goo blog サービス終了のお知らせ 

MT MANIAX

苦難の時にこそ、われわれは隣人に対して寛大であらねばならない。そうしていれば世界はわれわれにとって寛大なものになるはず。

ジェネラル・ルージュの凱旋

2009年09月20日 | 映画館以外で観た映画
 DVDで『ジェネラル・ルージュの凱旋』を鑑賞。おもしろかったです。堺正人が速水役に、はまっていました。原作小説よりも暴君っぽさが弱いのでキャスティングとしてどうなのかな、と思っていたのですが、映画版の速水としては、これはこれで“あり”だと思いました。
 原作小説を読んだときから、『ジェネラル・ルージュの凱旋』のハイライトシーンは、何といっても、大量の患者を前にして、速水が口紅を塗るシーンだと思っていました。これがどのように映像化されるのか楽しみでした。結果は、良かった、と思いました。映画冒頭はモノクロシーンでした。そのため、過去のデパート火災時の回想シーンで出てくる(はずである)口紅は、モノクロ映像の中に口紅だけが赤色で表現される映像になることが容易に推測できました。下品な赤色でありませんように……と祈りながら作品を観ました。作品の終盤で、速水が「ジェネラル・ルージュ」の異名を持つようになったきっかけとなった場面が回想シーンとして登場。予想通り、映像はモノクロ。そして、花房看護婦が出した口紅の色は……赤色でした。しかし、変に鮮やかな赤色ではなく、極力、鮮やかさを抑えた赤色でした。ちょうどよい赤色でした。堺正人の演技も良かったです。そして、このシーンは、とても良かったです!
 この作品、ミステリー的要素は少なく、謎解きや殺人犯の動向などに若干の無理があります。そのため、ミステリー映画として観ると期待はずれかもしれませんが、単純にエンターテイメント映画として観ると、非常に楽しめると思いました。原作ファンの方々も、気になるシーンがどのように映像化されるのか、楽しめると思います。……と書いても、公開からすでに半年以上が経過していますので、「オススメです!」と書いても意味ないですよね(泣)。
 個人的には、小峰役の林泰文に目が行ってしまいました。どうしても、『青春デンデケデケデケ』を思い出してしまいます。最近、悪役ばっかりやりたがる高嶋政伸にもちょっと違和感が。佐野史郎は出演しなくても良かったんじゃないかなあ。竹内結子と阿部寛、そして國村隼は前作同様、いい感じです。シリーズに欠かせない役者さんです。堺正人は、繰り返しになりますが、良かったです。今、世間で受けそうな演技をする役者さんだなあ、と思いました。山本太郎はギラギラ感がOKでした。

ゲット スマート

2009年06月25日 | 映画館以外で観た映画
 最近、ずっとスタートレックTNGのDVDボックスを見続けています。今、19枚目を見ています。面白いのですが、さすがにちょっとしんどくなってきました。先日、DVD屋で買った『ゲット スマート』を見ました。スパイものの、おバカ映画です。こういうのは肩の力を抜いて見られるので好きです。迷作『オースティン・パワーズ』よりもお下劣度が低く、見やすいです。ギャグ映画ですが切ないシーンなどもあるので、『オースティン・パワーズ』よりも好き嫌いが別れることがないと思います。『オースティン・パワーズ』のお下劣馬鹿が好きなので、『ゲット スマート』は“薄い”感じでしたが、面白かったです。声を出して笑ったシーンも、いくつかありました。

ギララの逆襲/洞爺湖サミット危機一発

2009年02月27日 | 映画館以外で観た映画
 先週の土曜日の午後、出社したので、今日の午後はその代休をとりました、何となくお得な気分です。
 代休とっても今日も蘇州は雨。もう2週間近く雨の日が続いています。どこかへ出かける気分でもなく、家でだらりだらりと過ごすことにしました。
 先日、買っておいたDVDを観ることにしました。タイトルは『ギララの逆襲/洞爺湖サミット危機一発』。バカ映画でした。

