日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

関東一円はしご酒 2016初夏 - 八たん

2016-06-25 20:20:19 | B級グルメ
2100形の快特に乗った以上、終点まで乗り通したいという考えはありながらも川崎で下車しました。牛タン焼の名店「八たん」を目当てにしてのことです。
川崎に勤めていた一昔と少し前、なけなしの金をはたいて週に一度は通った店です。しかし、その後職場を移ってからは、年を追うほど縁遠くなり、前回がいつだったのかも思い出せないほどの無沙汰をしてしまいました。時間にも腹具合にも余裕はあり、なおかつ次の機会がいつ巡ってくるか分からない状況を考えたとき、貴重な機会をやり過ごすことはできなかった次第です。
それほどまでに愛用してきたのも、ここの牛タンが他店では決して味わえない唯一無二の逸品だからに他なりません。当店とともに川崎の双璧をなす「杉作」が、元祖である「太助」の味に忠実なのに対して、大口を開けずともいただける牛タンは「一隆」に近い切り方をしています。ただし、より弾力のある歯触りと、胡椒の風味を効かせた味わいは明確に異なっており、その独自性はテールスープについても同様です。久々の味わいには格別のものがありました。
前回訪ねたときは女将が不在で、足繁く通った頃には見かけなかった娘さんが代わりに店を仕切っていました。それがいつだったのかも思い出せないということは、女将とは少なくとも数年単位の無沙汰だったわけです。それほどの年月が流れたこともあって、喜寿を過ぎた女将が年齢以上に歳をとったように感じられます。とはいえ、今も時折炭火の前に立つなど、矍鑠とした様子なのは幸いです。

八たん
川崎市川崎区本町1-8-28
044-244-9247
1700PM-2130PM(LO)
日祝日定休
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関東一円はしご酒 2016初夏 - 撤退

2016-06-25 19:41:47 | 関東
まだ七時台にもかかわらず早々と撤退します。名酒場には事欠かない横須賀だけに、さらなるはしごの余地がないわけではありません。しかし、「中央酒場」と「銀次」の双璧が秀逸すぎて、大抵の酒場は色褪せてしまうのが実情です。落差を承知の上でもう一軒を欲張るよりも、ここで切り上げるのがよかろうと考えました。
もう一つ看過できない事情として、2100形の上り快特が八時過ぎで終わってしまうという点が挙げられます。京急が安普請の車両に席巻されつつある昨今、2100形とそれ以外の運用との格差は大幅に広がりました。グリーン車と普通車以上の歴然とした違いがありながら、同じ運賃を支払うのはあまりにも馬鹿げているというものでしょう。2100形を逃したが最後、かなりの確率で粗悪品を掴まされる状況なら、今のうちに帰った方が賢明というわけです。
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関東一円はしご酒 2016初夏 - 銀次

2016-06-25 18:08:25 | 居酒屋
港で風に吹かれるうちに、「銀次」の開店までの時間は思いの外早く過ぎ去りました。しかしすぐさま乗り込むかというとさにあらず。六時を回ったところで暖簾をくぐります。
時間稼ぎをしたのは、月に一度の土曜営業を目当てにしたお客が開店めがけて殺到し、四時を回るやいなや満席となるのを経験上知っているからです。同じ目的の人々で混み合う開店直後よりも、それがある程度入れ替わる時間帯が吉と考えました。その狙いはおおむね的中し、カウンターに残っていたわずかな空席をどうにか確保。人気店とはいえ回転は早いだけに、常時の二、三の空席はあり、自分の後も満席で断られるお客は現れませんでした。やはり、開店直後をあえて避けるという選択に誤りはなかったようです。
十分に腹ごなしをしたこともあって、普段以上に飲み食いし、その分滞在時間も延びました。心ゆくまで滞在し、一年半の空白は多少なりとも埋め合わされたような気がします。しかし、たとえ滞在時間が半分になったとしても、その分訪ねる回数を倍にしたいというのが本音です。次回はもう少し短い間隔で再訪したいものだと思います。

銀次
横須賀市若松町1-12
046-825-9111
1600PM-2300PM
第四土曜除く土日祝日定休

酒三合
お通し(糠漬け)
いわしの刺身
にこみ
ぬた
湯豆腐半丁
串カツ
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関東一円はしご酒 2016初夏 - ヴェルニー公園

2016-06-25 14:41:31 | 関東
腹ごなしと酔い覚ましに好適なのが、横須賀港を一望するヴェルニー公園です。艦船と潜水艦を眺めつつ、岸壁のベンチに腰掛け風に吹かれるひとときは何物にも代えがたく、空が暮れ行く中で街灯の明かりが灯る黄昏時はとりわけ情緒に満ちています。といいたいところなのですが、時節柄湿度が半端ではなく、空は今にも降り出しそうなほどに曇って、お世辞にも快適とはいえません。花壇に咲いた薔薇がせめてもの見所という状況ですorz
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関東一円はしご酒 2016初夏 - ショッパーズプラザ

