ヤマアカガエルの産卵に春を知る日

山里の日々の生活と自然、そして稼業の木工の話

今年のカエルの産卵~下駄箱の制作

2016年01月30日 | 木工
雪が降って、二日ほどしてから自転車通勤は再開しました。


せっかくですので、いろいろ雪景色を見物しながらです。






見とれてしまうほどのつららの奔放な成長ぶり。

屋根の雪がだんだんと融けてずれてくるのでこんな形になるのでしょう。






見かけた中でもっとも自由な形に育った奴はこれ。







屋根の雪が崩壊しないまま、お布団のように垂れ下がっています。
















猟をする方からイノシシの肉を頂きました。

固いし臭いので、工房のストーブで一日煮込みました。
途中二回茹でこぼしました。

工房の中がトンコツラーメン屋の店先のような匂いになりました。












下駄箱が一本できました。

スライド蝶番を使って金具を見せないデザインにしました。
開き戸です。
引き出しがあって玄関先でなにかと便利です。





天板の形はこのようにして、柔らかな感じにしました。










製作途中の写真をあまり撮りませんでした。






裏板はこんな構造です。











しかし「下駄箱」という名前は現代的には何とも時代錯誤ですね。
何かよい名前はないでしょうか

「靴戸棚」?

「シューズキャビネット」?
「シューズボックス」?







1月30日。

この日も予報ではまた40cmも雪が積もるとのことでしたが、
結局、うっすらと積もるだけで済みました。

雪かきがないのは大変助かりますが、この時期に雨とはやはり不気味です。






軽トラが一台、犬の散歩の人、私の自転車の跡の朝。







この日、工房の池でカエルが鳴きました。






確かにちょっと暖かい日でしたが、池の周りはまだ雪に覆われています。



だいたい、カエルは変温動物じゃなかったのか?

なんでこれで活動できるのか不思議です。








ちゃんと卵がありました。







この雪の陰で時折鳴いています。





あまり早いと卵は凍ってしまうかもしれないし、
遅く産むと先に孵ったおたまじゃくしの餌になってしまいます。



動物の競争は熾烈です。

木取り、そのご降雪

2016年01月21日 | 木工
今後二か月分くらいの仕事の木取りをしました。





下駄箱の天板に耳付きの板がいるので、庭に積んでいる板を見分します。







下駄箱が二台、大きな本棚、ながーいTV台などの材です。







結構な量の端材が出ます。この時期には嬉しい薪になります。







そのあと、雪が降りました。

木取りがちょうど終わり、しばらく出荷もないので、ちょっと気は楽です。






雪が降った日には出かけていたので、一日経って工房に行きました。






一度だけ除雪車が通っただけの集落を抜けて歩いていきます。






日陰は真っ白で、どこが道やらなんやら。





木の枝に着いた雪は花のようです。














工房に着きました。

新雪の美しさよ。







先日完成したばかりの小屋は無事です。





郵便屋さんが来るので最低限の道はつけておきましょう。







しばらく材木はいじれません。







仕事の合間に雪かきを進めます。




表面が凍っているので切れ目を入れ、





40cmほど積もっていて重いので、二回に分けてすくいます。






角砂糖のように雪が切れると扱いやすいです。










朝、外が真っ赤なので出てみると朝焼けでした。



古材利用の机の制作

2016年01月14日 | 木工
お屋敷を解体した時の床板などをお預かりして机を作りました。





床板は床の間にはまっている板で、幅が90cmくらいあります。
そのお宅の見せ所になるので、たいがい素晴らしい板を使っています。

この床板は松材ですね。





裏はこんな感じ。

「蟻桟(ありざん)」という狂い止めの桟が付いています。





蟻桟を横から見たところ。

この蟻桟はいらないのでで外します。
糊などはついていないので叩けば外れます。






外してみます。
奥が広くなった溝になっているのがわかります。




蟻桟が付くところだけ削って平らにしてあるのが写真を見ていただければわかります。

このように、精度の必要な仕口の部分だけ削ってあるような仕事が昔のものにはよくあります。









この蟻桟には入れた跡がありません。


両側に引き戸の溝があるので、横から桟を入れることができないのです。






実はこのように桟が入っています。
「送り蟻桟」という仕口です。










この板に鉋をかけて平らにします。

木の乾燥が進んで、平らなようでもそれなりに歪んでいるのです。







高いところから削ってきます。


板の幅が広くて機械に入らないので、すべて手削りになります。

人家で使用していた板は砂が入るのか刃こぼれがひどく、何度も何度も鉋を研ぐことになりました。






だいたい仕上がりました。








裏も削ります。


この桟の跡はあえて残します。

取りきると板が薄くなってしまうのと、この板の出自を明らかにしておきたかったからです。

完全にきれいにするより、どこでどのように使われていた材であるかを残しておくためです。












外から見える所だけは溝の穴を木で埋めますが、あえて色の違う板を使って桟の跡を表します。






足になる板はこんな形ですが、、、、





裏はこうなります。
溝の跡が残ります。






天板の裏もこうなります。








組み立てです。





薄い板の足ですので、隅に補強の板が付きます。

切り離した板を利用して当てて圧着します。






塗装をして完成。








こちらは座机。








こちらは普通の高さの机。







木で埋めたところはこのようになります。




きれいな立派な板でしたね。

さすがです。