ヤマアカガエルの産卵に春を知る日

山里の日々の生活と自然、そして稼業の木工の話

ロッキングチェアのリフォーム

2015年11月20日 | 木工
ロッキングチェアをお求めになったお客様から連絡があり、
少し座面が高いので低くできないだろうかというお問い合わせをいただきました。





近くの町で催事があるので、搬入の帰りにお伺いして、お預かりしてきました。








三年ほど前にお納めしたものです。

よく触るひじ掛けが黒光りしていますね。





これを3センチほど低くして欲しいとのことです。







ご覧のような方法で橇から3センチの位置に線を引きます。
ここで切るのではなく、この線は導付きの線です。

橇が曲がっているので曲がった線になります。







足を切って橇を切り離します。






ほぞ穴をきれいにさらいます。
糊がよく効いていて、なかなか面倒な作業です。

この橇をそのまま使います。




椅子の足は下に向かって開いているので、足を縮めるとほぞの穴の位置も変わってしまいます。

橇を新調することも考えましたが、色や風合いが椅子と変わってしますので、あえて元の物を使うことにしました。







足にほぞを作るための墨をします。

新しく作るときには工作台を基準面としてこの墨をするのですが、その方法は今回の作り替えではできません。

まあ何とかしました。うまく言葉では説明できない、、、






ほぞの加工はすべて手作業です。








ほぞは作れました。






橇をまた組みます。









できました。

3センチ足を短くしましたが、わかりますか?





お預かりしてリフォームして一日でまたお戻しします。
催事に行くのは一日お休みです。

そのような予定を組みました。



ぐんまウッドクラフト展 IN桐生市有鄰館 2015

2015年11月19日 | 木工
「ぐんまウッドクラフト展 IN 桐生市有鄰館」の搬入をしてきました。




有鄰館は江戸時代に近江商人が作った造り酒屋の建物です。よね?






会場に余裕があったので丸く椅子を並べてみました。









搬入の日はえびす講のお祭りの初日。

なんでこんな日に搬入!?

交通規制がされて、有鄰館の前は屋台でいっぱいです。






有鄰館の前の参道を登ると神社があります。






このような熊手が売られています。






参拝客が列をなしてます。







その神社の脇を抜けると桐が丘遊園地があります。





ゾウさんはまだ健在です。
40余年前、私が保育園児の時に遠足で来てお会いしたゾウさんです。






キリンもいたりして、なかなか良いところ。
カメラを構えると逃げてしまうシャイな奴ら。

入園料もタダです。









新しい椅子をつくりました。



この椅子の座面張りを会場で実演(内職?)します。


会期は11月23日(月・祝)までです。



群馬県ウッドクラフト作家協会

食器棚の制作 その4

2015年11月17日 | 木工
食器棚はやっとできました。


最後の追い込みになった十日間ほどはブログも書けないほど忙しさになりました。
ゆえに久しぶりの更新です。



それでは納品までの工程をかいつまんでお伝えします。









これは棚板の部材です。棚板だけの部材です。





組むように並べてみます。

外周の枠はダボを使って組み、その中に同じ厚みの板が入ります。
その板はあえて糊を使って剥がず、雇い実を使って組みます。





これが「雇い実(やといざね)」です。





組み上げれば平たい板になります。






こちらは「スライド棚板」とでも呼ぶような棚板です。





組めばこのように箱状になっています。




この「スライド棚板」はこの食器棚が奥行きが65cmもあるために提案したものです。


何度もお話ししますが、この食器棚は65cmの奥行きが必要であるというお客様のたってのご要望のがまずありました。
お客様がその奥行きにこだわった理由は、一つは収納力。
そしてシンクとコンロからの距離が遠くない方がよいということです。

しかし問題は、奥行きが大きな箱もの家具を無垢材で作ることの困難と、
奥がデッドになってしまうという使い勝手の問題を解決する必要がありました。

棚板をスライド式にすれば奥に置いた食器も取り出し易いのでは、と思い提案しました。


棚板が箱状になっているのは、スライドレールの金具の幅が45mmあるのでその高さが必要であるということ、
そしてもちろん箱になっていれば置いた物が落ちにくいという利点もあります。