--------------------
 洞爺湖サミットの開始に時をあわせるように、札幌に怪獣が出現した。逃げ帰ろうとしていた首脳達に対して、世界の警察を自負する国の大統領が、「怪獣退治で、支持率アップだ!」と云ってしまったことから、「サミット」の看板は「怪獣ギララ対策本部」に架け替えられる。
 「美しい国」を守る為、先陣を切って地球防衛軍日本支部の攻撃が仕掛けられるが、ギララは日本が誇るミサイルをモグモグと食べてしまう。イタリア、ドイツ、英国‥、次々と仕掛けられる国家の威信を賭けた大作戦。しかし、宇宙怪獣ギララには何の効果もない。
 そんな中、東京スポーツの記者・隅田川すみれ(加藤夏希)とカメラマン・戸山三平(加藤和樹)は、湖畔の神社で不思議な一群を目撃、全人類の命運を握ることになっていく‥。
--------------------

 怪獣のシーンはCGを他用意せず、着ぐるみとミニチュアによる特撮で作られています。これがどう見ても30~40年前の特撮映画のような感じです。製作側が完全に意図的に作っているのだと思いますが、懐かしさと安っぽさが全面に押し出されており、非常に面白いと思いました。怪獣映画やウルトラマンファンが楽しめると思いました。
 音楽は、いわゆる伊福部サウンドへのオマージュがたっぷりでした。これまた好きな人は楽しめる要素であると思います。
 バカ映画ですので作品全体で楽しむというよりも、映画の中に散りばめられた要素要素で楽しんだ方がよいと思います。

「ダークナイト」最高でした

2008年12月28日 | 映画館以外で観た映画
 映画『ダークナイト』のDVDを本日、入手でき、先ほど観終えました。
 実はちょうど昨日、ニュースサイトの記事でワーナー・ブラザーズが中国で『ダークナイト』を劇場公開を中止したことを知り、残念に思っていたところ、フラリと寄ったDVD屋で見つけました。
 私はバットマンシリーズのファンです。私が映画を趣味として観るようになったきっかけは、『バットマン・フォーエヴァー』でした。毒々しいデザインのファッションとゴッサムシティ、黒いスーツの姿をしたバットマン、奇妙でありながらカッコいいバットモービル、見事に怪演でリドラーを演じたジム・キャリー等々。この作品のおかげで、私は映画の楽しみを覚えてしまいました。
 そんな敬愛するバットマンの最新作。非常に楽しみにしていました。感想ですが……最高に面白かったです。
 ジョーカーとトゥーフェイスの魅力が全開でした。まさに怪演です。これを観てしまうと、ジャック・ニコルソン版のジョーカーが見劣りしてしまいます。作品のコンセプトが『バットマン』と『ダークナイト』では違いますので仕方がないのですが、ヒース・レジャーの演技には脱帽しました。
 ハービー・デント(トゥーフェイス)役のアーロン・エッカートも良かったです。「光の騎士」と称されたハービーは正義感あふれる検事でありましたし、ジョーカーによって悪に堕ちたトゥーフェイスは憎悪の心で一杯に見えました。人の心の光と影の部分を強いコントラストで体現していたと思います。個人的には『サンキュー・スモーキング』が大好きな作品でしたので、ハービー役でアーロン・エッカートが出演してくれて非常に嬉しかったです。
 物語の終盤になると、ゴッサムシティの街全体がジョーカーの恐怖で渦巻き、混沌としてきます。この恐怖感が観ている私にまで伝わってきました。2隻のフェリーのシーンは手に汗握るシーンでした。人に潜む悪意や弱さ、そして残酷さが描かれた本作の中において、最も希望を見せてくれるシーンでした。その見せ方がわざとらしくなく、リアルに感じました。もし本当に、このシーンと同じようなことが起きても、フェリーの乗員たちは同様の行動をとるのかもしれない、と思いました。というよりも思いたいです。
 ラジオやインターネットなど、様々な方面から高評価が聞こえてきており期待が高まっていたのですが、期待以上の面白さでした。

