。月夜としては格落ちでも、思わずほっとさせられる光景です。

あて
東京都千代田区九段南4-8-34
03-3262-0044
平日 1700PM-2245PM(LO)
土曜 1600PM-2215PM(LO)
日祝日定休

鯉川
刺身盛合せ
ポテトサラダ
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