日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

本日の晩酌 - あい田

2020-06-12 20:48:25 | 居酒屋
無理無体な「要請」により多くの飲食店が休業に追い込まれていた中、持ち帰りのみの営業に切り替えて奮闘を続けていた店もありました。それらの中で最も愛用していたのが荒木町の「月肴」と「藤々」です。その「藤々」が通常営業に戻り、「月肴」も持ち帰りの営業を縮小する中、代わって台頭してきたのは休業から復活した「魚真」でした。「あて」という有力な選択肢も加わり、当面はこの両店が新たな主力になりそうな様相です。ただし、当初から一貫して愛用してきた店もあります。「あい田」が二週間ぶりの登場です。

折詰が主なのは「月肴」と同様ながら、明確に異なる点がいくつかあります。献立が日毎に変わる「月肴」に対して、当店の献立は一定期間変わりません。彩りの豊かさと盛り付けの美しさにおいても一歩譲ります。ただし、何度か世話になるうちに、こちらもあながち悪くないと気付いてきました。
小耳に挟んだところによると、同じ寿司でも持ち帰りの折詰では握り方が違うのだそうです。傾いても中身が崩れないように、シャリを大きく握って文字通りの「すし詰め」にすると聞きました。それに近い思想が当店の折詰にも表れています。どの品も一口大にほぼ揃っているのです。「月肴」の折詰の場合、持ち運ぶ間に中身が偏って、せっかくの美しい盛り付けが崩れてしまうこともしばしばあります。食器を使わず出来合いの折に詰め合わせる前提で、それに応じた献立と盛り付けを考えた結果がこれなのでしょう。几帳面な店主らしい折詰です。

世話になるのは二週間ぶりと申しましたが、それに先立つ月曜に一度断られるという経験をしました。まとまった注文が入って品が切れたという返答でした。それだけお客が戻ってきたということでもあります。幸いにして返り討ちだけは避けられたものの、その代わりに今夜はテーブルが満席です。最初の頃は店主が一人で仕切っていた店内に、今夜は女将とお姉さんが加わっていました。おそらくこれが本来の姿なのでしょう。
賑わいの理由を知ったのは帰宅後です。アラートとやらが今日から「解除」されたと小耳に挟みました。事実上十時までだった看板が、今後は日付が変わるまでに延長される模様です。つまり、この店にとっては本来の営業時間に戻せるということでもあります。しかし、依然として楽観はしないということか、来週からは献立を変えるとの案内がありました。さらなる緩和はこちらにとっても朗報とはいえ、毎日店で呑む体力はありません。少しずつ貢献していけるという観点からも、持ち帰り主体の組み立てを当面続けるつもりでいます。新しい献立も、いずれ試してみることになりそうです。

酒菜あい田
東京都千代田区九段南4-1-10 グランドメゾン九段南1F
03-5215-6239
1700PM-2200PM(LO)
日祝日定休

稚鮎の天ぷら
すずきオイル焼
和牛しゃぶトマト巻き酢
あさりの青のり真丈浸し
丸茄子の煮浸し
小芋唐揚げバルサミコ酢
さば燻製
カシューナッツ揚げ
コメント