日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

晩秋の大地を行く 2017 - 晩酌

2017-09-21 21:51:34 | 晩酌
買い出しを済ませてキャンプ場に戻りました。依然として風は弱いものの、気温は11.5度まで下がり、バンガローが効果を発揮しそうな条件になりつつあります。今夜は長袖二枚に厚手の雨合羽を羽織っての晩酌です。
昨日訪ねて、霧多布の市街には小さなスーパー一軒しかなく、そこが閉まれば残る補給手段はセイコーマートしかないことが分かりました。そこで、厚岸を通る際に先手を打っておきました。まず漁協の直売所を訪ねたところ、鯨の刺身があったためすかさず押さえ、さらにはフクハラにイカ刺しがあったためこちらも確保。あとはセイコーマートでどうにかなるようにしておいたのです。風呂から上がって市街へ向かうと、霧多布のスーパーは既に閉まった後だったため、この判断は結果として正しかったことになります。
本日は刺身とジンギスカンの二本立てになり、またも100円惣菜の出番はありませんでした。寒くなりそうなのが明らかだったため、温かいものを何より欲していた次第です。

サッポロラガー
サッポロクラシック
鯨刺身
真いか刺身
味付ラムジンギスカン
もやし
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晩秋の大地を行く 2017 - 霧多布温泉ゆうゆ

2017-09-21 20:03:34 | 温泉
北海道にある旅人御用達のキャンプ場に共通する特徴として、近くで風呂にも入れるという点が挙げられます。霧多布でその役割を果たしているのが「ゆうゆ」です。
当たり前のようであって当たり前ではありません。たとえば佐渡でキャンプをしたとき、最寄りの風呂まで片道25kmも走りました。富山の園家山キャンプ場でも、魚津か越中境のどちらかまで、片道10km以上走らなければなりません。多くのキャンプ場に温泉が近接している北海道が、いかに恵まれているかが分かります。

この温泉には思い出があります。道東で花見をしたとき、五月とは思えない冷たい風に吹かれ続けた日がありました。しかも、アゼチ岬では三脚を立てても揺れてしまうほどの強風でした。その日は釧路の宿をとっており、本来ならまっすぐ戻るつもりだったはずが、身体の芯まで冷え切ってしまい、たまらず飛び込んだのがこの温泉です。熱いお湯があれほどありがたく感じられたことはありません。結局直後に風邪を引いてしまったものの、今となっては忘れ難い思い出の一つです。
そして今回もささやかな思い出ができました。キャンプ場備え付けの冊子の特典により、牛乳を無料でいただくことができたのです。それも地元霧多布の小松牛乳でした。吹き抜けになった畳の休憩室でいただけば、大きな窓の向こうには霧多布の市街の明かりが瞬いています。ここから釧路に戻るのも不可能ではなく、宿さえ押さえられれば三連泊もしうる状況ではありましたが、今夜は霧多布でよかったのだろうと納得している次第です。

★霧多布温泉ゆうゆ
厚岸郡浜中町湯沸432
0153-62-3726
1000AM-2100PM(最終受付)
第一月曜定休(祝日の場合営業し翌日休業)
入浴料500円
泉質 ナトリウム-塩化物冷鉱泉(中性低張性冷鉱泉)
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晩秋の大地を行く 2017 - きりたっぷ岬キャンプ場

2017-09-21 19:07:32 | 北海道
老者舞から先は高度が下がり、平地を直線路で貫く線形に変わりました。やがて国道44号線に合流し、そこから先は昨日と同じ経路を逆にたどって霧多布に到着。ひたすら走った昨日に対し、今日は難読集落に寄りながらの移動だったため、走行距離は約140kmにとどまりました。

今夜は霧多布岬のキャンプ場の世話になりますが、テントを張らずバンガローに泊まります。これは、昨日立ち寄ってみて設備がごく簡素なことに気付いたからです。愛用しているムーンライト1型の場合、テント内には寝るための空間しかなく、晩酌するには東屋かベンチがあれば好都合なのですが、薄暗い中でざっと眺めた限り、そのようなものが見当たりませんでした。吹きさらしの高台の上という立地も考えると、二千円までならバンガローを借り、そこで晩酌するのも一案と考えました。果たして想定内の料金だったため即決した次第です。
気温は13度で耐え難い寒さというわけではなく、今のところ風も大したことはありません。しかも上空には満天の星空が広がりました。これならテント泊の方がよかったのではないかという考えが、今更ながら頭をもたげています。しかし、雨風の心配なしに休めること、設営と撤収が要らないことも含めれば、料金に見合った価値はあるともいえます。芝生にシートを敷いて晩酌し、寒くなったり風が出たりすればバンガローに逃げ込むつもりです。

