ヤマアカガエルの産卵に春を知る日

山里の日々の生活と自然、そして稼業の木工の話

大桑の命の終わり、または命の始まり

2023年11月02日 | 木工
しばらくブログを休んでいました。

かわりなく生活・仕事はしています。



工房の庭の隅に立っていた大きな桑の樹が三年程前に倒れました。


好機を得て、その桑を製材することができました。





株です。腐って倒れたことがわかります。

根元にあった池は今や完全に枯れていて蛙も産卵に来なくなり、ブログは改名の危機にあります。





製材所に入った幹です。





製材風景。

手伝いますので、のんびり写真は撮れません。








桟を入れて積み上げ屋根をかけて、後は数年置きます。

主で幹は長くとれましたが、枝は曲がりがあるので短く切って製材しました。


桑としては傷が少なく、素直な木味でした。






私はこの地で30年この桑を見て過ごしてきました。私の来た頃の30年前の年輪を辿ったところにピンを打ってみました。30年前も太い桑だと思った覚えがありますが、意外と細かった。

樹齢はざっと60年です。

光を求めて枝を大きく張り出した頃に根元の幹も張り出しを太らせた様な痕跡がうかがえます。


樹としての命は終わりましたが、なんとか製材出来たので、木工製品としての命はこれから始まります。

樹を切って殺して生活している木工家としては罪悪感がつきまといます。しかし命を全うした樹を活かして人の役にたてるということには誇りがあります。


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