ヤマアカガエルの産卵に春を知る日

山里の日々の生活と自然、そして稼業の木工の話。

ミズナラ食器棚の制作~催事の搬入

2013年07月25日 | 木工
山百合が咲きました。





通勤路に山百合の群生地があって毎日眺めながら匂いをかぎながら通っています。




花弁のディテールがなかなかです。




ミズナラ材の食器を入れるキャビネットを作っています。





この板は在庫の最古参の材ではないかと思います。
15年以上前に福島県の桧枝岐あたりから来たものです。
長さ2m、幅80㎝、厚さ4.5㎝。
立派な板に見えますがどうしてどうして。
いままで使わなかったのには理由があって、悪くて使えなかったからです。
ねじれ、虫食い、ひび割れ、、、、

今回ミズナラの家具を作るに当たり、いいところだけ切って使ってしまえということにしました。

しかし重い。
このくらいになると持ち上がらず、倉庫から引きずりだしました。
推定70㎏です。




これも推定70㎏のミズナラです。長さ3m、幅50㎝、厚さ6㎝。
こちらはちょっとした良材です。
やはり10年以上は持っていた材です。


国産のミズナラはどうやらほぼ流通が止まってしまったようで、あってもとても高価なようです。
私もこのようなストックがなくなればミズナラの家具はもう作ることは出来ません。
まだありますけど、今後が心配です。





これが図面です。
左右の絵は家具の両面の図です。両側使いの戸棚です。
片方は引き違い扉、もう片方は観音開き扉、引き出しも両側から使えるようになっています。






さて少し作業を中断して、催事の搬入に行ってきました。

群馬ウッドクラフト展 IN群馬県庁
なぜか私が表紙。





群馬県庁の1Fのホールをお借りしての催事です。

節電中ですので、やや暗い、やや暑い。


初日に店番し、2日休んで土日にまた行く予定です。



何人ものお得意様においで頂き、お会いしてお話が出来ました。
新しい方との出会いもありました。
職業訓練校の生徒も見学に来ました。


私はあまり催事には出かけない方で、工房にこもってばかりで出不精ですが、
出かけてお客様にお会いするといろいろ勉強になることが多くて楽しいです。
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写真撮影

2013年07月19日 | 木工
想像の森 上野村フェティバルの宣伝用撮影がありました。

上野村クラフトフェア

九月に上野村で開催されるクラフトフェアです。







撮影場所は「旧黒沢家住宅」という国の重要文化財です。
建てられたのは18世紀、板葺が特徴の建物です。
観光の紹介とイベントの宣伝を兼ねようという狙いです。
何点か家具を持ち寄り、撮影場所も変えて何点も撮りました。


村に20年も住んでいながらも、ちゃんと入ったことがなかったかも。
地元のことなんてやはりそんなものかな。




暗く、光源も限られている場所で自分の作った家具を見ていて思ったことがあります。
ちょっと細かい話ですが。

私の家具は、広葉樹の無垢材の木目のきれいなものを選び、刃物を使って仕上げ、
オイルフニッシュという塗膜の付かない自然の風合いの塗装をしています。
そのせいか、光線の当たり方で色合いや表情が変わって見えてくるのです。

木はいわば繊維の塊です。
板の表面とは、木の繊維、導管師管などが束になって形成された塊をスパッと切って作った断面なわけです。
そこに光が当たるとプリズムの様に光が乱反射します。
そのため、木の繊維がどのような向きなのかが見た目に大きく影響します。
木の向きが縦の場合と横の場合で色の濃さが違って見えます。
繊維の断面が上向きなのか、下向きなのかでも違って見えます。
これは例えば、今見ている板をくるっと上下反対にすると、もう違って見えるということです。

そして塗装がオイルフィニッシュであることもこの現象の大きな要因です。
塗膜が薄いため、木のこの特徴が大きく現れます。
顔料を含んだ着色剤を塗ったような木ではこのようなことが起きないことは明らかですね。

外国の木工雑誌などにはこの現象がたまに取り上げられます。
この特徴を逆に生かした作品作りも盛んなようです。
木の方向や表裏を変えて模様を作るような取り組みです。

身の周りではそんな話をする人に会ったことがありません。
自分でも、そこまで気にして作り出すとかなりの神経衰弱になりそう。
でもこのことは頭の隅で覚えておいて木を扱いたいと思います。






