ヤマアカガエルの産卵に春を知る日

山里の日々の生活と自然、そして稼業の木工の話。

ショーケースの製作

2018年11月13日 | 木工
秋って春よりも派手なんじゃないでしょうか。

今年は紅葉が綺麗で、気温が下がらないので長持ちしてます。





遠景はこんな感じ。















葉っぱのまだらな色変わりが好き。







雨上がりの夕焼け。









さて、私の作った物を見てきた方にはちょと意外に感じるかもしれないものが出来ました。





ショーケースです。これが二台。

西洋の骨董、ガレなどが入るのだと思います。


前面と左右がガラス、裏板には鏡が入ります。

天板に照明が付き、棚板はガラスです。






ガラスは飛散防止フィルム加工です。

フィルムが貼ってない面にこんなシールが貼られて納品されました。






これが塗料。

ターナー色彩株式会社の製品です。

このサイトの色見本からお客様に色を選んでいただきました。








これが図面。








木地の見えなくなる製品なのであえて合板を使います。





白く見えるとこが合板です。


無垢をこんな風に使ってしまったら大変です。木が伸び縮みするので壊れてしまいます。


合板には合板のための構造があります。





一つだけ誤算がありました。


同じような物を以前にも作って運送会社に託して送ったのですが、今回も同じように発送しようとしたら断られてしまいました。

このようにガラスを使った物は送れないとのこと。

受け入れ条件が変わったようです。

仕方がないので納品に行きます。ちょっと遠方で大変です。
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廉価版の椅子の制作

2018年10月30日 | 動物
秋が進みます。





カマキリがカマキリを食べてました。

これが話に聞く、交尾中にオスを食べているところかと思いましたが、食べられているのはコカマキリでした。





最近工房にリスがよく来ます。

とん、と軽い音がして、何かが屋根を走ったり、落ち葉をかき分けて胡桃を拾っている音がします。

二匹で来ているのはつがいでしょうか?

とっても警戒心が強いので写真は撮れません。

なんて身軽な生き物なんだろうと感心します。






ちょっと前に、棚を二種類作りました。





こんな柱の細い棚。





柱に棚ダボを仕込んでいます。








こちらは小ぶりな本棚。





「棚柱」と呼ばれる金具を使って棚板の高さを変えます。



本の大きさというものは全くでたらめで、しまうのに苦労しませんか?

この棚柱ですと2~3cmピッチで高さが変えられるので使い勝手はいいです。

金属が見えるので見た目はいまいちですが本を収めてしまえば見えなくなります。

荷重がかかっていないと駒が取れやすいのが難点です。








さて表題の廉価版の椅子の制作です。





右の椅子は定番の椅子、もう20年くらい作り続けています。

左が今回作った椅子。


定番の椅子の手がかかるところを省き、しかし同じような座り心地の椅子を狙います。

値段を押さえたものがほしいという、お店からの要望からです。




方針としては

・面取りを小さくする 

・背もたれを構成する部材を減らす

・座繰りも簡素化 座面の板も薄く

・見えないがホゾも簡素化







これが背もたれの型。

背中に当たるアールは同じです、ここポイント。

元の物は左右二つの部材を真ん中でくっ付け、さらに上下にも材を接着しています。

狭い板からでも取れる形にしてあります。







今回出来たもの。



弓型に切った一つの部材の下に厚めの材を接着して背中を支えるようになっています。

背もたれと後ろ足をつなぐ貫ホゾの先も平らに削ってしまいます。

元の物はボタン状に出っ張らせてデザイン上のアクセントにしてます。

背中に当たる角度も元のものと同じです。

面積はちょっと少ないですが、座ってみて背中に感じるものはほとんど同じです。











改めて撮影。





8脚出来ました。

このくらいまとめて作らないと割りに合わないかも。




部材が少ない分、こちらの方が軽いのは良い点です。




さて、少し安く売れますがお客様には受け入れられるでしょうか?









