長島充-工房通信-THE STUDIO DIARY OF Mitsuru NAGASHIMA

画家・版画家、長島充のブログです。日々の創作活動や工房周辺でのできごとなどを中心に更新していきます。

画家・版画家の長島充と申します。

2900-04-10 21:49:47 | 版画


訪問いただきありがとうございます。
絵画作品と版画作品をさまざまな技法で制作しています。制作や日常にまつわる事を日々更新しています。

作品画像や活動内容を紹介するホームページ『長島充 作品集』も開設しています。ぜひ合わせてご高覧ください。
過去ブログは、こちらからご覧ください。


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419. 『GOOSE CALENDAR 2021・長島充 木版画の世界』

2020-11-30 19:39:31 | 書籍・出版
今月の初め、昨年より自然保護団体から依頼を受けて制作していた木版画を原画とする2021年のカレンダーが完成した。

このオリジナル・カレンダーのタイトルは『GOOSE CALENDAR 2021・長島充 木版画の世界』という。カレンダーの内容は日本に生息するカモ科の雁類6種をモチーフとして制作した木版画6点により構成されている。つまり2か月ごとに1点の木版画が割付られているのである。依頼主となったのは宮城県内に本部を置く雁類の保護団体「雁の里親友の会」でスポンサーとなっていただいたのは「(株)ネクスコ・エンジニアリング東北」である。

日本産の野性鳥類である雁類は秋冬期に冬鳥として越冬のために渡来する種類がほとんどだが、そのうちマガン、コクガン、カリガネ、ヒシクイ、シジュウカラガン、ハクガンの6種をセレクションし、それぞれに割り当てた季節の環境、風景の中でカレンダーとして構成した。画家・版画家の僕が制作するので、もちろん印刷物の受注イラストレーションとしてではなく全て写実絵画(版画)作品として時間と労力をかけて制作しその後の展覧会に出品することを前提としている。
制作を進める中、秋冬に生息する野鳥なので本来、雁類がいない季節の初夏と盛夏の風景をどうするかに苦労をしたが、そこは考え工夫をして夏季に過ごすであろう繁殖地の風景を想定し、その季節に観られる植物や水面等をバックに配することで何とかカヴァーした。僕自身の制作も春から真夏にかけてのコロナ禍の中での木版画制作となった。真夏に冬の雪景色の中のハクガンを彫っている時には、さすがにちょっと妙な気分にもなったのだが、制作そのものに集中していくことで気にならなくなっていった。

実はこの企画、来年の2月に宮城県内に国内外の雁類研究者が集い、雁類保護活動のための国際シンポジウムが開催される予定だった。そしてそれに合わせて県内ホテルのイベント空間で、この雁類木版画(原画)の連作を中心とした僕の『野鳥版画」の個展が開催され制作にまつわるアーティスト・トーク等も予定されていたのだがコロナ禍の影響により全てが中止となってしまった。カレンダーだけではなくこの展覧会に重きを置いていたので、とても残念でならないのだが、この状況下では仕方がない。
今年ももうすぐ師走である。10月中旬ごろから北海道等の集結地に集まった雁類は例年通りだと日本の各地に南下し分散している頃だろう。そして完成したこのカレンダーも北海道のネイチャーセンターでの配布をはじめ、さまざまな方法で多くの人々の手に渡っている最中である。企画を担当した方や印刷をしていただいた印刷会社の方からも「たいへん好評をいただいている」というメールでの連絡が入った。僕もようやく肩の荷が下りてホッとしているところである。

なお、このカレンダーは一般的な販売物ではなく、自然保護団体の普及・調査活動の一環として制作配布されるものなので、カレンダーを希望される方には送料500円と任意の額のご支援金を合わせていただいている。ご支援金は全て、世界的な希少種であるカモ科コクガンの繁殖地(ロシアの北極圏)の生息状況調査を行う「2021年度 コクガン調査支援」の保護活動資金として活用させていただくことになっている。

最後に意義深く素敵な企画にお誘いいただいた「雁の里親友の会」のI氏と会員の皆様、そしてスポンサーとなっていただいた「(株)ネクスコ・エンジニアリング東北」様、そして美しい印刷によりカレンダーを仕上げていただいたA社と担当のN氏に心から感謝をいたします。みなさん、ありがとうございました。

画像はカレンダーの中で描く季節に割り当てられたの6種の雁類たち。


               






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418. 母校の美術学校で銅版画実習を指導する。 

2020-10-17 17:16:42 | カルチャー・学校
今月の1日から10日の期間、東京池袋にある『創形美術学校』に銅版画実習の講師として指導に通っていた。

創形美術学校は僕の母校である。1985年に13期生として卒業したのだから35年前ということになる。いやはや、時の経つのは本当に早いものだなぁ…。当時この学校は西東京の国立市にあった。造形科(絵画)と版画科の2つの専門課程に分かれていて僕は版画科に3年間在籍し、物足りなくてさらに1年間、研究科というコースに在籍した。合計4年間、さまざまな版画の技術と表現についてミッチリと学んだので充実した時間を過ごすことができた。現在この学校は絵画造形と版画以外にもデザイン科が20年程前に新設され現代の美術表現の多様性に対応してきている。