最後に外でも撮影。







工房では、イスとストゥールが出来上がりました。





例によって、できた部材の記念撮影。





こんな椅子と




こんなストゥール。


どちらも座高が33cmほどの低さです。
これに合わせて高さ60cmのテーブルも作ります。
















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スプーン作り

2013年07月17日 | 木工
ミンミンゼミが鳴きだしました。
オニヤンマが飛び始めました。




スプーン、レンゲを作りました。






これは試作品の写真です。


それなりに数を作るに当たり、型を決める必要があります。
ボール紙で型を作ります。
上からの形と横からのかたちを投影したものです。



今回はスープなどが飲めるような深い匙を考えています。
お粥のような粘りのあるものを食べるなら、こんなに深い匙はいらないでしょう。
小さく浅く作ってお口にぱくっと入る大きさの方がよろしい。

でも今回はちょっと大きくて深いものを作ります。






材を角にして型紙を写して帯鋸で切ります。
レンゲ用の材は厚さが45mmほどの材が必要です。材はサクラ。

一面の型の墨を切り離してしまうと横の面の墨をも切り離してしまうことになりますので
全部切り離さずに鋸を寸止めしておきます。
手でひねれば取れるくらいに切り残します。
そのあと横の面の墨を見て切れば正確な切断ができます。


切ったレンゲの部材が首を伸ばしたガチョウに見えて、顔を描きたくなりました。













輪郭をざっと仕上げてから凹部分を彫ります。
ここを彫るのは完全手作業しかありません、私には。
重さ100kg超の作業台にがっちりと挟みます。
今まで手で持って掘っていましたが、この万力に挟む方法は上手くいきました。
なぜいままでしなかったのだろう。(それは作業台が無かったからだ。)

この刃物は能面の裏を透くためのものだそうです。





こんな感じで掘っていきます。
両手を使って刃物を持ち、体重をかけて加工に集中できてるので、本当にいい方法だった。
早くて疲れずきれいにできる。
いつも加工物はがっちり固定するべきと人には講釈していたのだけれど、おはずかしい。






中を掘ってから外側の仕上げをします。
外はサンダーなどの機械を使えるので比較的楽です。
100番、180番、280番とペーパーで磨いてから水で濡らします。
濡らすとサンディング加工で圧縮された繊維が膨張して立ち上がります。
乾いてから、出たそのケバを400番を使って磨けば生地は仕上がりです。
刃物で仕上げた内側はきれいに仕上がっているので毛羽立つことはありません。




荒どりした材と出来た物を並べてみました。


これに漆を5回ほど塗って完成します。




結構小物作りも面倒ですが楽しいです。




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クルミのチェスト

2013年07月08日 | 動物
土日は曇りがちで雨も降ったので、梅雨明けはどうせ早とちりであろうと思っていましたが、
今日はすっかり晴れてしまいました。





あきらめて扇風機を出す。




10日ほどかけて作っていたキャビネットができました。
催事用に作ったもので、注文品ではありません。






これは組み立てているところ。






これが図面です。
右の足と左の足が違うのは作っていて悩んだからです。
注文品でないので自由な分、悩みも多い。


そこで、、、




四角い足の部材を仮付けし、








A案とB案の形を紙に切り抜いて貼り付けて検討してみました。



いろいろ考えましたが、日本家屋に猫足もなあ、と思いシンプルな方になりました。






足の着くホゾ穴を掘ります。
おおよそ機械で掘ってからノミで仕上げます。





板厚が2cmしかないので深い穴が掘れません。
強度に問題はないとは思いましたが、保険に一本ネジを入れておきました。






付けたらこんな感じ。






これはツマミです。
名前のわからない黒い木を使います。マメ科の紫檀の仲間の木なのは確かです。もらった木なんです。
四角いうちにネジの付く穴をあけておきます。






同じく四角いうちに指がかかる凹みも加工しておきます。
小刀で荒どりをして、






作業台の万力にしっかり挟んで彫刻刀で加工します。
小さいものの加工は持つ手の方が疲れます。
このように固定して加工できるととても楽です。
体重をかけて刃物が使えます。






指がかかる部分の加工が済みました。






その後表側を仕上げました。
丁寧に磨くと艶のでる木です。






ちょっとクールな感じを狙ったつもりです。






扉や引き出しやいろいろ作ってツマミを付けて塗って完成しました。


群馬県庁での催事に出品しますので、ご覧ください。
群馬ウッドクラフト作家協会





いつの間にか、ヒグラシが降るように鳴いています。

オオムラサキも飛び始めました。





やっと撮った蛍の写真です。
独特の色の光ですね。
今年はとても多いようです。見られる期間も長いです。
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「鍛冶でっせ」に行った

