長島充-工房通信-THE STUDIO DIARY OF Mitsuru NAGASHIMA

画家・版画家、長島充のブログです。日々の創作活動や工房周辺でのできごとなどを中心に更新していきます。

画家・版画家の長島充と申します。

2900-04-10 21:49:47 | 版画


訪問いただきありがとうございます。
絵画作品と版画作品をさまざまな技法で制作しています。制作や日常にまつわる事を日々更新しています。

作品画像や活動内容を紹介するホームページ『長島充 作品集』も開設しています。ぜひ合わせてご高覧ください。
過去ブログは、こちらからご覧ください。


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369. 『ライヴ・プリンティング② 木口木版画を摺る』

2019-05-14 17:22:30 | イベント・ワークショップ
前回の投稿内容である個展終了の御知らせと時系列が逆になってしまった。

4/12~5/6まで開催された千葉県市川市の公立美術館、芳澤ガーデンギャラリーでの個展『長島充 - 現実と幻想の狭間で - 』の会期中、5/4(土)に関連イベントとして『ライヴ・プリンティング② 木口木版画を摺る』というタイトルで版画の解説トークと摺りの実演を行った。前回、4/20(土)に好評のうちに行った『ライヴ・プリンティング① 銅版画を刷る』の姉妹編とも呼べる内容である。
このようなワークショップ的とも言える版画の摺りの実演を美術館や公共施設で行うようになったのは15年以上前からだと思う。イベントの機会をいただき度に行ってきた。


何故、このようなことを続けているかというと我々、版画の制作者というのは個展などの会場で常に来場者から技法についての説明を強いられる。例えば「銅版画というのはどのように彫って、刷っているのですか?」「木口木版画って、普通の木版画とどこが違うんですか?」等と言う内容である。
版画の中でも板目木版画は日本人には「浮世絵」や「年賀状」のイメージが強くその技法内容も一般の人たちには想像しやすい。それに対して西洋から輸入された版画である銅版画や木口木版画、リトグラフ、シルクスクリーン等の版画技法は一般の人たちにはほとんど知られていないと言っても過言ではないだろう。
なので、版画の展覧会場では版画家は技法の質問に対しての説明にかなりの時間を割かなければならない。絵の内容は二の次ということも多いのである。

このことは、版画家、版画商、版画関係者がその普及を怠ってきたということもあるのではないだろうか。そこで甚だ微々たる歩みではあるが私個人としても、より多くの人たちに版画芸術の魅力を理解していただこうとこうした実演活動を続けているのである。勝手に「版画辻説法」と名付けている。

今回のイベントも前回同様に美術館のロビーで13:00からスタートしたのだが、参加希望者の方々はすでに12時頃から集まって来ていた。前回の銅版画もたいへん好評をいただいたのだが今回も第一回目は70名程の参加者が集まった。

初めに解説トークとして木口木版画の西洋での歴史と技法、代表的な作品のコピーなどを説明と合わせて観ていただく。「版画紙芝居」である。それから版木の材質や彫りと摺りの道具の説明を実物を見ていただきながら行う。そして15年前に偶然知り合った、昭和30年代まで木口木版画の職業彫り師として活動していたF氏から譲り受けた「小刀(こがたな)」と呼ばれる彫刻刀や実際に広告のイラストレーションとして使用された版木などを紹介した後、実際に摺って見せる。その後、自分が制作した木口木版画の「野鳥版画」や「蔵書票版画」を摺って見せた。

1回のトーク&実演が40-50分だったろうか。30分の休憩をはさみ2回目も同じ内容で行った。この時は20名から30名の参加者だった。前回の銅版画の実演と合わせトータルで約200名近くの方々が参加されたことになる。まだまだ微々たる歩みではあるが少しでも版画の魅力を感じてもらうきっかけができれば幸いである。

今後も機会があれば、可能な限り「版画辻説法」を続けて行きたいと思っている。今回、僕の提案に賛同していただいた美術館関係者の方々、会場設営をしていただいたボランティアスタッフの方々、そして熱心な参加者の方々にこの場をお借りしてお礼申し上げます。ありがとうございました。

画像は高校のクラブの後輩でカメラの腕がプロなみのUGA氏に撮影していただいたカットから使用させていただいた。




                           

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368.個展『長島充 - 現実と幻想の狭間で - 』 終了しました。

2019-05-08 17:50:02 | 個展・グループ展
市川市芳澤ガーデンギャラリーで4/12~5/6まで開催された個展『長島充 - 現実と幻想の狭間で -』もおかげさまで盛会の内に終了いたしました。

大型連休が入って長期の旅行に行く方、家で休養する方などが多く、入館者がどちらに転ぶか心配していましたが連日多くの方々が入館され、さらにみなさんとても丁寧に時間をかけてご高覧いただきました。用意した芳名帳には600名の方々が記帳され美術館側の記録では2350名の方々の入館が記録されたようです。入館者のうち最も多かったのは初めてリアルで僕の作品をご覧になる方々で、このこともとても開催して良かったと思っています。

僕自身、普段は画廊や公共空間等、発表する場所も変えている「写実(野鳥版画)」と「幻想(銅版画や絵画等)」の2つの表現の作品群を始めて同一空間に展示しましたので、どのように見えるのかとても気がかりでしたが「別に違和感はない」「一人のアーティストの表現として繋がって見える」などのご感想を多くいただきホッと胸を撫で下ろしているところです。

それから関連イベントとして2日に分けて行った『ライヴ・プリンティング(版画の摺りの実演)』も2回とも満員御礼状態で大好評のうちに行うことができました。作家としても多くのみなさんに喜んでいただけて幸いです。

画廊での個展、公共空間での個展、いつも最終日に思うのですが、展覧会が終了していざ会場を立ち去る時、とても切なく寂しい気持ちになります。ある音楽家の言葉に「音楽は演奏し終わると空中に消え去ってしまうものだ…」という有名なものがあります。CDなどの記録媒体というものは会場の空気感や雰囲気までは再現できません。音楽のように演奏時間のスパンは短くはありませんが美術の展覧会も終わってしまえば何てことはありません。こちらも画集やポストカードなどの印刷物はリアルな展示空間とは別物です。これを「一刹那」「無常」とでも言うのでしょうか。人は皆、そのような時間を生きて活動しているのだなとしみじみ思います。唯一残るとしたらその展示空間にその時に僕といっしょに作品をご覧いただいた方々の記憶と心の中に焼き付いた映像だけということになるのでしょう。

