ベンチもあわせて全員攻撃

宮海「昨日のＷ杯Ｅグループ予選、日本vsオランダですが、０－１で惜しくも破れてし
　　　まいましたね……」
アノゥ「まあ、仕方のない結果だよね。超攻撃的サッカーのオランダ相手に、１点しか
　　　与えなかったことが、むしろ奇跡と言っても良いほどだ。残すは一試合、気持ち
　　　切り替えて前を向き続けるしかないだろう」
宮海「それにしても、あまり本田が目立たなかった気がするけど……」
アノゥ「マークが厳しかったなあ。カメルーン戦で目立ってしまったから仕方がないの
　　　かもしれないが。個人的には今日はＭＦに戻しても良かった気がするね」
宮海「昨日は防戦一方だったからねえ。特に立ち上がりなんてヒヤヒヤしたよ。前半
　　　を０－０で折り返したときは、もしかして引き分け以上いけるんじゃない？　なん
　　　て淡い期待も抱いたものだけど」
アノゥ「スナイダーのシュートは凄かったね。川島も反応したのだけど、無回転ボール
　　　だったせいか弾道がブレまくってたな。ありゃさすがに仕方がないと思ったよ。
　　　……が、やっぱり触った以上は弾いて欲しかったけどな」
宮海「途中出場の岡崎は惜しいシーンがありましたね。あれが入っていれば……」
アノゥ「岡崎なんだからあんなもんだろ。いつものことだ」
宮海「ひどい(っдT)」
アノゥ「だが、あえて褒めるなら、ちゃんと反応して飛び出せていた嗅覚の鋭さだけは
　　　評価できると思ったよ。問題は玉田と中村俊。玉田は走る気ないし、中村俊は
　　　迷子の犬みたいな動きしかしてなかった。おそらく、自分に求めらていた役割を
　　　理解してなかったんじゃないか？」
宮海「玉田はドリブルと飛び出しのスピード。中村俊はアシストとセンタリングですね」
アノゥ「特に中村俊は、ＦＫなら任せろ的な解釈しかしていなかったのではないかと疑
　　　ってしまうほどだ。ペナルティエリア付近のＦＫなんて、そう頻繁に起こることじゃ
　　　ない。ワンテンポで前線へボールを放り込む以外の働きなんて誰も期待してい
　　　ないのだから、ムリにボールに触ろうとしなくて良いんだけどな」
宮海「改めてひどい(っдT)」
アノゥ「さて、デンマークはカメルーンに１－０で勝ったが、得失点のアドバンテージが
　　　あるので、引き分け、もしくは勝利で日本の決勝Ｔ進出も見えてきたわけだ。な
　　　んという奇跡的状況。期待を抱かずにはいられませんね！」
宮海「あれれ～？　絶対決勝Ｔ行けないとか言ってた人が何か言ってるよ～？」
アノゥ「そんな昔のことは忘れた」
宮海「しれっと良く言えるな……」