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半月盆(改)の製作

2018年09月17日 | 木工
仕事をしていると、ことん、とクルミの実が落ちる音がします。

クルミの木に囲まれているので、工房の屋根や、材木に載せてあるトタン板にクルミが落ちるのです。





見上げると実が成っていて、






地面にはこのように実が落ちています。


拾おか、やめよか。

食べないのなら放っておいて自然に任せるのがいいかな。








今年はまだ池にオタマジャクシがいます。

こんな時期までいたことはないかも。変だねえ。









新規開店のためにつづいた波状攻撃的納品の、ほぼ最後のお仕事は半月盆です。


前にもお作りしましたが、その時は轆轤で挽いてから丸いものを作り、それ切って弦を付ける作り方をしました。

今後は完全に刳りもの仕事で作ってみます。







まず板を作ります。長さは40cm、幅は36cm、厚さは3cm。材はセン。

36cm幅の板は今はそうそうないので剥いで作ります。








輪郭の墨、中の刳る墨をします。









これは中を皿状に刳るための倣い、治具です。









皿状に刳る部分をボール盤に付けたフォスナービットで荒どりします。

これだけでもほぼ丸一日の作業量。








こんなハチの巣状になります。








治具の内側に、二ミリほどの厚さの木をぐるりと貼ります。



ルーターという機械で刳るのですが、この機械の刃は加工を重ねると切れが悪くなり肌が荒れてきます。

そのため、荒どりの後、刃を交換して切れる刃で仕上げをします。

この二ミリのスペーサーを付けて荒どりし、仕上げの時にはそれをとって加工をしようという試みです。









加工物が大きめなのでそれに合わせた定盤を作りました。

底を全て平らにするのには刃物をまんべんなく動かさなくてはなりませんが、この加工方法は材を伏せて加工するので、加工しているところが目視できません。

そこで定盤に線を書いてそれを見ながら加工物を動かします。









荒どりが終わるとこんな感じ。

二ミリの分が残してあるのわかります。








内壁の木口のとこがなにしろきれいに切れない。

ここの仕上げが最大の難関です。







注文は30枚ですが、すこし余剰を作ったり失敗したりして、40枚近く加工しました。

荒加工の最後の方で、とうとう一組目の刃物のベアリングが破損。

説明書には「ベアリングは消耗品です」とある。なるほど。

機械も大変だったが、この作業をずっとやる私も辛かった。



この加工のために二組の刃物を用意しましたが、この数こなすには四本くらいはあった方がよかったような感触です。

仕上げの最後は切れ止んでしまいました。








内刳りがすんだらサンドペーパーでよく磨き仕上げます。

そして外を切ります。








外を面取りします。

その後は外も磨きます。








木地が出来ました。

やってみてわかりましたが、これはなかなか大変な仕事でした。










それを今度は漆塗り。

漆は残酷な塗料で、仕上がりが悪いともろ出てしまう。

100点とはとても言えない。でも頑張ったのだよ、許してください。







漆は室(むろ)に入れて乾かします。








これが塗り終わり、春から長く長く続いた何軒かの開店ラッシュの仕事も一段落。

ほっとします。

考えたら一月以上休んでないや。






やっと雑事ができる余裕が出来たので、





春先に風で飛んでしまった薪置き場の屋根を掛け、







庭の草刈りが出来ました。









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クリ材のテーブルとクルミ材の椅子

2018年09月04日 | 動物
カマキリの成虫を見かけると秋だなあと感じます。




かっこいいよ、君。







拾ったクリを茹でておやつにしました。

今日は涼しくてストーブを燃しても暑くないです。

木っ端を燃しながら掃除ができます。






クリ材でテーブルを作って収めました。





2メートルのテーブル、ということでとっておきの材を引っ張り出しました。

4m程ある材でしたが使えるのは2mほど。

幅も50cmほどで、見分するに虫食いや割れ、腐れなどがほとんどありません。

こんな完璧な材はめずらしい。

しかもちょうどお望みの大きさが作れる材でした。

まるでこのご注文を待っていたかかの様です。





板を削ってから、どう剥ぎ合わせるか検討します、悩みます。

同じ丸太の板なのでブックマッチでもきれいです。

結局同じ向きに剥ぎました。

木表も木裏も欠点がなく、どちらを表にするかさえも悩みます。









脚の組み立て。

脚が幕板に対して45度についています。

幕板をしっかりさせるため、二本の骨を渡してみました。






脚はこんな風に圧着します。













納品にお伺いしました。

新築でピカピカです。

まだ引っ越し作業の途中です。








吹き抜けがあるので上からも撮れます。








これはひと月ほど前の建設中にお伺いして付けたカウンター。

材はモミジ。幅が60cmあります

ご希望の幅ぴったりで、両耳付きです。

この材もよいものでした。













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とんかつ屋さんの小物の製作

2018年08月30日 | 木工
だいぶ秋めいてきました。





トウカエデ?の実です。

熟すと、風に乗ってくるくると飛んでいきます。







藤の実。

ずっとこのようにブラブラしてます。

11月くらいに冷たい乾いた風が吹くと勢いよく身をひねりながらはぜて遠くに種を飛ばします。







葛(クズ)の花。

こんな時期に咲くんだ。








クルミの実。

見慣れたクルミは薄い皮と果肉に覆われているいわば種ですね。

樹から落ちたものを拾ってぐちゃぐちゃした果肉を洗わないとモノになりません。








クリのイガ。

もうすぐ実が落ちそうです。








クルミ、クリとくれば柿。

こちらは色づくのにはまだ時間がかかりそう。



全て通勤途中に撮ったものです。






さて、仕事の話を。

なぜか9月の初旬に4件の新装開店と一軒の新築のお話が集中してしまい、何カ月も謀殺されております。

店の中全部、みたいな話ではもちろんありませんが、工事の絡みや開店の日が決まってたりするので納期に収めるのが大変。

お見せできる範囲で少しづつ載せます。




今回はとんかつ屋さんの小物。





これはお箸。

取り箸に使います。もうずいぶんたくさん収めました。












長方形のトレイ。

こういうものは頼まれないと作りません。





ちょっとだけ工程を。




こんな図面。






四角い板を作り、






こんな治具に嵌めて、






こんな刃物で削ると、






お盆になります。







これに漆を塗りました。










これは大きなメニューを載せる台、の部材。







途中省略、組み上げました。

盤が780×700mmもあります。








今や希少なシオジ材の杢板を使っています。







こちらは盤が水平なもの。

チラシを置くのでしょうか?











入り皮があり、そこにチギリを入れました。

こちらもよい杢です。





こちらが開店します。

かつ吉


ご来店いただき、私の作った椅子に座ってお食事をお楽しみください。










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