最後にこの場をお借りしてこの個展を企画し開催していだいた美術館スタッフの皆様、会場に当番でつめていただいたボランティアスタッフの皆様、そして御来館いただいた多くのみなさんに感謝いたします。ありがとうございました。

個展やグループ展というのは通過点。みなさん、また次の未知のポイントでお会いしましょう。


画像はトップが最終日に会場で挨拶をする僕。下が最終日の美術館のようすと会場での僕。



      

 
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367. 公立美術館での個展も終盤に入りました。 

2019-04-30 18:24:42 | 個展・グループ展
平成最後のブログ投稿である。先月の12日からスタートした千葉県市川市の公立美術館、芳澤ガーデンギャラリーでの個展『長島充 - 現実と幻想の狭間で - 』もいよいよ終盤に入りました。

今まで公共美術館ではグループ展などで展示されたことはあるのだが個展としては初めての展示となる。今回、絵画・版画を合わせて作品数も50点以上という規模でありこれも初めての体験となっている。

今回プレス関係に数多く紹介されている。特に新聞などは朝日、読売、毎日、東京、産経など主要な誌面にはほとんど記事として紹介していただいた。若い層の人たちは「紙媒体はもう古い」と思われるかも知れないが美術館に訪れる人たちの年齢層はまだ新聞を購読している世代。そのおかげか連日、数多くの方々にご来館していただいき会場に午前中から在館していても人の流れが絶えることがないほどである。その他にも地元ローカルテレビなどの番組でも紹介されありがたいことである。
そして先週末から始まった例年にない大型連休に入ってからは、さらに入館者が増加しているようである。このような好機に大きな会場で自己のエポックとなる個展を企画開催していただいていることがとてもありがたく喜びである。今日は平成最後の日。明日から時代が令和に変る時。その瞬間に個展開催中というのもなかなかないことだろう。

展覧会はいよいよ終盤。今後の長島の在館予定日は5/2、5/4、5/6、という予定。5/4午後1時からは4/20に行いご好評をいただいた「ライヴ・プリンティング① 銅版画を刷る」に引き続き、第2弾として「ライヴ・プリンティング② 木口木版画を摺る」を美術館ロビーにて実演します。普段はあまりお見せすることのない版画の摺りの実演となります。是非この機会にお誘い合わせのうえご参加ください。事前申し込みなどは不要です。

展覧会も残すところ6日間。ブロガーのみなさん、アートファン、版画ファン、野鳥ファンのみなさん、どうかご来館ください。

市川市芳澤ガーデンギャラリー 千葉県市川市真間5-1-18 TEL:047-374-7687 http://www.tekona.net/yoshizawa/

画像はトップが個展会場での僕。下が向かって左から会場風景、ロビー風景、美術館外観、庭園で見ごろの藤の花







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366. 『ライヴ・プリンティング① 銅版画を刷る』

2019-04-26 17:55:01 | イベント・ワークショップ
今月12日から千葉県市川市の公共美術館、芳澤ガーデンギャラリーで始まった個展『長島充 - 現実と幻想の狭間で - 』も折り返しの中間地点を過ぎた。ありがたいことにほとんどの新聞に掲載され、ローカルテレビなどにも取り上げられたこともあり連日多くの来館者で賑わっている。

先週20日(土)に展覧会の関連イベントとして『ライヴ・プリンティング① 銅版画を刷る』というタイトルで自ら制作した銅版画の摺りの実演を行ってきた。僕はこの日イベント会場の準備もあり午前中から在館していたのだが、個展会場には週末ということもありすでに多くの来場者がいらしていた。中には遠方から来館いただいた旧知の友人もあり、嬉しい再会となった。

イベントはお昼休みを挟んで13時開場、15時までの間に人の流れを観ながら2回ほど行う予定となっていた。『ライヴ・プリンティング』という言葉は僕が作った造語である。音楽のコンサート会場のステージなどで行う『ライヴ・ペインティング(ステージ背後に貼られたシートなどにアーティストが絵の具を用いてアドリブで絵を描くイベント)』に対して、版画なので刷る=プリンティングということで名付けたというわけである。過去のブログにも投稿したが今回が初めてというわけではない。

工房から持ち込んだ小型の「卓上エッチング・プレス機」の周囲には13時前から見学希望者が集まってきている。今日の僕の頼りになる相棒はこの小さなプレス機ということになる。
刷りに使用した版は連作版画「日本の野鳥」の中の「森の入り口」という作品。北海道に生息するフクロウの亜種、エゾフクロウをエッチング技法で制作したA4サイズぐらいの銅版画作品である。

イベントはいつものように自己紹介からスタートし、一般の人たちにはあまりなじみのない西洋銅版画技法の歴史、技法、エピソードなどをジョークも交えて解説してから実際に版にインクを詰め、さまざまな種類の布の端切れでふき取り、数日前から水で湿してあったビニール袋の中のドイツ製の銅版画用紙を取り出してプレス機で刷り上げていくまでのプロセスを、これも解説付きで行った。毎回反応がどうか気になっているのだが、みなさん銅版画を刷り上げて、紙をめくって見せると「おぉ~ッ!!」という歓声がいくつも上がりとても喜んでいただいたので、ほっと一息である。終了後質問の時間を作るのだが、美術館を訪れるという人たちは版画制作の経験者などもけっこういらして質問も専門的に突っ込んだ内容が多かった。

1回目の実演が終了するとこちらも少しゆとりが出てきて、その後も人の流れを観察しつつ合計3回、6枚の『ライヴ・プリンティング』を行った。今回、この企画に理解をいただいた美術館関係者の方々、会場設営などを手伝っていただいたボランティアスタッフの方々、そして参加していただいた多くの来館者の方々、ありがとうございました。この場をお借りして感謝申し上げます。

展覧会は大型連休最終日の5/6(月・振)まで。なお、会期中5/4(土・祝)に同美術館で午後13時から『ライヴ・プリンティング② 木口木版画を摺る』というタイトルのイベントを行います。ブロガーの皆様、美術ファン、版画ファンの皆様、この機会に是非ご参加ください。