手のひらを返す幸せ

宮海「Ｗ杯南アフリカ大会、Ｅグループ予選の日本vsカメルーン。下馬評をひっくり返
　　　し、なんと日本が１－０で勝利を収めましたッ！　うおーやったぜスゲー！！」
アノゥ「正直困る」
宮海「な、なにがでしょうか」
アノゥ「いやー、今まで散々酷評してきた布陣や選手起用が、こうもピタリと当たって
　　　しまうと、面目丸つぶれじゃね？　なんで本番で勝つかなあ岡ちゃんは」
宮海「本番で勝ってこそなのにこの言い草……！」
アノゥ「この評価の大半は、本田の活躍のおかげだけどね。得点を挙げたことはもと
　　　より、松井・大久保と共に前線を押し上げ、ボールをよくキープして基点を作っ
　　　ていた。日本の国際試合で久しぶりにＦＷらしい働きを見た気がするよ」
宮海「本職はＭＦなのに、ＦＷよりＦＷらしいってのも問題っちゃ問題ですけどね」
アノゥ「地味に大久保が良かったな。攻守共に良く走っていた。ドリブルもパスも下手
　　　だけど、気迫で押せ押せしたおかげでよく目立ち、他の選手が動きやすくなって
　　　いたね。松井のドリブルも効果的で、オフェンス面は高評価でしたな」
宮海「ディフェンス面もなかなか堅実な守りが出来ていましたよね」
アノゥ「エトーが本調子じゃないこともあり、カメルーンがボールを放りこんでくる攻め
　　　を見せていたのが幸いしたと言える。適度に相手が強かったおかげで、闘莉王
　　　も中澤も不用意に飛び出さなかったしな。正直、この二人は前線に飛び出さな
　　　いでＤＦだけやっててくれたほうが、チームのためには良い気がする」
宮海「あまり海外のメディアでは評価は高くないようですけど、勝てば官軍ですよね」
アノゥ「外人の身体能力と比べるなっつーの、って感じだよな。確かに個々のレベル
　　　はセリエＡの２軍にも劣るほどだけど、その分、互いをカバーする戦術が勝利に
　　　導いてくれたんだ。評価すべきところは評価すべきだよ」
宮海「問題は、やはりエネルギーが切れる後半ですか……。危ないシーンが幾つも
　　　ありましたからね」
アノゥ「もう少し早めに投入しても良いと思ったけど、それでも今回の交代は戦略的
　　　理由が明確で良かったな（さすがに残り２分の稲本は評価できないが……）。
　　　ＧＫ川島の頑張りが体力切れしたＤＦの支えになっていたのも評価できる。うー
　　　ん、今までの代表戦を知っているだけに、評価が高くなってしまうなあ(笑)」
宮海「とにかく、勝ったことを今は喜ぶべきでしょう！　次は優勝候補と名高いオラン
　　　ダ戦です。このままの調子で、行け、ニッポン！」
アノゥ「まあ次は負けるだろ、いくらなんでも」
宮海「あんたドライすぎ！(っдT)」

ブブゼラの音に乗せて

アノゥ「世界で2億4000万人以上の競技人口を誇るサッカーの祭典、2010FIFAワー
　　　ルドカップ・南アフリカ大会がついに開幕したね！」
宮海「今回は史上初のアフリカ大陸での大会と言うことで、注目されるのはやはりア
　　　フリカン・パワーだろう。カメルーンにコートジボワール、そして南アフリカの試合
　　　は要チェックというところですね」
アノゥ「ああ、特にカメルーンとは日本は初戦であたるからな。まあ負けるだろうケド、
　　　是非とも悔いのない戦いをして欲しいぞ！」
宮海「……すでに決まったようにサラリと言ってのけるとは……」
アノゥ「日本のリアルな目標は『１点獲ること！』。これだよね。引き分けて勝ち点１を
　　　貰ったって面白くないんだから、玉砕覚悟で点を獲って欲しいな」
宮海「ひ、否定するコトができないのが悲しいですが……それはともかく、さっそく昨
　　　日から試合が始まっていますけど、どこか注目の試合はありました？」
アノゥ「そーね。昨日の試合で言えば、フランス対ウルグアイは注目していた一戦だ
　　　ったな。フランスのドメネク監督は岡田監督とタメを張れるくらいの迷将と有名
　　　で、退場者を出して10人となったウルグアイ相手に、攻めあぐねているようだっ
　　　たよ。もっと監督動いてやれば良いのに、と思わざるを得なかった」
宮海「あー、そりゃますます岡田監督に似ているね。そして今日の試合、韓国対ギリ
　　　シャですが、あんなに韓国が強いとは露ほども思わず……」
アノゥ「さすがパク・チソンという感じだったな。シュート精度は悪かったけど、とにかく
　　　反応が早くて当たり負けしない。そして、他の選手たちもパク・チソンを中心とし
　　　て一体的に動いていた。最後までまとまりきれなかったギリシャでは、なかなか
　　　点を獲るのは難しかろうと感じたよ」
宮海「今現在、アジアの中で一番強いのは間違いなく韓国でしょうね」
アノゥ「日本対カメルーンは明後日月曜日です。どんな負けっぷりが飛び出すか、今
　　　から期待していましょう！」
宮海「なんか期待感なくなっちゃたんですけど……」

