日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

早春の津軽を行く - 藪きん

2020-02-23 22:37:21 | B級グルメ
「弦や」は〆の一品が充実した店でもあります。看板のグリーンカレーを始めとして選択肢には事欠きません。それらをあえて見送ったのは、もう一軒という心情を捨てがたかったからです。とはいえ酒はもういいという気分でもありました。またしても代わり映えしない選択ではありますが、「藪きん」のカレー南蛮で締めくくります。
「はすや」が姿を消していたのは衝撃的でしたが、他の店を試してみるよい機会でもありました。とはいえそれは難しかろうとも思っていました。少なくとも繁華街についていえば、是非行ってみたいと思う店を見かけた記憶がないからです。その予感は的中し、二夜連続で「弦や」を訪ねたことは既報の通りです。ただし、変わったことが一つだけあるのに気付きました。連休中日の日曜日という条件を割り引いても、人通りが明らかに少ないのです。日頃は酔客らで賑わう店内も、今夜は先客二組でした。不要不急を悪とするお上のお触れの影響が、繁華街の人出にも現れたということでしょうか。
そう思ったのも束の間、次から次へお客が入り、こちらが席を立つ頃には満席に。繁華街はあれほど閑散としているにもかかわらず、どこからやってきたかと思うほどの賑わいです。改元直後の晩を彷彿させる一幕でした。

藪きん
弘前市鍛冶町26
0172-32-5013
1100AM-200AM
月曜定休
カレー南蛮800円
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早春の津軽を行く - 弦や

2020-02-23 21:02:32 | 居酒屋
昨日から降り続いた雨と雪が、夕方になってようやく止みました。今夜は傘を持たずに繁華街へ出てきました。
呑み屋のことだけを考えた場合、結果としては青森に泊まった方がよかったのかもしれません。そう思うのは、当てにしていた「山水」が結局休みだったからでもあります。年に何度も弘前に泊まってはいるものの、近年では特定の店ばかり贔屓にしてしまい、他の店へ行くことがほぼなくなりました。「はすや」は消息不明、「しまや」と「弦や」には既に行っており、久々に訪ねたかった「山水」も休みということになると、是非ここへ行きたいと思う店が浮かびませんでした。その結果、昨日の今日になるのを承知で「弦や」の暖簾をくぐるという顛末です。
とはいえ、これもあながち悪くはありません。この店を訪ねるというと、肩慣らしに軽く一杯ということが多く、余力を残しておこうという誘因が働きがちです。昨夜は昨夜で「しまや」の後の二軒目でした。腹具合が万全で、次を気にする必要もないという状況は貴重です。心ゆくまで盃を傾けてから辞去しました。

弦や
弘前市本町76
0172-34-9951
平日1100AM-1330PM(LO)/1800PM-2330PM(LO)
土曜及び祝日 1800PM-2330PM(LO)
日曜定休

香るエール
華一風
六根
お通し(冷奴)
ぶり造り
蒸し鶏のカオマンガイソース
白神の魚自家製ナンプラー揚げ
トムヤムクン
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早春の津軽を行く - 投宿

2020-02-23 19:50:36 | 東北
青森に泊まる案が一時浮上したものの、結局落ち着くべきところに落ち着きました。140km少々走って弘前に戻り、投宿して一息ついたところです。
レンタカーの営業所は七時までだったため、今日中に返すとすれば温泉に寄っている時間がありませんでした。それだけでも翌朝まで手配した甲斐はあったということになります。今のところ明朝は晴の予報です。的中すれば弘南線か大鰐線の電車を撮りに行くのも一案でしょう。今日は少し早めに切り上げ、早起きできるようにしておいた方がよさそうです。
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早春の津軽を行く - 金太郎温泉

2020-02-23 18:33:28 | 温泉
来た道をそのまま引き返すのも面白くありません。岩木川を辿りつつ南下して行き、五所川原経由で戻ることにしました。市街を出て旧国道をしばらく行くと温泉が現れたため、こちらを本日の二湯目とします。立ち寄るのは金太郎温泉です。
弘前へ向かう経路上でいうと、とりわけ印象に残っているのが板柳温泉です。駅前にある古びた銭湯の造りがよい味を出しており、今回再訪するにもやぶさかではありませんでした。その一方で、初見の温泉に寄ってみたいという考えもありました。初見の方が先に出現したことにより、そのまま入ったわけなのですが、結果としてはこれでよかったのかもしれません。
遠目には集配局のようにも見えるコンクリート平屋建ては無味乾燥で、佇まいに関しては板柳温泉の圧勝です。しかし、明るくて飾り気のない館内はむしろ好ましいものがあります。そして何より秀逸なのが浴場です。壁際の洗い場と中央に鎮座する長方形の浴槽には、おそらくヒバと思われる天然木が奢られます。巨大な浴槽にはモール泉が滔々と掛け流され、鏡のような水面から溢れ出し、床を伝って行くという仕掛けです。

