ももママの心のblog

猫が大好き。有料老人ホームで生活相談員をしています。映画が好きだけど、なかなか見られません。

禅 ZEN

2009-02-18 | 映画 さ行
「春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえて すずしかりけり」。禅とは、共に生きること、すべてをあるがままに受け入れるということだそうです。中村勘太郎が初主演とは思えぬ堂々とした演技を見せています。この役は、他の人にはできなかったでしょう。

2009年(公開) 日本 ヒューマンドラマ、伝記
2009年2月16日 ワーナーマイカル・シネマズ多摩センター
監督・脚本 高橋伴明(火火)
原作 大谷哲夫
出演 中村勘太郎(そうか、もう君はいないのか<TVM>、新撰組!<TVM>)、内田有紀(北の国から<TVM>)、藤原竜也(新撰組!<TVM>)、勝村正信、西村雅彦(私は貝になりたいほか多数)、笹野高史(おくりびとほか多数)、哀川翔、高橋恵子
(出演作品などは私が観たものに限る)

道元(中村勘太郎)は乱世の鎌倉時代の僧だった。24歳で宋に留学したが、なかなか尊敬できる僧に出会えない。仏教界が腐敗していたのである。しかし老僧との出会いがあり、やっと尊敬できる如浄禅師の下で修行して悟りを得る。道元は帰国後、ひたすら禅宗の普及に励むが、比叡山には邪教と迫害され洛外へ逃れる。貧困の日々の中で自暴自棄になっていた遊女おりん(内田有紀)との心を救ったのはこの頃だった。更に比叡山の僧たちの迫害は大きくなり、越前で寺を開くこととなる。これが後の永平寺である。

とにかく、中村勘太郎が良いんです。歌舞伎を見ない私には勘太郎といえば「新撰組!」くらいしか知りませんでした。どちらかというと、七之助のほうが器用で、勘太郎は融通が利かず、堅苦しいイメージがありました。それにあの時は、同年代の役者さんたちがたくさん出ていて、勘太郎は地味なのであまり目立たなかったです。てか、脇役なのであまり目立ってもいけなかったわけだけど・・・。
今回は主役です。しかも、実際に剃髪までして永平寺で体験修行したという力の入れようだそうです。どちらかというと地味で演技も硬いと思えた勘太郎でしたが、こうなってみると道元の役は彼しかない・・・って位のハマりようです。まず、姿かたちの良さです。剃髪した頭の形の良さ、姿勢のよさ、所作の美しさ、目元の涼しさ、しかも、その涼しい目元が時には鋭くなるわけで・・・。顔のアップがやたらに多いのですが、このあたりを見せたかったのではないかしら?

中国を含めてロケでの映像がとても綺麗。自然の美しさも、画像的に効果絶大でした。お寺に火が放たれた場面も迫力がありました。が・・・全体にストーリーは淡々としています。若い人には耐えられないかもしれませんね。道元の人生自体が、波乱万丈ってわけではないし、彼がいう「自然に身を任せひたすら座禅する・・・只管打座(しかんたざ)」という教えは静かなものなのですから・・・
ヒロイン役である内田夕紀も頑張っていました。藤原竜也も、さすが・・・
ですが、あとはどうなんでしょうか?あまりに勘太郎が良すぎて、見劣りする役者さんが続出したような気がしてしまいました。
また、中国僧の役に何故西村雅彦や笹野高史を持ってくるのかが、合点がいかず・・・。何故、ここで桜吹雪・・・とか、演出もくさすぎるようにも思ったのですが、全体的には大変良いデキです。私はキリスト教で(生まれる前から)、仏教のことは非常識に近いくらい知らないのですが、ちがう宗教の教えですが、深いところでつながっている感じがしました。観客はびっくりするくらい、いつもと違って年齢層が高いです。ほんと、劇場に入ってびっくりでした。でも、見て納得。良い映画ですが、若い人にはウケないでしょうね~。


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