冬は焚き火。
少しずつナイフで切り分けてみんなでふうふうしながら食べる焼き芋。
お餅はこんがりぷっくりおいしく焼ける。大根はどうやら焼くと甘い。
冬のささやかな楽しみ。
火のつけ方は大きい子から小さい子へ受けつぐ。
小さい子は、シュッとマッチをする大きい子の姿をみて「やってみたい!」と心の内で思い、
大きい子は小さい子の手助けをする。
この日は年長Yゴと年少Yウの物語。
いつものように焚き火をしようと場を整えていると
「火をつけたい。今日はぼくがやりたい。」と年少Yウが近寄ってきた。
火つけ役の大きい子たちはいない。
小枝や葉っぱをひろって一緒にならべて、慣れない手つきでマッチをすってみる。
1回目、2回目、3回目...まだまだ火はつかない。
その様子を見ていたのか、直感なのか、嗅覚なのか
いつの間にか大きい子たちが年少Yウを囲み、年長Yゴを筆頭に小言をならべはじめた。
「火おこしは年中長の仕事だから。年少はあぶないからダーメ!」
「俺がつけるからマッチ貸して」
「早くどいて」
次の行動を考えるYウの表情はみるみるくもり、目には涙。
やりたいことだからどの子も感情がものすごく動く。
きっと何度も何度もくりかえされてきた光景。
何も言わずにやりとりを見ていようか迷ったけれど、
このままYウの心が折れるのは嫌だなと思ったので
「Yゴのやり方を教えてあげたら小さい子でもできるかも」とだけ声をかけた。
とたんにYゴの兄貴スイッチが入り、どうしたら火がつくのか丁寧に説明をはじめた。
Yウが理解できなくて困っていると、YゴとYウがすっと手をとりあう。
そうこうしていたらマッチに火がついた!
「(マッチの頭を上にして)新聞につけて!」
「葉っぱ、小枝、薪にもついた!もう、よし!すごいじゃん」
年長Yゴの言葉に満面の笑みともちがう、喜びをかみしめるような良い表情の年少Yウ。
ひとりではできないこともみんなとならできるね。
手と手がつながる、心がつながるって本当に自然なことなのだ。
冬から春へ。
芽吹く春が待ち遠しいような、巣立ちを思うとこのまま冬が続いてほしいような、
複雑な気持ちで日々を重ねています。
(年長母みゆき)
======================================
「 野外保育とよた森のたまご」
お問い合わせ:morinotamago2010@yahoo.co.jp
代表:遊佐(ゆさ)
TEL:080-5122-1052
HP:https://www.morinotamago.com/
======================================
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます