日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

単戈力糸召介

2014-08-14 22:31:09 | 旅日記
二ヶ月にわたる雌伏の時を経て、活動再開後の初戦となる北陸でのキャンプが近付いてきました。歯が使い物にならず飲み食いが著しく制約される現状に鑑み、酒場めぐりを控えキャンプを拡充するという方針は先日申した通りで、それに合わせて用品も拡充しました。一通りの補強が済んだところで、開幕を迎えるにあたっての戦力をまとめておきたいと思います。

★寝具
テントにマットに寝袋といえば、ソロキャンプにおける三種の神器といわれる品々ですが、従来の装備は貧弱でした。テントこそmont-bellの「ムーンライト1型」という名作を利用してはいるものの、敷物は数百円の銀マット、寝袋も安物の封筒型です。これは偏に、二輪と違って車中泊という手段が選択できるため、わざわざテント泊をするのはよほど心地のよい晩に限られるというという事情によります。しかし、キャンプを主題とするなら従来の装備はあまりにお粗末です。せっかくのテントも宝の持ち腐れと考え、今回は予算の大半を寝具に注ぎ込みました。
まずマットには、同じくmont-bellの「U.L.コンフォートシステムパッド」を導入。mont-bell製で統一したというより、他社製を含め店頭で実際に感触を確かめた上での選択です。全長は180cm, 厚さは38mmを選びました。よくよく考えると、一回り小さい150cmにしておけば車中泊でも使えて好都合だったのですが、選んだ時点ではそこまで思い至りませんでしたorz
着替えの袋で代用してきた枕についても、Colemanの「コンパクトインフレーターピローII」を新たに導入しました。こちらはわずか千円台の安物ながら、店頭で感触を確かめた限りは一番でした。唯一手つかずの寝袋については、自身無類の暑がりということもあり、買い換えの必要性をそれほど感じません。昨年の実績としても、寒くて寝付かれなかったのは10月上旬のオホーツクだけだったため、当面はこれでよかろうと考えています。
たかが一泊なら車中泊でも十分とはいえ、後部席で身をかがめるのとテントで横になれるのとでは、当然ながら快適さが違います。今後はテント泊の機会が増えるでしょう。

★灯火
テントと並んで10年以上使っているのがSnowpeakの「ギガパワーランタン"天"オート」です。当時の人気機種も後継機に取って代わられ旧式化してしまったと聞きますが、デザイン、機能性、耐久性、収納性を兼ね備えた完成度の高さは色褪せていないと私は思います。長年使って天板が煤けてきたところもまたよいのです。よいものは使えば使うほど味が出るという好例でしょう。経済性、安全性を考えればLEDに断然軍配が上がるとはいえ、ガスランタンの火を焚きながらの晩酌は何物にも代えがたく、これからも末永く愛用していきたいと思う名品です。
LEDを一旦否定しておきながら矛盾するようではありますが、今季は新たにLEDのランタンを導入しました。上記の通り、食卓を照らすならガスランタンに限るとはいえ、テントの中でも使える明かりがないのが不便だったのです。それなら懐中電灯を一本持てば済む話ではあるものの、合理性より雰囲気を楽しむのがキャンプの真骨頂という観点から、あえて二つ目のランタンを導入した次第です。選んだのは同じくSnowpeakの「ほおずき」で、吊り下げればシェードつきのランプとなり、逆さに置けばロウソクでも焚いているかのように見えるという、ランタンの概念を覆す個性的な出で立ちが決め手となりました。

★調理器具・食器
ソロキャンプの晩酌は実に簡素です。主役はスーパーで買った刺身と惣菜、あとは出来合いの鍋物を温めるか、味付け肉とカット野菜をジンギスカンにするのがせいぜいで、俎板も包丁も使いません。よって、携行するのは鍋と食器を兼ねたSnowpeakのパーソナルクッカー、ランタンと揃いの「ギガパワーストーブ"地"オート」、UNIFLAME製の折りたたみ式風除け、キャンプに限らず活動には常時携行している水筒、四合瓶が入るクーラーボックス、あとはスポンジ、洗剤、醤油の小瓶といった程度です。何人かで集まる場合はともかくとして、ソロキャンプでたいそうな調理をするつもりもなく、こちらは現状維持と相成りました。

★その他
上記の他に、Colemanの折りたたみ椅子、ペグを打ち込む金槌、テントの下に敷くブルーシートが加わります。椅子はマイカーの成約記念品で、寝具ほどの必需品ではないものの、たとえばキャンプ場のベンチをテーブル代わりに使い、その脇に椅子を置いて晩酌するといった使い方ができるため重宝しています。

以上が現有の戦力でした。Web上にごまんと溢れているキャンプ道具自慢に比べれば、自分の装備などごくささやかなものに過ぎません。しかし、今回まとめてみて気付いたのは、キャンプ道具というものは揃えること自体にも楽しみがあるということです。居住性、機能性、収納性といった条件を満たしつつ、よりよい装備を求めて試行錯誤するという過程に楽しみがあり、結果として無用の長物に終わったとしても、それはそれでよい経験になるということでしょう。
我が家の居住性を突き詰めれば、行き着く先は「建もの探訪」の世界であり、さらに家具と食器にまで凝り出せば、どんなに金をかけてもきりがありません。車についても同じことがいえます。それを思えば、キャンプ用品の値段などたかが知れています。少なくともソロキャンプの用品に関する限り、十万を超すような高額品は一つもなく、最も値の張るテントでさえ、四、五万も出せば国内一流メーカーの最高級品が買えるわけです。数千円、数万円の予算で名品に手が届くことを思えば、揃えること自体に満足するという感覚は理解できます。キャンプ道具は手段であって目的ではないというのが現在の自分の考えですが、深みにはまる可能性は少なからずありそうです…
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