ももママの心のblog

猫が大好き。有料老人ホームで生活相談員をしています。映画が好きだけど、なかなか見られません。

ザ・マジックアワー

2008-07-10 | 映画 さ行
大爆笑っていうのではないけど、愉快・痛快。架空の港町・守加護(すかご)を舞台にギャングの親分や幻の殺し屋が登場。リアリティと架空感の微妙なバランス感覚が面白い。佐藤浩市のコメディ感覚の良さが光ります。キャストとセットの豪華さや、名作映画のオマージュもたっぷり。サービス満点です。

2008年 日本 コメディ
2008年7月9日 ワーナーマイカル・シネマ・新百合ヶ丘
監督・脚本 三谷幸喜(新撰組!、笑いの大学、古畑任三郎シリーズ、竜馬の妻とその夫と愛人、ラヂオの時間ほか)
出演 佐藤浩市(新撰組!ほか)、妻夫木聡(さよならクロ、ジョゼと虎と魚たち)、深津絵里(博士の愛した数式、CHANGRほか)、綾瀬はるか、西田敏行(釣バカ日誌シリーズ、椿山課長の7日間、学校ほか多数)、小日向文世(明日の喜多義男、それでもボクはやってほか)、寺島進(薔薇のない花屋ほか)、戸田恵子(母べえ、新撰組!、ラヂオの時間ほか)、伊吹吾郎(水戸黄門ほか)、柳沢慎一(奥様は魔女)、香川照之(嫌われ松子の一生、ホテルビーナス、北の零年ほか多数)
(出演作品などは私が観たものに限る)

ホテル支配人の備後(妻夫木聡)は、町を牛耳るギャングのボス(西田敏行)の女(深津絵里)に手を出してしまった。それがばれたため、殺されそうになるが幻の殺し屋・デラ富樫を連れてくることを条件に命を助けてもらいことになった。しかし彼がどこにいるのか、どんな顔かも誰も知らないため、苦肉の策で売れない俳優村田(佐藤浩市)を映画撮影と偽ってボスに会わせる。何も知らない村田はくさい芝居をするが、演じれば演じるほどボスは村田を富樫だと思い込み、その勇気を気に入って客分として雇うとさえ言い出してしまう。

15年ほど前だったか、栄養ドリンクのCMで朝ゴミ袋と仕事のかばんを持って家を出たサラリーマンが、思わずゴミ袋ではなくてかばんをゴミ捨て場に捨ててしまうってのがありましたね。お疲れ様・・・って感じのCMに佐藤浩市がぴったりでした。当時からコメディの才能があることは保障されていたのでしょうか?実はコメディ初出演だったそうですが、そのセンスがあることがこれで本当にはっきりしました。見事なものです。本当は売れっ子の実力派二枚目なのに、なぜか売れない俳優に見えちゃうところも俳優さんのすごさです。オーラ・・・消してましたね?
他の出演者も絶妙なキャスティング。ドン・コルレオーネ顔負けの西田敏行は最期に弾けましたが(「なんか食べに行こう、麺類ね」って言ったの、聞き逃さなかったわよ~)、全体的に抑えた演技が光っていました。3回も繰り返される富樫の自己紹介に「また、そこから・・・」なんて言ったりする掛け合いも楽しかったです。もちろん小日向文世、戸田恵子は安心してみていられるし、楽しんでやっているとさえ思えました。大物に囲まれた妻夫木聡クンが小さく見えなかったのはさすがです。本物ですね。最期まで鈍感で分かってない子分役寺島進も、忘れられません。スーツが似合ってましたね。そうそう、他の人の衣装もかなり気を入れているのが分かります。ボスのスーツはいかにも高そうだし、劇中で出てくる古い映画の衣装もそれっぽくて良いです。
映画撮影現場のシーンがいくつかありましたが、映画ファンにはその雰囲気だけでもうれしかったですね。何しろ、あの市川昆監督の元気なお姿も見られますし・・・。
大物俳優さんがちょこっとカメオ出演していたのも楽しかったです。唐沢寿明、山本耕二、鈴木京香、香取慎吾など過去の三谷作品の出演者がぞろっと・・・。そのほか、中井貴一、谷原章介などもいました、いました。子供の頃さんざん見ていて(1丁目1番地など)「奥様は魔女」でダーリンの声を当てていてずっと声だけは聞き続けいた柳沢慎一さんがお元気な姿を見せてくださったのもうれしかったです。三谷さんも柳沢さんのファンなのでしょうか?それから、過去の名作映画のオマージュも満載でサービス精神が旺盛ですね。
しかし、ほめるのはここまで。後半のテンポが悪くなるし、結末が中度半端。コメディで2時間以上というのは長すぎると思います。こだわりは分かるけど、いろんなものを詰め込みすぎて、サービス過剰な感じもありますね。これが三谷映画の最期になると思っていたとのことなので、それも分かりますが抑えたよさもあって良かったのだと思います。まだ、東宝の一番大きなスタジオに作った細長いセットは、リアリティがありながらもどこか不思議な架空の町。確かに良くできてはいたけど、こんなにすごいの作りました~って、言い過ぎと違いますか?番宣に出て強調していましたし、エンディングはセットの組み立てているシーンを延々ながしています。HPでも、かなり強調していますよね。強調されると、こちらは食傷気味に・・・。



最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんにちは~♪ (ミチ)
2008-07-10 19:17:23
私もコメディに二時間半近くは長いな~と思ってしまいました。
三谷さんはハリウッドの往年のコメディが大好きなはずで、それらは決して長尺ではなかったはず。
次回作は「サクッと」お願いしたいものです。
セットもね、頑張って町を作ったのもわかるのですが、やっぱり食傷気味?(笑)
食傷気味といえば、三谷さんの宣伝出ずっぱりもいかがなものかと思ってしまいました(汗)
あ、文句ばっかり書いてますが、楽しいことは楽しかったですよ~~☆☆
返信する
>ミチさんへ (ももママ)
2008-07-11 11:26:48
三谷監督の番宣でずっぱりは、どうも評判が良くありませんね。私はあまり日頃テレビを見ないので、そこまで感じずに済んじゃいましたけど・・・。

まあ、こういうことを言われてしまうのも、三谷幸喜ファンの多い証拠と私は思っているんです。
返信する