牛込日乘

日々の雜記と備忘録

退院報告と「急性喉頭蓋炎」について

2007-05-06 17:51:17 | Weblog

 本日正午前に、無事退院しました。ご心配をおかけしました。

 さて、私が罹患した急性喉頭蓋炎きゅうせいこうとうがいえん)というのは意外と命に関わる病気らしく、しばしば医療過誤裁判(例1例2)などにもなっているようです(のどの痛み=単なる風邪として見過ごしてしまうらしい)。今後誰かの参考になるかもしれないので、私の経験を書いておくことにします。

1.発症
 五月一日の朝から、のどに痛みを覚える。思えば、その二日前から娘の発熱の世話で生活が不規則になっていた。午後、近所の内科に行ったところ、「ま、風邪でしょう」ということで薬を出してもらう。しかし、飲んでも一向によくならない。それどころか痛みはどんどんひどくなり、唾を飲み込むことすら辛くなってくる。しかも、何か今まで経験したことのないような妙な(息詰まるような)感覚が、のどの奥に広がってきたため、これは非常事態だと判断。熱は三十七度台前半。
 午後十時半ごろ、東京消防庁のテレホンサービスで急患で耳鼻咽喉科があるところを探し、順天堂病院に電話して症状を話したところ、「すぐ来てください」とのこと。

2.急患から入院
 それから十五分ほどでタクシーで病院に着き、救急入口から入る。少し待たされて、耳鼻咽喉科で診察。鼻からファイバースコープを入れられ、のどの奥を見て、「ああ、これはすぐ入院しましょう」と言われる。「急性喉頭蓋炎ですね。まだごく初期の段階ですが、早めでよかった」――この病気は本当に急激に症状が悪化することがあり、最悪の場合数時間で呼吸困難になって死に至る場合もあるとのこと。
 とりあえず家に電話し、「即入院することになった」と報告。入院手続きをし、採血の後、点滴を打たれ、車椅子に乗せられて入院病棟へ。当然ながら何も持っていなかったので、寝巻、スリッパなどすべて借用。四人部屋のベッドに落ち着いたのは夜中の一時くらいだった。

3.入院生活
 最初の二日ほどは、のどにも痛みが残っていた。食事もせず点滴のみ。三日目からはお粥が食べられるようになった。抗生物質とステロイド剤の点滴を受け続ける。
 毎朝診察を受け、一日二回「ネブライザー」でのどに薬を吸入。それ以外はやることもないので、本を読んだりベッドでうとうとしたり。間食をしないよう心がけた上に、夜は九時消灯、朝は六時半起床というすばらしい生活。

4.まとめと教訓
 前述の通り、なかなか侮れない病気のようで、それはあまり風邪と区別がつかないために事態の重大さに気付かない危険性があるということに尽きる。
 私はたまたま、①二週間ほど前に妻がのど風邪をこじらせて入院した、②弟がちょうど一年前にまったく同じ病気にかかったが一命をとりとめていた――というような経緯があり、のどの病気については甘く見ないようにしていたため、かなり早期に適切な診察が受けられたのが不幸中の幸いだったかもしれない。

 私に起こった症状をまとめると、以下の通りである。

 ・唾も飲み込めないほどの、強烈なのどの痛み
 ・のどの奥が膨張するような腫れ
 ・耳にも痛み
 ・微熱(症状が進むと高熱が出るらしい)
 ・風邪薬(市販薬や内科でもらった薬)を飲んでも殆ど効かない

 また、私よりも重症であった弟の話によると、急に声が(なぜか田中真紀子のように)変わってしまうということもあるようだ。

 ここを読まれている方々も、上記のような症状があれば急性喉頭蓋炎を疑い、

 ・一刻も早く病院に行く(時間外であれば救急医療機関を利用する)
 ・内科でなく、耳鼻咽喉科での診察を受ける

 ことをおすすめする。

 ちなみに、

 ・疲労などで抵抗力が落ちているときにかかりやすい傾向がある
 ・伝染性はないし、“癖”になるような病気でもない

 とのことである。