それにしても今日の夕景は見事でした。日没が近づくと上空の雲が晴れ、内地では冬晴れの日でもなければ見られない鮮やかな夕空が広がったのです。しかるにキャンプ場の受付の関係上、脇目も振らずに走らなければならなかったのが惜しまれます。市街に入る直前、凪いだ水面に西の空が映るお誂え向きの場所が現れ、短い時間とはいえ最高の夕景を眺められたのが救いではありました。
霧多布を訪ねるというと、今日を含めどういうわけか夕暮れ時がほとんどで、日中の姿を久しく見ていません。明るくなってからの眺めも楽しみです。
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晩秋の大地を行く 2017 - 老者舞

2017-09-21 16:09:51 | 北海道
続いて訪ねるのは老者舞です。全く想像も付かない入境学と賤夫向に比べれば、これでオシャマップと読ませるのは一応納得できますが、似たような響きの長万部に比べると、依然として難読には違いありません。谷に沿ってきつい坂を下っていく地形は跡永賀を彷彿させますが、下りきった先には漁港があり、坂を下りる途中も何台かの車とすれ違いました。今日訪ねた中では最も生活臭が漂う集落です。
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晩秋の大地を行く 2017 - 入境学

2017-09-21 15:36:51 | 北海道
少し戻って入境学の集落を訪ねます。これで「ニコマナイ」と読むそうで、賤夫向と同様、初見で読むのは神業に近いものがあります。ご多分に漏れずナイは川を意味しており、河口に流木が集まる川というのが語源だそうですが、霧多布などと違って語源に沿った漢字を当てているわけでもなく、ただ読みにくいだけの字を当てた理由が不可解です。
一旦通り過ぎたのは、沿道の案内板に「汐見」なる平凡な地名が書き入れられていたからですが、カーナビに「人境学」なるただならぬ地名が示されていたのと、賤夫向からわずかな距離ということもあり、引き返してきた次第です。上記の通り入境学であり、またしてもカーナビが誤っていたわけですが、間違えても仕方ないと思えるほどの難しい地名が続きます。
かなりきつい坂を下った浦雲泊と跡永賀に対し、こちらの集落は又飯時と同様に、片側一車線の比較的なだらかな坂を下ったところにあります。西の方へ続いていく海岸段丘を一望でき、眺望に関していえば今日訪ねた中では一番かもしれません。
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晩秋の大地を行く 2017 - 賤夫向

2017-09-21 15:24:31 | 北海道
跡永賀を過ぎたところで、ようやく道道沿いにも太平洋が広がってきました。頃合いの駐車公園が現れたため停車します。
案内板にはセキネップとある一方で、釧路町賤夫向という所在地が併記されており、漢字で書くとこうなるようです。夫がプを表すなら分からないこともなく、実際カーナビには賤向夫とあるものの、調べてみるとカーナビの方が間違っているようで、そうだとすると浦雲泊にも勝る難読地名です。
目の前には渺茫たる太平洋が広がります。しかし、それ以上に特筆すべきは高さです。公園の両脇に、ここより低い崖が二つあるのですが、それらに霧多布以上ではないかと思うほどの高さがあります。それらを見下ろしているということは、ここがいかに高いかということでもありますが、高さとともに特筆すべきは、どこに崖の淵があるのか分からないことです。その謎は両脇の崖を観察することで解けました。なだらかな茂みの傾斜が徐々にきつくなっていき、ある場所から垂直に落ち込んでいるのです。先の方まで行くことができれば、隣の崖の全貌が見えそうだと思っても、行けども行けども淵がなく、どこで落ち込むかと思うと恐ろしくなり、それ以上先へ進むことができませんでした。北海道らしい豪快な地形です。
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晩秋の大地を行く 2017 - 跡永賀