貫きたければコロコロ替えるな

アノゥ「今日のコートジボワール戦はよかったな。Ｗ杯での勝率が若干向上したぞ」
宮海「え……そうですか？　0-2で負けだわ、攻守共にぱっとしないわで、イングラン
　　　ド戦のときとは真逆な感想を持ってしまったのですけど……」
アノゥ「アノゥ的感覚で、0.1％ほど勝率が上がったカンジだ」
宮海「なんという微小……ちなみに、本番で１勝できる確率は何％なんです？」
アノゥ「今日の上昇分を合わせて、5.1％だ！」
宮海「低ッ」
アノゥ「もう今更ジタバタしても仕方ないからな」
宮海「若干とはいえ、どうして今日の試合で勝率が上がったんです？」
アノゥ「うーん。まあ簡単に言えば、さすがの岡田監督もこの試合で、ようやく選手と
　　　フォーメーションの運用法が判ってきたから、ってトコかな」
宮海「すっげー今更デスネ。それは23人を選ぶときに固めておいて欲しいものだが」
アノゥ「負けはしたものの、イングランド戦は4-1-4-1のフォーメーションでそこそこ機
　　　能していた。で、今日のコートジボワール戦は岡田監督が散々練習させてきた
　　　4-2-3-1。イングランド戦とメンバー同じなのに効率が落ちたってことは、4-2-
　　　3-1が悪かったという証拠だろう。それが判っただけでも大きな収穫だよね」
宮海「本番10日前で、ようやくそこに気付かされたわけですか、監督は……って、い
　　　や、まだ気付いていないかもしれませんよ？　試合後のコメ聴く限りでは」
アノゥ「いやぁ、よほどのバカじゃなければ気付くだろ。『選手が疲れてたから』とかは
　　　まさか思わないハズだよ。それに、選手では中村がスタメンでは使えない状態
　　　であることがわかったし、阿倍はダブルボランチではクソの役にも立たず、やは
　　　り大久保は口だけであることなども発覚した。明確に悪い要素が判るというの
　　　は、それだけで勝率を大きく上げるものだよ」
宮海「確かに……ですね。イングランド戦とコートジボワール戦の２戦を見ただけでも
　　　陣形は4-1-4-1、阿倍は単独アンカー、中村の代わりに長谷部で２列目、そし
　　　て大久保の変わりに森本……最低でもこの４つが最適であることくらいは、素
　　　人でも分かるような気がします」
アノゥ「素人でも判るのだから、迷将・岡田監督もわかるに違いない。これで少しは
　　　光が見えたというものだ！　さあ、あとはＷ杯本番を待つだけだな！」
宮海「うう、なんといじらしいポジティブ的発想……。日本が勝てると信じていた時期
　　　が私にもありました。是非サムライジャパンには頑張ってもらいたいですな」

ご主人様がメイドを求めるなどというのは、衰退である

宮海「ではでは、今日のメイド小噺は――」
アノゥ「岡田カントクとかけまして」
宮海「ビクッ。……え、何、突然？」
アノゥ「鳩山内閣と解きます」
宮海「……そのこころは？」
アノゥ「最悪」
宮海「かかってない！　かかってないよ！」
アノゥ「でも、岡ちゃんと鳩ちゃんってなんとなく似てるよね。キャラとか考え方とか」
宮海「……その物言いが酷いのかどうなのか判断が付かないが」
アノゥ「というわけで、韓国に自信を付けるために行われたキリンチャレンジカップ。
　　　０－２という、思ったよりも少ない点差で韓国が勝利しましたね」
宮海「思ったよりも、ですか……」
アノゥ「いや、だってそーでしょ。パク・チソンをはじめ、今年の二月にやったときより
　　　ベストメンバーで来てくれてるんだから。正直、０－３くらいで負けても文句は無
　　　いと思っていた。思ったより日本のDFが良かったと言わざるを得ないだろう」
宮海「０－２なんて、十分ボロ負けだと思いますが……ライバルである韓国に、ここ
　　　まで差をつけられてしまったのは、正直悔しいですね」
アノゥ「はぁ？　ライバル？　何言ってんだ、相手は韓国様だぞ。ライバルどころか足
　　　下にも及ぶハズねーだろ」
宮海「ちょ、卑下しすぎじゃね？」
アノゥ「いいや、正しい認識に改めただけだ。今の日本は正直なところ、FIFAランク
　　　60～65位くらい（バーレーンと同程度）だろう。47位の韓国様と比べる自体がお
　　　こがましい。4位のオランダなんて雲の上の存在だ」
宮海「Ｗ杯予選で日本の次に弱いと言われるデンマークでさえ、35位ですもんね」
アノゥ「そのデンマークより更に弱い相手に手も足も出ないのだから、どうしようもな
　　　い。予選突破にかけてる他の国に言わせてみれば、ベスト４とかサッカー舐め
　　　てるだろ、と言われても仕方が無い状況だと思わない？」
宮海「まあ確かに、実力の伴わないビッグマウスっぷりや、それでもやめない厚顔無
　　　恥ぶりはなんとなく鳩山政権に似てると言えなくも無いけどな」
アノゥ「宮海も、こーいうご主人さまだけにはなっちゃダメだよ？」
宮海「う……ここでメイドネタに繋げるとは……」
アノゥ「己の信念を貫くご主人さまも結構だけど、それが暴君になっちゃダメだと思う
　　　んだ、やっぱ。メイド（＝国民、サポーター）を不幸にしないことを第一に考える
　　　のが、ご主人さまの役割なのだから」
宮海「ご主人様なのに、使用人に気を使わなきゃならんのか……」

