日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

春まだ浅い信濃路へ 2017続編 - 車

2017-03-04 22:45:35 | 居酒屋
性懲りもなく「山女や」をのぞいたものの、一向に空いた気配はありません。一か八かで飛び込むもあえなく敗退。たとえ人気店でも九時、十時を回れば空いてくるのが常のところ、この店にその経験則は当てはまらないようです。静岡の「昇菊」と同様、入れれば儲けものと考えるしかないのでしょうorz
これにより、二軒目は教祖の推奨店の世話になることが決まりました。下手に先入観を持つのを嫌い、「居酒屋味酒覧」はあえて持参せず、屋号と看板の時間だけ書き留めています。五軒のうち三軒は十時で看板、この時間でも入れるのは残る二軒ということになります。その中から選んだのは「車」です。
もう一軒の「あや菜」は教祖の紹介から想像した通りの小料理屋然とした店、対するこちらは蔵を改修して近年できたと思しき店です。同じ路線の店といえば、思い出すのは金沢の「あぐり」、あるいは宇都宮の「國酒の仕業」といったところですが、店内の雰囲気は多かれ少なかれそれらと似通っています。一方店主はベテランのようで、語弊を恐れずいうなら仙台の「かん」の店主を彷彿とさせます。年代はもちろんのこと、風貌、口調、立ち居振る舞いといったものがよく似ているのです。似ているのは店主だけでなく品書きも同様で、最初に六点ものお通しが出てくるため、ある程度腹が満ちていれば酒以外注文する必要はなさそうです。その他の品も、腹が満ちるものというより酒のあてが多く、屋号に「酒肴」を冠しているのも納得できます。二軒目に軽く一杯やるには好ましく、今はなき「よよぎ」の後釜となってくれそうな一軒でした。

★車
松本市中央3-2-13
0263-88-9010
平日 1700PM-2330PM(LO)
日祝日 1700PM-2230PM(LO)
木曜定休

美寿々・高天・川中島
お通し六点
自家製スモーク盛り合わせ
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春まだ浅い信濃路へ 2017続編 - しづか

2017-03-04 20:19:25 | 居酒屋
教祖がしばしば使う「実家」なる言葉を借りれば、「松本の実家」として確立した感があるのが「しづか」です。「実家」の意義を自分なりに解釈するなら、名酒場が何軒かある街の中でも、挨拶代わりに必ず立ち寄る場所ということになるでしょうか。実家という以上、長年通い続けた、我が家同然に落ち着ける、家族経営の店という条件を加えてもよさそうです。要は、単に「その土地の一番」という以上の思い入れを持った店が「実家」ということになるのでしょう。先月松本へ行くか、静岡へ行くかで迷ったときに後者を選んだのも、土曜と祝日が重なって、この店が定休となってしまうからでした。自分にとって、この店で呑むことは松本へ行く目的そのものとなりつつあるわけです。
そこまで持ち上げておきながら、今回はここをいの一番に目指したわけではありません。もちろん、一軒限りなら必ずここを選ぶと予想され、花見のときはおそらく世話になるでしょう。見方を変えると、次回はこの店一軒限りになる可能性が高い以上、存分に飲み食いするのはそのときでもよく、その結果今回は二軒目に回そうという発想が働いたのでした。しかし予想通りというか何というか、目当ての「山女や」が混み合っており敬遠し、落ち着くべきところへ落ち着くという結果に。我が家のような居心地のよさはどちらも互角ながら、いつ行っても入れない「山女や」と、いつ行っても温かく迎えてくれる「しづか」との差が、「実家」としての位置付けに大きく影響しているのが現状です。

しづか
松本市大手4-10-8
0263-32-0547
1200AM-2230PM(LO)
日祝日定休

真澄二合・七笑
お通し(おひたし)
おでん三品
やきとり三本
野沢菜
お新香
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春まだ浅い信濃路へ 2017続編 - 投宿

2017-03-04 19:46:56 | 甲信越
アルプス公園に着いたとき8度あった気温が、帰るときには5度に下がっていました。明朝の予想最低気温は氷点下3度、寒暖の差の大きさが内陸ならではです。市街に戻って投宿し、風呂から上がって生き返ったところです。
このところ松本は花見で毎年訪ねており、順当に行けば今年も舞い戻ることになるかと思います。しかし、会津にしても松本にしても、花見以外で訪ねる機会が近年次第に減ってきました。一泊二日の小旅行を主体に組み立てざるを得ない今季、松本を是非とも一度は訪ねておきたかった次第です。
花見の旅というと飲み食いは後回しになりがちで、夜桜見物を終えた後、呑み屋に入るのは九時半頃になるのが常です。そうなると事実上一軒限りに絞らざるを得ないことも多く、それを若干物足りなく感じていました。腰を据えて呑むのも久々のことになります。
昨年末に刊行された教祖の「居酒屋味酒覧」で特筆すべきことの一つは、松本の店が一挙五軒も掲載されたことですが、個人的にはそれほど食指が動きません。長年通って愛着が湧いてきた店もあり、それらを差し置いてまで行きたいとは思わないのが率直なところではあります。「しづか」には必ず行くとして、二軒選べる状況ならば、今回是非再訪したいのが「山女や」です。ただ、この店との相性がどうにもよろしくなく、今回も振られる可能性は少なからずあろうと覚悟しています。残念ながら振られてしまったときは、教祖の推奨店をのぞいてみるにもやぶさかではありません。
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春まだ浅い信濃路へ 2017続編 - アルプス公園

