日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

東北縦断花見の旅 2019続編 - はすや

2019-05-01 22:36:21 | 居酒屋
夜桜を見物してから「はすや」へ行くのも三度目です。今夜も10分と前後せずに飛び込みました。
玄関をくぐり、二階へ続く階段を上がると、カウンターが端の方から見えてきます。左から隙間なく埋まっているのが見えたとき、しまった、またもや満席かと一瞬思いました。しかし、よくよく見ると中ほどに一つだけ空席が。左の二人がすぐ帰ったため、お姉さんの勧めによりそちらへ移るという結果です。
十年来通い続けてきた中で、一品目には刺盛りを注文するのが習慣化していましたが、直近二日は違うものをいただきました。これは値上げの影響でもあります。二人前で2000円という値段は変わらないものの、一人前が1200円になったのです。千円だったこれまでが破格だったわけであり、1200円でも十分お得とはいえます。とはいえ、日参している今回の状況では、毎日刺盛りにするよりも、刺身については単品にして、その分他のものを選ぶのも一興というわけです。
刺身といえども、ただ切って出すだけではありません。漬け、味噌たたき、ゴマよごしなど、一手間加えたものが中心です。その中から本日選んだのはゴマよごしでした。字面から想像したのは福岡のそれで、見た目もおおむね変わりません。しかし、醤油の違いに土地柄が感じられます。酒肴にはお誂え向きの一皿でした。

はすや
弘前市上瓦ヶ町1-1-2F
0172-33-6981
1800PM-2400PM
日曜定休

田酒・山形正宗
お通し(蛸ぼっち)
ひらめのゴマよごし
とろみ肉豆腐
とろろめし
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東北縦断花見の旅 2019続編 - 第三夜

2019-05-01 22:06:47 | 東北
花盛りなら三日かけても終わらないところです。しかし盛りはとうに過ぎ、もう撮るべきものはありません。ほぼ同じ経路を歩いて切り上げました。
霧雨に時折降られはしたものの、傘要らずで済んだのは助かりました。三夜続けて無風だったことについても。鏡のような水面に映るぼんぼりの明かりと、日ごとに少なくなる人出が印象的でした。弘前の桜もそろそろ潮時でしょう。見切りをつけて北海道へ渡るなら、明晩限りとなりそうです。
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東北縦断花見の旅 2019続編 - 三年前の再現

2019-05-01 20:50:19 | 東北
もう一度だけ眺めて切り上げるつもりが、結局八時近くまで滞在してしまいました。弘前の夜桜と掛け持ちすべく、東北道を飛ばして戻ったところです。小坂までの往復により100kmほど走り、出発からの走行距離は1240kmとなっています。
昨日の空が六年前の再現だと申しましたが、今日についていえば三年前が再現されました。小坂の夜桜が実に見事で、しみじみ観賞してしまい、それにより時間が押してきたことです。ついでにいえば、5月1日という日付も共通しています。夜桜とはいっても、街灯がつくだけの遊歩道と、裸電球が灯されるグラウンドだけであり、弘前の夜桜に比べてしまえばごくささやかです。しかし、高遠にしても鶴ヶ城にしてもそうですが、最近どこへ行っても投光器がLED化されてしまい、情緒はかなり失われました。それだけに、橙色の街灯と白熱球が放つ趣のある明かりが、なおさらありがたく感じられたという事情があります。
小坂に長居したことにより、弘前での持ち時間はその分削られてしまいます。しかし、片や満開、片や盛りを過ぎている状況で比べた場合、弘前の夜桜と引き換えにしても惜しくないと思えるものがあちらにはありました。昨日に続き、天候についてはどうしようもない一日でしたが、これこそまさに最高だと思える桜を、一度とはいえ観賞できたのは幸いです。
気温は昨晩より少し下がって11度、小坂で降っていた霧雨は止み、路面も既に乾いています。例によって10時に切り上げるとすると、今から弘前城へ向かっても、実質的な持ち時間は小一時間といったところでしょうか。しかし、絵になる眺めが日毎に少なくなっていることを考えると、それだけあれば一応足りるともいえます。少なくともあと一晩は機会があるため、今夜は手短に済ませるつもりです。
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東北縦断花見の旅 2019続編 - 小坂中央公園