今回の実習で担当するのは1年生。1年生のこの時期は学生たちもまだ専攻するコースが決まっていない。なので銅版画は初めてという学生もいる。専任のS先生とも事前に打ち合わせをして「とにかく版画制作を体験し楽しんでもらえる実習にしよう」ということで意見が一致していた。技法も銅版画は「技法の版種」と呼ばれるように目移りするほどさまざまなテクニックがあるのだが、最初からいろいろ詰め込むと混乱しそうなのでシンプルに腐食を用いた線猫による「ライン・エッチング技法」とした。そして共通課題として出題したのは「自然物」。動物、植物、鳥類、魚類、あるいはイメージの中の生き物等。広い意味で捉えてもらい、その質感、立体感を描写していくという内容。実習のタイトルは「銅版画・基礎 -自然物の描写- 」。

初日のガイダンスからスタートし、銅版への液体グランド撒き~下絵の版へのトレース~ニードル(鉄筆)による描画~腐食液による腐食~プレス機を使った試し刷り。ここまでが一つの基本的な工程となる。さらに描き進めるために液体グランドを再び撒いてからまた同じ工程を最初から刷りまで繰り返す。そして作品の密度を徐々に上げていくのである。毎回、現代の若いアーティスト志望の学生たちに、この錬金術的というのかある種の忍耐を必要とする技法はどうだろうか?と思うのだが昨年と同様にとても集中して制作をしていた。特にニードルでの描画の時間帯は教室がシ~ンと静まり返りニードルで線をカリカリ、ガリガリと引っ掻く音や点をコンコン、コツコツと打つ音が響き渡っていた。B5判サイズぐらいの比較的小さな版だが緻密に描写すれば我々版画家でも仕上がりまで2-3週間は最低かかるだろう。若いというのは凄いことだ。それを10日足らずで本刷りまで持って行ってしまった。いつもながらこのエネルギーには脱帽である。

最終日、講評会兼採点の日。教室にはたくさんのモノクロームの労作、力作がズラリと並んだ。本来こうした制作には点数等付けようがない。採点にはいつも悩まされる。結果、あまり差のない点数が並ぶこととなった。

短期間の実習の中、集中力を見せ力作を制作してくれた若い学生さんたちに、そして昨年より講師として招いてくださったS先生とサポートしてくれた助手さん、版画工房の担当者にこの場をお借りしてお礼申し上げます。ありがとうございました。

※画像はトップが学校内版画工房での刷りの実習風景。下が向かって左から学校内風景、版画工房風景、銅版画実習風景や道具、講評会後の教室風景等。


                    





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417. 『木の鳥グランプリ 2020』 

2020-10-12 18:03:20 | イベント・ワークショップ
先月26日、東京都足立区北千住の千住ミルディスに於いて昨年に引き続きバード・カーヴィング(野鳥を題材とした木彫刻)の全国公募である『木の鳥グランプリ 2020』の審査会が開催され僕も昨年同様、審査員の1人として参加してきた。今回の審査員は、上田恵介(公財 日本野鳥の会会長)、梅川薫子(バード・カーヴァー)、叶内拓哉(野鳥写真家)、鈴木勉(バード・カーヴァー)、長島充(画家・版画家)、松村しのぶ(動物造形作家)の6名(50音順)で行った。

このコンペティションは今回で2年目、本来は3月に開催される予定だったのだが、年頭からのコロナ禍の影響により延期となり、二転三転した結果、ようやく9月開催に漕ぎ着けたのだった。スタッフ、審査員一同「果たして応募作品が集まるのだろうか?」とずっと心配していたのだが、さすがに応募数は昨年より減少したものの審査当日、会場には多くの力作の木彫の野鳥たちが勢ぞろいしていた。このコンペは、初心者に参加してもらうためのステージである、1.「ステップアップ部門」より高度な技術力と芸術性が求められる、2.「コンペティション部門」木目を生かした彩色のない表現で自由な発想で制作された、3.「ウッドスカルプチュア部門」の3つの部門に大きく分かれ、さらに1と2にはそれぞれ実物大のライフサイズと縮小版のミニチュアサイズにそれぞれ分かれている。

僕は昨年の第1回では『コンペティション部門』を担当したのだが今年は梅川女史、叶内氏と3人で入門編の『ステップアップ部門』を審査担当することになった。そして昨年同様、3番目の『ウッドスカルプチュア部門』に関しては6人全員で審査することに決定した。審査の基準としては事前の打ち合わせで、正確さ(野鳥としてのその種らしさや科学的な正しさ)、木彫作品としての技術力、アート性(芸術作品としての表現力や完成度)等を共通のポイントとして3人で会場を回って見ていくのだが、それぞれが得意な分野は特に任されていくということになる。まぁ、僕の場合はやはりアート性が中心となるのだが。
午前中、10時頃より審査に入り喧々諤々、意見を出し合いながら賞候補となる作品が絞られていく。そして各部門の賞が次々と決定していき、全てが終了したのは予定時間の12:00をかなりオーバーしてしまっていた。この時にはジンワリと汗をかいているのだった。審査後、会場に並ぶたくさんの木彫の野鳥たちをボ~っと眺めていて、惜しくも受賞には漏れたのだが写実的で精密、イキイキとして今にも飛び立ちそうな木の鳥の姿にしばらくの間、見入ってしまった。木という材質のせいなのだろうか、かなり精巧に、シビアに形を彫られていても何か人肌にも似た温もりが漂ってくるのを感じるのだった。