2013年07月02日 | 木工
関西方面に納品に行き、「鍛冶でっせ」に行ってきました。

「鍛冶でっせ」は刃物の一大産地である兵庫県三木市で行われる刃物の物産市で、まだ二回目らしいです。
先日清水市で「削ろう会」(後述)というエンスーな催事があり、
行ってみたいなあとネットを見ているうちに、ちょうど兵庫に行く頃に「鍛冶でっせ」があることを知りました。
これはぜひのぞいてみたい!と思い、お客様にもわがままを言って日程を調整しました。


木工屋をやっている一つの喜びに、刃物で木を加工する楽しさがあります。
刃物をよく研ぎ、道具をちゃんと調整することで、木は小気味よい手ごたえや音がして切れていきます。
切れる刃物を使うことで作業は早く進み、出来上がる物は綺麗になります。
私は決して道具道楽の輩ではありませんが、刃物を使いたくて木工をやっているような側面もないではない。

そんなわけで兵庫に行くと三木に寄って、一つ二つと鋸やノミや鉋などの刃物を買って使っていました。


そんな三木の鍛冶屋さんたちが大勢集まるイベントなのです。
機会があるなら行かないわけにはいかない。





会場は道の駅三木にある三木メッセ。
いつもは閉まっていて、私は初めて入る建物です。

着くと、朝10時なのにごった返す人ごみ、熱い熱気!刃物がいっぱい!
のこぎり、ノミ、鉋、彫刻刀、などの手道具屋が多い。



携帯で一枚写真を撮って、あとは物色に没頭してしまいました。



刃物を作っている鍛冶屋さんがブースに立って熱心にお客さんと話をしています。
私も話を聞きたくてもなかなか順番が回ってこないくらいの感じ。
熱くいかに苦労し工夫して刃物を作って入るかをお話しています。

私も実際に普段使っている刃物を作って入る職人さんに会えてお話しできて感激。

若い人が跡を継いでいる鍛冶屋さんも見受けられてこれも嬉しい。
需要が減ってだんだん先細りではあろうけれど、まだまだ絶やしてはならない技術ですから。

お客さんもけっこう若くて熱心な人が多くて、これも驚き。
なかなか高いものも買っている様子が好ましい。



奥の実演コーナーで、鉋削り競技会のようなこともやっていました。

削ろう会」というイベントがあります。
どれだけ美しく薄いカンナ屑を出すことができるかを競う会です。
伝統的な鉋の技術を守り育てようという意気込みを感じる催事です。
この会場でやっているのと削ろう会との関係はわかりませんが、同じような内容と思われます。
いくつものチームがあって、みなさん鉋を持って木に向かっています。
二の腕の逞しい日に焼けた若者達が大切な自慢の道具を愛おしそうにいじりながら鉋かけをしている姿がまことに微笑ましい。
こんなに仕事と道具を愛している職人たちがいることが頼もしい。
この国もまだまだ大丈夫、と思ってしまう。おおげさ?

まあちょっと本音を言うと、
この競技会では素直な柾目の幅の狭い木(ヒノキ?)を使って鉋屑を出しています。
私の様な木工屋はもっと木目のひねくれた幅の広い広葉樹の板を削る必要があって、
求められるものはちょっと違うのかなと思います。






残念ながら、私もだいたいの物は揃えてしまったので、それほど買い込むものはありません。
若い頃にもっとお金があってこんな会に出会えていたらよかったのに。



で、買ったものは、




大ぶりの縦挽きの鋸。
近所の金物店では決して見つからなかったもの。
機械でも切れなかった幅広の板がこれで割れるかも。






裏刃用の仕上げ砥石。

片刃の刃物には切れ刃と裏刃の両面があります。
裏刃はぴかっと平らに研ぎあげ、切れ刃は日常研ぐ側です。
切れ刃は場合によっては丸くも研ぎますが、裏刃は真っ平らが基本です。
この裏刃の平面精度を保つための硬い砥石がこれ。






切出し。小刀。
今使っている小刀は刃が長く、研ぐのに時間と手間がかかります。
そこであえて刃の小さいものが欲しかったのです。


というように、普通の店では買えないようなもので前から欲しかった物を買うことができて大満足でした。






午後一時まで三木にいて、それから群馬に帰りました。
ちょっと強行軍。
日が暮れてからの峠越え。

車のライトに何か細かいものが照らされてました。



うりぼう。
まだ20cmくらいのかわいいやつが6~7頭。かわいい!
車が近づいても逃げず、草叢に入ったり出たりしている。
魚の群れみたいに兄弟で寄り添ってぶいぶいいいながらうろうろしています。

山に帰ってきたなーと思いました。














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