岡崎市の市民活動団体が発行するミニコミ誌『
このままそのまま』春号に森のたまごについての記事を掲載してもらいましたので転載します。(紙面の関係で、である調になっています)
*******以下転載*******
ようちえんに母が夢中!
友人から今年で5年目に入る豊田の「森のようちえん・森のたまご」について聴かされたのは、私がまだ子どもを授かる前だった。
初めての入園式でのエピソードだった。
一張羅を来た園児が転んでしまったらしく、大人が、洋服が汚れたことを嘆くでもなく、起こすでもなく見守っていると、
その子は寝そべったままその場に居た蟻を見つけ遊び出したと言う。私はその子どもらしい美しい姿と、大らかに見守る親たちの様子に感銘を受けた。
ようちえん選びには悩んだものの、長男もこの「森のたまご」に通っている。
我が家は周囲から思われる程、家庭内ではこだわった子育てをしてはいない。
けれども森のようちえんという野外自主保育のおかげで、我が子は豊かに育っているなと感じる。
園舎を持たず月曜から金曜まで野外で過ごす。まさに雨にも負けず、風にも負けずといった状況。
子どもたちは、全身全霊で自然を感じ、味わっている。
この「野外」ということもポイントではあるが、「森のたまご」の良さは見守り保育にあると思う。
専任の保育者が居るが、運営は母たちで行っていて、実際の保育にも当番という形でかかわる。
ケンカや危なっかしい場面もある。母親でありながら、なるべく手出し口出しをせずそういう我が子を見守ることは時には葛藤を伴う。
しかし、この見守りのおかげで、子どもは与えられるのではなく、自分で考え、自分で発見し、心を満たしていくことができる。
こういった子どもならではの知恵に出くわすことができるのは、病みつきになるほど魅力的だ。
一方でこれらの運営を担う母たちは大変だ。
当番があるだけでなく、運営のための係りをそれぞれ担っている。
私自身も記録係りと安全対策係りをしていて、毎日の弁当作りと送り迎えだけでなく、昼夜、より良い運営のために考えることは尽きない。
そして、月2回ある話し合いの場面も議題は尽きない。そこでは母たちも子どもに負けないくらい泣いたり笑ったり怒ったりもしている。
何のためにここまで労力をかけられるのか。突き詰めて考えてみると、私の人生の目的そのものがあるからのように思える。
それは「平和を創造する」こと。
平和の対極にあるのが、支配とコントロールの文化だと私は考えていて、社会は誰かに何かをさせたり強いたりということで溢れていると思う。
そしてややもすると母親が子どもにとって一番の支配者になりかねない。
支配の文化の中では、自分で考えて疑問に思ったりすることは窮屈だ。自分自身を押し殺し、従順でいる方が楽だ。
それでも絶え間なく平和を創り続けるために、自分の感性を大事にし、希望を見出す力を発揮したい。
子どもに子どものありようを期待するというより、母親自身のありようを切磋琢磨している「森のたまご」の姿が、この私の想いにとても合っている。
(くらら)
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「森のたまご」お問い合わせ:mie084@hotmail.com
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