六月最終週の平日は北海道のみの開催です。小さな町の名前が現れては儚く消える、序盤最大の見所といえる週でもあります。
・第6日(6/27)
北見地区では試合がなく、二日順延された函館と室蘭が開幕。十勝、札幌と合わせ4地区で16試合の開催でした。前日登場した留辺蘂にしてもこの日の新得にしても、もはや特急が停まる町でさえ単独ではチームを組めないという現実に、北海道の深刻な疲弊ぶりを見せつけられる今日この頃です。それだけに、上士幌、大樹といったところが単独出場しているのがなおさら頼もしく感じられます。
函館地区では奥尻と福島商の連合チームが初戦を突破しましたが、離島勢の奥尻と同等あるいはそれ以上に注目すべきは福島商です。千代の山、千代の富士の両横綱を輩出した福島も、今は人口五千人足らずの寂れた町となってしまいました。そのような町に、全国的にも衰退しつつある商業高校が健在なのは奇跡といってよいでしょう。全校生徒は61名、近隣の高校と統廃合されてもおかしくない状況の中、昨年まで一貫して単独出場してきたのも特筆に値します。
高校野球特有の大量得点差試合が、この日は二試合出現しました。十勝地区で22点差の大敗を喫したのは、上記の新得と士幌の連合チームです。しかし、20点以上もの差がつくと、負ける側はまず例外なく0点なのが相場です。初回にいきなり20点取られながらも立て直し、なおかつ2点返した意地に敬意を表したいと思います。
22点差はもう一試合も同様ながら、こちらは筋書き通りの無得点でした。敗れた登別青嶺はこれで公式戦11連敗、しかも直近3試合は20失点以上という惨憺たる戦績です。しかし、去年の選手権では25点取られながら6点取り返して一矢を報い、三年前の秋季大会では駒大苫小牧を相手に善戦しています。日本人特有の判官贔屓の心情もあり、弱いチームであればあるほどむしろ応援したくなってくるものです。来季の選手権で六年ぶりの勝利を飾れるかどうかに注目しましょう。
・第7日(6/28)
旭川地区と釧根地区が加わり、道内6地区で22試合の開催でした。更別、鹿追、標茶、弟子屈に加え、南北海道でも知内、南茅部、穂別、えりもなど、小さな町のチームがいずれも単独で出場しているのは特筆に値します。
「北海道立」とは名乗らず、「北海道」の後に校名を名乗るのは道内共通の特徴ですが、今更ながら知ったのは、それらの一部に道立でないものがあることです。上記の中でいうならえりもと知内がそうで、この日登場した中では帯広南商と札幌開成、前日登場した中では士幌も同類です。このblogでおなじみのところとしては、字面も響きも美しい校名として毎年取り上げている霧多布があります。町立または市立なら、「えりも町えりも高等学校」「帯広市帯広南商業高等学校」などと名乗ればよいものを、道立と混同しかねない表記をする理由は何なのでしょうか。野球と無関係な話ではありますが、このような地域性もまた高校野球の楽しみではあります。
ちなみに、南商というからには北商、あるいは本家の帯広商があるのかというとそうではなく、白樺学園が創立当時に商業科を設置していたことから、後で開校した同校が「南商」を名乗ったという経緯があるそうです。二高なき今もなお一高を名乗る甲府一、あるいは「山本昌」にも通ずる一風変わった校名です。
藩校などを発祥とする内地の錚々たる伝統校に比べれば、北海道で伝統校といってもたかが知れています。しかし、旧制中学と高等女学校の流れを汲む二校が道内主要都市に並び立つのは北海道らしいともいえます。この日登場した中では旧制中学を発祥とするのが帯広柏葉、函館中部の両校、高等女学校を発祥とするのが札幌北です。
この他、旭川、釧路、苫小牧の高専三校が揃い踏みしたのが特筆されます。いずれも初戦で敗退し、道内に四校ある高専の中では函館が最後の砦です。道南、道央、道東、道北の各地域に一校ずつ設置しながら、札幌をあえて外して苫小牧に置くところは高専らしいものがあります。
★北北海道大会1回戦
・十勝地区(6/27)
大樹0-10x江陵
上士幌0-10x音更
士幌・新得2-24帯広農
・十勝地区(6/28)
帯広南商8-1鹿追
帯広北22-0更別農
帯広工1-2帯広柏葉
・釧根地区(6/28)
中標津9-0釧路高専
標茶1-0弟子屈
・旭川地区(6/28)
旭川高専0-9旭川工
★南北海道大会1回戦
・函館地区(6/27)
奥尻・福島商1-0八雲
・室蘭地区(6/27)
苫小牧南22-0登別青嶺
・函館地区(6/28)
南茅部0-10x函館中部
函館大柏稜4-2知内
・室蘭地区(6/28)
苫小牧高専1-11x北海道栄
穂別11-0えりも
・札幌地区(6/28)