詳細は芳澤ガーデンギャラリーのホームページ:http://www.tekona.net/yoshizawa/ で、ご確認ください。


画像はトップがライヴ・プリンティングのようす。下が同じくライブ・プリンティングのようすと個展会場風景



            



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365. 個展『長島 充 - 現実と幻想の狭間で - 』 始まりました。

2019-04-13 20:40:41 | 個展・グループ展
昨日、4/12。前回投稿でお知らせした千葉県市川市の公立美術館、芳澤ガーデンギャラリーでの個展『長島 充 - 現実と幻想の狭間で -』が無事オープンしました。

午前中より在館しましたが、市内在住者、友人、知人、美術関係者等、朝から来館者が途絶えることなく訪れて良い感じにスタートすることができました。午後からは初日と言うこともあり地元テレビ局の取材が1本、新聞社の取材が2本と入れ替わりにあり、少し忙しい時間帯もありましたが来場者の方々とも作品を通してコミュニケーションもでき、質問なども多く有意義な時間を過ごすことができました。

作品だけではなく、制作で用いている3種類の版画技法の道具類や原板や『野鳥版画』のコーナーに野鳥観察用具やフィールドノート(観察記録やスケッチを描く手帳)を展示したことは会場を立体的に観てもらうことにとても効果的であり、好評でもありました。

そして今回の会場作品構成は昨年撮影された佐倉市広報課によるローカルテレビ番組『佐倉市立美術館収蔵作家シリーズ - 画家・版画家 長島充 - 』と内容をリンクさせ、ロビースペースでDVDを上映したので、これも作家のコンセプトや時系列を追ったテーマの変貌などが理解しやすく好評でした。

これから1カ月弱の間、さまざまな来館者との出会いとコミュニケーションを楽しみにしています。初夏の大型連休を含み季節も過ごしやすい頃です。このブログを見ていただいているアートファン、版画ファン、野鳥ファンの方々、初めての試みとなる長島の「写実」と「幻想」の表現世界の同一空間での展示をこの機会に是非ご高覧ください。

詳細は以下を検索、ご確認ください。

市川市芳澤ガーデンギャラリー 千葉県市川市真間5-1-18 TEL 047-374-7687 http://www.tekona.net/yoshizawa/

画像はトップが展示会場のようす。下が向かって左から展示会場のようすと展覧会のポップなど。



                           



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364. 市川ゆかりの作家たち展 『長島 充 - 現実と幻想の狭間で - 』  

2019-04-06 19:52:03 | 個展・グループ展
僕の個展のお知らせです。

以下、今月12日(金)より開催されます公立美術館企画による個展の情報となります。


・展覧会名:長島 充 - 現実と幻想の狭間で - 

・会期:2019年4月12日(金)~5月6日(月・祝) / 4/15(月)、4/22(月)は休館 
 
9:30~16:30(入館は16:00まで)

・会場:市川市芳澤ガーデンギャラリー  
 
 千葉県市川市真間5-1-18  tel:047-374-7687
http://www.tekona.net/yoshizawa/

・都心よりのアクセス:JR東京駅から総武線快速でJR市川駅まで18分 JR市川駅より徒歩16分
 
 JR日暮里経由、京成電鉄市川真間駅より徒歩12分

・内容:千葉県市川市出身である長島充の1990年代(30代)からの版画、絵画作品の代表作約50点を展示する。

 普段は発表する会場(画廊、公共施設など)を分けている幻想的作風の絵画・版画作品と野鳥や自然をモチーフとした
 自ら『野鳥版画』と呼称する写実的版画作品を同一会場で一緒に展示することを始めて試みた展示内容となっている。

・入場料:無料

・関連イベント:ライヴ・プリンティング(版画作品の摺りの実演) ① 4/20(土) ② 5/4(土・祝)
 各日 13:00~15:00の間に1~2回行う。

 館内上映:佐倉市広報課制作のテレビ番組から『佐倉市立美術館収蔵作家シリーズ・画家・版画家 長島充』(約20分)を会場にてご覧いただけます。

・作家在館日:4/12, 4/14、4/17、4/20、4/21、4/23、4/27、4/29、5/2、5/4、5/6

※市川市在住画家の遠山悦子氏と美術館を二分する個展形体となっておりが、入り口は別になっております。

以上です。


このブログを読んでいただいているアートファン、版画ファン、自然や野鳥好きの方々、大型連休にかかる企画展です。美術館には庭園もあり各種植物の花なども多く咲いている季節です。千葉県と言っても市川市は都心からとても近いです。是非、この機会に長島のテーマの変遷、作品の流れをご高覧ください。会場でお待ちしています。

長島 充 


画像はトップが展覧会ポスターの部分。下が展覧会フライヤーの表と裏。



   



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363. 第49回 高見順賞 贈呈式・記念パーティーに出席する。

2019-03-16 18:00:08 | 
3/15。東京飯田橋のホテルメトロポリタン エドモントで開催された『第49回 高見順賞 贈呈式・記念パーティー』に出席してきた。

受賞されたのは兵庫県在住の詩人、時里二郎さんで作品は昨年出版された詩集「名井島」(思潮社刊)である。時里さんとは20年以上前、美術学校の先輩で版画の世界の大先輩でもある柄澤齋さんの東京の個展会場でご紹介されてからのご縁である。お二人は40年来の大親友なのである。そしてお二人とも大の「昆虫好き」で特に蝶と甲虫のカミキリムシの専門でもあり、知り合った頃からいっしょに採集旅行などをされるほどである。確か記憶では僕も昆虫好き、生き物好きということで柄澤さんに会場で紹介していただいたと思った。

その後、僕が関西方面の画廊で版画の個展を開くと、必ずお知らせし会場にお見えになったりご丁寧にご連絡をいただいたりしていた。時里さんと僕とは共通の話題が多くて、昆虫のこと、自然のこと、野鳥のこと、現代詩のこと、版画のこと、と会場では得意な分野が多いということもあり夢中になって長くお話しさせていただいた。それから新しい詩集が完成するといつもご丁寧に送ってくださる。SNSがさかんな時期になるとお互い参加しているということもあり、いろいろとやり取りさせていただき親交を深めていった。