2017-09-21 14:22:48 | 北海道
珍しい地名に絞るつもりが、現れるのがことごとくその手の地名で、なかなか先に進みません。続いて訪ねるのは跡永賀、先ほどの浦雲泊より開けた谷を下りていくと、谷の切れ間に太平洋が広がり、わずかな平地に家々が集まっていました。
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晩秋の大地を行く 2017 - 浦雲泊

2017-09-21 13:47:22 | 北海道
片っ端から訪ねていてはきりがないと判断し、地名が珍しいところだけに絞りました。続いて訪ねるのは浦雲泊です。ある程度想像できる又飯時に対し、これで「ぽんとまり」とはさすがに予想できませんでした。
ほぼ直線的に下っていった又飯時への坂に対して、こちらの坂はより急で曲がりくねって視界も効きません。ようやく開けたところに現れたのは、又飯時よりもさらに小さな集落です。あちらもここも昆布漁が盛んのようで、水揚げされた昆布が天日干しにされています。しかし、足がすくむような崖の上から、どのようにして海まで下りているのでしょうか。余所者には全く想像できません。
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晩秋の大地を行く 2017 - 又飯時

2017-09-21 13:11:56 | 北海道
先ほどの高台から少し走ったところで民家が尽き、海岸段丘を上下しつつ行く線形に変わりました。さらに走ると又飯時なる集落へ分かれる道の案内板が。一旦通過しながらも、聞き捨てならない地名が気になり引き返し、集落へ向かう坂を下りていくと、段丘の上に小さな集落があって、その向こうで太平洋が輝いていました。
昨日も感じたことですが、まっすぐ移動するならともかく、このような小さい集落までしらみつぶしに巡って行くと、車という交通手段の限界が感じられてきます。自分と入れ違いに広島のライダーが坂を上がっていきましたが、やはり北海道を旅するには二輪の方が向いているのでしょうか。この歳で今更二輪の免許を取るつもりはないものの、若い頃にとっていたとすれば、どのような旅ができたのだろうかと仮想させられます。
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晩秋の大地を行く 2017 - 道道142号線

2017-09-21 12:41:32 | 北海道
期待通りに空が晴れてきました。内陸を中心に走った昨日に対し、今日は海沿いの道道142号線こと北太平洋シーサイドラインを東進します。まだ釧路市街を抜けきってはいませんが、早くも交通量は少なくなり、高台からは釧路市街と太平洋が見えています。しかも適度に雲が出ているため、写真にとっても絵になる眺めです。気温は19度と昨日に比べて若干下がり、湿度は気温以上に下がりました。天候に関していえば今日が上陸以来最高かもしれません。
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晩秋の大地を行く 2017 - インデアン再訪

2017-09-21 12:07:05 | B級グルメ
釧路を出る前にもう一ヶ所だけ寄り道です。インデアンで釧路滞在を締めくくります。
六花亭でいただいたハヤシライスが、物足りなくはない、しかしはしごも無理なく可能というほどよい分量でした。今回の道中で釧路、十勝に戻ってくる可能性は低く、次の機会は一年後になりかねません。ならば最後にもう一度と思い立ちました。
昨日の今日での再訪という条件を生かし、本日は趣向を変えて野菜を注文。「大ぶりなじゃがいもと人参、玉ねぎが入ったカレー」という触れ込みの通り、絵に描いたような家庭のカレーで、インデアンルーのような唯一無二の個性こそないものの、「これが日本のカレーだ」と外国人に紹介するにはもってこいともいえます。老若男女を問わず愛されそうな、完成された味わいでした。

★インデアンあさひ町店
釧路市川上町9-7
0154-21-8885
1100AM-2145PM
野菜421円
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晩秋の大地を行く 2017 - 六花亭

2017-09-21 11:11:26 | B級グルメ
昨日に続いて春採湖の畔をゆく石炭列車を狙い、10時台の上下列車を仕留めました。撮影を終えたところで早めのお昼をいただきます。立ち寄るのは六花亭です。
六花亭といえば土産の定番マルセイバターサンドでおなじみですが、直営店には喫茶もあり、中でもとりわけ愛用してきたのが春採店です。高台へ登る坂の途中にコンクリート打ちっ放しの瀟洒な建物があり、その二階に喫茶室が造られて、大きな窓の向こうに春採湖が広がり、彼方には雌阿寒岳と思しき山陰も見えています。朝から曇っていた空が次第に晴れてきました。こちらの出発を見計らったかのようなよい流れです。

