田熊みうま会 尾道市因島から発信中

昭和40年度生まれで 田熊小学校・田熊中学校に通った人のブログ

因島・田熊の方言・慣用句(9) 「おうじょう」

2021年04月01日 | 因島・田熊の方言・慣用句
おまちかね「おうじょう」です。
「おうじょう」は「往生」に由来し、「困った」とか「身動きが取れない」とか「行き詰る」とかの意味です。これだけですと少なくとも西日本共通ですかね。
関西では「往生せぃ!」となると「もうあきらめろ」みたいなニュアンスのようです。
因島では「せいじゃ」とか「せいじゃのう」などがくっついて「往生せいじゃ」とか「往生せいじゃのう」となり、意味合いも変化します。

例1
「こんだけの荷物をみな運べぇゆんか? "往生せいじゃのう"」
解説
「これだけの荷物を全部運ぶのですか? "手に余りますね"」


例2
「全員残業じょよ~ら~、よいよ"往生せいじゃ"」
解説
「全員残業との指示です。まったく"困りましたね"」


会話だと
A「こないだのゴルフはどうじゃったん?」
B「それが"往生せぇよ"。OB連発でワヤじゃった」
解説
A「先日のゴルフはいかがでしたか?」
B「それが"大変参りました"。OB連発でスコアになりませんでした」
てな感じで使います。

この言葉の特徴は、なにか見えない力に影響されるような命令形だということです。いずれの例文も直接命令されたことに対する感覚ではなく、自らの感覚なのが面白いところです。

亜種として
"往生つかまつるのぉ"(現在径)・"往生つかまつった"(過去形)というのもありますが、田熊の西部のごく一部でしたか聞いたことがありません笑

島内での常用度★★★★☆(結構多い)
島外での難解度★★☆☆☆(ニュアンスが伝わりにくいかも)
ではまた次回

コメント
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