今年に入って、「第70回読売文学賞・詩歌賞」受賞のニュースが入った。先月、授賞式があったばかりである。凄いなぁと思っていたら間もない頃、今回の「第49回 高見順賞」を連続して受賞された。わずかな期間のダブル受賞である。あっという間にSNSを通してお仲間たちの間で大評判となり「時の人」となったのである。もちろん直ぐにお祝いのメッセージを送信させていただいた。「人生、こういうことってあるんだなぁ…」。

そして今月に入って、高見順文学振興会を通して受賞記念パーティーへの招待状が届いたのである。一瞬「僕のようなものに…」と思ったのだが、またとない御めでたい席である。出席させていただくことにした。

「高見順賞」という名前は僕も20代から現代詩が好きで読んでいたので知っていた。例えば他の文学で言えば「芥川賞」や「直木賞」などと並び、詩の分野での重要な賞だという認識だったが、どうもそういう商業的なものとも正確が違うようである。詩人にとってはもっと重く、特別な意味を持つ賞だということだ。
毎年、数多く出版された現代詩の詩集の中から優れた詩人に贈られる文学賞で、高見順文学振興会が主催、5名ほどの著名な詩人によって構成された選考委員によって審査、決定発表されている。第1回は1971年で受賞者は三木卓氏と吉増剛造氏の二人が受賞している。その後の受賞者を見ても現代詩人を代表する蒼々たる名前が続き、現代詩の重要な位置づけとなっているのである。

会場に着くと受け付けのあたりで版画家の柄澤さんと愛知の版画家、戸次女史の姿を見つけた。柄澤さんが開口一番「詩人の授賞式に版画家3人が出席するなんて時里氏らしいねぇ」と言われた。いっしょに会場に入り同じ円卓に着く。パーティーは16時から選考委員の1人である吉増剛造氏の開会の挨拶から始まり、ベテラン詩人による選考経過の報告や賞の贈呈、祝辞などが続き、受賞者の挨拶となった。もちろん僕たちは時里さんの言葉を楽しみに待っていた。マイクの前に立つとやや緊張した面持だったが、話の内容が近年自己の詩作において特に思い続けていることとなると、とても詩人らしい深い考えを話された。それは「自分の書く詩、言葉が実はこの世界にもっと以前に生きていた人が書いた、あるいは話した言葉なのではないか、と感じるようになった」ということ、さらに「その言葉が自分の中に入って来て書いているという感覚になる」という意味のことを話された。仏教の「入我我入観」や「感応道交」といった境地にも通じるような感覚を連想してしまった。素晴らしいスピーチだった。ふだん詩人の方が創作においてどのようなことをリアルで考えているのかを垣間見ることができた。

その後、花束贈呈、そして無二の親友である柄澤齋さんからのお祝いの言葉と乾杯の発声。あとは大勢の来場者が自由に歓談。ファンの方々にサイン攻め、スナップ写真攻めにあっていた時里さんにようやくお声掛けしお祝いの一言を話してから記念撮影などをすることができた。「長島さん、また関西方面の画廊で発表する時にはご案内ください。野鳥の話もしましょう」と言っていただいた。時里さんのように地道にご自身の世界を追及し続けてきた創作者が、きちんと評価されるということが本当に嬉しかった。アルコールが入ってからは、あっと言う間に時間が過ぎて行った。とても和やかで良い授賞式だった。


肝心の時里さんの詩の内容について書こうと思っていたら他のことで長くなってしまった。僕は評論家ではないし僕が下手な形容を並べるよりもこのブログを読んでいる方々でご興味をお持ちの方は是非、詩集「名井島」をお手にとって読んで、感じていただきたい。詩と言うものは文学とはいえむしろ音楽に共通する感覚があり、理屈や説明ではなく読む人が、その人その人の持つフィーリングで味わうものだと思っている。

時里さん、おめでとうございます。そして良い授賞式にご招待いただきありがとうございました。これからもさらに素敵な詩集を生み出し続けてください。柄澤さん、素晴らしい詩人の方をご紹介していただき感謝いたします。


画像はトップが受賞会場での時里さんとのスナップ。下が向かって左から会場となったホテル、開会挨拶をする吉増氏、時里さん、乾杯の発声をする柄澤さん、会場に設営された高見順の写真、時里さんと友人のみなさん、詩集「名井島」、時里さんからいただいた詩集の数々。



                              



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362. グループ展『日本の四季と生きもの Ⅲ』が始まりました。

2019-03-05 18:37:50 | 個展・グループ展
今年も日本ワイルドライフアート協会主催のグループ展『日本の四季と生きもの Ⅲ』が東京の新宿御苑インフォメーションセンター・ギャラリーで今日からオープンしました。

昨日、作品の搬入・展示の作業が係りの出品者により行われたのだが、今年は昨年に続き出品作品が多く72点の作品が集まった。内容としては例年通り、日本の自然の中に生息する哺乳類、鳥類、爬虫類、昆虫類、魚類等をモチーフとした洋画、日本画、版画、立体等、さまざまな画材、表現による力作が展示された。スケジュールは以下のとおりです。

・会期:2019年 3/5(火)~3/10(日)9:00~16:30(最終日は15:00まで)

・会場:東京都新宿区 新宿御苑インフォメーションセンター1Fギャラリー

・アクセス:東京メトロ丸の内線 新宿御苑駅出口1 徒歩5分 都営地下鉄新宿線 新宿三丁目駅C1/C5出口 徒歩5分 JR・慶応・小田急線 新宿駅南口 徒歩10分

・入場料:無料

・主催:日本ワイルドライフアート協会(JAWLAS)

・お問い合わせ:日本ワイルドライフアート協会事務局:info@jawlas.jp 

以上、ブロガーの方々で自然好き、生きもの好き、アート好きのみなさん、この機会に是非ご高覧ください。

画像はトップが展覧会場に展示された平面作品の一部。下が向かって左から、昨日の搬入・展示作業中の会場の様子、新宿御苑インフォメーションセンター内に展示された「御苑で拾ったさまざまな樹木の種」、搬入・展示後、恒例で行われる近くのイタリアン・レストランの懇親会場のようす。



               
  


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361. 公共美術館での個展の準備が進む。

2019-03-03 18:23:06 | 個展・グループ展
今春開催する千葉県内の公共美術館での僕の個展について、ブログやSNSを通して昨年から少しづつ触れてきた。

