ヤマアカガエルの産卵に春を知る日

山里の日々の生活と自然、そして稼業の木工の話

お蕎麦屋さんの椅子の制作 その2

2015年05月16日 | 木工
朝、工房に行くと、育てていたコリアンダー(香菜)が鹿につまみ食いされていた。




悔しいー。
私だってまだ一葉も食べていなかったのに。

あわてて網をかけました。











お蕎麦屋さんの椅子、ではなく、テーブルを先に作っています。



なにしろまだこれからたくさん椅子を作らなくてはならず、納品施工に行く体力を温存しておかなくてはならない。

最後に何日も徹夜してふらふらで納品に行くのでは命からがらになってしまう。それは避けたい。

なのでまだ納期のひと月前ですが、毎日の仕事時間を増やして制作を進め、
余裕をもってこの仕事を終わりにしようと考えています。

毎日の残業はいまのところプラス1時間から2時間くらい。

家族に迷惑かけてます。









テーブルは木地ができ上がり、塗装工程に入っています。






これは組み立て前のテーブル類の部材です。




今回のような店舗の仕事はウレタン塗料を塗っています。
目指すは出来る限りの厚塗り。

デパートの厳しい空調にもめげず、千客万来の使用に耐えるためにはタフな塗膜が必要です。





かんかん照りの5月の空の下、野外で塗装をします。






本当は日の当たるところに木工品を晒すのはよくないのですが、こうすると塗料が早く乾くので作業性はすこぶるよろしい。
手際の良さが勝負だ。

単管と角棒で塗装の台を作りました。
これらは去年の2月に大雪で倒壊した薪小屋を再建するために買った資材です。
つまりまだ小屋は再建できていません。
でもこの作業に使えたからよかった。







テーブルの板を並べて置き、端からどんどん塗料をガン吹きしていきます。

段取りを済ませ、早弁を食べ12時から8時までぶっとうしでスプレーガンを振りました。





こちらはテーブルの足。





たかが塗装作業と思っていましたが、ずっとスプレーガンを握っていたらたいそう疲れた。
もう腕が上がらない。へとへとです。
たまにしかこの作業はしないからなー、体が慣れていないんです。





前にも書きましたが、使っているウレタン塗料は水性の一液タイプの物です。

これが作業性、安全性、経済性がまことによろしい。

水性なので薄めるのも器具を洗うのも水でOK。
専用シンナーなども買わなくてよい。
一液なので出して塗るだけ。使わず余ったらまた容器に戻せばいい。
二液タイプだと混合に手間がかかるうえに余った塗料は硬化が進むので捨てるだけ。

そして匂いが少ない。
塗った翌日に納品してもほとんど匂いは気にならないほど。
有機溶剤などは使わないので健康にも心配がない。

そんな楽なのに塗膜はちゃんと強い。
過去に納品した物を見ても塗膜は切れていないです。


重宝しております。
メーカーさんありがとう。








塗装工程二日目。


雨ということもあり、仕上げ塗りは室内でします。






今朝は疲労困憊で起きられず、やっと目覚めたら家族は出かけてしまっていた。
なぜか腕だけでなく腰や太ももまでもが痛くなっている。

テーブルトップの塗装はスプレーガンを持って右左に腕を振りながら塗料を吹き付ける動作を繰り返すので、
意外と全身運動なんだなあと知る。
塗装作業なめてた。




塗りの工程は、

表面は下塗り(サンディング)3回、仕上げ塗り3回。裏はそれぞれ2回ずつ。
これはたぶんオーバークオリティーですが、そのくらい手間はかけます。
1回塗ると1時間ほど乾燥時間を置き、研磨をします。

とりあえずお昼の時間などであっても塗りにいき、乾燥を待つ時間に食事をする。

塗ってる時間は30分から1時間くらいで、あとは乾くまですることがない。
なので自宅に帰りブログを書いたり図面を描いたりしてます。

乾いたころまた工房に行き、塗り終えたら家に帰るのくりかえし。
これを4回ほど。



そのあたり、ひとり自営業なので時間の使い方には融通が利きます。
悪く言えば働きずくめ。


大きな産地ならば塗装の専門業者がいて塗装仕事は依頼してしまいます。
ここではそんな業者はないので自分でなんとかするしかありませんでした。
その方がかえってなんでもできるようになり、よかったのかもしれません。





テーブルができたら今度は椅子の制作に入ります。