田熊みうま会 尾道市因島から発信中

昭和40年度生まれで 田熊小学校・田熊中学校に通った人のブログ

因島の上水道

2018年07月31日 | 平成30年因島・田熊・仲間の話題
7月豪雨による取水場浸水の影響で、因島では7月7日から20日(地域差あり)まで断水となりました。
かつて因島は慢性的な水不足で、特に夏になると度々断水が実施されていました。
という訳で因島の水道事情を調べてみました。
画像は昭和34年の因島市勢要覧です。
これによると昭和33年には、42,523人の水道利用者のうち、給水人口は3,482人で上水道の普及率は10%に満たないことがわかります。
これが昭和38年の市勢要覧(横着してスキャンしてませんが)を見ると、昭和37年には、水道利用者はほとんど変りませんが、上水道の利用者は9,886人に増え、普及率は3倍近くになっていました。それでも全体の23%程ですね。
続いて昭和43年に刊行された因島市史(P669)によると、上水道40%、井戸57%とあります。この頁には「市内の住宅密集が進み一部地域では水道利用が増えてきたので、夏場になると断水の危険性が出てきた」旨が記載されています。私たちが記憶している断水のトラウマはこの頃からマッチしていく、ということでしょうか。
人口の増加と基幹産業の発展に伴い水道需要が増した上に、それまでは平気で飲んでいた自宅の井戸や中学校の井戸水も、水質検査の結果によっては飲用には適さないという箇所が増加したことも断水の実施につながっていったのかも知れません。
いまから思えば当時の断水は時限的で、汲み置きや既存の井戸でなんとか対応できていたので、この度のような"復旧の目処が立たない"状況と比べると、一般家庭では"ちょっと不便"くらいの感覚だったかもしれませんね。
結果的に現在は上水道普及率93.4%となり、飲用・日常用水等ほとんどの用途に水道を使用しています。便利な生活と裏腹に今回のような災害には脆弱な一面を見せたことになります。

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1 コメント

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Unknown (がっさんでぇ)
2018-07-31 21:52:34
昔のえびすや旅館は建物の真ん中に井戸があり、爺ちゃんは大事にしてました。水を大切に扱い循環させる島の生活が、愛おしく感じます。手間じゃけどね。水神様はおるんよ。
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