今年に入ってからはその準備に追われていた。1階建てのそれほど広い美術館ではない。その会場を二人の市にゆかりの作家で二分している。広くはないと言っても普段ギャラリーで開催する新作個展の規模ではない。50点弱の作品を展示する予定である。画廊での個展の2,5倍ほどのボリュームになるだろうか。

どのような内容にしようか少し悩んだ時期があったが、画廊での個展と同じような展示をしても意味がない。考えた末、30代からの自己の代表作を中心にセレクションすることにした。そして普段は画廊を替えて発表している神話や伝説をテーマとした幻想的な表現の作品と、野鳥や自然をテーマとしている写実的な作品の両方を一堂に並べてみることに決定した。初めての試みであり、どのように観えるかは自分でも解らない。

個展に臨むにあたって昨年11月から旧作の整理を行ってきた。絵画作品でコレクションされ人の手に渡ったものに関しては連絡を取り借用するようにした。版画作品で出品したいもののうち手元にないものは版を取り出して来て摺りなおした。先月末、ようやく出品予定の全作品が揃ったところである。
今回、作品を整理したり、借用したり、版画を摺りなおしたりして思ったのだが、絵画や立体等の専門の美術家はこうした展覧会を開くのはたいへんなことだと思った。つまりコレクションされた作品が数人に集中している場合はまだしも、テンデンバラバラに行き渡っていたならば探し出して借用するのは容易ではない。けっこう力作や傑作というものは作者の元を離れている場合が多いのではないだろうか。
その点から言うと版画は気持ちが楽である。何故かと言えば、特に銅版画や木版画等、版が堅牢で残るもので手元にシートがなければ摺りなおせばよいのである。これは大きな違いである。さらに画業が長くなって「回顧展」という規模になった場合、このことは大きいのではないだろうか。

展覧会は千葉県市川市の『市川市芳澤ガーデンギャラリー』4/12(金)~5/6(月・振替)まで開催される。ありがたいことに10連休が入る。そしてちょうど元号が変る時期でもある。美術館のホームページ・アドレスは、http://www.tekona.net/yoshizawa/ です。すでに展覧会内容がアップされています。ご覧になってください。

初めての実験的な展示内容に自分自身、少しワクワクしている。また会期が迫ってきたらブログ内でも展覧会の詳細をお知らせいたします。

画像はトップが先月末まで摺っていた木版画の摺り場のようす。下が向かって左から同じく木版画の摺り用具、銅版画の小プレス機、額装された作品たち(2カット)。



         



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360. 明治神宮 御苑 ・探鳥記

2019-02-28 17:47:09 | 野鳥・自然
              

今月21日。東京の明治神宮 御苑に『野鳥版画』制作の取材のため越冬の小鳥類を観察に訪れた。

明治神宮の森には20代からこれまでに、ちょくちょくと野鳥観察に訪れている。ここはJRの原宿駅を下車し1-2分の便利な場所であることから大抵は都内に何かの用事で出たついでに立ち寄っている。気軽に立ち寄れるというのが最大の魅力である。それから都会の樹木の多い公園に生息する野鳥は人の存在に慣れていて、あまり人を恐れないために観察や撮影がし易いのである。朝ゆっくり目に家を出る。この日も銀座界隈で知人や関連画廊での企画展が重なっており、それらの個展を観に行く前に立ち寄ることにしたのである。

11:26、JR原宿駅に到着。南鳥居から神宮の森に入る。ここから南参道を北方へと歩いて行くのだが、このあたり背の高い常緑樹が多く、とても都心の真ん中とは思えない雰囲気の場所である。実は僕は神宮には野鳥観察以外の目的で来たのは数回しかない。わずかに友人と初詣などに来た程度である。これまでもほとんどが秋冬の野鳥の観やすい季節に来ている。大鳥居をくぐって左手に小さな門が見えてくる。ここから入苑料を払って入ると今日の目的の『御苑・ぎょえん』となる。

この御苑の始まりは江戸時代、大名の庭園として整備されたことから始まる。明治になって明治天皇と昭憲皇太后にゆかりの深い由緒ある名苑となった。明治天皇は静寂なこの地をとても愛され、「うつせみの代々木の里はしずかにて 都のほかのここちこそすれ」という有名な歌を詠まれている。森の広さは83,000㎡あり、小道には熊笹が覆い、園内には樹木が多く「南池」と呼ばれる池もあり、大都会にあって小鳥や水鳥のオアシスとなっている。特に秋冬のシーズンは落葉広葉樹の葉が散って空間ができ、野鳥観察がし易くなるのである。

入り口から入ると御多分に漏れず、ここも外国人観光客が多い。比較的空いている左手の小道を歩いて行く。しばらくして道のすぐ近くまでヤマガラやアオジが出てきて出迎えてくれた。特にヤマガラは人懐っこくて、すぐ近くまで移動してくる。しばらく進むと、とても小さな橋がかかる水路に出る。ダイサギが1羽鬱蒼と茂った林の中の水路で餌を探して歩いている。時々、パッと嘴を水の中に突っ込み小魚を捕えていた。南池沿いに歩き開けた芝地に出る。「隔雲亭」と呼ばれる昔の休憩所を右に観てから林の中の道に入った辺りで再びアオジが近くに出てくる。さらに先に進むと" タッ、タッ、タタ… "というヒタキ科特有の地鳴きが聴こえてきた。しばらくその場でじっとしてると林の奥から低い場所に小鳥が1羽出てきた。双眼鏡でじっくり観るとルリビタキの雌だった。人を全く恐れずに僕の周囲をウロウロしてくれたので写真も撮影することができた。なかなかチャーミングな美人である。

ここからさらに道に沿って進み「清正井・きよまさのいど」と言われるパワー・スポットまで行ってみた。印象としては越冬の小鳥類がとても少ない。それでもウグイスやシロハラ、そして留鳥のメジロやコゲラ、シジュウカラ等が観察できた。頭上から、" キイーッ、キイ、キイ、キイ… " という甲高く空間を引き裂くような声が降ってきた。するとグリーンの大きなシルエットが飛翔する姿が観えた。外来種のワカケホンセイインコだった。近年、東京などの都会を中心に生息域を広げている鳥である。

