本日の晩酌 - 会津娘

夏酒にしては遅い、しかしひやおろしにはまだ早い八月上旬、端境期を埋めるように会津娘の「つるし」が蔵出しされます。知名度こそ「飛露喜」に一歩譲るものの、現地では予約完売も珍しくない人気商品です。夏場に会津へ行く機会を二年続けて逃し、今年こそはと算段を巡らせていた中、奇跡的に残っていた去年の酒を思いがけない形で手にすることができました。
前回、つまり二季前の酒を賞味したときには、細かい気泡が立っていたことを書き留めました。しかし、瓶詰めから一年以上が経ったこの酒に気泡はなく、代わりにほのかな琥珀色を帯びています。甘美な香りは果実よりもカラメルを彷彿とさせ、旨味と酸が調和したひやおろしのごとき熟成感が絶妙。適度な余韻も心地よく、開封早々二合を消費してしまいました。一升瓶が空くまでにそれほど時間はかからないかもしれません。

★会津娘 純米酒「つるし」
高橋庄作酒造店(福島県会津若松市)
原料米 会津産五百万石
精米歩合 60%
アルコール分 17度以上18度未満
埼玉県羽生市 酒のぎょうだにて購入