単戈力糸召介(2)

キャンプ道具集めに覚醒しつつある現状を先日語ったばかりですが、またしても新たな道具に手を出してしまいました。今回投入したのはSnowpeakの「マナイタセットM」で、読んで字のごとく俎板とナイフをセットにしたものです。
居候の身分にあぐらをかいて、我が家では一切家事をしない堕落した人間だけに、キャンプでも調理と呼ぶに値するような場面はまずなく、今まで自前の俎板を持たなかったのもそのためでした。それにもかかわらずこのようなものに手を出したのは、Snowpeakの商売上手にしてやられたからに他なりません。ソロキャンプには過不足のない寸法と重量、風合いのよい白木の材質に加えて、本場新潟のナイフがつき、俎板を折りたためばそのナイフを収納できるという、いかにもこのメーカーらしいデザイン、機能性、収納性を兼ね備えた造りのよさに、まんまと釣られてしまいました。
実際のところ、去年も刃物の必要性を感じる場面が一度もなかったことからすると、このようなものを揃えたところで、どれだけ利用価値があるかは疑問です。しかし、これで三千円台なら揃えておいて損はないでしょう。それに加え、以前ストーブとクッカーを買ったときにも、果たして使う場面があるのかと懐疑的だったところが、いざ使ってみると鍋物という恰好の使い道があり、今ではそこそこ活躍しているという先例があります。「供給はそれ自身の需要を創る」という先人の格言は、キャンプ用品にも当てはまるのではないでしょうか。今季の晩酌は多少ながら進化するかもしれません。