「トゥルーマン・ショー」久しぶりに観ました

2008年09月19日 | 映画館以外で観た映画
 『トゥルーマン・ショー』のDVDを購入し、久しぶりに観ました。1998年の作品ですので、10年ぶりに観たことになります。いやあ、面白いわ、この映画。10年ぶりに観て、あらためて感じました。
 この作品は、非常におもしろい設定で出来上がっています。中核は「ある男の生涯が、テレビの人気連続番組として24時間ノンストップ生中継されていた」という設定です。人気番組の主人公はトゥルーマン。人気番組のタイトルは「トゥルーマン・ショー」。人権無視だ! という声が上がってきそうなテレビ番組ですが、もし実在すれば、めちゃくちゃ人気が出るだろうと思います。一人の人間の生涯を生中継する番組なんて……。絶対に面白いと思います。
 そんな設定で出来ている『トゥルーマン・ショー』という映画は、その世界観が非常に面白いと思います。誰もが一度は「自分が生きている世界は、実は作り物じゃないのか」という疑問を抱いたことがあると思います。そんな疑問が現実になると、この『トゥルーマン・ショー』の世界であると思います。映画の観客からすれば、とにかく笑いの連続です。
 この世界観は、私にとって邦画の超名作である『サトラレ』の世界の作り方と似ています。『サトラレ』は、ある意味、和製『トゥルーマン・ショー』であると言えます。両者の最大の違いは、『トゥルーマン・ショー』では主人公が自分のいる世界を作りものの世界であると気がつき、その殻を破るのに対し、『サトラレ』では嘘の世界であることを主人公が気がつかないことであります。どちらが正しいというわけではなく、どちらにも真実があると思いますので、ぜひともこの2作品は見比べてほしいと思います。
 話が脱線しました。そんな作り物の世界に主人公トゥルーマンが気がつき始めると、世界観が少し変わってきます。それは、「番組の制作側」対「トゥルーマン」という構図です。この構図は、まさに「神」と「人間」の関係性のように見えてきます。もし神が存在するのならば、こういう感じで存在するのかもしれな、と思ってしまいます。
 私は、こんな物語が好きなんだなあ、とつくづく思います。『マトリックス』やリング3部作の『ループ』、そして先日このブログ紹介した『神は沈黙せず』は、人の生きる世界は実はコンピューターの中の仮想現実であった、という物語です。このような物語に、リアリティを感じてしまうためだと思います。
 トゥルーマンとシルビアの恋愛も非常に面白いと思います。トゥルーマンの一目ぼれから始まったような感じですが、実はおそらく二人が出会う前からシルビアはテレビでトゥルーマンのことを見ており、恋愛感情を抱いていたのではないか、と思います。虚構の世界である「トゥルーマン・ショー」から、現実の恋が芽生えた、という点が非常に面白いです。
 エド・ハリスがジム・キャリーに抱く心情も、神と人間という関係性ではなく、父と息子という関係性です。この感情も虚構の世界から生まれた感情であり、まぎれもない真実の感情です。
 『トゥルーマン・ショー』のラストは感動的です。私は、映画に出てくるテレビの視聴者と同じ気分になって、トゥルーマンを応援してしまいました。10年前、映画館のスクリーンの前でトゥルーマンを応援したように、今日も応援してしまいました。いい作品だわ、これは。

