長島充-工房通信-THE STUDIO DIARY OF Mitsuru NAGASHIMA

画家・版画家、長島充のブログです。日々の創作活動や工房周辺でのできごとなどを中心に更新していきます。

86.新緑の都市公園でスケッチ実習

2013-05-01 14:02:54 | カルチャー・学校
先月、25日と26日の2日間、都内の新宿御苑に美術専門学校の野外スケッチの指導に行って来た。A美術学院のこの授業を受け持つのも今年で5年目となった。「野外に出て自然物を描写する」というのが学生たちへの課題となっている。

朝、少し早めにインフォメーションセンターに着くと、幾人かの学生がスケッチ用に大きなカルトンをかかえて待っていた。しばらくすると専任で担当のF先生を始め、学生たちも続々と到着。さっそくゲートをくぐって入苑することとなった。4月も末ということで樹木や花を描くにはちょうど良い季節である。初日は風も弱く天気もまずまずの日となった。苑内はとても広い。思い思い方々に散らばった学生たちを毎回探して歩くのが一仕事になる。おかげでいい運動にもなる。終日、学生の姿を求めて歩いているとポケットに忍ばせている万歩計は軽く一万歩を超えてしまう。そして出会った先で新入生たちのフレッシュなスケッチを見ながらコメントをして行く。

昼なお暗い苑内の林の中を歩いていると頭上で美しい野鳥の声が聞こえてきた。声のする横枝に視線を移すとヒタキ科のオオルリの♂が見つかった。少し先でもう一羽が囀っている。渡りの途中に立ち寄ったのだろう。東南アジアからこの時期に渡って来て、これから繁殖地である日本の山間部に入っていくのだ。そういえば今年から5年以上にわたり工事中だった。『大温室』もリニューアルオープンした。ここで描いている学生がいないかと、視察がてら入館してみた。さほど広くはないが、明るい館内には所狭しと熱帯の植物や絶滅危惧植物が植えられている。形や色彩が変わった種が多く、まるでアンリ・ルッソーの熱帯幻想絵画を見ているようである。見ごたえがある場所だが通路が狭く人が多い。スケッチには向かないのか学生は一人しか入館していなかった。

翌日も天候に恵まれ、人出も多かったが気持ちよく今年の実習をスタートすることができた。「教室にいるよりも気持ちがいい」という声を学生たちからも聞けた。これから6月までクラスごとに続いていくが、新たな学生たちとの出会いと共に、季節ごとに変化していく動植物との出会いも楽しみにしている。画像はトップが木々がうっそうと繁った苑内の玉藻池、下がスケッチ中の学生と大温室で見た熱帯植物の花。

  


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1 コメント

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ありがとうございました。 (uccello)
2013-05-07 08:45:54
ブロガーのみなさん、いつもマイブログにご訪問いただきありがとうございます。

いいね!をいただいた方々、感謝します。
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