★六花亭春採店
釧路市春採3-19-1
0154-44-6666
店舗 1000AM-1800PM
喫茶 1030AM-1700PM(LO)
智宏風ハヤシライス750円
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晩秋の大地を行く 2017 - C58

2017-09-21 09:45:41 | 北海道
まずは釧路市内に保存されたC58を訪ねます。幸町公園の106号機で、お召し列車を牽いた由緒正しき機関車です。最近塗り直されたのか艶やかに光っており、屋根付き柵付きの条件にも恵まれ、よい状態を保っています。
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晩秋の大地を行く 2017 - 東横イン釧路十字街

2017-09-21 09:35:54 | 北海道
既報の通り、昨晩は初めて東横インの世話になりました。予約サイトが普及した結果、宿代の相場が流動的になり、空いたときには安く泊まれる反面、混んだときには一斉に法外な値がつけられるという現象が常態化した昨今にあって、唯一通常価格を貫くのが東横イン最大の美点でもありますが、今回その恩恵に与ったことについては素直に感謝しています。加えて、全国チェーンが数ある中でも、完成度の高さは頭一つ抜けていると実感させられました。
細部の寸法をmm単位で追求し、限られた面積で最大限の空間を作り出すところに、東横インの強みがあるという評判は聞いていました。その通り、部屋は面積以上に広々しているように感じられます。他の東横インも同様なのかは不明ながら、部屋は一般的な間取りよりも正方形に近く、ベッドは窓際にそれと並行する形で置かれ、玄関側のユニットバスとの仕切壁に接する形で机があるという造りです。背もたれがベッドに付きそうなほど、机とベッドの間隔を切り詰めた宿も多い中、ここでは十分な空間があって、さらにはベッドと窓の間にも空間があります。
合理性、経済性をとことん追求する一方で、質は決して落とさないというのも特筆すべきところです。たとえば、部屋の腰壁、天井、窓回りは落ち着いた色彩の天然木で縁取られており、さらにはハンガーにも天然木が奢られています。安いビジネスホテルが真っ先に端折りがちな窓回りと照明の造りにも抜かりがありません。その思想はユニットバスにも貫かれ、温度調節できるカランが使われていたり、シャンプー、リンスが分かれていたりするなど、この価格帯の宿にはなかなかないものが当たり前のように完備しています。
何より感心させられたのは、宿泊客の行動を綿密に解析し、現場からの意見も集約の上、その成果を隅々にまで反映させていることです。その象徴ともいえるのが枕元の照明でした。土台から二本の細い柱を立て、一本に読書灯、もう一本に球形のシェードをかぶった室内灯を取り付けるというもので、球形の照明には調光機能があり、常夜灯としても使えるという寸法です。いずれの電源にも寝転んだまま手が届くようになっており、宿泊客の動作を綿密に解析の上、自社で設計、発注したものであろうことが窺われます。
朝食は予想通り話ホテルラッソに遠く及ばず、滞在するのが楽しみになるような宿ではありません。しかし、素泊まりと割り切って一晩快適に休み、翌朝気分も新たに出発するという目的に関する限り、これ以上の完成形はないともいえます。あまりの完成度の高さは無味乾燥さにつながり、それが長年毛嫌いしてきた理由の一つでもありますが、実力のほどについては素直に感心した次第です。
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晩秋の大地を行く 2017 - 六日目

2017-09-21 08:13:55 | 北海道
おはようございます。昨晩は「しらかば」を出たところで雨が降り始めたこともあり、一旦宿に退却して出直すという結果でしたが、「万年青」へ向かうときも、そこから宿へ戻るときも傘の出番はありませんでした。降雨が予報よりも短時間で済んだと見え、路面は既に乾いています。一時は午前いっぱい雨になるとも予想されただけに、それより早く回復してくれたのは幸いです。
出発からは六日目、北海道上陸からは五日目となり、道内では今日明日あたりが折り返し地点となります。本日は根室方面へ向かって駒を進め、日が暮れ次第手近なキャンプ場に飛び込もうと考えているところです。東へ行くほど天候の回復が遅れると予想されているため、あえて急がず行く程度がちょうどよいのかもしれません。
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