日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

本日の晩酌 - 國権

2020-02-20 22:21:13 | 晩酌
去年の暮れに会津若松の植木屋を訪ねたとき、目に留まったのが「國権」のカップ酒です。ガラスのカップに直接描かれた瓢箪の絵柄が好ましく、純米酒でありながら300円少々というお値打ち品でもありました。その味わいは、これが純米酒かと思うほど古臭く、語弊を承知で例えるなら菊正宗の上撰を彷彿とさせます。ただしこれは褒め言葉でもあります。カップ酒に華やかな吟醸酒は似合いません。あえてこうしているというのが自分なりの解釈です。

★國権 純米酒
国権酒造(福島県南会津町)
精米歩合 60%
アルコール分 15度以上16度未満
福島県会津若松市 植木屋商店にて購入
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春まだ浅い北陸へ 2021 - 紋や

2020-02-20 21:11:30 | 居酒屋
夕方まで宿の手配は見合わせました。飲食店への風当たりがこれほどまで強まると、なじみの店の動静が否応なしに気がかりです。「紋や」さえ開いていればもちろん福井に泊まるものの、万一休業していれば、金沢に引き返すことも検討せざるを得ませんでした。しかし杞憂に終わってくれました。まさかの予約満席という、このご時世にあってはむしろ歓迎すべき返答を受け、空き次第知らせてもらう算段をつけて、ひとまず宿で待機することになりました。ところが、八時半には空くだろうといわれていたはずが、目安の時間を過ぎても梨の礫でした。たとえ遅くになろうとも、席さえ空けば行くつもりではあるものの、深夜に及ぶ飲み食いがあたかも悪であるかのように叫ばれるご時世です。お上による「要請」で飲食店が早仕舞いにでもなっていれば、万一のことがあったとき、代わりの店の選択肢すら見当たらないという事態にもなりかねません。念のため、こちらから様子をたずねてみようとしまさにそのとき、携帯電話が鳴り出すという顛末です。
九時までかかった一因は、一連の騒動の煽りで席の数が減らされ、八席あったカウンターが六席になったことでしょう。それに加えて、自分の前にも順番待ちがいたようです。しかも後からさらに二組入ってきました。四連休だった九月に訪ねたときより、今回の方が賑わっています。店主によると、一連の騒動に雪が追い打ちをかけ、先月は相当苦戦したものの、ようやく人出が戻ってきたとのことでした。老婆心に終わってくれたのは幸いです。

気候には冬の名残が感じられる一日でした。しかし、品書きには春らしいものが増えています。ざっと挙げてものれそれ、新わかめ、ふきのとう、若竹煮といったところでしょうか。ズボがにの文字があるのも今ならではです。それらの中から一つ選んでみるにもやぶさかではなかったものの、あえて注文したのは牡蠣の味噌鍋でした。当店を初めて訪ねたときにいただいた品の一つがこちらです。能登産の牡蠣と地野菜を使ったもので、冷めかかった鍋を温め直してもらえたのもありがたく感じられました。まだ肌寒い早春の夜、当時のことを振り返りつつ、しみじみ酒を酌みたかったのが真相です。
その鍋には、立派な牡蠣が春菊とともに奢られていました。食中の会話は慎み、済み次第直ちに出よと叫ばれる世知辛いご時世、店主の口癖でもある「ごゆっくり」の一言も心憎いものがあります。しみじみ感謝しつついただき、本日最後の客となって席を立ちました。

紋や
福井市中央3-4-6
0776-23-0040
1800PM-2400PM
日曜定休(祝日の場合は営業し翌日休業)

白龍
早瀬浦
突き出し(蟹玉豆腐)
造り盛り合わせ
平目フライ
カキ味噌鍋
へしこ刺身
抹茶ムース
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