2017-03-04 18:42:33 | 甲信越
塩尻市街に入ったところで夕日が山の向こうに沈みました。影絵になった北アルプスを望みつつ、山沿いの県道を走って松本に到着。只今アルプス公園で夕景を眺めています。
気温は8度に下がったものの、風が全くないため数字ほどには冷えておらず、雨合羽を羽織ればどうにかしのげる体感です。この時間になっても西の空にはまだ明かりが残っており、ここまで日が長くなったかと驚かされます。春間近と実感する夕景です。
日中はやや霞んでいた空が、いつしか雲一つなく晴れわたり、天頂には上限の月が浮かんで、常念岳の稜線は鮮明に浮かび上がっています。明日の朝目覚めたとき、どのような光景が広がっているかについても楽しみです。
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春まだ浅い信濃路へ 2017続編 - 達成

2017-03-04 16:46:01 | 
結局何とも微妙な場所になってしまいました。国道20号線上で通算18万kmに到達です。
中央道に乗った時点の走行距離から、塩尻に着くまでには18万kmに達することが確定的となりました。そのため岡谷で下りたところ、その時点で残りの距離が既に2kmとなっており、そのまま行けば峠を越える手前で到達するのは明らかでした。塩尻側はともかく岡谷側の線形はよろしくなく、節目の場所としては今一つなのが経験上分かっています。そこで咄嗟に思ったのは、諏訪湖に出られないかということでした。しかし無情にも、案内板には湖畔まで4.5kmの文字が。岡谷市街も約3kmとあります。その結果、20号線をそのまま下るしかない状況となり、坂を少し上ったところで達成となった次第です。
全くの結果論ではありますが、残りの距離を読み違えたのが致命的でした。中央道に乗った時点では、岡谷で下りると5kmほど残るはずが、わずか2kmとなってしまったため、その範囲では相応の場所を見つけることができず、20号線をそのまま走るしかなくなったわけです。仮に中央道を使わず一般道をそのまま下っていれば、岡谷市街に入った時点で秒読み段階となり、あとは適宜調整することにより、諏訪湖のほとりで18万kmを迎えることができたでしょう。なかなかうまくは行かないものですorz
道の右側には病院、左側には老人福祉施設があって、曲がりくねった坂を車がひっきりなしに行き来しています。水鏡の田圃が広がっていた17万km達成地点に比べると、雰囲気の点では比べようがありません。しかし唯一の救いは、達成地点の直後に停車可能な場所があり、しかもそこから諏訪湖と南アルプスが見えたことです。建設中の高架橋と送電線が視界を横切り、写真に撮っても全く絵にはなりませんが、何の面白味もないバイパスや高速道路上よりましということにしておきましょう。
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春まだ浅い信濃路へ 2017続編 - 信濃境駅

2017-03-04 15:36:07 | 甲信越
小淵沢の市街を短絡して長野県内に入りました。続いては信濃境駅を定点観測していきます。甲斐大泉と同様、昔ながらの木造駅舎と、その前に立つ白樺の取り合わせが印象的です。
この後諏訪南から中央道に乗りますが、通算18万kmまであと40kmに迫っており、このまま行くと塩尻の手前で到達する可能性も出てきました。高速道路上というのも興ざめなので、残りの距離次第では一つ手前の岡谷で下ります。この場合おそらく20号線上での達成となり、記念撮影まではしづらそうです。しかし明るいうちに達成できるだけましなのかもしれません。
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春まだ浅い信濃路へ 2017続編 - 甲斐大泉駅

2017-03-04 14:12:00 | 甲信越
広域農道をさらに走って県道に合流。少し走ったところに現れるのが甲斐大泉です。昔ながらの木造駅舎と、その前に並んだ白樺の取り合わせが印象的な当駅ですが、本日はその駅舎の背後に八ヶ岳も見えています。小淵沢の駅舎が無惨にも取り壊されてしまった今、この駅だけは変わらずにいてほしいと願わずにはいられません。
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春まだ浅い信濃路へ 2017続編 - あと100km