★金太郎温泉
五所川原市大字姥萢桜木299-1
0173-34-7715
800AM-2200PM
第一水曜定休
入浴料330円
泉質 ナトリウム-塩化物泉(低張性弱アルカリ性高温泉)
泉温 64.7度
pH 7.9
湧出量 毎分222リットル(掘削動力揚湯)
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早春の津軽を行く - 車力漁港

2020-02-23 17:12:12 | 東北
交通量皆無の道を北上し、十三湖まであとわずかとなりました。しかし、鉛色の空はますます暗くなり、かつて訪ねたときの眺めを超えるとは思われません。車力漁港まで走ったところで折り返します。
漁港に隣り合わせた場所が駐車帯になっており、目の前の砂浜に押し寄せる荒波を、ほどよい高さから眺めることができます。しかし、停めた車が揺れるほどの強風では、車外で直に体感しようと思ってもままなりません。湿った雪が降りしきる弘前市街、新雪が今なお積もる岩木山麓を経て、寂寥とした津軽半島に至る場面の移り変わりが印象的でした。写真に撮って絵になる眺めは決して多くなかったものの、津軽の早春の一端に触れることができたという点で、今回旅に出た目的を果たせたような気がします。ここまで走ってきた甲斐はあったと言い切りましょう。
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早春の津軽を行く - 出来島埋没林

2020-02-23 15:39:51 | 東北
岩木山麓を左回りに周回し、鯵ヶ沢との境を越えたあたりから、路面に積雪した区間が出始めました。しかし、12時の位置から下山して行くと、いつの間にやら積雪が目に見えて減りました。さらに北上して津軽半島に入るや、雪は全くなくなるという経過です。沿道の案内板が示すままに走り、只今出来島埋没林を訪ねています。
来歴を記した案内板によると、約二万八千年前の針葉樹林が火山灰に埋もれてから水没し、再び地表に露出してきたもののようです。しかしどれがその埋没林なるものなのかがよく分かりません。というのも、目の前に広がる日本海から凍えるような強風が容赦なく吹き付け、立っているのもままならないのです。積雪がなくなったのも、積もるまでもなくこの風に飛ばされてしまうからでしょう。空は俄に暗くなり、一転して寂寥感に満ち満ちてきました。
弘前の市街では湿った雪が根雪を溶かし、次第に春へ向かって行くかのようでしたが、ここではそのような気配を微塵も感じられません。日毎に暖かくなって行く関東と違い、冬から春へ移り変わるには長い時間が要るということでしょう。そう思えばこれもまた早春らしい光景に映ります。
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早春の津軽を行く - なかの食堂

2020-02-23 14:11:33 | B級グルメ
朝食をたらふくいただいてきたため、お昼は遅めでよかろうと思っていました。しかし、そのつもりで先延ばしを続けると、めぼしい店が見当たらず、結局お昼を逃すという結果になりがちです。二時を回ったところで先手を打ち、「なかの食堂」の暖簾をくぐります。「温泉旅館 中野」に併設されたこの食堂が、常々気になっていました。温泉を素通りした埋め合わせも兼ねて、一度訪ねてみようと思い立った次第です。
ラーメンを筆頭に御飯物、そば、うどんを取り揃えた品書きの中から選んだのはチャーシューメン850円也。運ばれてきた丼を見てまず思ったのは、弘前の老舗「来々軒」との共通性です。チャーシューの切り分け、厚さが似通っており、味についても近いものがあります。麺については平凡で、専門店に一日の長を感じるものの、少なくともチャーシューだけは互角です。

なかの食堂
弘前市大字百沢字高田80
0172-83-2578
1100AM-1600PM
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早春の津軽を行く - 三本柳温泉

2020-02-23 13:26:16 | 温泉
去年は慌ただしく動いたにもかかわらず収穫が乏しく、徒労感が残るという経験をしました。お昼を逃したばかりか一風呂浴びる時間も作れず、身体の芯まで冷え切って辛かったのが思い出されます。今回はあれほどせわしなく動き回るつもりもありません。移動に先立ち風呂に浸かって温まります。
格安で日帰り入浴できる旅館が点在する百沢の界隈で、最も愛用してきたのは「温泉旅館 中野」です。これは偏に、窓越しに花見の湯を楽しめるという特典があるからに他なりません。花見の時期は必然的にあちらを再訪することになります。趣向を変えて選んだのは「三本柳温泉」です。
一昔前に一度だけ世話になったことがあります。再訪してみて思うのは、いくつかの点であちらと共通していることです。まず、湯治客向けの鄙びた佇まいがよく似ています。長い廊下の先にある浴場と、淡緑色に濁った金属臭のする源泉についても。それに加えてもう一つの共通点があることに気付きました。窓の向こうに桜らしき木が佇んでいるのです。
塚という形容がふさわしい、周囲より若干高い場所に立つのは、ソメイヨシノか山桜と思しき立派な枝振りの大木です。しかも、浴槽の中ほどに肩まで浸かると、その大木が窓枠に収まって、あたかも一枚の絵のように見えてきます。おそらくは、窓越しに見ても様になるよう、近からず遠からずほどよい位置に塚を盛って植えたのでしょう。花が咲いたときの眺めが俄然気になってきます。そうなる時期を狙いすまし、いずれ再訪する必要がありそうです。