DVDで「キサラギ」を再見

2008年01月14日 | 映画館以外で観た映画
 先日、Amazonから到着した『キサラギ』のDVDを見ました。この映画の場合、2回目の鑑賞は、オダ・ユージ、スネーク、安夫、いちご娘たちの行動に矛盾点がないか否かの確認になると思います。再見したところ、彼らの正体と、彼らの言動のあいだには矛盾点はありませんでした。矛盾点のない物語は美しいと思います。彼ら4人の演技を見ていると、彼ら自身の正体に繋がるヒントが隠されていることが分かりました。ラストは、やっぱり泣かせますね。特に家元がロッカーを開けるシーンは、ぐっときました。虚像と真実の間には垣根がないと感じました。

「ファイト・クラブ」おもしろいなあ

2007年10月27日 | 映画館以外で観た映画
 久しぶりに『ファイト・クラブ』のDVDを観ました。この映画、結構好きな作品です。『セブン』のデヴィッド・フィンチャーが監督、ブラッド・ピット、そして大好きな俳優であるエドワード・ノートンが主演の作品です。1999年の作品ですので、公開から8年が経過しました。しかし、今、観ても全然古くないです。
 エドワード・ノートン、ブラッド・ピット、ヘレナ・ボナム=カーターの演技力、セリフ回し、物語の展開、スピーディーでハイセンスで暴力的な映像・・・・・・。衝撃的な最後のオチは当然、覚えているのですが、改めて観ても、おもしろいなあ。結局、主人公の名前は何なの? 単なる殴り合いだけの映画ではありません。哲学があり、男の生き方を描いていると思います。何回観ても観れます。まだ飽きないです。

--------------------
 空虚な生活を送るヤング・エグゼクティブのジャックは、謎の男テイラーに導かれるまま、謎の秘密組織「ファイト・クラブ」のメンバーになる。そこは鍛え抜かれた男達が己の拳のみを武器に闘いを繰り広げる、壮絶で危険な空間だった。血飛沫が飛び散る拳闘シーンの迫力もさる事ながら、圧倒的な印象を残すのは「セブン」のデヴィッド・フィンチャー監督による暴力的ともいえる映像の洪水。世紀末のカオスをまさに”体感“できる一作だ。
--------------------

 ちなみにデヴィッド・フィンチャーが監督した『セブン』のDVDが久しぶりに再販されます。『セブン』は、ものすごく印象深い映画です。あんなに気分の悪い映画は他にはありません。ずっとDVDが欲しかったのですが売り切れ状態でしたので待ち続けていました。今回の再販にあわせてプラチナム・エディションをAmazonに注文しました。来月はじめに発売されますので、非常に楽しみです。

「悪夢探偵」DVDを視聴

2007年06月24日 | 映画館以外で観た映画
 塚本晋也監督の最新作『悪夢探偵』のDVDが発売されました。塚本映画好きの私は、もちろん購入しました。私が購入したのは特典映像満載のプレミアムエディションです。
 映画のDVDを購入するときは、たいてい特典映像の多い「プレミアムエディション」や「特別版」を選びます。監督、出演者などのインタビュー、メイキング、予告編、特報映像などなど、これらは映画館では味わえません。
 今回のDVDの特典映像では「あのシーンは、こうやって撮影されていたのか」「あのハイテンションな演技は、役者のアドリブだったのか」などなど、いろいろ分かって楽しかったです。この特典映像を見てから、本編を見直すと、より楽しめます。

ナイト・オン・ザ・プラネット(NIGHT ON EARTH)

2007年04月15日 | 映画館以外で観た映画
監督:ジム・ジャームッシュ、出演:ウィノナ・ライダー、ジーナ・ローランズ、ベアトリス・ダル、ロベルト・ベニーニ、アーミン・ミューラー=スタール、ロージー・ペレス、ジャンカルロ・エスポジート、マッティ・ペロンパー、アメリカ、1991

