軽井沢のいろいろ~♪ 軽井沢で静かに暮らす 深山のイノシシ があれこれ見たこと聞いたこと

軽井沢に静かに暮らす深山のイノシシが 軽井沢の春夏秋冬 今昔、あれこれ・・ 見たまま聞いたまま書いてるよ

 軽井沢のいろいろ 軽井沢の「 冬の夜話 」その3・・ 獣医さん

2022-02-19 | 避暑地 軽井沢のあれやこれ

 夕べの軽井沢は   氷点下も-10度近くまで冷え込んだ

 足元は、朝降っていた雪が午前中には止んで陽ざしがあたってだいぶ融けたけれど

 融け残って日暮れ近くからは凍りついて 夜になってからその上を歩くと

 カリカリ壊れる音がしたり  ツルっと滑って転びかけたり あぶない 危ない!

 そんな 夜だけれど、温かい暖炉の前で 熱いお茶を飲みながら昔話を聞かせあったり

 なんとなくおしゃべりを楽しんだりする「 冬の夜話 」に   呼んでもらった

 前から このお茶会のお話をしているので 今回は3回目かな

 夕べのお話は 去年の丁度今頃、14年近く暮らした愛犬を亡くした奥さんが話してくれた

 その犬は、長野県の天然記念物にも指定されている「 川上犬 」

 軽井沢から山梨方面に向かう左手に広がる南佐久郡川上村の土着の日本犬で

 ニホンオオカミと交配した犬種とも言われ、入手も規定の手続きをしなければ難しいし

 ペットショップに並んだりはしていない

  詳しいことは「 川上村 」のHPに掲載されているけれど この川上犬

 年齢が上がって来ると  決まった人を飼い主と自分で決めるものらしい

 お話してくれた奥さんの言うには 生後2カ月くらいで家族になり

 可愛い子犬時代を満喫させてくれて成犬になったそうで ちょっと神経質だけれど従順で

 長い歳月の間に欠かせない家族になっていたそうなんだ

 唯一の苦手は  獣医さん

 顔見知りの人間の中でただひとりだけ 自分にとっては嫌な事をしたり

 日頃はイヤだと言えばすぐに止めてくれるくれる家族が その人の指図で押さえつけたり

 さらには 叱られたりすることもあるからなんだろうね  

 ワクチン注射も 調子の悪い時も いつもその相手だし

 病院の駐車場や入口ドアを目にしただけでも   逃げ腰になった

 いろいろ 後になってみれば思いあたる事もあるけれど とりあえず前に飼っていたペット達も

 飼主さんは 何十年というほど通院した獣医さんだったので 何かあれば そこに受診していた

 最後になるとは思いもしなかったけれど 亡くなる直前にいつもとは明らかに違う様子になって

 それでも いつもとあまり変わらない診断をする獣医さんの診断や投薬が気になって 

 奥さんは  ちょっと遠方にいる別の獣医さんに相談してみた

 そちらの獣医さんは開業していないけれど 入院患者はたくさん抱えている

 別の職業のその獣医さんの奥さんが 動物慈善家で病気でも怪我でも 哀れな動物を目にすると 

 何でも手を差し伸べて保護して来ては 家の中から、物置から軒下まで

 どこか傷んだ動物がケアされていない時が無い  

 つまり いつも入院患者が絶えない動物病院なんだ

 その獣医さんご夫妻が 犬の様子や飼主さんの 心細い気持ちをよく聞いてから言ってくれたのは

 獣医が特に苦手な犬が、大好きなお家をたったひとりで離れて 知らない囲いに入れられて

 いやな事ばかりされて泣いても叫んでも家族に会えない状態で最期を迎えるようになっても

 長らえさせられる いいお医者さんを紹介してほしいのか  

 住み慣れた我が家で 毎日一緒にいても居たりない 大好きな飼い主家族に見守られて居たいのか

 犬の気持ちになったうえで 名医を紹介してほしいか 様子を見守るか決めたらどうか

 ・・と アドバイスされたそうなんだ

 飼主さんは その言葉で改めて気づいたそうで

 子犬だった頃は 誰にでも懐こくて可愛がられ 成犬になってからは飼い主と居る時は吠える事もなく

 熟年期になってからは特にご主人を強く慕うようになって、従順に付き従う日々だったらしい

 ただ 獣医さんにワクチン接種に行く時などは ずっと変わらず世話をする奥さんとふたりがかりで

 受診しなければならない抵抗だったそうで 唯一の苦手だったらしい

 「 飼主 」と 認定された ご主人と相談して名医紹介を見合わせて自宅様子見を決めた翌日

 宵闇迫る頃  一瞬の 大きな悲鳴ともとれる鳴き声でその「 飼主 」を枕辺に呼び寄せ

 その腕の中で 静かに息を引き取ったそうだ

 家族は全員    涙にくれながらも 有名病院の囲いの中でたったひとり・・じゃなく 

 いちばん大好きな場所で 大好きな人の腕の中で最期を迎えられたことが今も唯一の救いで

 ちょうど それから1年が経ち   あの時の冬景色、凍てつく寒さの中に

 何が本当の幸せか 何が最善なのか しみじみ考えさせられる出来事だったと

 その奥さんは お茶をひと口飲んだ  

 このところ 軽井沢やその周辺にも増えている獣医さん 

 その 扉の内外にも いろいろなドラマや思い出があるんだろうね・・     

 

 

 

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