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MT MANIAX

苦難の時にこそ、われわれは隣人に対して寛大であらねばならない。そうしていれば世界はわれわれにとって寛大なものになるはず。

モーターサイクル・ダイアリーズ (DIARIOS DE MOTOCICLETA)

2006年10月21日 | 映画館以外で観た映画
監督:ウォルター・サレス、出演:ガエル・ガルシア・ベルナル、ロドリゴ・デ・ラ・セルナ、イギリス・アメリカ、2003

 会社の後輩から「ぜひ観てください」と言われDVDを借りました(半分無理矢理、DVDを渡されました。笑)。
 映画は、キューバ革命の指導者チェ・ゲバラが学生時代に行なった南米大陸横断旅行を、ロードムービー的に描いたものです。
 この映画を楽しめる人の条件は、3つあると思います。一つはロードムービー好きであること。一つはチェ・ゲバラに関する知識を持っていること。もう一つは国際ボランティアに関心があることです。
 映画の前半は、まさしく青春ロードムービーでして、私は「苦手な映画だなあ」と思って観ていました(笑)。中盤以降は、1950年代の南米の先住民やハンセン病患者たちが強いられた苦しい生活の模様と、革命の精神に徐々に目覚めるチェ・ゲバラが描かれており、興味を持って観ることができました。
 ちょっとした感想としては、チェ・ゲバラって真面目な好青年だったんや、と思いました。

THE 有頂天ホテルのDVDを買ったよ

2006年08月22日 | 映画館以外で観た映画
 『THE 有頂天ホテル』のDVDが発売されました。購入して自宅のホームシアターで鑑賞しました。やっぱり面白いわ、これ。話は面白いし、出演している役者陣も好きな人が多いので楽しめます。大勢の登場人物たちの話がテンポよく絡みあっており、飽きさせません。喜劇に留まらず、なんかすごく温かみのある映画に仕上がっていると思います。
 DVDの重要な付加価値は特典映像です。予告編集はもちろん、出演者・スタッフのインタビュー、制作発表会や完成披露試写会の映像、そしてメイキングです。好きな映画の特典映像を観ることは非常に楽しいです。
 三谷監督がホテルアバンティのセットを案内する映像はすごく面白かったです。監督がこの映画でこだわったという「ワンシーンワンカット」(いわゆる長回し)によってこの映像も撮影されています。巨大セットの構造を見るだけでも楽しいのですが、最後にオチがついていて、思わずニヤリと笑ってしまいました。ホテルアバンティのセットは本当に格好いいです。こんなホテルに宿泊してみたいです。

時をかける少女

2006年07月17日 | 映画館以外で観た映画
監督:大林宣彦、出演:原田知世、高柳良一、尾美としのり、日本、1983

 筒井康隆の原作を大林宣彦監督が映画化した作品です。『転校生』(1982)、『時をかける少女』(1983)、『さびしんぼう』(1985)と作られた、いわゆる「尾道三部作」の一つです。
 『時をかける少女』という映画の題名は、当然知っていましたが、これまで見る機会がありませんでした。このたび、Yahoo!Japanが提供するサービス「Yahoo!動画」において、期間限定で無料で公開されていました。今年の夏、『時をかける少女』がアニメ映画でリメイクされるため、宣伝を兼ねた公開です。
 ラベンダーの香りを嗅いだ少女が、時を飛び越える不思議な体験をする話です。一見、SFなのですが、大林監督のカラーが存分に出されていた、初恋を描いた青春映画に仕上がっていました。
 すごく不思議な魅力が一杯詰まった映画でした。何やろうか。この魅力を分析する力と、文章力が私にはありません。頭に浮かんだ言葉は「せつなさ」でした。「甘酸っぱい青春の初恋」という使い古された言葉とは少し違うように思えました。バックで流れるBGMも、なんとなくテンポの低い音楽で、落ち着いたものでした。映画の中から出てくる、せつない空気感が、たまらなく魅力的でした。
 また、この映画は、「最高のアイドル映画」としても有名です。原田知世が主演でした。原田知世を含め、主要人物は演技がうまくありませんでした(スイマセン)。しかし、その演技力が、尾道のいなたい少年少女をうまく表現されているように感じられました。原田知世はよかったです。

female フィーメイル

2006年02月18日 | 映画館以外で観た映画
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第一線で活躍する女性作家5人が“女性”をテーマに書き下ろした作品を、気鋭の監督たちが5本の映画に仕上げた。2002年の『Jam Films』からスタートして『Jam Films2』『Jam Films S』と発展したコンピレーション・ムービー、『Jam Films』シリーズ。映画の新しい形を果敢に模索して喝采を浴びてきた同シリーズが、さらなる新機軸を開拓したのが、5作の女性映画からなる『フィーメイル』だ。
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 上記は、公式ホームページの紹介文からの引用です。『Jam Films』シリーズの作品群を全く観たことがないのですが、5作の中の一つに塚本晋也が監督している作品がありましたので、DVDを買って観ることにしました。
 つきなみな感想で申し訳ないのですが、5つの作品はどれも色が違っており、飽きずに観ることができました。DVDの特典映像を観ていると、出演者、監督、原作者たちの口からは「エロス」という言葉がやたらと飛び出しています。テーマは女性のエロス。原作者や監督がイメージするものや表現方法が、様々でした。よって「どれが一番面白かった」とかいう順位付けはバカらしいので、やりません。
 5作には突き抜けて悪い作品はなく、わりと無難な出来上がりであったと思います。「一つの短編」を撮るのではなく、「5作の短編集」を作るのは、原作者や監督にとって、ちょっぴりプレッシャーになるのではないか、と思いました。「5作の短編集」では、嫌でも他の4作品と比較されてしまうからです。
 「原作者は女性作家」「テーマは女性のエロス」「今時で、ちょっとオシャレな短編集プロジェクトのJam Films作品」「時間は15分か20分ぐらい」「ターゲットとなる客層は(おそらく)女性」という、“型枠ありき”の作品となってしまうのは仕方がないと思います。個人的には、監督の独自性を、もっともっと強く打ち出されて欲しかった、と思います。何を期待していたんだ、俺は。
 期待の(笑)作品群は次の通りです。

