日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

活動回顧録 2016 - 灼熱の八月

2017-03-08 23:51:10 | 旅日記
例年通り誕生日に前後する形で梅雨入りし、ほどなくして夏の高校野球が始まり、束の間の活動休止期間に入って七月を終えました。例年ならば、さらに残暑をやり過ごし、九月頃から活動を再開するところです。しかし、去年は八月に三度も活動するという異例の年となりました。

・灼熱の近畿を行く(8/6-8 3日間)
二ヶ月の活動休止を経て、聖地甲子園の巡礼を主題とする旅に出ました。実際に巡礼するのは一日のみで、表題の通り灼熱の近畿を旅するのが行程の大半です。初めて巡礼した前年は、兎にも角にも酷暑に難儀させられただけに、それ以上の酷暑が予想される中、決行に際してはかなりの躊躇がありました。しかし結果としては前回ほどの暑さを感じることなく終わりました。
このような結果に至った理由として、前回の教訓から相当な覚悟をもって臨んだことに加え、成り行き任せで登った比叡山が、平地とは別世界の涼しさだったという事情が挙げられます。初日に大津側から登ったところ好結果だったため、翌日は京都側から登り、二日にわたり避暑ができたばかりか、ケーブルカーとロープウェイにも乗車できて一石二鳥でした。加えて収穫だったのは、坂本という思いも寄らない場所で行きずりの名酒場との出会いがあったことです。翌日奈良で訪ねた「鬼無里」の店主の独特さも印象に残っています。
最終日に甲子園を巡礼し、天王寺の「明治屋」で一献傾けてから帰るという流れは前年と同様でした。傘の下の内野席が早々と売り切れてしまう誤算があり、炎天下の外野席に回る結果となりましたが、照明灯の影が落ちる場所を選ぶなど、工夫をすればそれなりに乗り切れると分かったのは収穫です。左翼席の上段から眺める六甲山と入道雲もよいものだと実感しました。

・北陸信越縦断ツアー 2016(8/11-14 4日間)
山の日の制定により、お盆に中規模活動をする余地が生まれました。都内ではまだまだ残暑厳しい時期とはいえ、地域によっては活動に堪えうる気候になってくる時期です。翌年以降の試金石にしたいという目的もあり、この時期としては異例ともいえる二週連続の活動となりました。
飛び石の四連休という日程と、宿も列車も混み合うお盆という条件に鑑み、思い立ったのは北信越でのキャンプでした。初日は時間が押した結果松本のアルプス公園で車中泊し、三泊目も富山市内の宿を押さえることができたため、キャンプを張ったのは二日目だけでしたが、このとき世話になった園家山キャンプ場が最高でした。
北陸新幹線の開業前にも度々世話になった入善の海岸のキャンプ場です。わずかな先客が焚火で暖をとっていた晩秋の光景から一転、大所帯の家族連れがひしめく状況は、雰囲気としては今一つな面があったものの、少し離れた東屋が空いており、しかもそこには滾々と水が湧き出る石臼が据え付けられていました。その石臼で酒瓶を冷やしつつ、ガスランタンと蚊取り線香を焚きながらの晩酌は最高でした。さらにはかつての北陸本線を遠巻きに一望することができ、わずかに残った413系が時折通過するというおまけ付きです。去年は回数こそ少なかったものの、正月の来島海峡にお盆の北陸と、これぞ最高と思えるキャンプができたのは幸いでした。
キャンプが最高だった反面、北陸の暑さには相当難儀させられました。近畿の暑さを三日にわたり耐え抜いたことで、どこへ行っても乗り切れそうな自信が芽生えていたところであり、実際往路に通った甲州と信州の暑さはそれほどでもありませんでした。しかし北陸の場合、気温の高さもさることながら蒸し暑さが半端ではなく、体感としては前週の近畿よりも難儀させられました。とはいえ、それも終わってみればよい思い出と実感できるのは、残暑厳しき中にも初秋の季節感がそこはかとなく表れていたからです。湧水で喉を潤す爽快感もたまりませんでした。

・豊穣の越後を行く(8/27-28 2日間)
厳しい残暑が長く続いた昨年ではありましたが、四の五の言ってはいられない切迫した事情がありました。新潟の115系が、新車への置き換えにより急速に数を減らしていたことです。前年は稲穂が実る越後平野を行く光景を狙いながら、天候にたたられ納得の行く成果を残すことができませんでした。そして次の秋までには置き換えがさらに進み、記録の機会を永遠に失うことも予想されました。最後となるかもしれない秋に、稲穂の中を行く115系を記録することは、昨年の最重要課題の一つだったわけです。
北陸から戻った翌週末を、天候の問題から直前で見送った後、次の週末に再挑戦の機会が訪れました。初日の前半は冷たい秋雨に降られ、その後も日射しは陰りがちで、さしたる成果もなく終わったものの、翌日は予報通りの快晴に恵まれ、ようやく狙い通りの画を切り取ることができました。太平洋側が台風の来襲で荒れ模様だった中、新潟だけが快晴となってくれたのは、幸運だったと改めて思います。
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