 ロサンゼルス、ニューヨーク、パリ、ローマ、ヘルシンキという5つの都市で、同じ夜、タクシードライバーとタクシーの客が繰り広げられる5つの物語。基本的に、狭いタクシー内での会話だけで進められるのですが、これが非常に面白い。
 映画は5つの話で構成されています。短編集のような感じです。ぜひ観て欲しいのであまり細かく書きたくないのですが、ニューヨークの話と、パリの話が特に面白かったです。運転手と客の会話だけですので、それほど盛り上がりはなく、派手なアクションや感動があるわけではないのですが、漂っているむなしさのような空気が、なんとも言えず良かったです。

「メリーに首ったけ」をDVDで観ました

2007年02月18日 | 映画館以外で観た映画
 近くの電器屋さんで『メリーに首ったけ』の「もっと過激に全開(フルスロットル)バージョン(スペシャル版のこと)」が2000円で売られていました。定価は約3000円です。以前から『メリーに首ったけ』のDVDを購入したいと思っていましたので迷わず買いました。
 初めてキャベロン・ディアスを観たのは1994年の『マスク』でした。しかし、当時はマスクのCGの素晴しさと、ジム・キャリーの演技力に夢中となってしまい、キャメロン・ディアスにはあまり気にしませんでした。しかし、確か日本では1999年に公開したと思うのですが、『メリーに首ったけ』を映画館で観て、すごい女優さんがいるもんだなあ、と思いました。そりゃこんな人が身近にいれば、みんなが首ったけになるのも無理がありません。キャメロン・ディアスの魅力の一つは「親しみやすさ」であると思っています。ハリウッドの有名女優で日本人にも感じ取れる「親しみやすさ」を兼ね備えた人は少ないと思います。そんなキャメロン・ディアスの魅力一杯の映画が、この『メリーに首ったけ』でした。
 この映画を1999年に映画館で観たとき、本当に大笑いしてしまいました。可愛らしい犬に大怪我を負わせたり、障害者のふりをして人を騙すやつが登場したり、タブーと思われていたことを笑いにしていたためです。
 もっとも大笑いしたのは、「マメとソーセージ」のシーンと、犬と大格闘するシーン、そして足の悪い人が床に落ちた鍵を拾うシーンです。バカなシーンなのですが、めちゃくちゃ大笑いしました。
 今回、DVDで久しぶりに観たのですが、相変わらず面白かったです。

「レディ・イン・ザ・ウォーター」のDVDが到着!

2007年01月26日 | 映画館以外で観た映画
 Amazonに予約注文していた『レディ・イン・ザ・ウォーター』のDVDが到着しました。『レディ・イン・ザ・ウォーター』は、日本では昨年公開された、M・ナイト・シャマラン監督の最新作です。シャマラン作品が好きな私は、当然映画館で観ました
 会社から帰宅した時間が遅かったため、今日は本編は観ないで、特典ディスクだけを観ました。映画のDVDを買うときは、本編だけが収録されたいわゆる「通常版」ではなく、監督・主演者・スタッフのインタビューやメイキングなどが収録された「特別版」を買って、楽しむようにしています。
 監督のインタビューを観てみると、この映画を“a bed time story”であることを強調されていました。監督の代表作が『シックス・センス』であるため、シャマラン作品は、おどろおどろしい予告編や宣伝が日本では流れることが多いのですが、『レディ・イン・ザ・ウォーター』は監督が自分の子供に話していた創作おとぎ話を映画化したものだそうです。このような監督の心情を理解してから、もう一回映画を観てみると、少し違った味わいを感じることが出来ると思います。
 今日は特典ディスクだけを観るつもりだったのですが、どうしても我慢できなかったため、本編ディスクのラストシーンだけを“つまみ食い”しました。あらためて観たけど、このラストシーンはいいなあ。

お熱いのがお好き(SOME LIKE IT HOT)