『桃』
監督:篠原哲雄、原作:姫野カオルコ、出演、長谷川京子、池内博之、野村恵里、日本、2005

『太陽のみえる場所まで』
監督:廣木隆一、原作:室井佑月、出演、大塚ちひろ、石井苗子、片桐はいり、日本、2005

『夜の舌先』
監督:松尾スズキ、原作:唯川恵、出演、高岡早紀、近藤公園、日本、2005

『女神のかかと』
監督:西川美和、原作:乃南アサ、出演、大塚寧々、森田直幸、日本、2005

『玉虫』
監督:塚本晋也、原作:小池真理子、出演、石田えり、加瀬亮、小林薫、日本、2005

 一つ一つの作品について感想を書くのは、少し面倒なのですが・・・
 『桃』は、静と動の対比が面白かったです。一作目としてふさわしい作品であったと思います。
 『太陽のみえる場所まで』はエロというよりも女性に主眼が置かれた作品でした。大塚ちひろのハイテンションな演技が見所です。この人、確かゴジラ映画で小美人を演じていた女優さんだったと思います。タクシーが空を飛んでしまう5秒ぐらいの映像は、シュールで見ごたえがあります。
 『夜の舌先』は、野球でいえば「ストレートな剛速球」のように感じました。始まりの5分ぐらいを観ると最後のオチまで分かってしまうのですが、こういう分かりやすいのがあるとほっとします。高岡早紀がきれいでした。
 『女神のかかと』のような作品は、男の子の子役の演技が全てであると思います。そいう意味では、森田直幸は良かったです。森田直幸に、あまりセリフをしゃべらせなかったのも功を奏していたのかもしれません。
 一番楽しみでした『玉虫』は、“塚本作品”でした(笑)。映像の密度は圧倒的で、塚本ブルーも健在。BGMにも塚本風味が効かされていました。石田えりがフリフリの服を着て、渚のシンドバッドを踊るシーンは圧巻。人目では分かりにくいのですが、この『玉虫』も、感情の静と動が感じられる作品でした。

DVDで『ロック、ストック~』を再視聴

2006年01月27日 | 映画館以外で観た映画
 昨年の終わりに購入したDVD『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』を観ました。大好きな映画の一つです。日本で公開されたのは1999年でした。制作は1998年のようです。2006年となった今、観てもまったく古さを感じさせません。
 ガイ・リッチーが監督と脚本を担当しています。見所が満載なのですが、なんと言っても物語の構成が芸術的です。登場人物がめちゃくちゃ多く、いろいろな話がゴチャゴチャと入り組んでいるのですが、最後は見事に収束されてしまいます。その収束のされ方が、気持ちいい!!
 登場するキャラクターたちには、いまいちピリッとしない緩い性格の人たちが多く、そんな人たちが何となく犯罪を犯していく姿が、とてもユーモラスです。みんな、どこか感覚がずれているのが笑えます。ちょっとずれたギャグ感覚が、ガイ・リッチーは卓越しているのであると思います。
 映像感覚も非常に新しく、8年前の映画とは思えません。カメラの早回し・遅回し、そして絶妙のカメラアングルで、映像をリズミカルに演出しています。
 どちらかというと、同じくガイ・リッチーが監督した『スナッチ』の方が日本では有名ですが、私は『ロック、ストック~』も好きなのです。オススメです。未見の人はぜひ観てください。
 ちなみに、この映画の原題は、「LOCK, STOCK & TWO SMOKING BARRELS」といいます。やたらと長い題名ですが、映画を観終わった後、この映画には、この題名しか考えられない、という気分になります。
 家の本棚にあった研究社の『リーダーズ英和辞典』第1版で調べました。「lock」は(銃の)発射機構・安全装置、「stock」は銃床、「barrel」は銃身という意味です。そして、「lock, stock and barrel」は、銃の各部みな、ということになり、なにもかも含めて・全部・一切合財という意味になります。
 この言い回しに、映画の中で重要な存在となる「2丁の銃」、そして先から煙を出すイメージを加えて、「LOCK, STOCK & TWO SMOKING BARRELS」という題名が出来上がります。なんとオシャレで、カッコイイ題名なんだ!! 題名にも惚れた。

<今日の一言>
しゅうそく しう―【収束】
(名)スル
(1) おさまりがつくこと。収拾。
  「争いが―する」「事態は―に向かった」
(2) 〔数〕
 (ア)数列の項がある一つの有限確定の値にいくらでも近づくこと。
 (イ)無限級数の和が有限確定の値であること。
 (ウ)ある変数の値がある一つの有限確定の値にいくらでも近づくこと。
 (エ)点列の項がある一つの定点にいくらでも近づくこと。収斂(しゆうれん)。
  ⇔発散
(3) 「集束」に同じ。
(三省堂「大辞林 第二版」)