2019-05-01 18:30:50 | 東北
まだ雪の残る峠を越えて秋田県側に下りました。小坂中央公園を訪ね、これにより曲がりなりにも東北全県で花見をしたことになります。
碇ヶ関から向かう時点で、中途半端になりかねない懸念がありました。そのまま走っても着くのは四時過ぎになります。ただでさえ曇った空が暮れていき、花見としては形骸も同然です。しかも、ついでに再訪しようと思っていたレールパークの閉園にも間に合いません。しかし、そのまま弘前へ戻ったところで、日が暮れるまでには時間があります。「しまや」で一杯やろうにも、ラーメンとカレーをいただき腹はすっかり満ちました。無料の文句に誘われて、悠長に博物館など見学したばかりに、行っても半端、戻っても半端という悩ましい状況に陥ったわけですが、今更結果論を持ち出しても仕方がありません。ともかく予定通りにそのまま走ってきた次第です。
峠を越える頃から雨も降り出し、これはもうどうしようもないかと一時は思いました。しかし、あながち悪くはありませんでした。雨といっても傘が要らない程度の霧雨で、昨日と同様一旦降ってもすぐ止みました。桜もまさに満開でした。食害の影響もなく、見事な花を咲かせたのは三年ぶりになるでしょうか。天候こそどうしようもなかったものの、一本一本が実に立派で、鉱山事務所、芝居小屋に遊歩道など、絵になる点景がいくつかあるため、これはと思う画をいくつか切り取ることができました。しかもありがたいことに、鉱山事務所と芝居小屋の開館が、大型連休中に限り六時まで延長されており、鉱山事務所だけは駆け足ながらも見学できました。閉館と同時に出ると、今度はグラウンドで裸電球によるささやかな夜桜が始まっており、ひとしきり観賞した頃には遊歩道の街灯にも明かりがつくという経過です。
そのようなわけで、日没前後の限られた時間ではあったものの、結果としては「迷ったら買え」の鉄則通りとなりました。さらに暗くなれば眺めも当然変わってくるため、もう一度眺めてから弘前に戻ります。
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東北縦断花見の旅 2019続編 - 碇ヶ関ドライブイン

2019-05-01 15:06:13 | B級グルメ
最近興味を引かれているのが、幹線国道沿いにある昔ながらのドライブインです。契機の一つとなったのは一昨年世話になった鯖石のドライブインですが、同じ国道7号線沿いにもう一軒気になっていた店があります。遅い遅い朝食兼昼食を、そのドライブインでいただきます。
碇ヶ関で東北道を下り、弘前へ向かって走ると直後に現れるのがここです。「碇ヶ関ドライブイン」の屋号を正方形の行灯で一文字ずつ掲げた店構えは看過しがたく、一度訪ねるしかなかろうとかねがね思っていたのでした。「田沢食堂」にも寄れるところをあえて寄らず、朝からここまで引き延ばしたのは、この店へ行くという前提があってのことだったのです。
染め抜きの暖簾をくぐると左手に厨房、目の前に三つ並んだテーブル席があり、右側に座敷が六卓分という構成です。古びてはいながらも、きれいに磨き上げられた店内は好ましいものがあります。厨房との仕切り壁には短冊が並び、定食類が特に充実。長距離トラックが往来する場所柄が感じられる品書きです。ラーメンは500円の良心価格で、黒板にはそれと丼物、ご飯物を組み合わせたセットの文字も並ぶ中、てらいなくミニカレーセットを選びました。ラーメンのスープは煮干しが香る津軽の正統派で、極細の縮れ麺の喉越しと食感ともども秀逸です。見た目以上に麺がぎっしり詰まっており、カレーもこれでミニかと思うほど気前よく、800円ですっかり満腹です。ここまで引き延ばした甲斐はありました。

碇ヶ関ドライブイン
平川市碇ヶ関諏訪平18-9
0172-45-2473
1030AM-2100PM
ミニカレーセット800円
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東北縦断花見の旅 2019続編 - 碇ヶ関駅

2019-05-01 14:27:03 | 東北
続いては碇ヶ関駅を定点観察していきます。緑色の金属屋根、正面に二本突き出た煙突、駅舎の前に鎮座する灯油タンクなど、雪国の駅舎らしい武骨な造りが印象的な駅舎です。
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東北縦断花見の旅 2019続編 - 村社八幡宮

2019-05-01 13:58:42 | 東北
弘前の桜が日毎に散っていく中、県境の方にはまだ見頃の桜が残っています。国道7号線を上って大鰐を過ぎると、満開の桜が車窓に見えてきました。中でもとりわけ立派な木を横目にしつつ、通り過ぎようとしたその瞬間、視界をよぎったのは朱塗りの小さな鳥居です。一旦行き過ぎながらも引き返し、その鳥居があった方へ向かうと、門柱には村社八幡宮とありました。その裏には明治30年の刻印も。どこへ行ってもありそうな、ごく小さなお宮ではありますが、本殿を囲む背の高い木立と、いくつも置かれた御神酒からして、地元では古くから信仰を集めてきた神社なのでしょう。踏切のすぐそばにある鳥居と、その脇に立つ一本桜ともども、ささやかながらも印象的な光景です。
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東北縦断花見の旅 2019続編 - 二度目の給油