途中、数人のバーダーと出会ってこの場所の鳥の情報を尋ねてみた。御苑を出て参道を代々木方面に向かって歩く途中に「北池」という小さな池がある。以前はここに毎年、秋冬になると数十羽のオシドリの群れが越冬していたのだが、行政による「鳥インフルエンザ予防対策」として餌やりが禁止されてからはまったく渡来しなくなってしまい、3年前からはオシドリが来なくなったので、とうとう池の水を抜いてしまったのだと言う。現在、北池はカラカラに乾燥してしまっているようだ。事情はいろいろとあるだろうが、神宮の森のオシドリは晩秋から冬の名物だったのに、とても残念なことである。

あまり大きな収穫はなかったが、合計14種の野鳥が観察できた。最後に南池まで戻り、持参したお茶を飲みながら何も鳥がいない池の水面をボウッと眺めていた。" キィーッ、キキキキキ… " と鋭い声がしたので、そちらに目を移すとカワセミが1羽、杭の上にコバルト・ブルーの美しい姿を見せてとまっていた。あまり距離は近くなかったが証拠写真を撮ってここでお開き。元来た道を原宿駅まで戻り、地下鉄に乗って銀座の画廊巡りへと向かった。

画像はトップがルリビタキの雌。下が南池のカワセミ、御苑内の風景、ヤマガラ、アオジ、ダイサギ、明治神宮の大鳥居、JR原宿駅の屋根。























 




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359. 絵画作品 『仏法僧・ぶっぽうそう』を制作する。

2019-02-09 18:09:00 | 絵画・素描
絵画作品の新作『仏法僧・ぶっぽうそう』を制作している。例によって手漉きの和紙に顔料やアクリル絵の具を併用した手法で描いている。

今回のテーマは『仏法僧・ぶっぽうそう』。ブッポウソウはフクロウ科の夏鳥であるコノハズクの鳴き声。コノハズクはマレー半島等で越冬し、日本では九州以北の山地に夏鳥として訪れるムクドリより小さい小型のかわいいミミズクである。
夜行性で繁殖期には" キョッ、キョッ、コォー、キョッ、キョッ、コォー" と繰り返しよく通る声で鳴き、聞きなしとしては「仏法僧・ぶっぽうそう」と言われる。

この鳥に関しては古くから野鳥関係者の間で「声のブッポウソウ、姿のブッポウソウ」などと言われてきた。今でこそ声の主が判明したのでコノハズクの声だということが判っているのだが、昔の人はこの声の主をブッポウソウ科のブッポウソウだと勘違いしていたらしい。ブッポウソウ科のブッポウソウはコノハズクとは全く異なる野鳥である。
東南アジアやオーストラリア等で越冬し、日本では本州、四国、九州に夏鳥として渡来する。青緑色の美しい羽衣で嘴と足が真っ赤という、とても美しい鳥である。昼間に活動し、声は飛びながら" ゲッ、ゲッ、ゲッ、ゲッ、ゲゲゲーッ、ゲゲゲッ"などと姿の美しさからは想像できない濁ったダミ声で鳴くのである。
この両種の声と姿がどこでどう入れ違って混乱してしまったのだろうか?確かに繁殖期の夏には類似した環境に生息はしているのだが…。まるで何かのパラドックスのようでもある。

そして、この聞きなしとなっている『仏法僧・ぶっぽうそう』という言葉の語源は仏教用語に由来しているのだ。仏教には「三宝・さんぼう」という言葉がある。これは仏(ブッダ)と、法(ブッダが説いた教え)と、僧(僧侶や仏教徒が集まる場所)を示す言葉で仏教徒は出家者、在家者を問わず、これを敬わなくてはならないとされているのだ。

このコノハズクとその鳴き声、そして仏教用語をストレートに表す古の有名な句がある。

閑林に独坐す草堂の暁

三宝の声一鳥に聞く

一鳥声有り人に心有り

声心雲水俱に了々


<現代語訳>

のどかな林間の草堂に独坐して暁を迎える。

仏法僧と三宝を呼ぶ声を一羽の鳥の声に聞く。

一羽の鳥がその声を発し人に心の在り処が自覚される。

その声とその心、雲と水、相共に了々と明らかである。

「後夜聞仏法僧鳥」 沙門 空海


平安時代に和歌山県高野山に真言宗の修行道場を開いた弘法大師・空海の七言絶句である。高野山の深い山中の草堂で夜明け前まで瞑想修行をしていた空海和尚が1人明けゆく空を観ているとコノハズクの "ブッポウソーッ" のよく通る鮮やかな鳴き声がした。その声を聞いて自分の心もさわやかに晴れ渡ったという。状況がリアルに浮かび上がってくる写実的で見事な句だと思う。

作品はまさにこの句の状況のように深山の夜間に両目をキラキラと輝かせるコノハズクの姿を中心に描いている。少し幻想味を出したいと思い、星空や夜間に飛ぶ蛾の姿も描き入れてみた。今月に入ってようやく画面全体に絵の具ものってきたので、後は細部をどこまで描き詰められるかという段階に入った。

画像はトップが制作中の『仏法僧・ぶっぽうそう』の部分。下が同じく作品の部分、使用中の固形水彩絵の具、水彩用とアクリル用の筆。


















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358. Saint - Valentin 小さな花束・様々な版画小品展

2019-02-02 18:19:14 | 個展・グループ展
今日から始まる版画のグループ展のお知らせです。以下、ご覧ください。

・展覧会名;Saint - Valentin 小さな花束・様々な版画小品展

・会期:2019年2月2日(土)~2月14日(木)/ 月曜日休廊 / 10:00~13:00、15:30~18:30 

・会場:ATELIER PETITE USINE(アトリエ・プテトゥ・ウジンヌ)
 群馬県館林市緑町 1-3-1 館林倉庫敷地内 / http://petiteusine.blogspot.com 

・連絡先:080-6506-9049(代表:亀山)

・出品作家:上田靖之、大川みゆき、岡田まりゑ、亀山知英、木村真由美、齋藤悠紀、白木ゆり、スミダヒロミ、為金義勝、辻元子、長島充、野瀬昌樹、菱田俊子、平瀬恵子、広沢  仁、広瀬ひかり、溝上幾久子 

