野外保育 とよた 森のたまご
小さな草にも、大きな木にも、一つ一つに役割があり、私たちの生活に欠かせないものを、
小さな手で触れ、いろんな気持ちをいっぱい感じ、育ってほしい。
子ども同士の関わり、時間を大切にし、満足感や、達成感をたくさん味わってほしい。
大人たちは少し口を閉じ、子どもたちが何をどう選ぶのかそっと見守り、
必要な時には知恵のエッセンス。
大人も子どもも育ち合い、自分らしく生きる・・・
『森のたまご』にしか出来ない、手作りようちえんを創っていきたいと思っています。
冬は焚き火。
少しずつナイフで切り分けてみんなでふうふうしながら食べる焼き芋。
お餅はこんがりぷっくりおいしく焼ける。大根はどうやら焼くと甘い。
冬のささやかな楽しみ。
火のつけ方は大きい子から小さい子へ受けつぐ。
小さい子は、シュッとマッチをする大きい子の姿をみて「やってみたい!」と心の内で思い、
大きい子は小さい子の手助けをする。
この日は年長Yゴと年少Yウの物語。
いつものように焚き火をしようと場を整えていると
「火をつけたい。今日はぼくがやりたい。」と年少Yウが近寄ってきた。
火つけ役の大きい子たちはいない。
小枝や葉っぱをひろって一緒にならべて、慣れない手つきでマッチをすってみる。
1回目、2回目、3回目...まだまだ火はつかない。
その様子を見ていたのか、直感なのか、嗅覚なのか
いつの間にか大きい子たちが年少Yウを囲み、年長Yゴを筆頭に小言をならべはじめた。
「火おこしは年中長の仕事だから。年少はあぶないからダーメ!」
「俺がつけるからマッチ貸して」
「早くどいて」
次の行動を考えるYウの表情はみるみるくもり、目には涙。
やりたいことだからどの子も感情がものすごく動く。
きっと何度も何度もくりかえされてきた光景。
何も言わずにやりとりを見ていようか迷ったけれど、
このままYウの心が折れるのは嫌だなと思ったので
「Yゴのやり方を教えてあげたら小さい子でもできるかも」とだけ声をかけた。
とたんにYゴの兄貴スイッチが入り、どうしたら火がつくのか丁寧に説明をはじめた。
Yウが理解できなくて困っていると、YゴとYウがすっと手をとりあう。
そうこうしていたらマッチに火がついた!
「(マッチの頭を上にして)新聞につけて!」
「葉っぱ、小枝、薪にもついた!もう、よし!すごいじゃん」
年長Yゴの言葉に満面の笑みともちがう、喜びをかみしめるような良い表情の年少Yウ。
ひとりではできないこともみんなとならできるね。
手と手がつながる、心がつながるって本当に自然なことなのだ。
冬から春へ。
芽吹く春が待ち遠しいような、巣立ちを思うとこのまま冬が続いてほしいような、
複雑な気持ちで日々を重ねています。
(年長母みゆき)
======================================
「 野外保育とよた森のたまご」
お問い合わせ:morinotamago2010@yahoo.co.jp
代表:遊佐(ゆさ)
TEL:080-5122-1052
HP:https://www.morinotamago.com/
======================================
雨上がりの森はいつもと様子がちがう。こどもたちもすぐに気づく。
雨にぬれた木々から水分が蒸発して湯気みたい。湯気だからあついの?
山道を歩けばメープルシロップのような甘い匂いが漂う。いつもより濃い!
そんな会話をしていると、
よくお見かけする散歩中のおじさんが足をとめ声をかけてくれました。
「雨があがってよかったね。今日はこどもたちが少ないなあ」
「これ忘れた子はいないか。先週この子たちが遊んでいた池の近くに落ちてたよ」
その手には見覚えのある年中Kチの水筒。
こどもたちを一緒に見守ってくれているような気がしてとてもうれしく、
今日の天気のように心もぽかぽか。
カブトムシの幼虫を探す!と向かった先、梅の木とカブトムシが集まる木がある広場では
顔見知りのおばさんが声をかけてくれました。
「いつも元気だね。毎日薄着で外で遊ぶから風邪もひかないね」
「カブトムシが集まる木の下に幼虫がいるわけじゃないよ。腐葉土があるところを探すの」
「幼虫がちゃんと立てるようにもっと深く腐葉土を入れてあげるのよ」
カブトムシの幼虫が蛹になり、成虫になるまでを詳しく教えてくれました。
「土が乾いてきたらコップで水をあげればいいの?」
「うんちは入れっぱなしでもいいの?」
「サラサラの土はダメなの?」
こどもたちは真剣に耳を傾けて、質問まで。
「カブトムシも梅の実もまたここに取りにおいで」
おばさんは最後にこう言って軽トラで帰っていきました。
こども、おとなという垣根なく人と交わることの喜び。
人は開いていれば、開いてくれること。
森のたまごでよくある風景。
そんなじんわりとあたたかい場所でこどももおとなも育つのです。
(年長母みゆき)
======================================
「 野外保育とよた森のたまご」
お問い合わせ:morinotamago2010@yahoo.co.jp
代表:遊佐(ゆさ)
TEL:080-5122-1052
HP:https://www.morinotamago.com/
======================================