2019-05-01 13:25:50 | 東北
まず米沢、次に津軽で給油をするという流れは例年と同様です。警告灯がついたところで、沿道の左側に宇佐美の給油所が現れたため、こちらで道中二度目の給油を済ませます。
前回の給油からここまでの間に、通算21万5千kmを突破しました。昨春の通算20万km突破から一年強で1万5千kmということは、これも例年通りの早さで距離を重ねたことになります。
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東北縦断花見の旅 2019続編 - 無料開放

2019-05-01 11:54:23 | 東北
昨晩は平成最後の入園券を買いました。もちろん令和最初の入園券も買うつもりでいました。しかしそれは叶いませんでした。改元記念とやらで無料開放されていたのです。それも、本丸の有料区画だけでなく、植物園と藤田記念庭園を含む八ヶ所もの施設が無料という大盤振る舞いでした。渡りに船とばかりに飛びつき、手近な博物館と文学館を回ってきたところです。
博物館は弘前の歴史と手工芸品、文学館は津軽ゆかりの作家に関する展示がそれぞれ中心でした。特に、縄文時代から始まる博物館の展示には見応えがあり、それだけで午前を消費しそうになって、文学館は申し訳程度にせざるを得ませんでした。しかし、歴史にも文学にも無頓着な自分にとっては、あの程度でちょうどよかったともいえます。入館料を払ってまで見たいとは思われず、今の今まで素通りを続けてはきたものの、どのようなところなのかとかねがね興味はあったからです。冴えない曇り空をやり過ごすべき状況で、今日に限って無料とは出来過ぎています。
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東北縦断花見の旅 2019続編 - 六日目

2019-05-01 09:43:32 | 東北
おはようございます。本日はまずてらいなく弘前公園を訪ねました。引き続き天候に多くを期待できない中、どこへ行くかと思案していたとき、予想外の日が射してきたことから、とるものもとりあえず乗り込んだ次第です。その日射しはすぐに陰ったものの、外濠の花筏を令和最初の一駒とすることができました。その足で東門から三の丸に入り、通称ピクニック広場から投稿中です。
今にも降り出しそうだった昨日の空と違い、上空には所々青空が見えています。ぬか喜びに終わる可能性はあるものの、いたずらに悲観する必要もなさそうです。
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東北縦断花見の旅 2019続編 - 藪きん

2019-05-01 00:19:32 | B級グルメ
時代の節目をしかるべき場所で迎えるべく、第二夜も余力を残して「はすや」を出ました。前夜に続き麺をすすって締めくくります。満を持して飛び込んだのは「藪きん」です。
一昨日の「盛楼閣」は半年足らずでの再訪でした。ましてやこちらは二月に訪ねたばかりです。趣向を変えるにはまたとない機会であり、これはと思う品もあります。品書きをざっと見ても、もり、かしわ、玉子とじ、親子にとろろといったところです。それでも結局カレーに落ち着いたのは、中毒性がいかに高いかということでもあります。
酔客らで夜な夜な賑わう店内に、今夜は先客が一組だけという珍現象が起きました。ところが、そう思った直後から酔客が次々と暖簾をくぐり、いつの間にやら満席に。節目はしかるべきところで迎え、それからここで締めようというお客が多かったのでしょうか。かくいう自分もその一人でした。考えることは皆同じだったようです。

藪きん
弘前市鍛冶町26
0172-32-5013
1100AM-200AM
月曜定休
カレー南蛮750円
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東北縦断花見の旅 2019続編 - 最勝院

2019-05-01 00:06:37 | 東北
然るべきところで節目を迎えると申しました。その場所とは「弦や」の旧店舗があった裏路地です。
見上げれば最勝院の五重塔が暗闇に浮かび上がる、行き交う人も車もほとんどない静かな路地です。時代の節目を厳かに、心静かに迎えたいと思ったとき、いの一番に浮かんだのがここでした。時報はあえて聞かないまま、五重塔を見上げつつ合掌し、そろそろ過ぎたかと見て時計に目をやったところ、0時00分に変わっていたという顛末です。その直後に遠くの方から聞こえてきた、祝砲らしき花火の音が印象的でした。これが自分なりの幕引きです。
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