コロナ禍の厳しい状況の中、力作を制作しご応募いただいた作者のみなさんと、このコンペティションの準備に関わっていただいた全ての関係者、スタッフの方々にこの場をお借りしてお礼申し上げます。来年もこの素敵なコンペティションが継続して開催され、また多くの素晴らしい力作が観られることを願いつつ会場を後にしたのだった。

※画像はトップが審査会場風景。下が向かって左から審査員6名、審査会場風景、出品作品の数々、コンペティションポスター。


                     



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416. 『第19回 鉛筆派展』開催中。

2020-09-28 17:38:54 | 個展・グループ展
先週、26日の土曜日に現在開催中で今回から初めて出品している『第19回 鉛筆派展』の会場に行って来た。もう少し早く会場へ行きたかったのだが、締め切り仕事やら用事が重なりようやく行けたのである。この日も午前中は都内、北千住でバードカーヴィングのコンペの審査員として参加し、終了してから電車を乗り継いでJR.国立駅に到着したのは午後遅くになってしまった。同じ都内でも北千住から西東京の国立までは電車に乗って1時間以上かかるんだなぁ…。

ギャラリーは国立駅南口からは線路沿いに徒歩2分ほどの好立地である。ポストモダン風のコンクリート打ちっぱなしのビル、会場はこの1階にある。会場に入ると話している内容からおそらく出品者の知人の方々だろう、けっこう人が入っている。壁には所狭しと全てモノクロームの額装された鉛筆画がかけられていた。モノクロームで統一されていたということと幻想的な作風が多いということ、そして細密に描き込まれた作品が多かったせいか、会場は独特な雰囲気を創り出していた。

会場はとても広くてきれいである。この展覧会を主催している画家の建石修志氏から年頭にお誘いのメールが届いた時に「コートギャラリー国立はとても広くてきれいな会場で東京の中央の現代アートの会場に引けを取らない」という意味のことを窺っていたのでリアルで会場に入ってみると「なるほど!」と頷けるのだった。会場は大きなスペースが2つとその中間に小さなスペースが1つに分かれているのだが、その贅沢な空間に参加者63名、約120点の作品がいっぱいいっぱいに展示された様子は「壮観」と言っても言い過ぎではなかった。会場を1巡してから入り口近くに戻ると出品者で知り合いのO氏とバッタリ出会った。少し立ち話をしてからO氏が「建石さんには会った?」と聞くので「いえ、来ているんですか?」と答えると「今日はビルの2階の教室でテンペラ画を教えているはず、会っていったら?」と言うので、それじゃあということで階段をいっしょに上がって案内してもらった。ちょうど「テンペラ画教室」の授業中、シ~ンと静まり返った教室で生徒さんたちが集中して筆を走らせていた。その中に建石氏が指導する姿を見つけた。O氏が手を挙げて呼んでくれたので挨拶と立ち話ができたが、指導中なので手短にて失礼した。

もう1度、1階のグループ展会場に戻って1巡する。なんせ作品数が多いので見落としているものも多かった。夕刻になってようやく会場を出ると雨が降って来た。実はこの国立の街は20代、美術学校の学生として4年、学校の副手として2年、合計6年間住んだことがある第二の故郷のような街である。わざわざここまで来て「とんぼ返り」ではもったいない。昔日を思い出しながら少し駅の周辺だけ歩いてみることにした。すると南口は街のようすがほとんど変わっていない。あそこの路地に入ると…あった、あった思いドアのジャズ喫茶、その先は美術学校の帰りに仲間とスケッチブックを持って通った2階建ての老舗の喫茶展、大学通り沿いに少し歩くとアルバイトでお金をためては洋書の高価な画集を買った本屋さん…。ほとんど36年前と変わっていないのが嬉しかった。仕上げは保存されている「旧国立駅舎」。国立駅の改修工事によりJRの駅自体は新しくなってしまったが、この大正時代に建設されたかわいらしい様式の駅舎は少し位置を移動されて残されることになった。

なんだか短い間だったけれど昔日にタイムスリップしたような時間となった。建石さん、鉛筆画グループのみなさん、ギャラリースタッフのみなさん、今回、僕の古巣となる街での展覧会に参加させていただきありがとうございました。この場をお借りしてお礼申し上げます。

※展覧会は明日9/29(火)午後四時まで。 『第19回 鉛筆派展』コートギャラリー国立 東京都国立市中1-8-32 http//www.courtgallery-k.com







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415. 『第19回鉛筆派展』に出品する。

2020-09-21 17:29:20 | 個展・グループ展
今月24日から始まる鉛筆画のグループ展に出品します。本来、今年4月に開催される展覧会でしたがコロナ禍のため今月に延期となりました。そのためDMはございません。
以下、詳細となります。

・展覧会名:『第19回鉛筆派展 - ふたたび物語の森へ - 』

・会期:2020年9月24日(木)~9月29(火)11:00~18:00(19日最終日は16:00まで)

・会場:コート・ギャラリー国立 / 東京都国立市中 1-8-32 Tell 042-573-8282 http://www.courtgallery-k.com
  
・アクセス:JR中央線国立駅南口より線路に沿って徒歩2分

・内容:画家、建石修志氏とそのグループによる今回で19回目となる鉛筆画のグループ展。画廊企画展。出品者63名、120点強による鉛筆画作品を一挙に展示する。
1人1点は物語を主題とした課題作品を出品し、もう1点は自由制作によるものとなっている。