2017-03-04 13:22:49 | 甲信越
甲府盆地を後に、広域農道を西へ走ります。甲府まで正面に鎮座していた白峰三山は、市街を出ると甲斐駒ヶ岳に、さらに進むと八ヶ岳に変わりました。左に甲斐駒ヶ岳が鎮座する中、八ヶ岳が正面を中心に車窓の右と左を行き来する光景は、中央東線の車窓と同じようでありながら、自走になると一味も二味も違った趣があります。沿道に車を止めれば来し方には富士山の姿も。写真に撮って絵になる光景かといえば、必ずしもそうとはいえないものの、走っていて楽しい道には違いありません。
現在の気温は11度、三月に入って日差しが次第に眩しくなり、サンルーフのシェードを開け放っていると、車内が暑くなってきます。その一方で車を降りると、今度は風がやや冷たく、上着なしでは肌寒く感じられます。冬と春とが交錯する、この時期らしい一幕です。
ちなみに、通算18万kmまであと100kmを切り、松本に着くかどうかのうちに到達しそうな情勢です。この先長坂か小淵沢まで一般道を走り、そこから再び中央道に乗るつもりですが、そのまま行くと高速道路上での達成となる可能性もあるため、塩尻から山沿いの県道経由で向かった方がよいかもしれません。走り慣れた道で達成できれば理想的ではあります。
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春まだ浅い信濃路へ 2017続編 - 奥藤

2017-03-04 12:00:42 | B級グルメ
11時を回ったところで切り上げました。移動の前に腹ごしらえです。今回も「奥藤」の分店を訪ねます。
目当ては鳥もつではなくほうとうです。ならば「奥藤」ではなく「小作」だろうとお思いかもしれません。実は前回訪ねたとき、「奥藤」にもほうとうがあるのを知って、こちらのほうとうも試してみようと思っていたのです。しかしそのほうとうが品書きにないという誤算がorz
このようなことになったのは、訪ねた店がそもそも違うからです。前回訪ねた第二分店に対し、今回は第四分店を訪ねました。かなりの大店だった第二分店に対し、こちらは相席のテーブル、小上がり各一つにテーブル三つとささやかで、品数も若干絞られており、ほうとうは残念ながらありませんでした。逆にあちらにはないカツ丼があることからしても、分店により品書きは少しずつ異なるのでしょう。ただし、分厚い丸太と板を贅沢に使った店内と、地元客が引きも切らずに訪れる雰囲気だけは変わりません。
そのようなわけで、代わりに注文したのはざるそばセット1080円也。ざるそばに鳥もつ煮と炊き込みご飯を組み合わせたのがその内容です。ほうとうしか頭になかっただけに、当然物足りなさは残るものの、だからといってほうとうまで重ねていただきたいと思うほどでもありません。今日のところは鳥もつ煮で済ませ、この先腹がこなれてくれば松本でカリーをいただくことにします。

奥藤飯田第四分店
甲府市飯田4-8-26
055-222-0460
1100AM-1400PM/1730PM-2000PM
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春まだ浅い信濃路へ 2017続編 - 不老園

2017-03-04 09:27:12 | 甲信越
短い間隔で再訪した以上、同じ経路を行くのも芸がありません。旧甲州街道をのんびり下って甲府にやってきました。梅の名所不老園に立ち寄ります。
先月訪ねたときは、季節を先取りすることに意義があり、見頃にはまだ大分早い状況でしたが、それから三週経った今、梅は期待通りに見頃を迎えています。早咲きがまだ満開、中咲きの開花も進んでいて、遅咲きだけが蕾のままという状況は、先週の偕楽園と同様で、適温無風の天候も観梅にはお誂え向きです。しかもありがたいことに空が次第に晴れてきました。昼前には切り上げ、ほうとうをいただいてから先へ進むつもりですが、滞在は思った以上に延びるかもしれません。
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春まだ浅い信濃路へ 2017続編 - 痛み分け

2017-03-04 08:37:01 | 甲信越
六時過ぎに出発し、中央道を走って勝沼で下りました。南アルプスを一望する県道の高台から投稿中です。
先週末の好天をあえて見送ってまで臨んだ今回の活動ですが、結果としては何とも微妙な天候となりました。南アルプスを一望できるのはよいものの、空全体に薄い雲が出ており、遠景も若干霞みがちなのです。先月訪ねたときは山が雲をかぶっており、事前に知らなければどこが南アルプスなのかも分からなかったことを考えると、今回の方が明らかによい天気ではあります。しかし、雲一つない青空に雪山が映える光景を思い描いていただけに、依然として画竜点睛を欠く印象は否めず、やはり先週末に来ればよかったかと無意味な仮想をしてしまいます。浅はかな人間ですorz
静岡へ行ったときにしてもそうなのですが、客観的に見ればこれでも十分よい天気なのです。しかるに最高の天気を追い求めてしまうことによって、この程度の天気では満足できなくなっている自分がいます。いわゆる「婚活」をとことん重ねた結果、理想が高くなりすぎて、いつまでも決められないまま歳を重ねた人々の心理は、おそらくこれに近いものなのでしょう。最高の天気を待ち続けるより、そこそこ以上の天気であれば、思い切って決行した方が後悔は少ないのかもしれません。「迷ったら出ろ」の鉄則を見失った結果ともいえます。
あたかも敗北宣言のようですが、旅はまだ始まったばかりです。この薄雲が晴れてくれれば、逆転勝利もあり得ます。それ以前に、車窓については最高といえるものを今季二度にわたって眺めた以上、今回が空振りに終わっても痛み分けです。最低でも引き分け以上と思えばよいでしょう。先週末と比べるのはこれきりにしておきます。
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