2007年01月03日 | 映画館以外で観た映画
監督:ビリー・ワイルダー、出演:ジャック・レモン、トニー・カーティス、マリリン・モンロー 、アメリカ、1959

 『お熱いのがお好き』については、あらためて説明するまでもないほど有名な名作コメディです。今回、初めて観ることができました。おもしろかったです。流れるBGMやマリリン・モンローが歌う歌は、いい意味で古くさく、この時代にトリップしたような感覚を味わいました。1933年のオリジナル『キング・コング』を観たときにも思ったのですが、この時代の音楽っていいです。
 物語は、さすがにご都合主義的なところが多いと感じました。しかし、コメディ映画であると考えれば許せる範囲でした。笑えるところもたくさんあり、「娯楽映画」という言葉がぴったりであると思い増しア。
 現代の私たちにとっては、この映画はマリリン・モンローが出演しているという点が重要であります。マリリン・モンローの出演している映画を観るのも、今回が初めてです。ちょっとバカな歌手の役でしたが良かったです。オードリー・ヘプバーンと同様、マリリン・モンローは現代では神格化されています。日本でいえば夏目雅子のような感じです(ちょっと違うかも)。今回、『お熱いのがお好き』を観て、少し納得できました。映画の古典を観るのもいいですね。

今天我再見了“愛情麻辣湯”。

2006年11月15日 | 映画館以外で観た映画
 水曜日は中国語研修の日です。18時からいつものように研修を受けました。今日はいつもと趣向が異なり、中国の映画を観ることになりました。日本語の字幕があるのですが、耳で聞き取れた単語をノートに書き出す練習です。「没有」「魚」「玩具」などなど、聞き取れた単語はいくつかありましたが、ほとんど分かりませんでした。がっくり。実際に映画を聴いてみて、自分のヒアリング力のなさを痛感しました。外国語って難しいわ。
 今日、観た映画は『スパイシー・ラブスープ』という1998年の作品です。原題は『愛情麻辣湯』(湯はスープという意味です。日本語フォントでは簡体字がありませんので湯と書きます)。麻辣湯とは四川の方の、香辛料が効いた鍋料理です。映画のオープニングで登場するのですが、鍋の真ん中に仕切りがあり、赤い激辛のスープと、白い白湯(パイタン?)スープの2種類で楽しめる料理のようです。
 『スパイシー・ラブスープ』は、昔、学生時代に香川県のミニシアターで観たことがある中国映画です。恋愛映画です。5つの話で構成されたオムニバスストーリーです。それぞれの話では、小学生の初恋、恋愛、結婚生活、離婚と子供、再婚が描かれています(描かれていたと記憶しています。内容をかなり忘れてしまっています・・・・・・)。アクション映画や香港映画を除いて、初めてちゃんと観た中国映画でした。中国の話なのですが、すごく感情移入することができ、「中国の恋愛模様は、日本と変わらないんやなあ」と感激しました。
 そんな『スパイシー・ラブスープ』を、まさか中国語研修で、再び観ることになるとは予想していませんでした。凄く嬉しかったです。研修の先生(中国人の方)も、この映画をすごく気に入っているようでして、二重に嬉しかったです。
 ちなみに、この記事のタイトル「今天我再見了“愛情麻辣湯”。」ですが・・・・・・

 今天(今日)
 我(私は)
 再見(再会する)
 了(~した)
 愛情麻辣湯(スパーシー・ラブスープ)

 という意味で、「今日、私は「スパーシー・ラブスープ」に再会した」と中国語で書きました。書いたつもりです。文法は間違っていないかな。
 今日は残念ながら時間の関係上、5編のストーリーのうちの2つしか観ることができませんでした。いつか時間をみつけて全部を見直してみたいです。

バタフライ・エフェクト (THE BUTTERFLY EFFECT)

2006年11月06日 | 映画館以外で観た映画
監督・脚本:エリック・ブレス、J・マッキー・グルーバー、出演:アシュトン・カッチャー、エイミー・スマート、アメリカ、2004