・入場料:無料

・作家在廊日:長島は今回が初出品となります。課題制作はE.A.ポーの物語詩「大鴉・おおがらす」に主題をとった作品を、自由制作は「日本の妖怪」を主題とした作品を出品する。ちょうど締め切り仕事が重なり
会場には26(土)の午後のみ行く予定でいます。

※コロナ禍の中、なかなか積極的にご来場くださいとは言えませんがご興味、お時間ありましたらお立ち寄りください。よろしくお願いします。

画像はトップが今回出品している作品の部分拡大図、下が同じくもう1点の部分拡大図とふだん鉛筆画で使用中のホルダー式鉛筆など。


   

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414.『コロナ禍の中ハマっていること』その三・双眼鏡で星空を観察する。

2020-09-19 17:43:50 | 星空・天体
前回、前々回に引き続き、半年を超えたコロナ禍の中でハマっていることの第三弾である。今回は夜空の星の話題。

6-7年前、美術家の鳥友H氏と千葉県北部の海岸部にカモメの観察に出掛けた帰り道、日がトップリと暮れた頃、田舎の人家の灯りが遠い地域を車で走っていて道に迷ってしまった。「しょうがないなぁ、迷ったついでに暗さもちょうどよい時刻になったので星空の観察をして行こう」ということになった。しかし僕もH氏もバード・ウォッチング用の道具の準備しかしてきていない。「天体観測の道具もないのにどうやって星空の観察をするんですか?」とH氏に尋ねると「そんなものいらないんだよ、持ってきた双眼鏡で観察できるんだ」と答えが返ってきた。「えっ、倍率が低い野鳥観察用の双眼鏡でですかぁ!?」

普通に考えれば夜空の星を観察するには数十倍、あるいは100倍以上の天体望遠鏡が必要なんじゃないかと考えるのだが…。疑問に思っている中、その場で双眼鏡を取り出してH氏が観察を始めた「あっ〇〇座がハッキリと観える!それから今夜はよく晴れて大気が澄んでいるので〇〇星雲まで観える!」等と言いながら嬉しそうに夜空を観ている。「せっかくだから長島君も観てごらんよ」
半信半疑のまま漆黒の夜空に双眼鏡を向けてみた…すると、観えるは観えるは肉眼では観ることができなかった無数の星が双眼鏡越しに広がっている。例えようもなく美しい世界。それからはH氏に星のある方向や星座の名前等を丁寧に教えてもらいながら至福の時間を過ごしたのだった。

その後、この時のことを時々思い出すことはあっても、なかなか自分では観察しようというところまで気持ちが動かなかった。コロナ禍の中、版画制作に集中していたある日、1日の作業を終えてベランダに出てボーっと夜空を眺めていた。するとこの日は昼間が快晴の日で空気が澄んでいたので、あの日のことを思い出した。たまたま近くに野鳥観察用の8倍の双眼鏡があったので夜空に向けてみた。すると期待通りにたくさんの星々が出現してくれた。「やっぱりこれは無条件に美しい!」と、いう訳でまたしてもビギナーズラック。僕の自然科学への興味は尽きることはない。今までは地面のコケ植物や雑木林の野鳥を対象としていたのだが、この夏から宇宙を観察フィールドにすることとなったのだ(笑)。

さっそくAmazonのネット通販で「双眼鏡で星空観察」なる入門書を2冊購入、そして手持ちの双眼鏡以外に星空観察専用の「ガリレオ式双眼鏡」というデメキンのように不格好な双眼鏡を新調した。これは倍率がたった2-3倍しかない。元々はロシアで観劇に使っていたオペラグラスが原型らしい。野鳥観察に使用する双眼鏡だって7-10倍程度はあるのだが、こんな低い倍率で果たして天空に浮かぶ星などが観察できるのだろうか?と思っていたが、実際に使ってみると、レンズは明るく視界も広くて肉眼では観ることができない星々がよく観えるのである。

双眼鏡での星空観察ならばコロナ禍の中、ステイホームで楽しむことができる。今月に入って生憎、天候が不順である。快晴の日が来るのが待ち遠しい。その時が来たら1日の制作を終えた時間帯に、またベランダへ出て鳴く虫の声を聴きつつ、冷えた缶ビールで1杯やりながら夜空に輝く星々を観察することにしよう。


                 
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413.『コロナ禍の中、ハマっていること』その二・伝説のJAZZマン

2020-09-05 18:35:32 | JAZZ・ジャズ
前回に引き続き、半年を過ぎたコロナ禍の中でハマっていることの第二弾である。

僕がモダン・ジャズを聴き始めて44年が経った。高校二年の春頃、座席が前後だった友人(以後、仮にK君とする)に半端ではない「ジャズ通」がいた。当時の高校生がレコード(LPの時代)で聴いている音楽と言えば,その多くが軽音楽のフォークかハード・ロック、あるいはポップスだったので、このK君の存在は興味深かった。少しだけジャズに興味を持ち始めていた僕はこのことを知っていたので、ある日の休み時間にK氏に思い切って尋ねてみた「ねぇ、モダン・ジャズを聴くなら何から聴けばいい?お薦めのLPを教えてよ」。すると「解った」と一言。翌日には大きな手提げいっぱいにLPを持って来てくれた。「これ長島に全部貸すから聴いてみて、気に入ったらテープにダビングしてみてよ」と気前よく大切なコレクションの1部を貸してくれた。20枚以上はあったと思う。マイルス・デイビス、ジョン・コルトレーン、アート・ブレイキー、ミルト・ジャクソン、キャノンボール・アダレイ、…そしてフリー・ジャズのセシル・テイラーなんて難解なジャズまで入っていた。そして自宅に大切に持ち帰って片っ端から無我夢中で聴きまくった。「こんな音楽あったのかぁ…何か大人の世界に1歩入れたみたいだな」そしてハマった。ビギナーズ・ラックである。