でも食器棚の高さが240cmほどあるので、高いところはただの平面の棚板にし、
目の高さくらいまでがスライド棚板としました。






このように収納し、




このように引き出して中の物を出せるようにしました。


しかし、最後の方で書きますが、問題点もありました。












上の写真は電子レンジや炊飯器が入る部分の扉です。

それらの家電もスライド棚に乗って出し入れできるようになっています。


ご覧のように、棚は箱の天井に収納されます。

最初、ここの扉は下にヒンジがあるものを考えていましたが、
そのような扉ですと機器を使うときには扉が必ず手前に出ていることになります。
扉は53cmほどあるのでそれでは邪魔です。お腹に当たります。
ものぐさして扉を閉めなくても、手前に引き出さなくても、レンジなどが使えた方がよいなどと余計なことを考えてこのように変更しました。






これは扉の組み立て風景。





これは一番下に入るキャスター付きの箱。ごみ箱や野菜、乾物や缶詰などが入るのかも。


このあたり、切羽詰まっていて写真があまりありません。







そして納品へ。



自分の車に乗りきらず、近所の大工さんにトラックを借りました。
1.5t車にけっこう満載です。


納品の朝は雨の予報だったので、よくシートを掛け、その大工さんの車庫を借りて積み込みを終えたトラックを置かせてもらいました。



朝は7時発。

お客様にもお手伝いいただき、搬入。


天井まで1cmしか余裕がないので組み上げはちょっとしたパズルです。
わかっていましたが、天井の照明器具が意外と邪魔なんです。







箱を組み上げて棚板を入れていきます。





扉を付けて調子を見ます。

工房ですべて仕込んであるのですが、そのお宅に置いてみると多少たわみが出るので扉を削って合わせる必要があります。

右の背の高い前板がごみ箱の収納です。






ここで問題が。


スライド棚が扉に当たって出ないのです。


完全に扉を開ききれば棚は出るだろうと思っていたのですが、
食器棚をその場に置いてみると、壁(お部屋の戸)があるので右奥の扉が開き切らないのです。

扉が開ききらなければ棚は出てきません。


お客様のお宅には二回もお伺いして現場を下見しているのですから、完全に私の落ち度です。


お客様と相談し、その問題の扉は左蝶番の折れ戸にすればよいのでは、ということにして頂きました。

そこに扉がはまっていないのはそういう訳です。

扉を作り直しまたお伺いすることとなりました。



ほかのスライド棚が入る扉もスライド金物が当たる部分を切り欠いて扉を開き切らなくても棚が出るように加工しました。



奥行きのある棚の使い勝手を考えてスライド棚なるものを提案したことは間違ってなかったと思いますが、
現場でばたばたしてしまいお客様にご迷惑をかけてしまったことはよくありません。


下見するときに見るべきこと、スライド棚と扉の動きなどをちゃんと図面化して検討すべきであった、など反省点は山積みです。






家具の出来そのものはおおむね気に入って頂けたと思います。

私も心血を注ぎお作りしました。










帰路ははだいぶ雨に降られて梱包に使った布団が濡れてしまったので、橋の欄干を借りて盛大に布団干しです。



バイク屋さんのショーケース

2015年11月04日 | 木工
何日か前。

雨上がりの朝。




雨に濡れた紅葉もいいもんです。
ここは通勤路。




工房で仕事をしていると目の端に何か動くものが。




ヤマアカガエルです。

庭の池で育ったカエルなのでしょうか?
冬眠場所をお探しか?
雨が降るとカエルがやたら出てくるんだよねえ。

捕まえて庭に出します。







鹿の足跡もくっきりと残っています。










食器棚の制作の合間に、ショーケースを作りました。

バイク屋さんが改装して小物を売るためのものです。






二つ、ちょっと違うものを作りました。









急いで作ったので、あまり過程の写真を撮りませんでした。
このくらい。











車に積むときに庭で撮影。





納品してから一週間ほどして、近くに行く用事があったので、お伺いして写真を撮らせていただきました。









商品が入るとショーケースもまた映えますね。









お店の奥に修理工房があります。
バイクや機械のことはわかりませんが、なんでも直してくれそうな雰囲気。


バイクショップ ホリ」というお店です。