俺、これで四強に入れたらメイドさん雇うんだ……

アノゥ「Ｗ杯日本代表の最終メンバー２３人が発表されたね」
宮海「そんなことよりメイドだろ！」
アノゥ「ホントにそうだよね」
宮海「そんなメイドを邪険にしなくてもォ……ってあれ？　今アノゥさん同意した？」
アノゥ「同意した。なぜなら、別に面白みも何にも無い結果発表だったから」
宮海「うわー、眼が死んでいますなあー。でも、GKに川口が選出されて、サプライズ
　　　が起こったって話ですけど？」
アノゥ「サブのサブに川口選ばれたってサプライズでもなんでもねーだろ。どうせ試合
　　　には出ないんだろうし。監督兼任ってなら驚いても良いけどさ」
宮海「それって遠回りに岡ちゃんをコキ下ろしているような気が……」
アノゥ「結局はいつものメンバーを選んだって感じだったね。いつもどおりなんだから
　　　朝起きて『よし』とか思う人選じゃねーだろ。アノゥなら大久保の代わりにジュビ
　　　ロの前田とか、ちゃんとＪリーグで結果残している人入れるんだけどなぁ」
宮海「まあまあ、いいじゃない。どうせ誰入れても結果は変わらないんだからさ」
アノゥ「……そのセリフこそ、日本をこき下ろしていると思うぞ」
宮海「とにかく、日本代表にはハエのように頑張ってもらいたいです！」
アノゥ「そうだな！　ハエだって頑張れば人間を倒すことはできます！　ぜひそんな気
　　　持ちでのぞんでほしいです！」
宮海「…………いや、ハエじゃ人間は倒せねーだろ」
アノゥ「…………やっぱそうだよね」

その想いはきっと忘れない

宮海「今日の巨人vs阪神、お立ち台の内海が『拓さんの誕生日なので、何としても勝
　　　ちたかった』と声を詰まらせた場面に、またもや泣きそうになってしまった……」
アノゥ「あー、今日は先週亡くなった木村拓也コーチの誕生日だったんだねぇ。それ
　　　にしても、これで何度目だよ泣きそうになるの」
宮海「うぅ……仕方ないですよ。本当に突然の急死だったんですから。亡くなったと報
　　　道されたときも悲しかったですけれど、木村コーチの誕生日だから勝とう、って
　　　選手もファンもみんなが木村コーチの名前を呼んでいるのを見てしまうと、やっ
　　　ぱり胸にこみ上げてくるものがあります」
アノゥ「正直に言うが、木村はアノゥのイメージでは脇役って感じがして、あまり目立
　　　たない選手だと思っていた。けれど、こんなにも仲間やファンから愛されていた
　　　んだと、今回の件で思い知らされたよ」
宮海「投手を除くすべてのポジションを守れるスイッチヒッターなんて、ユーティリティ
　　　プレイヤーも良いところだ。打率や打点などの目立つ記録としては残らないかも
　　　しれないけれど、木村拓也という選手は確実に素晴らしい選手だった。今後は
　　　そのノウハウを若い選手達に伝えてくれると思っていた矢先だというのに……
　　　本当に残念で仕方がないです」
アノゥ「くも膜下出血は死亡率の高い病気だそうだね。特に木村コーチの場合は、す
　　　でにグレード５に達していて治療の施しようも無かったとか。本当、運命の神様
　　　ってのは残酷なことをしてくれるよ」
宮海「今日のウイニングボールは木村コーチの墓前に捧げるそうで。これからも、巨
　　　人を天国から見守っていてくれると嬉しいです」