この日以来、ずっとモダン・ジャズを聴き続けてきた。コロナになってまず音楽で思ったのは好きなジャズを「まとめ聴き」すること。引きこもりには打ってつけの音楽である。しかし、ただ聴くのでは面白くない。何かテーマを決めて聴こうと考えた(真面目だなぁ)。思いついたのは以前から気になっていた「ジャズ・レジェンド」。その定義はこうである「ジャズマンにとって伝説とは?才能やテクニックが優れていても何某かの理由により演奏活動ができなくなってしまったプレーヤーたち」そしてその目安としては残されたリーダー作品(アルバム)が1枚以上、10枚程度を目安として選出して聴いていくこととした。

自分のコレクション、ジャズの専門書、ネットなどを通して調べ始めていくと、この基準に当てはまるジャズ・メンが、居るは居るは…あっという間に20人以上が選出できた。そのほとんどは1950年代~1970年代の初めに集中していた。そして演奏活動を続けられなくなってしまった理由というのが、また十人十色なのである。例えば、天才奏者として鳴り物入りでデビューし、将来を期待されながらも不慮の事故や病気等で惜しまれつつも早世してしまったジャズマン、ハードな演奏活動に耐え切れず中途挫折してしまったジャズマン、契約したレコード会社の企画内容が自分の表現と合わずに失望し辞めてしまったジャズマン、ジャズの演奏以外にもさまざまな能力があり他の仕事に転職してしまったジャズマン、評論家先生のセクハラに遭い引退してしまったジャズウーマン…等々、いやはや調べだすと実に様々な理由があり、奥が深い。そして思い浮かべるとその理由などは小説家や詩人等の文学者や画家・彫刻家等の芸術家のレジェンドとも共通した部分が多く興味の尽きることがなかった。

という訳で自分のコレクション+持っていなかったジャズマンのアルバムはAmazon等のネット・ショップで購入して聴いた。しかしこうした謂わばマニアックで希少なアルバムは現在CDであっても廃盤となってしまっており、中古で入手したものがほとんどであった。ようやく手に入れたその『伝説のジャズマン』たちの極上の1枚を工房に籠もって聴いていると、なんともしみじみとして感慨深い感情が沸いてくるのである。そしてその音の背後にある情念のようなものまで聴き取れるような気がしてくるのだった。

画像はトップが『伝説のジャズマン』のアルバム・ジャケットの1枚。下が同じくアルバム・ジャケット4枚。


         
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412. 『コロナ禍の中、ハマっていること』その一・多肉植物 

2020-08-31 18:25:58 | 日記・日常
8月も末日となった。コロナ禍による不要不急の自粛生活も約半年が過ぎたことになる。長いなぁ…。

4月の初めに「緊急事態宣言」が発出された頃、どうせ引き籠るのであれば、普段なかなかやろうと思っていてできないことをやろうと覚悟を決めた。まぁ、集中して絵画や版画作品を制作するのは僕の仕事であるし、自然観察をするとかいうことは普段からずっと続けてきたことなので、そのまま継続しているから、それ以外ということになる。初めは例えば、普段は読めないで机に積んであった分厚い長編小説を読もうとか、工房の大掃除をしようとか漠然と考えていたのだが、いろいろと迷う中でハマっているいくつかのことがある。それらをブログに3回ほど連続して投稿していこうと思っている。

第1回目は『多肉植物』。facebook等、SNSでお付き合いいただいている方々には画像投稿を通じて、今年3月に北海道の農業系の大学を卒業した三女が東京の園芸会社に就職できたことをお知らせした。そして千葉の園芸ショップでの会社の研修があったこと、その時に合わせてショップを訪れ、三女の勧めで『多肉植物』を購入したことなども投稿したので覚えている方々もいらっしゃると思う。
その後、自宅兼工房の庭で栽培し始めた。これが結構ハマったのである。あまり手がかからないというのも僕のようなズボラな人間には向いている。ただ、自己流なので水やりの回数や量、葉状態を剪定するタイミング等、ちょっとしたことで疑問が起きる。スマホで三女に尋ねるのだが、しょっちゅう訊いているわけにもいかない。と、いう訳でネットで画像のような図鑑や専門書を取り寄せてみた。パラパラと頁を捲っていると未知なことばかりである。一口に多肉植物と言ってもけっこう種類も多いし種によって世話の仕方も微妙に違う。暑い地域に多い植物なので夏の暑さは得意なのだろうと単純に想像していたが、故郷は乾燥した地域の暑さであって日本のような高温多湿な暑さではないことや、この暑さが苦手な種類もあること、そしてさまざまな病気もあるということなどを知った。

一歩踏み込んで行けばどんな世界もそれぞれに奥が深いということだろう。すっかりハマってしまい入門書を熟読し世話の仕方なども微妙に変えている今日この頃である。サボテンとは一味違った魅力的な多肉植物。葉状態ばかりかと思えば花も咲かせるし種もできる。しばらくはこの不思議な植物との付き合いが続きそうだ。