・内容:地元を活動拠点とする版画家・造形作家の亀山知英氏の個人アトリエでの企画展第三弾。亀山氏セレクションの17名の版画家によるA4サイズ以内の作品、様々な表現、様々な 版種による小宇宙が一堂に展示される。長島は木口木版画作品5点を出品している。

・入場料:無料

・関連イベント:①『バロック音楽の夕べ』:相場皓一(フルート)、大西維津子(チェンバロ)/ 2月3日(日)16時~17時
 ②『スウィート・クラシック音楽の夕べ』:大槻八重子(フルート)、中村美穂(フルート)、飯野景子(ピアノ)/ 2月10日(日)16時~17時 入場料各回共:一般700円
 (小学生以下無料)、要予約(当日迄受け付け)

※詳細な情報に関しては上記、HPアドレスで検索してみてください。

企画者の亀山氏は長島の学んだ美術学校版画科の後輩でもあります。彼は卒業後に渡仏し、パリを創作活動の拠点として銅版画作品を制作発表していましたが、帰国。故郷である館林市に作ったアトリエで作家活動を続けています。元々、繊細な作品を制作する彼とパリで知り合ったフランス人のセンスの豊かな奥様と二人三脚でアトリエを運営しています。きっと素敵な展示空間が設営されていることでしょう。

美術ファン、版画ファン、クラシックファン、そして群馬県内をはじめ北関東方面にお住いの方々でご興味のある方、是非この機会にご来場、ご高覧ください。

画像はトップが展覧会のDM・表面と下が展覧会DM・裏面。





  
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357.真岡市 井頭公園・探鳥記

2019-01-19 17:47:55 | 野鳥・自然
今回も年末、年始のドサクサで遅れてしまった投稿内容である。昨年末、12月某日。栃木県真岡市にある井頭公園に冬鳥の取材に行った。ここ数年、冬の越冬の小鳥類の取材は北関東と決めている。あまり山間部でも小鳥たちが平野に降りてしまっていないし、まったくの平野部では当工房のある千葉県と鳥相に変わりがないと判断しているからだ。

「山梨も行ったし、群馬も行った…今冬の小鳥類の取材地はどこにしようか」と迷っていた。いろいろと検討していて「そうだ栃木県の真岡市に日本野鳥の会栃木県支部が観察地としている井頭公園という場所がある、樹木も多いしカモなどの水鳥も入る池もあり変化に富んでいるから良いかもしれない」ということで井頭公園に決定した。

8:40分に連れ合いと2人、家を出た。関東と言っても栃木県、茨城県を超えて行かなければならない。途中、高速道やら圏央道をいくつか超えて行かなければならない。結構遠いのである。千葉を出る時には曇っていたが、途中、茨城に入ってからは晴れ間がのぞいてくる。筑波山がしばらく見えていて方向を少しづつ変える度に形を変える。単調な道が長く続いて真岡インターチェンジを出たのは10:50となっていた。ここから数分で井頭公園の駐車場に到着した。

入り口から池の近くまで下りて行き「鳥見亭」というロッジ風の施設に入館する。ここの二階は池が一望できる観察スペースになっていて野鳥観察用の望遠鏡も数台セットされていた。ここには野鳥の会栃木県支部の方がボランティア・ガイドをしているので、この時期の野鳥情報を聞いたほうが良いと事前情報で聞いていた。窓口に女性のガイドの方が1人いらしたのでいろいろと尋ねてみることにした。
最近の野鳥の会、栃木県支部主催の探鳥会では山野の小鳥、池の水鳥を含め、1日で50種以上の野鳥が記録されたということ、小鳥類は池の東側の林縁に多く出て現在、キクイタダキの小群やニシオジロビタキが出ていることや、ここの池の名物であるカモの仲間のミコアイサはまだ定着していないということ等々、詳しく話てくれた。しばらくここの2階から池のカモ類を中心に観察する。ヨシガモ、ヒドリガモ、カルガモ、オナガガモ、マガモ等、カモ類の他に近年、どこの水辺でも増えているオオバンや色彩の美しいカワセミなどが観られた。

「鳥見亭」を出発。林に沿った園路に入る。さっそく出迎えてくれたのはジョウビタキの♀、しばらく進んで林床にの美しいブルーのルリビタキの♂が1羽、ヤマガラ、コゲラ等の小鳥類が次々に登場する。園路をふさいで野鳥カメラマンの人たちがなにやら上方を動く小鳥を撮影をしている。双眼鏡でレンズを向ける方向を追うと針葉樹の葉先にキクイタダキがいた。頭頂の特徴まで連れ合いが観るとどうやら♀のようである。このあたりで池に目を移すと先ほど「鳥見亭」では観られなかったカモ類のコガモ、ハシビロガモが観られた。

先ほどガイドの方に池の北側にある釣り堀周辺にはベニマシコなども観察されていると聞いていたので、足を延ばすことにした。途中、林の中などを探すが小鳥類は少ない。釣り堀の入り口の手前に開けた草原に小鳥が立っている姿を発見。大きい。双眼鏡で観るとヒタキ科のトラツグミだった。割合、距離が近く、人をを恐れない個体だったにでカメラで楽に撮影することができた。釣り堀に入ると" キィーッ、キキキキキッ" という声と共に、いきなり目の前の横枝にカワセミが飛んで来てとまった。これも距離が近くこちらを恐れない。カメラでゆっくり撮影する。しばらくして池の水面に飛び込んだかと思ったら赤い金魚を捕えて林の奥へと飛んで行ってしまった。落ち着いた場所で獲物をさばくのだろう。
釣り堀の奥のハンノキやヨシ、セイタカアワダチソウが繁る場所でベニマシコやマヒワの出を待つが声すら聞こえなかった。「今年の冬は小鳥類はハズレかもね」連れ合いがポツリと呟いた。

ベニマシコをあきらめて元来たルートに戻りかけると14:00を過ぎていた。小腹も空いてきたので、ガイドの女性が薦めてくれた公園内の南側にあるレストラン「陽だまり亭」へと向かう。途中、林縁でカケスを1羽見かけた。左手の明るいアカマツ林の林床に3羽の小鳥が動くのが見えた。双眼鏡で観るとセキレイ科のビンズイだった。撮影しようとソロリ、ソロリと音をたてずに近づくと2羽が飛んで目の前の横枝にとまった。そのうちの1羽が羽繕いを始めたのでジックリと撮影させてもらった。さらに先ほどキクイタダキが出た場所辺りで再び5羽の小群が出現。この辺りで出現しているというニシオジロビタキを探すが見つけられなかった。