 昨日、実家へ帰った際、大阪の梅田のヨドバシカメラへ立ち寄りました。ヨドバシのポイントがDVD1枚分ぐらい溜まっていたので、以前から気になっていた今回の映画のDVDを購入しました。
 少し変わった映画です。ひょんなことから過去の出来事を変えらるようになった主人公。しかし、ほんの少しの過去での変化が、自分が生きる現在の世界に大きな影響を及ぼす、という話です。主人公は幸せな人生を手にするために、愛する幼馴染の女性を救うために、過去を変えようとします。
 ドイツの映画『ラン・ローラ・ラン』では、主人公が恋人の命を救うため必死で金を集め、ベルリンの街を走り回る映画です。少しずつ違った3パターンの結末が待っており、走り始めのほんの少しの変化が結末に影響を与える、という変わった映画でした。私の好きな映画です。
 『バタフライ・エフェクト』も同じ系列のような映画なのですが、過去と現在を行き来するので、タイムトラベルものの物語のようでもあります。『ラン・ローラ・ラン』と違い、過去の出来事を変えるための仕組みが、きっちりとシステム化されていることが、いかにも分かりやすいアメリカ映画のように感じました。
 しかし、この映画は面白かったです。どんな人でも、「あのとき、○○のようにしておけば良かった」という後悔の念を持っていると思います。先日、「人生に悔いなし」というメモを残し自殺した人の事件が報道されていましたが、悔いのない人生なんて、私には想像がつきません。人生なんて、悔いだらけじゃないのか!? そんな悔いだらけの私(笑)には、この映画の主人公の気持ちが痛いほど理解できました。だれでも共感できる映画であると思います。しかも、過去を変えるシステムも面白いです。タイムマシーンなんか登場しません。SF映画に理解のある人だけではなく、もう少し広い客層で理解される映画であると思います。
 切ないハッピーエンドという言葉が、この映画の売り文句です。主人公は、幼馴染の女性を救うことができたのか。そして幸せな人生をつかむことができたのか。クライマックス、過去の世界で主人公が選んだ方法は愛にあふれていますが、本当に切ない・・・・・・。

HAZE

2006年10月28日 | 映画館以外で観た映画
監督・製作・脚本・編集:塚本晋也、出演:塚本晋也、藤井かほり、日本、2006

 敬愛する塚本監督の最新作です。今年の5月ごろ、愛媛県のミニシアターで公開する告知が出ていたのですが、結局上映されなかったようです。映画館のスクリーンで観たかったなあ。
 映画は、腹部から血を流し、身動きできないほど狭いコンクリートの密室で目覚めた男が体験する想像を超えた痛みと恐怖を映像化したものです(Yahoo!映画より一部引用)。
 映像は、とにかく痛々しいシーンの連続でした。詳しくは表現できないのですが、観ている私も痛さを錯覚して感じてしまうほどでした。観ている最中に頭がクラクラしてきました。
 あまりの映像力のために痛々しさがどうしても先行してしまいますが、痛いだけの映画(笑)ではありません。上手く説明できないのですが、都市や世間の「閉塞感」と、人が人に与える愛や希望や勇気などの「確かさ」が描かれていたのだと、私は感じました。1時間にも満たない、ムダのない短い作品ですが、メッセージ性と濃密な映像世界を体感できます。
 藤井かほりは、『東京フィスト』以来の塚本作品出演となります。DVD特典映像のインタビューを観たところ、『HAZE』の“女”役をすごく思い入れたっぷりに演じていらっしゃったことが分かりました。このインタビューのおかげで、『HAZE』の持つ世界観やメッセージ性が強まったと思いました。
 塚本監督の迫真の演技も見ものです。最後、地上世界に脱出するシーンでの頭突きシーンは凄すぎます。観ていて怖くなりました。
 『CUBE』のような映画にも感じられるのですが、不条理さと痛々しさとメッセージ性では、『HAZE』の方が数段勝っているように感じられました。その分、好き嫌いがこれまで以上にはっきり分かれてしまう塚本作品に仕上がったと思います。私は大好きです。