★三本柳温泉
弘前市大字百沢字温湯7
0172-83-2508
800AM-2030PM
入浴料300円
泉質 ナトリウム・マグネシウム-炭酸水素塩・塩化物泉(低張性中性温泉)
泉温41.5度
pH 6.9
掘削自噴
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早春の津軽を行く - 岩木山神社

2020-02-23 12:43:03 | 東北
西の方へと走ってきました。続いては岩木山神社を参拝します。平地の雪がいくら降っても積もりそうにないのは分かりました。ならば高度を上げるしかないという単純な発想です。
こうして車を走らせるも、眺めが大きく変わることはなく、岩木山でもこれかと最初は思いました。様相が変わったのは参道を登り初めてからです。雪の粒が細かくなったのもさることながら、踏みしめたときの感触が明らかに違います。降った雪がそのまま積もっているということです。記録的な少雪となった今季、新雪を踏む貴重な機会となりました。神が与えてくれた御利益と感謝します。
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早春の津軽を行く - 禅林広場

2020-02-23 11:49:38 | 東北
続いて立ち寄るのは禅林広場です。例年は立ち入れないほど深い雪に埋もれるこの広場が、記録的な少雪となった今季、どうなっているかについてかねがね興味がありました。果たせるかな積雪は明らかに少なく、ソメイヨシノが三本並んだ先端の方まで歩くことができました。とはいえそれも雪靴だったからこそできた芸当です。秋田市街ではこれほど雪が積もった場所など全くありませんでした。やはり腐っても鯛、津軽の冬の厳しさを物語る光景です。
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早春の津軽を行く - 最勝院

2020-02-23 10:53:33 | 東北
弘前市街を出る前に最勝院を訪ねます。例年に比べてしまえばどうということはないものの、参道には雪がそこそこ積もっており、昨日訪ねた秋田との違いが一目瞭然です。
もう一つ違うのは、昨日の雨がそのまま雪に変わったことです。ただし、降っても降っても積もることはありません。北信越で見るような、粒の大きい湿った雪ということです。この雪が根雪を溶かし、次第に春へと移り変わっていくのでしょう。またしても早春を実感させる場面に出会いました。
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早春の津軽を行く - 木目木奉

2020-02-23 10:21:25 | 東北
車を引き取って出発しました。本日の相棒はマツダデミオです。今や中型セダンでも2リッターの車がざらにある中、この車格で1.5リッターという仕様があたかも破格のように思えてきます。
弘前では駅裏のオリックスレンタカーを愛用してきましたが、今回はタイムズカーレンタルに宗旨替えしました。翌朝まで借りることを前提にした場合、料金面で歴然とした違いがあったからです。返却を朝まで延ばす選択肢を残しておくのは、今夜どこに泊まるかを決めかねているからでもあります。出発した段階では、当然のごとく弘前に連泊するつもりでいました。しかし、「はすや」が姿を消したことで、青森に泊まってみるのも悪くないという考えが頭をもたげてきた次第です。宿の手配はひとまず見合わせ、日が暮れたときの気分に任せます。
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早春の津軽を行く - スマイルホテル弘前

2020-02-23 09:23:37 | 東北
金沢に連泊するとき、きくのやと木津屋旅館に一泊ずつするのが恒例です。弘前でも定宿二軒を使い分ける習慣が確立しつつあります。昨晩世話になったのは弘前国際ホテル改めスマイルホテル弘前です。
もう一軒の定宿である弘前東栄ホテルと同様、充実した朝食バイキングがこの宿の真骨頂でもあります。毎度感心させられるのは、品数の豊富さ、幅広さもさることながら、整理整頓が行き届いていることです。たとえば、惣菜を取り分ける箸、匙、トングの向きが揃えられ、開閉式のトングは必ず閉じられています。調理だけでなく盛り付け、接客に至るまで、周到な配慮がなされているのは天晴れです。これで税込880円はまさに破格。料金だけで考えれば、弘前東栄ホテルがわずかに安かったものの、ここにも一泊することには迷いがありませんでした。
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早春の津軽を行く - 二日目

2020-02-23 09:14:25 | 東北
おはようございます。疲れが取れにくい傾向は相変わらずです。六時台の前半に一旦目が覚めるも二度寝してしまい、再び目覚めたときには七時半が迫っていました。朝食をいただいてから一通りの支度を終えたところです。
昨晩の時点で、雨はそのまま雪に変わり、翌日まで降り続けるという予報でした。しかし、起き上がれずにまどろんでいたとき、窓の外から聞こえてきたのは雨音でした。また雨かと思ったのが二度寝してしまった一因でもあります。しかし、ようやく起き上がって窓の外を眺めたところ、降っていたのは雪でした。雪というより氷の粒に近いのでしょう。軽い雪が音もなく降ってくる真冬とは違う、これが津軽の早春かと思わせる一幕でした。さらなる発見を求めて、本日は津軽平野を走ります。
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