2016-06-25 13:33:54 | 関東
正味一時間滞在して「中央酒場」を辞去しました。「銀次」が開く四時まで三時間ほどの腹ごなしとなります。通称ドブ板通りを歩き、やってきたのはショッパーズプラザです。
ダイエーの消滅により、こちらの看板もとうとうイオンに掛け替えられてしまいました。しかしイオンの看板以外は何一つ変わらず、旗艦店に冠された「ショッパーズプラザ」の名もそのままです。フードコートのドムドムとディッパーダンも健在で、土曜の昼ということもありそれなりに賑わっています。
もっとも、健在と表現するにはいささか語弊があります。ダイエー時代から何一つ変わらないということは、取りも直さずうらぶれていることを意味するからです。この寂れようからは、やはりダイエーを前身とする上磯のイオンが思い出されます。ジャスコ時代から続く古いイオンが、近年次々閉鎖され、建物もろとも取り壊されていく中、サティ、ダイエーなどを前身とする手狭な店舗も安泰とは思われません。今後の動向が気になります。
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関東一円はしご酒 2016初夏 - 中央酒場

2016-06-25 11:58:42 | 居酒屋
午前中に横須賀へ着き、朝兼昼で一杯やるという流れはまことに理想的です。一軒目はもちろん「中央酒場」を訪ねます。
地元の酒場以上に何度も通い、今更特筆すべきこともなくなった当店ですが、今回は懸案が一つありました。前回逃してしまった牛すじ煮込みをいただくことです。醤油味を基本にしたてらいのない正統派でありながら、八角の風味が効いた牛すじ煮込みは、他店では決して味わえない当店だけの味であり、教祖のいう「東京三大煮込み」にも勝る逸品と個人的には思います。ところが前回訪ねたときは、正月を目前にした年内最終営業日だったこともあり、残念ながら品切れでした。その結果、去年はついに一度も牛すじ煮込みをいただかずに終わってしまったことから、何はさておきと考えて乗り込んだわけです。ところが、頭上の短冊を見回しても牛すじの文字がありません。時間帯からして品切れということもないでしょう。まさかと思いつつおばちゃんに尋ねると、そもそも今は牛すじを出していないとの返答がorz
代わりに注文した肉豆腐も、さすがは当店と納得できる安定したおいしさではあり、甘く煮込んだ玉葱の味と食感は特に秀逸でした。もちろんその他の品々についても申し分ありません。とはいえ、最も期待していたはずの牛すじを逃した損失は、たかが一品とは割り切れません。これで一昨年の暮れ以来一年半の間が空きました。二年以上の間が空くことは受け入れがたいものがあります。年内に最低一度は横須賀を再訪する必要がありそうです。

中央酒場
横須賀市若松町2-7
0468-25-9513
1000AM-2230PM
日祝日定休

キリンラガー・ホッピー・菊正宗
真子かれい刺身
肉豆腐
いわし天ぷら
春キャベツベーコン炒め
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関東一円はしご酒 2016初夏 - 京急電車

2016-06-25 10:56:01 | 関東
京急の快特で横須賀へ向かいます。もちろん2100形が運用につく泉岳寺始発の列車を選びました。
全席クロスシートで間接照明、前後二席にまたがる大きな窓に日除けのカーテンを奢ったこの車両は、登場から十数年にわたり関東私鉄の至宝であり続けてきました。JR東日本に端を発した通勤電車の低品質化が他社にまで波及し、どこへ行っても無惨なまでの安普請に成り果てた代物が闊歩する今、この車両の価値は色褪せるどころかますます高まった感さえあります。都内で呑む習慣すら事実上途絶えた近年、わざわざ電車賃を払ってまで横須賀に通い続けるのは、この車両があるからといっても過言ではありません。
実際のところ、横須賀以外の東京近郊には、年を追えば追うほど出かける機会が少なくなっています。安普請の通勤電車に詰め込まれるのかと考えたとき、その時点で活動意欲が削がれるわけです。そして横須賀へ向かうときであっても、そのような車両に遭遇して辟易することがしばしば起こります。今日についていえば、神保町にやってきた三田線の列車が東急から乗り入れてきたその手の車両で、やむなく一本見送り後続の都営車を待つ羽目になりました。三田線に限らず、新宿線にも浅草線にも大同小異の安物が闊歩しているわけで、泉岳寺までたどり着くのも容易ではなくなったというのが実感です。
関東私鉄で孤高の存在感を放ってきた京急もとうとう時代の波に呑まれ、今や半数近くが安普請の新車に置き換えられたでしょうか。2100形がある今はよいとしても、問題となるのはこの車両の引退が現実味を帯びてくる数年後です。安い車体に形ばかりのクロスシートを配置したところで、剛性の低さからくる騒音と振動はいかんともしがたく、乗っていて興ざめするのは避けられないでしょう。ましてやロングシート車に置き換えられてしまえば、横須賀への小旅行は苦痛な移動以外の何物でもなくなります。残念ながらそうなる可能性が高い以上、乗れるうちに乗っておくしかなさそうです。
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