そしてまた４年後に

宮海「ハイ、そういうワケで、ついにバンクーバー五輪も閉幕しましたねー！　17日間
　　　にも及ぶスポーツの祭典、皆さんの心にはどんな思いが残ったでしょーか？」
アノゥ「んあ～？　女子フィギュア終われば日本人の五輪なんて終わりだろ、もう
　　　どうでもいいだろ常識的に考えて」
宮海「ちょーー！　イヤイヤ、駄目ですってアノゥさん。ほら、スピードスケートの女子
　　　団体追い抜き（チームパシュート）では銀メダルが出たじゃないですか！　なん
　　　と金メダルまで0.02秒差ですよ？　いや、何があるか判りませんね五輪！」
アノゥ「まーな。アレは確かに惜しかった。いや、パシュートは確かに日本人向きの競
　　　技だな。ショートトラックみたいに（審判にバレないように）前の選手を殴ったり、
　　　脚を引っ掛けたり、ボディアタックすることはできないからな。平和な競技だよ」
宮海「そそそそんなアリもしないコト言わないでください！　しかし、これでメダル数は
　　　５コとなりましたね。まずまずの結果だったのではないでしょうか？」
アノゥ「んー、まぁそーだね。金が１コしか獲れなかったイギリスよりはマシと言うべき
　　　か、それとも金が１コも獲れなかった日本を恥ずべきか……」
宮海「いいえ、恥じることは何もありません！　スポーツは、自身の力を出し切れれ
　　　ばそれで良いのです！　健全な精神は健全な肉体に宿る！　たとえ順位が悪く
　　　ても、五輪に出場できた喜びと、４年間流してきた汗は、必ずや選手達に良い
　　　思い出を残してくれることでしょう！」
アノゥ「スケルトンで出場すら出来なかった選手もいるようだが」
宮海「空気を読んでください！(っдT)」
アノゥ「まー、とにもかくにも、いろいろと話題の多かった五輪だったな。４年後の五輪
　　　はロシアのソチだったか。今大会は若い選手も多かったし、すでに４年後に標
　　　準を合わせている選手もいることだろう。今度はもっとメダルが獲れるように、
　　　是非頑張って欲しいところだな！！」

その跳躍は記憶に残る

宮海「遅くなりましたが――女子フィギュアスケートで、浅田真央が銀メダルを獲りま
　　　したっ！　おめでとうございますーッ！」
アノゥ「金を獲れなかったのは残念でならないな。しかし、キム・ヨナの演技は完璧だ
　　　った。コレばかりは文句の付けようもない」
宮海「しかし、前回トリノ五輪の金メダルが191.34点だったのに、今年は３位のロシェ
　　　ットでさえも202.64点をたたき出しています。どんだけ質の高い大会だったのか
　　　が判りますね」
アノゥ「いや、それは違うな。トリノ五輪後に採点方式が変更になり、それから約２年
　　　かけて今の点数式に変化したそうだ。一概に点数の比較は出来ないぞ」
宮海「しかし、あんだけトリプルアクセルが決まれば勝てる！　とマスコミが騒いでい
　　　たので、真央ちゃんが金メダルを獲れるのかと思っていましたよー」
アノゥ「いやいや、無理無理。実は、３アクセル単品よりも、３ルッツ＋３ループのよう
　　　な低難易度連続ジャンプの方が基礎点高いし、GOE（出来栄え加点）も増大す
　　　るように出来ているんだよ、フィギュアスケートは」
宮海「そうなんです？　じゃあ、なんで真央ちゃんは３アクセルに拘ったんだろう？」
アノゥ「自分のアイデンティティだから、こだわっちゃったんだろうね。それが真央の
　　　魅力でもあるし、弱点でもある。その点、キム・ヨナはちゃんと点数の高い構成
　　　を選んできた。ちょっとGOE甘すぎるが、まぁ、こればかりはね」
宮海「ということは、技の難易度よりも出来栄えが重視されるのが、フィギュアスケー
　　　トなんですね」
アノゥ「その通り。真央が負けてこの部分を批判している人もいるが、これがルール
　　　なんだから仕方がない。それを判っていてなお３アクセルに拘った真央を讃える
　　　べきだと思うな。もちろん、スポーツなのに難易度より出来栄えが重視されるの
　　　は、おかしいっちゃおかしいかもしれないが……」
宮海「フィギュアの基本はダンスである、というのも考慮しているのかもね」