画像はトップが栽培中の多肉植物の1種。下がその他の栽培中の各種多肉植物、専門書と見開き頁、世話に使用している霧吹き。


                    


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411. 木版画『ハクガン(仮)』を彫る日々。

2020-08-06 17:31:52 | 版画
粘っこいコロナ禍が続く毎日。 自粛生活と言ってもエカキは制作の手を休めるわけにはいかない。何故ならばそれが我々の仕事だからである。

5月から野鳥版画、『日本の野鳥シリーズ』の大判木版画を引き続き制作している。それも水鳥、カモ科の雁類に限定して3点目である。先月から彫っているのは、ハクガン(白雁)。英語的には " Snow Goose " という。 北アメリカ、グリーンランドの北極圏、北東シベリアの1部で繁殖、北アメリカ東海岸及び西海岸で越冬する雁類である。日本には数少ない冬鳥として渡来するとされてきたが近年、北日本や日本海側の水辺環境で越冬数が毎年増えてきている。成鳥では黒い初列風切羽以外は全身が白い、一見するとハクチョウやアヒルのようにも見える野鳥である。何故、雁類に特化して木版画で制作しているのかということはここで述べると、とても長くなるので省略させてもらう。いずれ発表の時が近くなったらまたお知らせすることにしよう。 

このハクガンの木版画を制作するにあたって、事前に冬の雪の風景を背景に彫ろうと決めていた。理由としてはハクガンが本来生息する環境を考慮したのと、英語名の「雪の雁」を造形化したいという欲求があったからである。白い冬鳥には雪の白さが響きあい、よく似合う。この木版画を彫っている時に珍しく同居している次女が「最近、どんな版画を制作しているの? 摺れたら見せてほしい」という。 雪を彫りこんだ2回目の試し摺りができた時、工房に呼んで見せてみた。作品は気に入ったようだが、そこで一言、「よくこの暑い最中に冬の景色と雪を彫れるね、 躊躇するってことはないの?」と尋ねられた。 その場では「あんまり、意識したことはないなぁ…」と、答えたが実際、第三者から見れば不自然な話であるのかも知れない。 

毎日、夢中で版木を彫っているうちに、いつの間にか遅い梅雨明けも過ぎていた。現在、木版画は仕上げに近い3回目の彫りの仕上げ段階に入っている。 まぁ、全国的に30度を超える酷暑が続く中、冷房の効いた工房で雪景色を彫るというのも涼しさが増して良いのかも知れないと、開き直って木版画を彫る日々である。

※画像はトップがハクガンの木版画を彫る工房の風景。下が木版画を彫っている僕、木版画『ハクガン(仮)』の第1回試し摺りと第2回試し摺り(雪を彫り入れたもの)、彫りに使用した彫刻刀の1部、彫った版木の細かい削りカス。


              


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410. 美術学校のリモート授業も終盤となる。

2020-07-20 16:43:12 | カルチャー・学校
なかなかコロナ禍が粘っこく続き、収束する様子が見えない昨今である。ニュースでは東京などの大都市圏で増加する感染者数が毎日発表される。

このコロナ禍の中、5月末から始まった非常勤講師を勤める東京のA美術学院のリモート授業も今月末で終盤を迎える。ここまでで5クラス110名以上の学生に指導してきた。これから行う最後の1クラスを含めると130名以上ということになる。始めた頃は学校も講師も学生も初めてのリモート体験だったので、果たしてキチンと授業になるかどうか、それぞれの立場で不安であったが、どうにかここまでたどり着いた。為せば成るものである。

僕がこの期間に心がけたのは、とにかく特別な状況、特別な場とせずに、リモートであってもリアルと同じ気持ちで学生に接し、同じ内容で授業を行うということだった。それはただでさえこの状況下で不安を抱える若者たちに少しでも安心できる時間を持ってほしかったからである。朝一番の挨拶から休憩時間、個別の呼びかけ等もリアルと同じように行い、ジョークもリアルと同じように意識的に取り入れた。そして何よりこの状況下に負けないように励まし、このことをネガティヴに捉えずにポジティヴに捕らえ、前を見て進んで行くようにということを強調した。作品の出来不出来などは二の次である。とにかく安まずにこの授業に参加してほしかった。

5クラス分を終了してみて、やはりどうしてもやりずらい点も出てきた。リアルでは普通にできるその時の機微、機微にアドバイスができないということ、学生同士が隣人の作品を観ることができず刺激が少ないということ、その結果、どうしても制作のペースが全体的に遅くなってしまったということだった。まぁ、仕方がないと言えば仕方がないが、さらにこの状況が続き、リモート授業が続くならば、課題として考えていかなければならない。大学の語学など学科のリモート授業と異なり実技制作が主体の美術学校では指導方法も言葉にできない微妙な内容があるのである。こちらとしてもかなり考えさせられることも多く勉強になった。

とりあえず、今年度前期の僕のリモート授業は今月で終了する。夏休みを挟みコロナ禍が収束へと向かい後期からの授業は学生たちの顔を見てリアルで行えるようにと祈っている。

※今回使用した画像は全て実際のリモート授業中のものではなく準備,調整中に撮影されたものとなっている。



      
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409. 苦渋の決断、年内の個展を延期する。

2020-07-04 19:22:03 | 個展・グループ展
今年も早、7月となった。1年の半分が終了したわけである。この年齢になると年々、時間が経つのがとても速く感じるのである。この半年を振り返ると3月から丸三ヶ月はコロナウィルス対策として、工房での自粛生活を続けてきたのである。思い返すとけっこう長い道のりだった…。