14:27、レストラン「陽だまり亭」に到着。平日といいうこともあり空いていて料理は素朴な味だがとてもおいしかった。15:13、再び出発。「さて、園内は一通り観たけれど、ここからはどうしようか」と言うと連れ合いが「ベニマシコをもう1度探そう」ということになり、元来た東側の園路を観察ポイント戻ることにした。途中、池のカモ類を撮影したり、人を恐れない午前中とは別個体のカワセミを撮影したりしながらゆっくりと戻って行った。ベニマシコ・ポイントの草薮に到着。ベンチでペットボトルのお茶を飲みながらしばし待つがいっこうに現れない…どころか声もしない。スマホを見ると、いつのまにか16:00を過ぎていて日暮れ時となっていた。ここでタイム・リミット。

戻りしな、池越しにロッジ風の「鳥見亭」には明かりがともり夕刻の時間にまるで山間部の湖畔の宿のような雰囲気に観えた。「鳥はイマイチだったけど、いい場所だね」と連れ合い。「鳥見亭」の入り口に到着すると先ほどのボランティアの女性がちょうど出てきた。呼びとめて観察できた鳥の種類の報告と情報の御礼を言って駐車場まで戻った。
ここからは、本来た長~いルートを千葉まで戻ることになる。車に乗ると2人とも自然と溜息が出るのであった。



画像はトップがトラツグミ。下が向かって左から井頭公園風景2カット、人に慣れたカモ類、池の木の枝で休息するマガモ、カワセミ、ビンズイ、夕方の鳥見亭。



                  



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356.『木の鳥グランプリ』の審査員をしました。

2019-01-12 18:06:56 | イベント・ワークショップ
年末年始が慌ただしくて投稿が遅れてしまったが、昨年末12/21~12/23にかけて東京、足立区の千住ミルディスで開催されたバードカーヴィングのコンペティション『2018 木の鳥グランプリ』の審査員として参加してきた。

昨年から新しく始まったこのコンペの趣旨は「この大会は、バードカーヴィング(鳥の彫刻)を愛好する者が一堂に会してその作品を発表し、芸術性を競う場です。この大会を通じ、バードカーヴィングの普及と技術や表現力を高めることを目的とします」と開催要項に書かれている。

バードカーヴィングはアメリカを始めとして英語圏、カナダ、イギリス等の国々で盛んな立体アートの分野で、名前の通り野性鳥類を題材とした木彫刻作品である。特にアメリカでは歴史が古く19世紀の中ごろに発祥した。元々は、狩猟の囮としてのデコイ(カモの形をした木彫の浮き)から始まり、野生生物の保護上から狩猟対象としてではない鳥の写実的な木彫刻として発展してきたようである。つまり剥製の代わりのアート作品として生れたというわけである。1970年代後半以降、日本やアジア圏でも紹介され、制作者も増えつつある。

バードカーヴァーではない僕がこのコンペの審査員として呼ばれた理由は声をかけていただいた主催者の方々の話では「鳥の木彫刻以外の作家の目からみてどう見えるか、どう評価されるか」ということだった。当然、審査委員の中にはプロのカーヴァーも入るのだが、できるだけいろいろな観点から総合評価をしたいということである。
審査委員のメンバーとしては、叶内拓哉(野鳥写真家)・川上和人(鳥類学者)・鈴木勉(バードカーヴァー)・長島充(版画家)・松村しのぶ(造形作家)・松本浩(バードカーヴァー)の6名となっている。

応募部門は、①ステップアップ部門(初心者対象)、②コンペティション部門(上級者対象)、③ウッドスカルプチュア部門(自由な発想の木彫刻)という3部門に分かれていて、それぞれにライフサイズとミニチュアサイズのカテゴリーがある。僕が担当したのは②の上級者対象部門であった。12/21の夕刻には審査前のオープニングセレモニーがあり、このセレモニーと12/22の審査会に出席させていただいた。

22日、審査会当日の午前中、審査にあたっての注意事項の説明があり、昼食を挟んで、整然と多くの出品作の展示される広い会場に移動し審査会となった。各部門3名づつが審査する形式だが、僕が担当したコンペティション部門は他に野鳥写真家の叶内氏とプロカーヴァーの鈴木氏の3人で審査にあたった。鳥の生態、形態に詳しい叶内氏が実際の羽衣や羽の枚数、周囲の環境との整合性等を、僕が作品構成や美術造形物としての完成度を、鈴木氏がプロのカーヴァーとして専門的な技術面を主にチェックし総合的に上位作品を絞り、受賞作品を決定して行った。今回、出品作の合計は100点弱であったが力作、労作が多く、なかなか最終的な判断を決め兼ねる場面もあった。上位5-6名を選出してからの絞込みには時間がかかったが、審査員、スタッフ一同、納得できる作品に入賞を決定できたと語っている。ほぼ差がないところまで絞られ、最後に決め手となるのは結局はちょっとした「運」ということもあるのだなとつくづく感じたのだった。

僕はバードカーヴィングの審査というのは今回が初めてだが、平面作品(版画)とはいえ同じ野鳥をモチーフとして写実的に表現、制作している立場から参加させていただき、たいへん」刺激となり参考となる部分のある体験となった。
まだ日程は調整中だが今月か来月には審査員、スタッフ全員が出席する反省会もあり、次回に向けてのビジョンなども話し合われる予定である。このブログをご覧いただいている方々の中でバードカーヴィング作品をすでに制作されている方、あるいはこれから制作してみたいと思っている方がいらしたら是非、次回の「2019 木の鳥グランプリ」に揮って出品していただきたい。 


画像はトップが審査会場風景。下が向かって左からコンペポスター、審査会場風景、コンペティション部門のライフサイズ、ミニチュアサイズの各グランプリ作品とそのアップ画像、審査委員5名のスナップ(叶内氏は野鳥写真の講演会の最中で写っていない)。



                  

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