アノゥ「さて、これで日本の金メダル０コは確定したわけだが……」
宮海「うわーん、まだ決め付けないでください。あと２日残っているでしょう！」
アノゥ「えー、むりでしょー。つーか、メダル獲ったのって全部スケートだよね。スキー
　　　競技ひとつもないじゃん。もう日本のスキー競技は終わったと言っても過言では
　　　ないな。事業仕分けでスポーツの補助金も大幅削減されたし」
宮海「民○党の政策の基本はしゃかいしゅぎだから良いのです！」
アノゥ「うっわー、その発言普通に怒られるよマジで……宮海終わったな」
宮海「ぎゃー、拳銃を持った○○のひとがー！」
アノゥ「まあ、最後の最後まで戦う仲間達の雄姿はチェックしておこうぜよっ！」

高みを目指すならそれ相応に

宮海「バンクーバー五輪も終盤戦ですね。まずはスキージャンプ。日本の個人での
　　　最高はラージヒルに挑んだ葛西紀明の５位。団体でも５位入賞という結果を残
　　　しました」
アノゥ「個人でも団体でも葛西が惜しいんだよなあ～。個人の１回目が２回目並の飛
　　　距離が出ていればメダルに届いていたし、団体は２位から５位までが３ポイント
　　　差の中にいる大混戦だった。葛西が大ジャンプを見せただけに残念だ」
宮海「葛西選手は37歳。６回目のオリンピックなんですね。第一人者として日本選手
　　　のトップに立てる実力はすごいの一言です」
アノゥ「だが、裏を返せば若手の実力不足があるよなあ。日本のウインタースポーツ
　　　への力の抜きようは、夏の五輪種目と比べて雲泥の差ではある。……国柄的
　　　に仕方ない部分もあるのかもしれないが」
宮海「聴くところによると、圧倒的点数で団体の金メダルを獲得したオーストリアには
　　　国立のスキー学校があるそうですね。五輪やＷ杯で活躍する選手を育成する
　　　ことを目的に、実力のある学生を集めて練習を重ねているようです。そこまでし
　　　ている国相手に、アマチュアの延長のような体制で練習している日本が勝とうと
　　　いうのは、なかなか無理があるように思えます」
アノゥ「まー、それを言っちゃあオシマイですけど。そもそも冬季五輪は欧米のために
　　　あるようなトコもあるので、欧州以外の国がメダルを獲るのは難しい。そう簡単
　　　に獲れないからこそ、価値のあるものだと思えるんだろうねえ」

宮海「日本ではほとんど報道されていないけど、アイスホッケーが熱いです！」
アノゥ「まさかアメリカが王者カナダを下すとは……。ってバンクーバーで暴動起きて
　　　んじゃん。スタジアムの外にまで観客が溢れかえっていたという話だし、今回の
　　　五輪の人気ナンバーワンは、間違いなくアイスホッケーだな」
宮海「試合観てたけど、アイスホッケーの試合って普通に死ねるね、アレ」
アノゥ「肉弾バトルですからナァ。あれこそ日本人には無理だわ。命がいくつあっても
　　　足りゃあしない」
宮海「でも、サッカーとか好きな人は比較的楽しめるんじゃないかと。アイスホッケー
　　　はまだまだ中盤ですから、興味がある方は観てみるのも面白いと思いますよ」