先月辺りからアート関係でも動きが出てきた。閉館、閉廊していた美術館や画廊がボチボチとオープンし始めたのである。だが、先月末、東京の街を回った感じでは人出もまだまだのようだし企画展を開催している画廊もコロナ対策としていろいろな予防策、条件を付けて開けているというところが多い。未だにネットによる動画配信の展覧会を行っているところもある。
僕の3月からの展覧会の予定もご多分に漏れず、一部を除きほとんどのものが中止や延期となってしまった。グループ展が4件、個展が2件、版画関係のイベントが2件、気が付けば結構な数になっている。フリーで制作発表、販売をしている者にとってはたいへんな痛手である。まぁ、この状況下では仕方がないと言えばそれまでなのだが。

今年の秋に久々に東京で『野鳥版画』の企画個展を企業が持つギャラリースペースで予定していた。1か月間のロングランで展示してくれる内容だったのだが。先月末にギャラリー・スタッフの方からメールが入り「10月からの展示もコロナ対策としていろいろと作家、来場者に条件が付きますがどういたしますか?」という内容だった。例えばどのような条件かというと「一度に会場に入れる方々の人数は5名までとする」とか「来場者には常にスタッフが付きます」とか、そのほかにも衛生面などの条件が列挙されていた。そして「長島さんの個展は来場者が多く、コミュニケーションもよく取られていますのでこの条件内容で満足していただけるかどうか。来年度に見合わせるという選択肢もありますよ」ということだった。とても良心的で親切なメールでのアドバイスだった。

しかし今年の作品発表の中心となる展示内容である。何日か迷ったのだが僕自身も作品を発表して販売するという目的以外に、常に来場していただいている方々とのコミュニケーションを重んじているのである。いつもリピーターとして来ていただいている方々の顔を思い浮かべながら個展の予定を延期することに決定しメールの返信をした。まさに苦渋の決断であった。ここは1つ現実を前向きに捉え個展の準備期間が延びたと思って、日々、作品制作に精進するよう覚悟を決めたのだった。

幸い今からなら来年の同じ時期に会場の予定を押さえることが可能だという。即答で回答した。しかしニュース等を観ていると、まだ東京では感染者数が上がってきたり、コロナウィルスの第二波が起こることが予想されたりしている。今後もこの状況がどうなっていくのかは解らない。来年の秋までには強力なワクチンが開発され、コロナが収束していくことを祈るのみである。

※画像は自粛生活の中、工房で『野鳥版画』を制作中の僕。


   
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408. 木口木版画の制作準備

2020-06-27 18:00:00 | 版画
今年ももう梅雨である。早くも1年の半分が終了しようとしている。今月に入り来年、再来年に予定している『野鳥版画』の個展に向け、木版画技法の1種である木口木版画制作の準備を進めている。

以前のブログにも書いたが僕の場合、最近では版画作品のイメージ・サイズによって使用する技法の種類を変えている。例えば大きな画面の作品や色彩を用いる時には扱いやすい板目木版画を、中ぐらいのサイズの場合には銅版画と板目木版画を、小さく細密な表現で制作したい場合には木口木版画を…といった具合である。特別意識はしていなかったが、あまりこうした方法をとっている版画家は日本では少ないかもしれない。「初めに絵ありき」でその表現を求めていった結果、こうしたスタイルに自然となっていた。

現在、日本では木口木版画の良質な版木を入手するのがとても困難である。あの手、この手、人に相談したりしながら何とか集めている。同業の版画家に譲ってもらったり、植木職人をしている友人に、椿などの樹種を予め予約しておいて仕事で伐採することがあったりした時に捨ててしまうようなものを丸太で持ってきてもらったりもした。もう15年以上も物置で乾燥させて眠っている版木用の丸太もある。この技法の発祥の国、ご本家イギリスでも良質な四角い寄木の木口木版画用の集成材を専門に扱っていたロンドンの画材屋さんが生産を辞めてしまった。他の木口木版画を制作している版画家も版木の入手には同様に苦労しているはずである。

そうして、ようやく入手した版木なのだから大切に扱わなくてはならない。そして厚さ3㎝ほどにカットした版木はそのままではノコギリの跡が残っているので彫れない。表面を研磨しなければならないのである。木口木版画の場合、細密な彫り跡にインクをのせて印刷するため彫る面はキッチリと平面が出ていなければならないのが鉄則である。今までは全て自分で電動サンダーという研磨機を使って時間をかけて研磨していたのだが今回初めて人にお願いした。たまたま年頭に出品していたグループ展の会場に木工職人で最近、木版画の版木の研磨も始めたという方が来場し営業に来ていたので名刺交換をして研磨作業をオーダーしてみた。板木として仕上がったものが今回、画像投稿したものである。樹種は椿と柘植の木である。

コロナ禍の影響で個展やグループ展の会期が中止や延期となり大幅に遅れているのだが、これから夏以降、木口木版画による『野鳥版画』の制作に集中しようと思っている。

※画像はトップが研磨された椿(ツバキ)の版木。下が同じく研磨された柘植(ツゲ)の版木と版の彫りに使用する木口木版画専用の「ビュラン」と呼ばれる彫刻刀。


   
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407. カルチャー教室が今月から再開となった。

2020-06-07 17:05:15 | カルチャー・学校
今月に入り僕が講師を勤める地元のカルチャーセンターが再開することとなった。新型コロナウィルスの影響で長い期間、講座内容によっては休講となっていた。特に政府より『非常事態宣言』が発出されてからは全教室を休講に踏み切っていた。
まぁ、習い事というものも「三密」に反するわけなのであるから仕方がないことなのだが。

