ヤマアカガエルの産卵に春を知る日

山里の日々の生活と自然、そして稼業の木工の話。

ブラックウォールナットという材

2017年02月16日 | 木工
ブラックウォールナットという材木があります。

北米の西海岸に生えるクルミの一種で、黒い色が特徴です。



この材を使うお仕事をふたつ頂きました。


ブラックウォールナットは何年か前に「いいのがあるよ」材木屋にすすめられ、借り入れをしてかなり多めに買ってあります。

その材は56mmほど厚さですが、今回作るものは30mm厚とか20mm厚とか6mm厚のものが要ります。

56mmのものを割いてみることにしました。







材の幅はそんなに広くないので昇降盤で割けます。
昇降盤とは丸い鋸刃が付いた機械です。


木という素材はストレスを持っていて、真ん中で割いたりすると、とたんにひん曲がってしまうのが普通です。
その際、鋸刃を締め付け、時には鋸の回転を止めてしまうほどの力があります。
曲がってしまえばそのままでは次の加工に移れず、それを平らに直すと薄くなってしまいます。
割いて使うに場合は厚みに余裕を持たなければならず、
欲張ってギリギリで使えるかと甘く考えてかかると何にも使えず材を無駄にすることになります。


ところが!

今回使ったブラックウォールナットは、割いてもほとんど動きませんでした。

歩留まりがよく、経済的なことこの上ありません。






ブラックウォールナットはその黒い木肌が美しく、とても人気のある材です。

値段も高く、私が普段使っている材の4、5倍します。

別に秘密にするようなことではないのでお話ししますが、

普通の材とは15~25万円/㎥ですが今回使ったブラックウォールナットは75万円/㎥です。


ブラックウォールナットも探せば30万円台のものもありますが、
節があったり狭かったり色が悪かったりで、結局は相場なりのものです。

そんなに掘り出し物なぞはありません。



鉋をかけてもかけやすく、ペーパーをかけてもよくかかり、きれいに仕上がります。

適度に粘りがあり、持ち重りがし、硬質でありながら温かみもあり、艶があり奥深い光沢がある。

出来たものは凛とした雰囲気を漂わせ、ちょっと腕が上がったのでは?と錯覚してしまいます。



う~む。

やるな、ブラックウォールナット。

高いだけのことはあると認めざるを得ません。




結局、56mmの材から30mmと17mmのもの、

あるいは17mmと17mmと6mmなどというように驚くほど効率よく材を挽き分けることができました。





出来たもの。




足が30mm角、板厚が17mmの本棚と、30mm厚材の椅子。





引き出しの中まですべてウォールナットを使いました。

このブラックウォールナットの美麗な本体で、閉めれば見えなくなるといっても、他の材はもう使えないでしょ!
というプレッシャーをギシギシと感じてしまいます。




この同じ板材達から分かれた二つの家具は全く違うお客様の所に行きます。




この樹を日本でも育ててみようという試みなどはなされたことがあるのでしょうか?

防疫や気候などの問題をクリヤーし、100年後に大儲けを狙う林業家はいないものでしょうか?





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物書き机の製作

2017年02月12日 | 木工
2月10日、雪が降りました。





積雪は2cmくらいでした。

今はほとんど融けています。






大人が使う机を作りました。




こんな図面。

足の加飾などはお客様のご要望です。



甲板はぜひ一枚板で!とのご要望で、本桜(ヤマザクラ)の板を探して仕入れました。

長さが1m強、幅が60cm、厚さが6cmの板です。

シラタを捨てて赤味でぴったり50cm幅が取れ、間口も1mで良いとのことで、その辺の歩留まりはほぼ100%な素材でしたが
ぐわっと反っていて、これを平らにしなければなりません。

製材所に持ち込もうかと悩みましたが、自分で削ってしまうことにしました。





天気も良いので外で作業。

定規を当ててみるとこんなに反っていることがわかります。

幸い、ねじれはほとんどありませんでした。







片面を削り、




裏返します。

こんなに真ん中が盛り上がっています。








荒削りしてしばらく置いておき、板が落ち着いてから仕上げをします。
手鉋で根気よく削り平らにしながら表面をきれいにしていきます。

あんなに反っていた板ですが、その後はいい子で動きませんでした。




仕上がった表面の様子。

結局60mm厚の板が35mmに仕上がりました。

まあまあでしょう。







足の加飾挽きは原寸大の図を描いてデザインを検討します。






ホゾ穴などの加工を終えた足の部材を旋盤にかけます





まず円柱状に加工し、





刻みを加えていきます。






四本無事に出来ました。

お団子の様です。






幕板が広いのでホゾは二枚にします。







このような机は中の構造・細工が結構面倒です。







出来ました。







苦労した甲斐あって綺麗な甲板の机になりました。








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納品二件

2017年02月06日 | 木工
1月は私のような個人事業主にとってはある意味繁忙期です。

といっても稼ぐ方ではなく、確定申告の準備ですが、昼間はなるべく作業をしています。
夜帰って家で事務作業となります。
図面を描いたりお客様とメールのやり取りするのも夜です。

自営業はいくら長時間働いても当局は叱ってくれない。


というのが最近ブログを書けなかった言い訳です。




仕事はしてます。当たり前です。

納品に行って撮ったものを載せます。






昨年からずっと作っていた鍼灸院の家具です。

ここに座って電気的な治療をするようです。







カーテンの付いた衝立です。

カーテンを入れる仕組みがちょっと大変でした。







トイレの棚です。

建物に付けるのは苦手です。
出来れば大工さんにお願いしたいところです。







事務室のパソコンデスク。





キーボードは引き出しに収納します。




後ろの出窓はデッドスペースなので扉を付けて収納に使うそうです。


材はケヤキ、拭き漆仕上げです。







もう一件。




テーブルとイス2台、ベンチのセット。
材はすべて栗です。


テーブルはブックマッチ。

ベンチもテーブルと同じ丸太の板です。



楽しいご家族で、楽しい納品でした。


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