ヤマアカガエルの産卵に春を知る日

山里の日々の生活と自然、そして稼業の木工の話

長い戸棚の制作 その1

2016年07月22日 | 木工
報告 その1

キャビネットなどの納品に行ってきました。





サクラのキャビネット。





サクラの机。

この2点はほぼ一本の丸太から取れた板で出来ています。





テレビ台。材はセン。



お二階の部屋への納品でしたので、ちょっと大変でした。





報告 その2

催事がありました。





群馬県庁です。





写真を使って工房での様子を知っていただく展示しました。

ブログをやっているので写真などの素材はたくさんあります。





これは椅子を作る時にデザインを検討するために作る模型。










つなげて設置すると長さが5mになる戸棚を作っています。


それだけ大きなものを作るためには、かなりの材を使います。

木取って、板を剥いで、厚みを揃えてと、部材の板を作るだけでも一週間はかかります。






段階を追って組み立てていきます。





裏板は嵌め殺しで、組み立ての途中で嵌めます。





天板を組んでいます。






本体の組み立てが終わりました。

工房の板の間が占拠されてしまいました。

間口が約1.7mの戸棚が2台、約1mの戸棚が1台、0.6mの引き出しが1台です。




このあと扉や引き出しを作ります。

サクラ材のサイドボードの制作 その2

2016年07月08日 | 動物
梅雨ですが、利根川水系の水源地であるわが村でもあまり雨が降りません。

工房のカエル池の水も心なしか少ない。



ここ何日かでオオムラサキが飛ぶようになりました。
写真は撮れず。









カマキリ虫の幼生を見るようになりました。
肉食のカマキリは他の虫が多くなってから出てくるようです。






子供の夏休みグッズのようですが、仕事関係の物です。

麦わら帽子は外で材木をいじる時の日よけ、補虫網は工房に入ってきた虫を外に出すために使います。








サイドボードが完成しました。
同じサクラ材を使った机も出来上がりました。






引き出しと扉を仕込みます。
前の面が揃うようにいろいろと調整します。






今回の引き出しは中央から線対称になっていて、全部で10個ですが、
左右それぞれの5個の引き出しは全て微妙に違う作りになってしまいました。
もちろん深さも違いますがそれだけではなく前板の上下左右の出っ張りがみな違います。
棚板を隠すための前板のかぶせ方が複雑だからです。
しかし閉めてしまえば前板だけが見えるので、そんな苦労は見てもわかりませんね。






オイルを塗り、つまみを付ければ完成です。




自分の作ったものですが、解説を少々。

このサイドボードは材はヤマザクラで、足と裏板以外は全て一本の丸太から取れた板で出来ています。
天板は天然耳付きの一枚板です。

引き出しと扉は、天板・側板(足)・地板で囲まれた中に納まり、棚板を全て隠すようなデザインにしてあります。
棚板を見せると線が増えてうるさくなります。
しかし売り家具の様に全てかぶせにして引き出し前板の木口が見えてしまうのもカッコ悪い。
そのような発想から生まれたデザイン処理です。

蝶番がこげ茶色で、ウォールナットのつまみと色が合っています。





扉と引き出しを開けたところ。






天板の様子。






こんなディテール。

真ん中の引き出しの前板を1cm厚くし、膨らみを付けて立体感を出したのですが、その効果はいかがでしょうか?






裏板もちゃんと仕上げてあります。

上下で木目もつながっています。











同じお宅にお納めする机です。

サイドボードと同じ板を甲板に使っています。

キャスター付きワゴンもセット。






こんな甲板。

もっと広い板でしたが、使い勝手の関係で狭くしてあります。







組み立てているところ。

急いでいてあまり写真を撮りませんでした。






ホゾが集中するこのあたり、結構複雑な仕口になっています。