札幌北6-7札幌静修
北海科学大12-3札幌開成
・第6日(6/27)
北見地区では試合がなく、二日順延された函館と室蘭が開幕。十勝、札幌と合わせ4地区で16試合の開催でした。前日登場した留辺蘂にしてもこの日の新得にしても、もはや特急が停まる町でさえ単独ではチームを組めないという現実に、北海道の深刻な疲弊ぶりを見せつけられる今日この頃です。それだけに、上士幌、大樹といったところが単独出場しているのがなおさら頼もしく感じられます。
函館地区では奥尻と福島商の連合チームが初戦を突破しましたが、離島勢の奥尻と同等あるいはそれ以上に注目すべきは福島商です。千代の山、千代の富士の両横綱を輩出した福島も、今は人口五千人足らずの寂れた町となってしまいました。そのような町に、全国的にも衰退しつつある商業高校が健在なのは奇跡といってよいでしょう。全校生徒は61名、近隣の高校と統廃合されてもおかしくない状況の中、昨年まで一貫して単独出場してきたのも特筆に値します。
高校野球特有の大量得点差試合が、この日は二試合出現しました。十勝地区で22点差の大敗を喫したのは、上記の新得と士幌の連合チームです。しかし、20点以上もの差がつくと、負ける側はまず例外なく0点なのが相場です。初回にいきなり20点取られながらも立て直し、なおかつ2点返した意地に敬意を表したいと思います。
22点差はもう一試合も同様ながら、こちらは筋書き通りの無得点でした。敗れた登別青嶺はこれで公式戦11連敗、しかも直近3試合は20失点以上という惨憺たる戦績です。しかし、去年の選手権では25点取られながら6点取り返して一矢を報い、三年前の秋季大会では駒大苫小牧を相手に善戦しています。日本人特有の判官贔屓の心情もあり、弱いチームであればあるほどむしろ応援したくなってくるものです。来季の選手権で六年ぶりの勝利を飾れるかどうかに注目しましょう。
・第7日(6/28)
旭川地区と釧根地区が加わり、道内6地区で22試合の開催でした。更別、鹿追、標茶、弟子屈に加え、南北海道でも知内、南茅部、穂別、えりもなど、小さな町のチームがいずれも単独で出場しているのは特筆に値します。
「北海道立」とは名乗らず、「北海道」の後に校名を名乗るのは道内共通の特徴ですが、今更ながら知ったのは、それらの一部に道立でないものがあることです。上記の中でいうならえりもと知内がそうで、この日登場した中では帯広南商と札幌開成、前日登場した中では士幌も同類です。このblogでおなじみのところとしては、字面も響きも美しい校名として毎年取り上げている霧多布があります。町立または市立なら、「えりも町えりも高等学校」「帯広市帯広南商業高等学校」などと名乗ればよいものを、道立と混同しかねない表記をする理由は何なのでしょうか。野球と無関係な話ではありますが、このような地域性もまた高校野球の楽しみではあります。
ちなみに、南商というからには北商、あるいは本家の帯広商があるのかというとそうではなく、白樺学園が創立当時に商業科を設置していたことから、後で開校した同校が「南商」を名乗ったという経緯があるそうです。二高なき今もなお一高を名乗る甲府一、あるいは「山本昌」にも通ずる一風変わった校名です。
藩校などを発祥とする内地の錚々たる伝統校に比べれば、北海道で伝統校といってもたかが知れています。しかし、旧制中学と高等女学校の流れを汲む二校が道内主要都市に並び立つのは北海道らしいともいえます。この日登場した中では旧制中学を発祥とするのが帯広柏葉、函館中部の両校、高等女学校を発祥とするのが札幌北です。
この他、旭川、釧路、苫小牧の高専三校が揃い踏みしたのが特筆されます。いずれも初戦で敗退し、道内に四校ある高専の中では函館が最後の砦です。道南、道央、道東、道北の各地域に一校ずつ設置しながら、札幌をあえて外して苫小牧に置くところは高専らしいものがあります。
★北北海道大会1回戦
・十勝地区(6/27)
大樹0-10x江陵
上士幌0-10x音更
士幌・新得2-24帯広農
・十勝地区(6/28)
帯広南商8-1鹿追
帯広北22-0更別農
帯広工1-2帯広柏葉
・釧根地区(6/28)
中標津9-0釧路高専
標茶1-0弟子屈
・旭川地区(6/28)
旭川高専0-9旭川工
★南北海道大会1回戦
・函館地区(6/27)
奥尻・福島商1-0八雲
・室蘭地区(6/27)
苫小牧南22-0登別青嶺
・函館地区(6/28)
南茅部0-10x函館中部
函館大柏稜4-2知内
・室蘭地区(6/28)
苫小牧高専1-11x北海道栄
穂別11-0えりも
・札幌地区(6/28)
札幌北6-7札幌静修
北海科学大12-3札幌開成