受け持ちの講座の1つである「色鉛筆画教室」は2/18以来なので4か月弱の休講、もう1つの「木版画教室」は4/3以来なので、まる2か月の休講ということになっていた。もちろんこんな事態は僕個人としても16年間続けてきて初めての経験だった。最も心配したのは長い間の「自粛」により生活パターンが変わることで、再び戻って来れない生徒さんたちが出るのではないということだった。特にカルチャー教室に習いに来る方々は年配の方が多いので気がかりだった。

先月25日に『非常事態宣言』が全面的に解除になると、すぐにカルチャーセンター事務所から連絡が入った。「6月1日より教室を全面的に再開しますのでよろしくお願いします」ということだった。講師の承諾の返事の後、センター事務所から受講生全員に連絡が回ることとなった。そして「色鉛筆画教室」が今月2日から、「木版画教室」が5日からそれぞれ再開された。

再開当日、僕の心配とは裏腹に多くの方々が教室に復帰し、今月は一先ず見合わせて、来月から復帰するという方々も含めると、ほぼ全員が揃うことになった。それから最も心配していた体調も崩されている方は居らず、まずは安心して再スタートの運びとなったのである。もちろん開講にあたってはマスクの着用や入室にあたり手の消毒をする、お互いにソーシャル・ディスタンスを守る、必要以上の会話を避ける等といった制約がある。

何より、長く継続されて通われている生徒さんたちの元気な顔と声を久々に確認できたことが嬉しかった。今後、夏から秋へと向かってコロナが収束していき以前と同じように安心して、教えたり教わったりができる日が来ることを願っている。



             
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406. 美術学校のリモート授業が始まった。

2020-05-30 18:18:16 | カルチャー・学校
相変わらず工房での自粛生活が続いている。今年3月からの個展やグループ展、イベントなどが全て中止や延期となってしまったので制作の記事を中心としているこのブログにも投稿することがあまりなく月ごとの回数もめっきり減ってしまった。5月はこれが2回目の投稿となる。

そんな中、僕が非常勤講師としていくつかの実習を担当している東京のA美術学院がとうとう今月から「リモート授業に踏み切った」。A美術学院は東京でも3番目ぐらいに新型コロナウィルスの感染者数が多い地区に在るため、4月からの授業開始日を数回に亘って延期したりしてこの問題に対応してきたが、なかなか収束の見込みが立たず、そうこうしているうちに政府から『非常事態宣言』が発令されたりして常勤の先生方も会議を重ねる中で頭を悩まされてきた。
そんな中、多くの教育機関が取り入れ始めたデジタル機器による「リモート授業」を採用し、授業開始に踏み切ったのである。

今更だが「リモート授業」とは、例えば学校関係以外でもこのコロナウィルス発症から多くのジャンルでコミュニケーション・ツールとして取り入れられてきたのだが、具体的な例を挙げれば「Meet」などというツールを使用して音楽関係の「リモートライヴ・コンサート」、アート関係で言えば「リモート個展・グループ展」、それから若い年齢層が行っている「リモートコンパ(飲み会)」等、見たり、聞いたりしたことがある人は多いだろう。またコロナ以前にも中学・高校の英会話授業などにも取り入れていた学校もあった。有名なところでは我が国の首相が行った「リモートライヴ」で自粛生活を促すものはたいへん話題にもなったので覚えていることだろう。

つまり授業となるとどのようになるかというと予め美術学校からプログラミングされたパソコンが講師に送られてきて他の講師や学校スタッフによって数回のレクチャーと練習を行う。あとは実際に授業の日に「クラスルーム」や「Meet」を使用してリアルの授業と同じように講師と学生たちの顔合わせや出席をとるところからスタートし、パソコン画面上にあがった多くの学生の顔を観ながら授業を進めて行くのである。美術学校の実技実習なのでどうだろう?と不安に思っていたが、ラフスケッチや絵の途中経過の画像を個人個人がスマホのカメラで撮影し、パソコン内のボックスに送信してくる。これを観ながらチエックし指導すればリアルでのものと変わらずに進められるというものだ。僕も学生も自室に居ながらにして行えるのである。

もちろん、僕は初めての経験であり不慣れなことでもあるのだが、学校側も初めて、学生も初めてということなのである。まぁ、このパンデミック自体が世界中の人間が初めての経験なのであるからどのようなことが起こるかは予想もできないということである。

授業内容は以前にもこのブログでご紹介したが『変容』というタイトルで西洋マニエリスムの画家、ジョゼッペ・アルチンボルトの表現を例題としながら、さまざまな生物を組み合わせて新たな生物を創造してみるというものである。とりあえず先週1クラス目の授業が途中システム上のトラブル等が少しあったが、なんとか終了した。7月の末まで、あと5クラスの授業がある。その頃にはコロナが収束していき、リアルで学生たちの元気な表情を見ながら指導できる日が来ることを願っている。

※今回使用した画像は全て実際の授業中のものではなく準備、調整中のものとなっている。


        
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